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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第2章融合世界!昭和ライダー
  第30話『さらばライダーマン/世界の秘密』

仮面ライダーV3、風見志郎は改造人間である。謎の秘密組織デストロンに重傷を負わされたが、仮面ライダー1号2号によって改造手術を受け、仮面ライダーV3として蘇ったのだった─

「また不安定な世界と融合したものだ。とりあえず、リトルバスターズの世界の様子を見に行かないと。ついでに学校にも行かないといけない。」
雅は『リトルバスターズ!』の世界の制服を着て準備をしていた。
「私達は?」
「今までのように僕の留守の間、守っていてほしい。それじゃ、行ってくる。」
雅は扉を開けて出て行った。
「雅は、なんでワープのアタックライドがあるのにわざわざ徒歩やバイクで行くのかしら?」
梨花は疑問に思っていた。

「やべえ、遅刻だ遅刻!」
「一体誰の所為だと思っている。」
「お前たちうっさい!」
雅が玄関口に着くと、がたいの良い少年と何故か指定制服を着ないで道着を着ている少年が走りながら喧嘩し、その後ろでそのメンバー唯一の女子生徒が指摘していた。
「このままでは全員遅刻だ。真人、謙吾で鈴を教室に投げ入れろ!」
その中で唯一の上級生が、先ほど喧嘩していた2人に指示を出す。
「どうやって!?」
がたいの良い少年、井ノ原真人が質問する。
「互いに腕を組んでその上に鈴が乗る。後はお前たちの力で鈴を上に投げ入れる。すると、そこはもう教室ってわけさ。」
上級生─棗恭介が説明する。
「つまり、ショートカットってことか。」
真人は納得する。
「時間が無い!急げ!」
恭介は指示を出す。
「仕方が無い。いっちょやるか、謙吾の先生よぉっ!」
「ああ!」
道着を着た少年、宮沢謙吾は先ほどの指示通りに真人と腕を組み合う。そして、組み合わせた腕に恭介の妹、鈴が乗り、
「行っくぜぇぇぇ!」
「うぅおらぁぁー!」
真人と謙吾は互いに力を加減し、開いている窓に鈴を投げ入れる。
「よし、ミッションコンプリートだ。」
恭介はそう言い走っていると、雅が目に入る。
「お前たち、早く行け。」
恭介が言うと、
「恭介、それはこっちの台詞だよ。」
『リトルバスターズ』の世界の主人公、直枝理樹が呆れるように恭介に言う。
「いや、もしかしたら一人メンバーが増えるかもしれない。だから先に行ってほしい。」
「わかった。後で結果を教えてね。」
「どーせ無理だろうけどな。」
恭介の言葉を聞き、理樹と真人は恭介に一言残して玄関に入ってゆく。
「さて、お前が凄まじい運動能力で噂の凪風雅か。」
「そうですが?」
「ズバリ、俺達が作る野球チーム、リトルバスターズに入ってくれないか?」
恭介は雅に質問するが、
「毎回、僕がこの世界に来る度にするこの会話、やめませんか?言ったことがあるとおもいますが、僕はこの世界の秘密、虚構世界のことは知っている。そして、この世界は貴方達自身の手で救わないと崩壊することも。」
雅は恭介に話の核心を突く。
「なら何故俺達の世界に来た?」
「来たくて来たわけではありません。この虚構世界の方が、別の世界と融合し始めているので、被害が出ていないか確認に来ただけです。」
「そうか。それで、お前はどうするんだ?」
「変わりません。今まで通り、野球対決を行い、僕が勝ってリトルバスターズにはそれ以上関わらず、立ち去るだけです。」
「わかった。じゃあいつも通り、昼休みにグラウンドに来てくれ。」
「分かりました。」
雅と恭介はその場を後にした。

