仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第2章融合世界!昭和ライダー
第29話『9人の仮面ライダー/雅のカラオケ絶唱』
仮面ライダー、本郷猛、一文字隼人は改造人間である。彼らを改造したショッカーは世界征服を企む、悪の秘密結社である。仮面ライダーは、人間の自由と平和の為に、ショッカーと戦うのであった─
雅達が新たな世界に着くと、突然扉が叩かれた。
「どちら様ですか?」
雅は扉越しに尋ねる。
「雅君か。私だ、鳴滝だ。君に協力を仰ぎたい。」
扉の外にいる鳴滝はそう言う。
「何故今更協力を仰ぐのですか?」
「世界の危機に、悠長なことを言っていられるか。」
「それなら、話によっては協力しますが、僕達を攻撃しない保証は?」
「それなら、君達と話している間、私の持つオリジナルのディケイドライバーを預けよう。それならどうだ?」
鳴滝は提案する。
「なるほど。命と同等の物を担保にするということですか。」
雅が納得すると、
「雅、もしかしたら罠かも。もし、ディロードライバーと同じ仕組みだったら─」
フェイトが雅にそう言った。
「大丈夫だ。僕の知りうる限り、ディケイドライバーにその機能は無い。安心して大丈夫だ。鳴滝、入っていい。」
雅は扉を開ける。すると、傷だらけの鳴滝がそこにはいた。
「鳴滝!みんな、寝かせられる場所を作ってくれ!」
雅は指示を出し、鳴滝を移動させる。
「背中は大丈夫ですか?」
「なんとか。」
雅は鳴滝を寝かせる。
「雅、治療道具を持ってきたわ。」
梨花は雅に渡すが、
「大丈夫だ。ロードスラスター、ユナイトアウト。」
雅がそう呟くと、ロードスラスターは鬼狩流桜とセイクリッドグリッターに分離する。
「届け、光風の癒し。」
雅は治療用魔法を用いて鳴滝の傷を癒してゆく。
「これで、外傷は塞がった。後は、血や膿を拭かないと。消毒液とガーゼを渡して。」
雅は梨花から道具を受け取り、治療を終わらせる。
「ロードスラスター、ユナイト。」
雅は鬼狩流桜とセイクリッドグリッターを再びロードスラスターに戻す。
「ありがとう。まさかア……雅君の魔法がここで役にたつとは。約束だ、ディケイドライバーを預けよう。」
鳴滝は雅にディケイドライバーを渡す。
「一体、何があったのですか?」
「ああ。大ショッカーはZXの世界の兵器、時空破断システムを使い、世界を破壊し始めた。私は必死に止めたが、やはり多勢に無勢。この有様だ。奴らは、時空破断システムを利用し、複数の世界を一体化させることで滅ぼそうとしている。既にいくつもの世界が被害にあっている。」
「つまり、時空破断システムの影響で、この『仮面ライダー』の世界と、『らき☆すた』の世界が融合しているということですか?」
「ああ。それで、私一人では手に手に負えないから助けてほしい。」
「なるほど。では何故、今まで僕に協力したり、刺客を差し向けたりしていたのですか?」
「それは、君の力を試す為のことだった。済まない。」
「事情さえ分かれば大丈夫です。これからは、ともに世界を護りましょう。」
雅は手を差し出す。
「いいのか?私は君を試していた男だぞ?」
「だからこそ、信頼しているのだと思います。」
「そうか。ありがとう。」
鳴滝は雅の手を握ります、握手を交わす。
「雅君、ありがとう。私はそろそろ行く。融合した世界を救うには、片方の歪みを正せば解除される。この世界で例えるなら、ショッカーライダーによって1号と2号が倒される未来を変えれば救える。私は今から『宇宙刑事シャリバン』の世界に行ってくる。雅君も、検討を祈る。」
鳴滝は雅からディケイドライバーを受け取り、次元のオーロラを通って行った。
「さて、僕も行くか。この時代のお金は少ない。ちょっと稼いでくるよ。」
「雅、どうやって?」
「これを使う。」
【CHANGE RIDE-ZBATT SUIT-】
雅はディロードライバーにズバットスーツのカードをスキャンし、ディロードライバーはギターに変わる。
「よく、路上でライブを開いている人がいるだろう。それをやる。どの道長く居ないなら二千円程度集まればなんとかなる。」
雅はズバットスーツケースを背負って行ってしまう。
「さて、始めるか。」
雅は足下に笊を置いてギターを弾き始める。
「♪赤い 夕日に 燃え 上がる 君と 誓った 地平線 嗚呼 愛しても 憎んでも ルールルー ルールルルルルー 帰らないぃ君とふたり… 遥か 果てない 地平線んんん」
雅が1曲歌うと、そこには四人組の女子高生がいた。
「お兄さん、いい曲を歌っているね。今から私と歌わない?」
