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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第2章融合世界!昭和ライダー
  第37話『さらばクジラ怪人』

雅がこの世界に来る少し前、暗黒結社ゴルゴムの大怪人、海のダロムと地のバラオムは海辺の崖で言い争いをしていた。
「バラオム、この地上の人類はあまりにも数が多い。そこで、私は今からこの生物を絶やす毒をこの海に撒く。」
「やめろ、ダロム!何を言っているのか、解っているのか貴様!」
「しかし、人類をより早く滅ぼす手段には変えられない。」
「お前は海の大怪人。そんなことをすれば海の怪人達がどうなるか、わからないお前ではないはずだ!そんなことをすれば、海の怪人達は死滅してしまう!」
「そんなもの、人類を滅ぼしてから増やせばいい。」
「ダロム!お前には付き合っていられない!このことはシャドームーンと創世王様に伝える。わかったな!」
バラオムはダロムに念を押して去って行く。
(バラオム、愚かな奴め。私が既にゴルゴムを捨て、大ショッカーに寝返っているとも知らずに。さて、どうやらこの世界にディロードが来たようだ。少し小細工でもしておくか。)
ダロムは心の中で思っていた。

「BLACKの世界か…」
「ここは、どんな世界なんですか?」
「仮面ライダーBLACKの世界は、ゴルゴムという暗黒結社が、五万年に一度首領の創世王の肉体を換えるために月食の日に誕生したゴルゴムの子供を創世王の肉体に相応しい存在、世紀王に改造させ、改造人間の王にされる世界だが、この時に二人の候補が誕生し、ゴルゴムはそれぞれに太陽を司るブラックサンの、月を司るシャドームーンの石を与えた改造人間に改造した。しかし、ブラックサンの石を与えた南光太郎は間一髪で育ての親に助けられてその力を正義の為に使う戦士、仮面ライダーブラックとなり、最終的にシャドームーンの石を与えた自身の兄弟のような存在、秋月信彦が変身するシャドームーン率いるゴルゴムと戦う世界だ。」
「それで、雅の使命は?」
「ブラックに協力する、海洋学者が改造された怪人、クジラ怪人が殺されるようにすることだ。」
「どうして、協力者なのに?」
「クジラ怪人は、何度もブラックを助けた罪で殺される運命にある。死ななければならない命なんだ。辛いことだが、それも僕の使命だ。行ってくる。」
雅は説明を終えると、町へ出て行った。

雅がマシンディローダーに乗り、暫くすると不思議な張り紙があり、雅は張り紙を見る。
「なんだ、これは!」
雅が驚くのも無理はない。そこには、『この男を見つけたら捕まえろ!賞金を与える! 暁町自警団』そう書かれて、雅の人相書きが書かれていたからだ。
「一体誰がこんなことを?」
雅が悩んでいると、
「見つけたぞ!」
「悪党め!」
「金だ金だ!」
数人のヤンキーが現れる。
「なるほど。これは困った。」
雅はマシンディローダーから降りる。すると、ヤンキー達は雅に殴りかかる。しかし、雅は容易く躱し、
「一体何ですか!今日初めてここに来たのに、どうしてこんな張り紙が!」
雅はヤンキー達に聞こうとする。しかし、
「黙れ!お前を捕まえれば、ダロム様が俺達をゴルゴムの一員にしてくれる!」
「そうよ!だからとっとと捕まりなさいよ!」
ヤンキー達は雅に対する攻撃をやめなかった。
「何っ!ゴルゴムの仕業か!だが、生身の人、それも武術の心得一つない人に凪風流は危険だ。ここは逃げるしかない!」
雅は走って逃げるが、ヤンキー達は追いかけてくる。
「なかなか捲けないな。」
走れど走れど追いかけてくるヤンキー達に雅は困っていたが、その時、
「君、こっちだ!」
何者かの声を聞いた雅は横道にそれる。ヤンキー達も曲がり、その近辺を探すが、雅は見つからず、ヤンキー達は去って行く。
「助かりました。ありがとうございます。南光太郎さん、仮面ライダーブラック。」
「何故、僕の名前を?」
「僕は凪風雅。仮面ライダーディロードとして、別の世界から来ました。」
「別の世界?つまり、多次元宇宙からか?」
「広義的に言えば、その通りです。」
「なるほど。雅君、この町は既にゴルゴムに支配された土地なんだ。雅君は、ゴルゴムにとって都合の悪い何かがあるのか?」
「いいえ。これは推測ですが、ゴルゴムは僕の事を多分知りません。」
「ではどうして雅君を狙った?」
「きっと、ダロムの仕業だと思います。僕の世界は、様々な悪が集まった大ショッカーという組織に滅ぼされたのですが、僕の世界を滅ぼしたメンバーにダロムがいました。きっと、神官の時代から既に大ショッカーに寝返っていた可能性があります。」
「確かに、あり得る。雅君、教えてくれてありがとう。」
雅と光太郎が互いに状況を説明しあっている。すると、
「へえ~。そうなんだ。でも、そんなことはどうだっていい。この世界のお宝、キングストーンは僕がいただく!」
ディエンドが現れる。
「海東大樹!光太郎さん、隠れて下さい!」
【FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
雅はディロード ライトニングフォームに変身する。
「悪いが、今はかまっている暇はない!ブリッツアクション!」
ディロードは速度上昇の魔法でディエンドに近づく。
「ハーケンスラッシュ!」
ディロードはバルディッシュのハーケンモードで打ち上げるように切り上げ、
「ジェットザンバー!」
[jet zamber]
バルディッシュをザンバーモードに切り替えて必殺の斬擊でディエンドを変身解除させる。
「やはり上手くいかないか。仕方がない。諦めよう。」
海東はそう言って次元のオーロラに去って行った。
「彼は一体?」
「彼の名前は海東大樹。ディエンドという戦士に変身し、その力で様々な世界の宝、この世界でいうならば光太郎さんの中にある太陽のキングストーンのようなものを盗む為にその力を使っています。」
「何!雅君はそんな奴とも戦っていたのか。」
光太郎は驚いていた。

