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レーヴァティン

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第三十五話 北の大地その三

「どうしてもでござる」
「だからだよな」
「気候のことも考えることでござる」
 戦い、そして冒険を行うにあたってはというのだ。
「政治もまた然りでござるしな」
「寒い場所には寒い場所での政治があるか」
「そうなるでござる」
「そのことはよくわかっていないとな」
「本当に何も出来ないでござる」
「日本には日本の政治があってか」
 久志は彼等の本来いる世界の話もした。
「それで他の国には他の国のか」
「政治があるでござる」
「どの国も同じって訳にはいかないな」
「そうでござる」
 まさにというのだ。
「そこはしっかりと把握してでござる」
「政治もやるべきか」
「寒い国には寒い国の政治があるでござる」
「そして暑い国には暑い国の政治か」
「そういうことでござる」
「成程な、そういうことか」
「この島も同じでござる」
 彼等が今いるこの世界のというのだ。
「それぞれの地域の政治があるでござるよ」
「まあな、このとんでもなく寒い場所にいたら」
「それこそだね」 
 淳二は自分の息が白いのを見た、久志達もそれは同じだ。
「ここに合った政治が必要だね」
「ああ、服とかカイロと同じだな」
「その場所のことを完全に理解する」
「それが大事だね」
「そういうことだな、ただ何かここはな」
「どうしたの、今度は」
「いや、歩いていてな」
 そうしていてというのだ。
「結構経つけれどモンスターに合ってないな」
「寒いから生きものも人も少ないし」
「モンスターもか」
「いないんじゃないかな」
「そういうものか」
「うん、やっぱり生きものは快適な場所に多く棲むから」
 人間にしても同じだ、快適な場所に多く集まる。だから国や地域によって人口も大きく違うのである。
「だからね」
「モンスターも少ないか」
「いるにはいてもね」
「生態系ってことか」
 正は周りを目で見回しつつ話した。
「つまりは」
「そういうことだね」
 淳二は正にも応えた。
「モンスターも生きものだしね」
「しっかりと生態系の中にいるか」
「そうなるよ、それでこうした場所にいるモンスターは」
「やっぱり寒冷地のやつだよな」
「巨人も独特だしね」
「連中はこうした場所にも出るんだな」
「霜の巨人とかね」
「全身銀色と白で凍っていて口から凍気を吐くんだよね」 
 その巨人についてだ、久志は述べた。
「普通の巨人とはかなり違うんだよね」
「普通の巨人も出るらしいけれどね」
「そっちの巨人も出るらしいね」
「そうみたいだね」
「霜の巨人はそんな感じか」
 そちらの巨人の話を聞いてだ、久志は考える顔になって述べた。
「じゃあ火に弱そうだな」
「火で溶かしますか」
「ああ、霜ならな」
 それならとだ、久志は順一に返した。
「やっぱり火だろ」
「そういうことですね」
「相手の弱点で攻めて倒すってことでな」
「実際に寒冷地のモンスターには火が効果ありだよ」
 淳二もこのことは確かだと話す。 
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