その中で一番小柄な少女は雅にそう言った。
「歌うって?」
「カラオケに行かない?ってことだよ。」
「お金が無いから、こうして路上ライブをやっているのですが。」
「いいよ、私が出してあげよう!」
少女は、無い胸を張る。
「こなた、あんた何言っているの!いきなり見ず知らずの男の人にそんな。」
「いいのいいの。だって私の話に付き合えるかもしれないんだよ?それは珍しいって、かがみも思わない?」
こなたと呼ばれた少女は普通の反応をした少女、柊かがみに反論し、その場にいる全員が黙ってしまった。
「分かりました。代金は自分で払いましょう。」
雅の提案でこなた達は納得した。
「それじゃあ、僕から始めますね。」
雅は曲を予約し、機械から音楽が流れる。
「♪遥か次元に隠された 君のジュエリー 狙い来る 帝王 ゲンバー 悪い奴 地球の平和 守るため 正義の声で 戦うぞ! スラッガー 真っ赤な拳 スラッガー ローズの勇気 オーオー 緑の大地 青い空 絶叫!シュババババーン! ボイスラッガー」
「いきなりボイスラッガーとは、コアだねぇ。」
かがみ達が引いている中、こなたは大はしゃぎであった。
「今日はご迷惑おかけしました。」
雅は一言謝る。
「いいよ。どうせ今日はカラオケに行くつもりだったし。」
こなたは親指を立ててそう言う。
「それでは、失礼します。」
雅は去り目的の場所、アンチショッカー同盟の拠点に向かう。
「行くぞ、一文字。」
「ああ、本郷!」
仮面ライダー1号、2号のダブルライダーは翌日に迫ったショッカーライダーとの決戦に向けて新技の特訓をしていた。2人は互いに適度な距離で互いを追いかけるように円を描き走る。そして、
「「トウッ!」」
2人はジャンプするが、タイミングが合わずぶつかって落下する。
「猛、隼人!そんなんじゃ勝つなんて夢のまた夢だ!」
2人を支える理解者でありサポーターでもある壮年男性、立花藤兵衛はダブルライダーは叱る。その時、
「互いが対角線に立っているのが、原因ではないでしょうか?」
雅が現れ、ダブルライダーに言う。
「坊や、なんでこんな所にいるんだ!ゲルショッカーのスパイか!?」
藤兵衛は雅に言う。
「いいえ!皆さんに協力したいのです。」
雅はそう返す。
「詳しく、話を聞かせてもらえないか?」
ダブルライダーは変身を解除し、雅に質問する。
「本郷先輩は、空間多元論、世の中には今いる世界とは別の世界があると信じられますか?」
「俺のいた研究所でも、その話は出ていたが、君は別の世界から来たというのか?」
「その通りです。」
雅は本郷の推測を肯定する。
「そんな馬鹿な話があるか。」
藤兵衛は否定するが、
「僕の住んでいた世界は、ショッカーの残党が他の悪の組織を吸収した大組織となって、侵略してきました。僕は、悪の組織を倒して、全ての世界を救う為に世界を旅していました。」
「それじゃあ、証拠は?」
雅は説明し、一文字は証拠を求める。
「分かりました。」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身する。
「僕はこの力を使い、様々な悪と戦ってきました。」
雅は変身を解除する。
「先ほどの姿は?」
「あれは、あの力に僕が選ばれ、僕が護ることを選んだ姿です。ショッカーを倒しても、悪は絶えず、人々は救いを求めます。そして、その願いは正義と平和を護る戦士、仮面ライダーを生み出しました。」
「悪はショッカーだけでは無いが、悪がはびこる時に、仮面ライダーは誕生する、ということか…」
「はい。そうして僕も、仮面ライダーディロードとして多くの悪と戦ってきました。」
「君のことはよく解った。今は我々に協力し、ショッカーを倒そうということか。」
「はい。その為にも、僕に協力させて下さい。」
雅は頭を下げる。
「わかった。一文字、彼なら大丈夫だろう。」
本郷は雅を受け容れる。
「それなら、どうやって今の問題を解決する?」
「あれは、対角線上で同じタイミングでジャンプしたのが原因です。つまり、僕が入りショッカーライダーをふたりずつ引き連れて走り、タイミングを合わせて本郷先輩、一文字先輩、僕の順番で飛び、ぶつかるタイミングで身体をそらせることで軌道から逸れれば大丈夫です。」
「なるほど。それで試してみよう。」
一文字の質問に雅は答え、本郷は実験に移ろうとする。
「今だ!」
1号の合図に合わせ、一人ずつ飛ぶ時間を2秒遅らせてジャンプ。すると、人数は2人から3人に増えたにも関わらず誰もぶつからずに成功する。
「これだ!」
1号、2号、ディロードはコツを掴み、変身を解除する。