その頃、雅に逃げられたヤンキー達はダロムに報告していた。
「ダロム様、見つけはしましたが、逃げられました!」
「お前達、何をしている。まあいい。この町に仮面ライダーブラックも来ていることがわかった。お前達に次の役目を与える。」
ダロムはヤンキー達にある指示を出す。

裏路地で隠れている雅と光太郎であったが、辺りが騒がしくなり、気になり始める。
「一体何の騒ぎでしょうか?」
「雅君は隠れていないと危険だ。僕が様子を見てみるよ。」
手配対象となっている雅を隠す為に光太郎は覗き込むように顔を出す。すると、そこには網に囚われたクジラ怪人がジープのような車に括り付けられて引きずられていた。そして、それを運転していたのは先程のヤンキー達であった。
「皆さん、我々暁町自警団はゴルゴム自警団として、ゴルゴムという素晴らしい団体の為に働きます!ですが、我々は今まで通り皆さんの平和の為、自警団としての活動も忘れません!しかし、裏切り者には容赦しません。このクジラ怪人は、我々ゴルゴムを裏切りました!よって、その罪を償わせる為に、そして見せしめとして、処刑します!」
女性ヤンキーがメガホン越しに町民に伝える。
「クジラ怪人!」
「光太郎さん、行きましょう!」
雅と光太郎はヤンキー達を止める為に表に出る。
「そこまでだ!」
「君たちはゴルゴムの恐ろしさを知らない!ゴルゴムは君たちを利用するだけ利用して捨てる気だ!これは、ゴルゴムに改造された僕だから言える!」
雅と光太郎はヤンキー達を止めようとするが、
「ダロム様の言った通りだ!俺達の罠に気づかず、目先のクジラ怪人に躍らされるとは!ダロム様、お願いします!」
ヤンキー達の言葉を聞き、ツノザメ怪人とトゲウオ怪人を連れてダロムが現れる。
「現れたか南光太郎、そして装填の守護者ディロード。」
「今の僕は、仮面ライダーディロードだ。」
「そんなことはどうでもいい。」
「ダロム様、これで俺達もゴルゴムの一員になれるんですよね!」
「いかにも。我々も丁度困っていたのだよ。……………怪人達の実験台に。」
「どういうことだ!話が違う!」
「そもそもお前達は勘違いをしている。ゴルゴムに必要なのは優れた頭脳、運動神経、そして権力。どれひとつとして持ち合わせていないお前達はゴルゴムに必要ないのだよ。」
驚くヤンキー達にダロムは冷たく言い放つ。
「そんな…騙されていたのかよ…」
「さあ、お喋りはこれくらいで終わりだ。やれ、ツノザメ怪人、トゲウオ怪人。」
ダロムは怪人達に指示を出してクジラ怪人を攻撃させる。元々戦闘能力は皆無に等しく、その上今まで弱らせられていたこともあり、また、ダロムが用意した怪人は攻撃性能に特化していたため、クジラ怪人は為す術もなく2体の怪人の攻撃によって殺され、その亡骸は消滅してしまう。
「クジラ怪人!雅君、行こう!」
「はい!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「「変身!」」
光太郎はブラックに、雅はディロードに変身する。
「仮面ライダー………ブラック!」
「仮面ライダー……ディロード!」
二人の黒き仮面ライダーは高らかに名乗りを上げる。
「光太郎さん、ダロムは僕にやらせて下さい!」
「わかった!怪人達は任せろ!」
ディロードはダロムと、ブラックは2体の怪人と戦闘を始める。
「ダロム!父上を、母上を、望実を、流夜を、僕の世界を殺したお前を、僕は許さない!」
ディロードの拳は、三葉虫の改造人間で防御の硬いダロムにさえ着実にダメージを与えていた。
「何なのだ、この凄まじい力は!ディロードの力はあの時既に調べあげたはず。この力は予想外だ!」
「ダロム!お前には絶対に分からない!正義と人々の安寧を願う仮面ライダーの、悪への怒りの一撃を!」
ディロードの猛攻は続いていく。

