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ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

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Turn:17 震えるハート

 
前書き
予選を突破したミライたちの元へ突如現れたハイメ
彼も一緒になってU-20前のちょっとした息抜き
ライバルたちもまたそれぞれ目標に向かって一息入れていた
近づく本番に向け何を思うのか 

 
空港の到着ロビーでキャリーバッグを引くサングラスの男性
「日本に………キター!」
サングラスを外し高らかに叫ぶのはユーロ第一リーグのトップファイター
アクアフォース使いのハイメ・アルカラスだった

Turn:17 震えるハート

この日ミライたちは3号店で行われているU-20の予選を見に来ていた
決勝で対峙するのは先日2号店で出会ったハルカ、そしてミライのクラスメイトのセイジ
「エクスギャロップでヴァンガードにアタック!」
エクスギャロップの攻撃が逸材 ライジング・ノヴァに決まり6枚目のダメージが置かれる
「勝者!神代ハルカさん!2対0でチームクラッシュチャージがU-20出場決定!」
ハルカの喜ぶ声とともに周囲から歓声が上がった

2号店のパソコンを操作しているトコハ
ミライたちはその近くで話し合っていた
「ミキたちも予選を勝ち抜いたって連絡来てたわ」
ミライの言葉に拳を握るタツマ
「(俺はクロニクルハーツにも………こないだの予選でも負けた………このままじゃチームの足を引っ張るだけ)」
苦悩していたタツマだったが思い出したかのようにトコハの下へ歩み寄った
「トコハさん、イベントプランナーだって言ってましたよね」
タツマの問いかけにトコハはパソコンを操作しながら答える
「うん、そうだけど」
「予選を突破したファイターの情報とかってありますか?」
タツマの問いかけで手を止めると勢いよく伸びをした
「ん~っ、その辺は告知があるわけでもないし、噂が飛び交う程度だから期待には沿えないかな」
「そうですか………」
「ハロー!アミーッゴ―!」
「うわっ!?」
突然の背後からの声に驚くタツマ
ミライたちも驚いたようで一斉にそちらを見る
「は、ハイメっ!?あんたいつ日本に?」
「んっ?今朝の便でね、お休み利用して会いに来たんだよ、そう!」
いつの間にかミライの手を取るハイメ
「君に会うためにね、マイエンジェル」
「相変わらずですね」
「あははは………」
ミツキがあきれミライが困ったように笑っていた
「誰っすか………あれ」
「ハイメ・アルカラス………一応海外で活躍しているプロのトップファイター」
唖然としていたタツマだったがハイメがプロと聞き目を見開いて彼を見た

翌日
ミライと共に並んで歩くトコハだったがその隣には陽気に鼻歌を口ずさむハイメもいた
「っていうか、ミライたちのU-20に向けての壮行会なのに、なんであんたまで…………」
「気にしない気にしない、トコハがU-20に出た時も一緒に壮行会したじゃないか」
トコハの言葉に人差し指を立てながら告げるハイメ
「あっ、その話知ってる、前に聞いたことが………」
「ま、しょうがないか」

その頃ミキたちはクロノとキャンプ場に来ていた
クロノがコンロを設置するとミキとユキナが二人がかりで炭の入った箱を持ってきた
「サンキュ、重かっただろ」
「いえ、二人で持ったし大丈夫です」
「クロノさん!こっちも準備できました」
チグサの用意したテーブルの上には食材と調理器具が
「サンキュ、後は俺がやっとくからお前たちは遊んできていいぞ」
「えっ、でも………」
エプロンを結びながらクロノはミキに笑いかけた
「気にすんな、今日の主役はお前たちなんだから」

カズヤたちもカムイが自宅でパーティを開いてくれていた
現在はエミがキッチンで料理をしている
「あきら~めないで~、ま~だみえな~い、飛び越えた、さっきに~」
上機嫌に鼻歌を口ずさみながら待つハルカ
そんなハルカの正面に座るカズヤとタイチにカムイが声をかけた
「よかったな、約束を守れて」
「はい、これからは次の目標に向けて頑張ろうと」
「次の目標?」
首を傾げるカムイに対し拳を握るカズヤ
「もちろん………頂点です」