チャイムが鳴って昼休み、グラウンドに着いた雅の前には謙吾を除いた今朝の四人がいた。
「それで、この人が、恭介の言っていた凪風君?」
理樹は恭介に確認をとり、恭介は頷く。
「なんか筋肉が薄っぺらいな。大丈夫なのか?」
「それには及ばないさ。」
真人の感想に恭介は真面目に答える。
「正直どーでもいい。」
鈴の感想は無視される。
「で、凪風はとても強くてチームの即戦力になり得るのだが、嫌がっている。だから野球で勝負をつけようと。」
「相変わらずだね、恭介。」
「ルールは、先に相手をバッターアウトにするか、グラウンド越えを3本出すかだ。凪風も、それで納得した。凪風、先攻と後攻、どちらがいい?」
「先攻で。」
「中々、珍しい判断だな。それじゃ、始めるか!」
対決は、雅の先攻から始まる。投手の鈴は一球目を投げる。ボールはあらぬ方向へ流れかけるが、
雅は腕を伸ばして力いっぱいに振り、早くも1本先取する。続いて、リトルバスターズの攻めは恭介が担当。雅は投げる構えをとり、
(─息吹け、風の導き─)
速度上昇の魔法をボールにかけて投げる。虚構世界のマスターとして、様々な特権を持つ恭介だが、時速250kmの球道を一瞬で捉えられず、ストライクとなる。
「珍しいな。恭介が不利になるなんてな。」
真人は感心している。雅はその後も同じ手法を使って恭介をバッターアウトにしてしまう。
「無理だ。これ以上は時間の無駄になる。勝負は俺達の負けだ。凪風、迷惑をかけた。」
「けどよ、恭介。あんなにあっさり退くなんて、らしくないぜ。」
恭介はリトルバスターズ連れて去ろうとするが、真人は恭介にそう言う。
「勝てない敵も世の中にはいる。それを超える為に特訓をする。展開的に燃えないか?」
「いや、まったく。」
恭介の言葉を鈴は即座に否定する。
「そうか…」
後ろ姿を見せながら歩いてゆく雅を見ながら、恭介は鈴にそう言った。

学校を去り、雅は仮面ライダーV3=風見志郎とあっていた。
「君が、本郷さんと一文字さんが言っていた未来から来た仮面ライダー、ディロード。凪風雅君だね?」
「はい。お初にお目にかかります、凪風雅です。明日、ヨロイ元帥はプルトン爆弾を落とす作戦を実行するはずです。その為に、事前の打ち合わせをしたいので本日は来ました。」
雅と風見は握手を交わす。
「雅君、俺のつかんだ情報では、ヨロイ元帥はプルトン爆弾の発射を成功させる為に俺達仮面ライダーを足止めしながら都市を制圧するD作戦というのを同時に行うらしい。どちらがD作戦を対処する?」
「それは僕に任せて下さい。風見先輩はヨロイ元帥と、デストロンの本拠地をお願いします。」
「ああ。お互い、検討を祈ろう。」
雅と風見は翌日の打ち合わせをして、その場で別れて行った。

「ただいま。」
雅は帰宅する。
「雅、リトルバスターズの世界を救うんじゃなかったの?」
フェイトが質問する。
「だから、ああやって救ったんだ。」
「あれじゃあ、何もしていないように見えるけど…」
「ああ。何もしないで立ち去った。」
「でも、さっき…」
「あの世界は特殊で、僕の干渉を拒絶するんだ。」
「どうしてわかるの?」
「そうだった。みんなには話していなかったね。あれは僕が旅を始めて、四年目の頃だった。僕はリトルバスターズの世界に始めて行った。僕はその頃、リトルバスターズの世界をよく知らなくて、あることがきっかけで、彼らの世界を崩壊させてしまったんだ。」
「…いったい、何をしたの?」
「彼らの仲間になった。それだけだ。」
「どうして。だって雅の救いを求めているんじゃ─」
「フェイト、彼らの世界は特殊なんだ。それから話そう。リトルバスターズの世界は、一見平和な世界に見えただろうけど、あの世界はリトルバスターズのメンバー達が作った、偽りの世界。彼らは修学旅行の時にバスが事故を起こして全員死ぬはずだった。しかし、真人さんと謙吾さんが、理樹さんと鈴さんを庇った事で2人は意識を失う程度の軽傷で済んだ。しかし、目を覚ました瞬間の絶望的な光景を前に、それが無駄になってしまう。そこで恭介さんは願った。2人に強くなって欲しい。こんな残酷な現実を見ても、心が折れず、絶望しないように。その時、リトルバスターズのメンバーの願いが集まり、一つの大きな夢の空間が生まれた。それは、理樹さんがリトルバスターズを再開しようと言った5月13日から事故が起きる前日の6月20日を繰り返し、理樹さんと鈴さんの心を鍛えようというみんなの思いが纏まった空間。そして、理樹さんが抱えている眠り病をその一部に組み込む事で、それは実現した。つまり、あの世界はリトルバスターズのメンバー十人で戦わないと崩れる世界なんだ。そして、僕が行く時は、その偽りの世界では無く、現実世界の恭介さんのサポートしか、僕に出来ることはない。」
雅は説明を終える。
「それなら、今回も現実世界のサポートに行けば─」
「いや、それが、今回融合したのが、虚構世界だけだから、僕も半端に手出しが出来ないんだ。」
雅は、その無念を伝える。
「そうだったんだ…」
フェイトは、話を聞いて落ち込んでいた。
「大丈夫。風見先輩の世界を救えば、みんなを救えるから。僕はその為にも、明日は頑張らないと。」
雅はそう言って、夕食の準備を始めた。

