白き竜の少年 リメイク前
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戦い
三人はアサヒを守るように立つ。彼らの敵はシリュウのみ。三対一と数の上では優勢だが、ハルマは彼から何か異質なものを感じていた
「あとはこいつだけか。レツ、いけるか?」
刀を巻物に収納し、構えたハルマが問う
「ああ‼︎」
「二人を倒しましたか・・・・・・所詮は役に立たない粗悪品と死人か。せっかけ忍の力を扱う侍の墓を掘り、遺伝子を採取したというのに」
シリュウの言葉にハルマとカナは怒りを露わにする。ハルマとカナは僅かな時間しか触れ合う事は出来なかった。だがその時間だけでも、彼の事は知れた。戦いを通して。対話の中で。憤怒。その感情がハルマを支配していく
「あんたが・・・・あの人を!」
「人の命を何だと思ってんの?あんた」
カナの問いにシリュウは狂気の目を向けながら答える
「玩具(おもちゃ)・・・・でしょうか?」
「こいつ、狂ってるんじゃない?」
カナは彼に恐怖を抱く。壊れた人間。彼の事を形容する言葉はそれ以外見つからなかった
「分からねえけどよ、倒さなきゃいけない相手なのは確かだろ」
「出来ますかね?貴方達に」
「やるさ。俺はあんたに負けたくない。何が何でも勝つ‼︎」
ハルマが印を結び、左手に収束させた雷が狼の形を象る
「(雷遁・雷獣追牙‼︎)」
放たれた一体の雷獣はシリュウに向かうが、慌てた様子もなく、シリュウは対処する
「(風遁・真空大玉!)」
巨大な空気の玉が口から放たれ、雷獣と衝突する。同時に二人の術が相殺されて起こる衝撃は砦の床を剥がし、壁と柱に幾つもの切り傷が走った
「八卦空掌‼︎」
「その程度ですか?」
カナの攻撃を躱したシリュウは挑発するが、それには乗らず、考えを巡らす
「ハル。眼と同時にあれを使える?」
「どうなるか分からねえけどやるさ」
ハルマの頰を汗が伝う。しかし、覚悟を決めたその瞳に迷いはなかった
「まだ隠し玉がありましたか。ですが私は倒せない」
シリュウがそう言い切った時、彼の身体は宙に浮いていた。血が吐き出され、地に着いた時。目の前にはハルマが立っていた
「私は・・・・何だって?」
白いチャクラは衣のように身体に纏われ、その溢れ出る力は敵味方にその存在を知らしめる
「尾獣⁉︎いや、そのチャクラは神獣か!それにその眼は」
そしてその瞳は写輪眼となり、シリュウを射抜く
「こっからはお互いマジの勝負だ。出し惜しみはしないぞ!」
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