「本郷先輩、一文字先輩、そして、立花さん。このカードを受け取って下さい。」
雅は本郷達に白紙のカードを渡す。
「これは?」
本郷が質問する。
「これが僕の力の源。人々の想いが、仮面ライダーを強くします。そのカードに、想いを込めて下さい。」
雅の言葉を聞き、本郷達はそれぞれの想いを込める。
「集え、世界の願い。」
雅のコールによって、ワールドホープのカードが完成する。
「これが、明日の戦いの切り札となります。」
雅はそう言うと、戦士達は翌日の戦いに備え、休息をとった。
翌日、雅はマシンディローダーに、本郷と一文字は新サイクロン号に乗って、ショッカーライダーの指定した場所に向かう。
「ショッカーライダーNo.1!」
「ショッカーライダーNo.2!」
「ショッカーライダーNo.3!」
「ショッカーライダーNo.4!」
「ショッカーライダーNo.5!」
「ショッカーライダーNo.6!」
雅達がたどり着くと、六体のショッカーライダーは名乗る。
「量産型か。だが、所詮は俺達の姿をした偽物。本郷、凪風、本物の強さ、見せてやろう!」
「ああ。ライダー…」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「「「変身!」」」
「「トウッ!」」
本郷と一文字はジャンプして変身ベルトのタイフーンに風のエネルギーを与えて仮面ライダーに変身する。
「行こう、一文字、雅君!」
「おう!」
「はい!」
打ち合わせ通り、1号はNo.1と2を、2号がNo.3と4を、ディロードが残る2体を相手にする。
「ライダーパンチ!」
先制を仕掛けたのはNo.5であったが、
「凪風流、止水!」
その拳をディロードはあっさりと防いでしまい、
「凪風流、一角!」
ヘッドバットでNo.5のOシグナルを攻撃する。
「グギッ!」
No.5呻き声をあげる。
「本郷先輩、一文字先輩!Oシグナルが弱点です!」
ディロードは1号と2号にショッカーライダーの弱点を伝える。
「わかった!ライダーチョップ!」
「ライダーパンチ!」
1号はライダーチョップでNo.2を、2号はライダーパンチでNo.3を攻撃する。
「よし。そろそろだろう。行くぞ、一文字、雅君!」
1号はNo.1と2を連れて走り出す。
「おう。」
「分かりました!」
2号とディロードも続いてゆく。9人の仮面ライダーは目の前を追いかけるように輪となり、
「今だ!」
1号はジャンプ。No.1と2は1号を追うようにジャンプ。それを確認した2号はジャンプ。No.3と4も同じように行動し、ディロードも同じように行動。そして、
「絶対これを成功させて見せる!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER-】
ディロードは仮面ライダーのワールドホープを発動。トリプルライダーの新技、ライダー車輪は成功し、ショッカーライダーはぶつかり合う衝撃で互いを攻撃し合い、空中で爆発。機械片となって落下してくる。
「よかった。うまくいった!」
ディロードは動きが小さいながらも、喜んでいた。
「雅君、もう行ってしまうのか?」
本郷は雅に尋ねる。
「はい。僕を求めている世界は、まだ沢山、それこそ両手で数えられないほどあります。この世界の危機は、この戦いの勝利によって去りました。なので、これ以上僕が居続けると、僕自身が歪みとなって、危機を招いてしまいます。なので、もうお別れをしないといけません。」
雅は言う。
「雅君、きっと君は、これから多くの困難に差し掛かるだろう。だが安心するんだ。我々は必ず、君を見守っている。」
「ありがとうございます。それでは、短い間でしたが、ありがとうございました。」
本郷の言葉を聞き、雅は一礼をして去って行った。
「さて、次はV3の世界だが、厄介な世界と融合しているな…」
絵巻には、骸骨に向かってゆく赤い仮面の仮面ライダーの絵と、五人の子供がスズメバチを退治したことを載せた新聞の一面が描かれていた。
つづく
さぁて、次回の仮面ライダーディロードは?
雅です。焼き芋が美味しい季節になりましたね。知っていますか?焼き芋の皮って本当は発癌性物質なんですよ?さて次回は、『さらばライダーマン/世界の秘密』
後書き
新カード紹介
ズバットスーツ:ディロードライバーをズバットスーツに変え、怪傑ズバットに変身するためのカード。
仮面ライダー(ワールドホープ):仮面ライダー(1号2号)の世界のワールドホープ。ライダー車輪が成功する。
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