翌日、風見と雅はデストロンの再生怪人を前にしていた。
「ここから先へはいかせない!」
オニヒトデはそう言いながら雅を攻撃しようとするが、雅はロードスラスターでオニヒトデのヒレを切り裂く。
「風見先輩、ここは僕に任せて、先輩はヨロイ元帥の所へ!」
「ああ!」
風見はバイク、ハリケーンに乗って先に進む。
「行かせるか!」
デストロン怪人は追いかけようとするが、雅が妨害する。
「ここからは、僕が相手だ。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。

ディロードが戦闘をしている頃、風見はプルトン爆弾の発射場所に着いた。
「よく来たな、風見志郎、仮面ライダーV3!」
ヨロイ元帥はそう言うとマントを翻してザリガニの怪人、ザリガーナに変身する。
「行くぞ。ふんん、変~身、ブイスリー!トウッ!」
風見はV3に変身する。
「私の目的はV3、貴様の足止め。プルトン爆弾さえ発射すればこちらのものさ。」
ザリガーナはその鋏でV3を攻撃するが、片手で受け流してゆく。

一方、ディロードは数圧しに苦戦していた。
「こういう時は!」
ディロードはライトケータッチを取り出す。
【KUGA AGITO RYUKI FAIZ BLADE HIBIKI KABUTO DEN-O KIVA FINAL KAMEN RIDE-DELOAD SIDE LIGHT-】
ディロードはコンプリートフォーム サイドライトにパワーアップ。
【FAIZ KAMEN RIDE-BLASTER-】
ディロードはファイズ ブラスターフォームを召喚し、2人の射撃でデストロン怪人を殲滅してゆく。

「ふっふっふっ、その程度でどうにかなると思わないことだな。」
その頃、V3は徐々にザリガーナに圧されていた。すると、プルトン爆弾が発射してゆく。
「馬鹿な!まだ時間ではないぞ!何をしている!」
ザリガーナは内部と連絡をする。すると、
「俺は、自分で作った史上最悪の兵器を、安全に破壊するだけだ!」
その連絡に応じたのは、デストロンの裏切り者である結城丈二が変身する戦士、ライダーマンであった。
「貴様、何故そこに!」
「デストロンは悪魔のような組織、そして俺はそこに魂を売ってしまった。これくらい、罪の償いにすらならないが、プルトン爆弾を正しく破壊出来るのは俺くらいだ!」
ライダーマンはそう言うと、プルトン爆弾の安全装置を外す。
「ああ!ロケットが飛んでゆく!」
ザリガーナは唖然とするしかなかった。

「とうとうこの時が来ましたか。結城先輩、あなたにも、希望を届けます!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER V3-】
ディロードはV3の世界のワールドホープを発動。プルトン爆弾は上空で爆発する。

「ライダーマン!よくやってくれた。君は人類を守った。君は英雄だ。俺は君に、仮面ライダー4号の名前を贈るぞ。ライダーマーン!」
V3は空でに散ったライダーマンに賞賛の声をあげる。
「おのれ!こうなれば、必殺!甲羅崩し!」
ザリガーナは、自身の装甲を粉砕し、その破片をV3に投げつけるか、見事に躱されてしまい、
「行くぞ!V3反転、フルキック!」
V3はザリガーナに必殺のキックを放つ。装甲を失っていたザリガーナは体液を散らしながらデストロンの基地へ逃げてゆく。

「僕の役目は終わりか。再生怪人も倒したんだ。長居は出来ないか。」
雅は変身を解除し、帰ってゆく。

「なるほど、Xの世界はまだ被害が出ていないのか。早いうちに決着をつけよう。」
絵巻には、巨大なロボットに挑もうとする銀の戦士が描かれていた。
つづく


次回、仮面ライダーディロード
まだ融合していない世界。しかし、RS装置を狙って、あの男が現れる。『GOD機関の最後』だ。ミッションスタート! 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダーV3(ワールドホープ):V3の世界のワールドホープ。ライダーマンに仮面ライダー4号の称号が贈られる。 
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