「ライダー…チョップ!」
ブラックはライダーチョップでツノザメ怪人の頭角を破壊する。
「ライダー…パンチ!」
更にブラックはライダーパンチをトゲウオ怪人の腹部に当て、トゲウオ怪人はそのダメージで撃破される。
「ライダー…キック!」
ブラックはキングストーンにエネルギーを溜めて放つ必殺のキック、ブラックキックを放ち、ツノザメ怪人を撃破する。

「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER BLACK-】
ディロードはブラックの世界のワールドホープを発動。ファイナルアタックライドのカードがライドカードケースから飛び出す。
「これを使えばいいのか。」
【FINAL ATTACK RIDE-DE DE DE DELOAD-】
ディロードがカードをスキャンすると、ディケイドを除くクウガからフォーゼまでの平成主役ライダーが出現する。
「ようやく使えるようになったか!ダロム、一気に決めるぞ!」
出現したライダーと共にディロードはジャンプする。そして、出現したライダー達がダロムにキックを放ってゆき、
「終わりだ!ディメンションヒストリー!」
とどめのキックをディロードが放ち、ダロムは吹き飛ばされる。
「おのれ、仮面ライダーディロード。」
ダロムは一言言い逃げて行った。
「ごめんなさい、俺達が間違っていました!」
雅を攻撃していたヤンキー達は雅に謝る。
「いえ、貴方達はダロムに騙されていただけの、被害者です。」
「でも、俺達はお詫びがしたいんです!」
「なら、本当にこの町の為になること、この町に貢献することをして下さい。それだけで、僕は充分です。」
「ごめんなさい。ありがとうございます!」
ヤンキー達は散り散りになって張り紙を剥がしていく。
「では、光太郎さん、僕もこの辺でお別れです。」
「そうか。雅君も別の世界に行かないといけないのか。」
「はい!」
「次の世界でも、元気にやるんだ!」
雅と光太郎は一度握手を交わして、雅はブラックの世界を去った。

一方、ゴルゴムの拠点に戻ったダロムは、シャドームーンに追いつめられていた。
「ダロム、よくもゴルゴムへの忠誠心を捨てたな。」
「何の事でございますか、シャドームーン。」
「惚けても無駄だ。貴様の裏切りに気づかぬ私と創世王ではない。貴様がどこまで裏切っているかと思えば、バラオムにすら怪しまれるほどとは。」
シャドームーンは世紀王に与えられる剣、サタンサーベルでダロムの首を切り裂き、ダロムを倒す。

「次はBLACKの続編、仮面ライダーBLACK RXの世界か。」
絵巻には一人の少女と、地面から湧く水を浴びる南光太郎が描かれていた。
つづく

次回、仮面ライダーディロード
クライシス帝国の最強怪人が雅を襲う。立て、フェイト。ワールドホープを繋ぐのだ!次回、『最強怪人現る!雅危うし』ご期待下さい 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーBLACK(ワールドホープ):仮面ライダーBLACKの世界のワールドホープ。ディロードの必殺技、ディメンションヒストリーが解禁される。 
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