黒いボクサータイプの海パンを履いたタツマがハイメと共に壁に寄りかかって待っていた
「っせぇな、いつまでかかってんだ」
「そう言わない、女の子の支度は時間がかかるものだよ」
「あっ!居た居た!」
「ちょ、ミツキ、そんなに引っ張らないでよ」
ミツキの声が聞こえそちらに振り返るタツマ
「おっせぇぞ、いつまで………」
水色のワンピース水着を着たミツキがフリルスカートのついた赤いタンキニを着たミライの手を引いてこちらに来ていた
その姿にしばし呆然となるタツマ
「あれっ?もしかして私たちの水着姿に見とれてた?」
「なっ、んなわけねえだろ」
真っ赤になって否定しているタツマの横でハイメは二人の水着姿に目を輝かせていた
「まさにエンジェル………二人とも………まぶしすぎるよぉ!」
そう叫んでハイメは胸を押さえながらその場で倒れた
「つか、トコハさんはどうしたんだよ」
「ああ、すぐに来ると………」
「ほーら、二人とも慌てないの」
そう言って赤いビキニを着たトコハがやってきた
その姿に見とれ再び呆然となるタツマ、今度はミツキが声をかけても何の反応も返さない
「なんか納得いかない~」
「しょうがないよ、私たちまだまだ子供なんだし」
「私モデルなのに~」
不服そうなミツキを宥めるミライ

バーベキューを楽しむミキ達
クロノが下ごしらえを終えた串を手際よく網に置いていく
「どんどん食べてくれ、せっかくのお祝いなんだからな」
「「ありがとうございまーす!」」
出来上がった串を片手に礼を述べるミキ達
おいしく焼きあがったお肉と野菜に舌鼓を打っていた

カズヤたちもエミが用意してくれたお祝いのご馳走に舌鼓を打っていた
「にしても、頂点とは大きく出たな、お前らの年で頂点とったらすげえぞ」
「そんなこと言って、カムイさんが全国大会で優勝したの小学生の時じゃないですか、説得力ないですよ」
「あ、知ってたか」
カズヤの言葉に悪戯っぽく笑う
「カズヤ君たちっていくつだっけ?」
「ミライさんとおんなじ~、私だけ一個下だけど」
「まあ、お互いの年知ったのは割と後だったから自然と対等に話すようにはなってたな」
タイチの言葉を聞いてこちらに振り返るカムイ
「ま、お前らは目上にはきちんとした態度で接することが出来るだけマシだ、俺なんか今にして思えばひどかったもんだぜ」
当時を思い出しながら笑うカムイ

ウォータースライダーの出口から飛び出したミライはそのまま真っ直ぐプールに着水した
スリル満点で楽しんだ結果まだ気分が高揚しているのがわかる
ミツキは偶然ファンだという女子中学生のグループに見つかって一緒に写真を撮っていた
一人ナンパをしていたハイメだったがタツマの一言でグサッと来てしまいその場で固まる
トコハは一人ジャグジーで寛いでいた
思い思いに楽しんだ後はプールサイドでボール遊び
気合入れまくりでトコハがレシーブしたボールを何とか拾うタツマ
飛んで行ったボールをハイメがミライの方へ打ち上げアタックするよう囃し立てる
それを聞いたミライは戸惑いつつもハイメめがけてボールを打ち込んだ
まさか自分の方に飛んでくると思わなかったハイメは捕球しそこねそのまま倒されてしまう
ベンチで休憩する中はしゃぎすぎてしまったらしくハイメは肩を、トコハは腰を押さえていた
そんな様子を見て苦笑する一同

食べ終わって眠ってしまったハルカを見ながら笑っていたカズヤとタイチ
「U-20、絶対勝とうな」
「ああ」
窓の外に見える夕日を見ながら二人は決意を新たにした

クロノが車を運転しながら後部座席で眠るユキナとチグサ
そして助手席で寝るミキをバックミラー越しに見て小さく笑った
自分を慕い、ここまでついてきてくれた若いファイターたち
拠り所のない子供たちにヴァンガードをきっかけとして居場所を与えてやりたい
クロノが目指してきたものの成果は彼女たちの頑張りにかかっている
「(こいつらは将来の事とか、ちゃんと考えてんのかな)」
当時の自分を思い出しふとそんな考えがよぎるクロノだった

タツマとミツキはトコハに連れられあるビルの屋上へとやってきた
そこから見える夜景に二人も目を奪われる
「いつになっても変わらないな………ここの景色」
そう呟いて振り返ったトコハが真剣な表情
「二人とも、ミライのことお願いね、今はこうして手伝ってあげられるけど………試合で支えてあげられるのは貴方たちだけ」
「わかりました」
ミツキが答える中タツマは自身のデッキを見つめていた
「(今の俺に………そんな大それたことできるのか)」 
 

 
後書き
次回予告
「あ~、疲れた」
「おいおい大丈夫か」
「ミライたちは元気だね~」
「本当、若いっていいわ」

turn:18 俺に出来ること

「気を付けろよ、お前もう見た目ほど若くないんだから」
「余計なお世話よ!痛た」 
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