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提督はBarにいる。

作者:ごません
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鎮守府・愛のエプロン!第0回【試験放送回】-後編-

『さて、気を取り直してお次は翔鶴さんの調理風景をどうぞ!』

      ー調理風景:翔鶴の場合ー

翔鶴「さて、スタミナ丼という事ですから……お肉は豚肉がいいですね。ビタミンもたっぷりですし」

『迷い無くBの豚バラ肉を選びましたね』

『安心して見てられるな』

翔鶴「後は……栄養バランスも考えて、野菜も多めにしましょう」

『ニラ、長ネギ、もやし、キャベツですか。肉野菜炒め?』

『ニラと長ネギがポイントだな。香味野菜で風味もプラスされる』

翔鶴「さて、炒める前に合わせ調味料を作っておきましょう」

翔鶴「醤油、味噌、酒、みりん、砂糖に……白ごまも入れましょう。それに隠し味に豆板醤を少々」

『醤油とお味噌を合わせる意味は?』

『醤油に味噌を加える事で、味に深みが出るぞ。とろみも出るから具材に絡みやすくなるしな』

『流石は鳳翔さんの弟子ですね』

翔鶴「スライスしたにんにくと、すりおろした生姜を炒めて香りを出したら……先に長ネギを、と」

『香味油だな。こりゃまた本格的だ』

翔鶴「ネギが炒まってきたら、お肉と残りの野菜を加えて炒めます。具材に火が通ったら合わせ調味料を回しかけて更に炒めます」

『あ~、味噌が焦げた匂いとか堪らないでしょうねコレは!』

『金剛のも美味そうだったが、こっちにも期待大だな』

翔鶴「ご飯をよそって、韓国海苔を揉んで散らしておきましょう。その上に具材を乗せて……仕上げの卵はどれにしましょう?」

翔鶴「恐らくはAの卵は一般的な鶏卵でしょう。Bの鶉の卵は小さすぎる……Dは論外。よってCですね」

『おぉ!仕上げに烏骨鶏の卵まで!』

『ことごとく正解を選ぶなぁ』

翔鶴「出来ました!提督喜んでくれるかしら……えへへ///」

『可愛い』

『嫁に欲しい……あ、もう嫁だった』





     ー調理風景:摩耶の場合ー

『さて、お次は自信無さげだった摩耶さんですが……』

『腕組みしたまま動かねぇぞコイツ』

摩耶「……うん、よし、わかった」

摩耶「スタミナ丼とか、作り方考えて作るの無理!適当に肉焼いて乗せて、卵乗せりゃあ食える物にはなるだろ!」

『ものすげぇ男料理だな』

『見た目通り過ぎて、逆に安心感がありますね』

摩耶「さて、そうと決まれば肉選びだな!え~っと、肉はこの4つから選べばいいのか?」

『さて、どれを選びますかね?』

摩耶「……ん?なんだこの黒い肉。そういや鳥海の奴が『見た目の悪い食い物程、予想に反して美味い』とか言ってた気がする」

『おい、やべぇよ、やべぇよ……』

『まさかの初回から愛のバケツ行きが出るんですか!?』

摩耶「でもなぁ……アタシの腕で料理しても不味くなりそうだしな!金剛さんとか翔鶴さんにそういうのは任せよう!ウン」

『結局Bの豚肉を選びましたね。これはナイス判断!』

『これ毎回やってたら食べる前にストレスで胃がおかしくなりそうだけどな』

摩耶「よっし、肉を焼くぜ!肉は生焼けだと腹を壊すからな、しっかり焼くぜ!」

『おい、幾らなんでも火が強すぎるだろ』

『まぁ、ちょっと焦げ目が付いてる位が美味しいですし?多少の事は目を瞑って……』

~数分後~

摩耶「畜生……畜生……!」

豚肉だったもの←真っ黒

『……畜生って言いてぇのはこっちだよ!』

『提督……覚悟を決めましょう』

『ちょっとの焦げ目とは……うごごご』

摩耶「ま、まぁ味付けでどうにか誤魔化そう!さてと、焼き肉のタレはどれだ~?」

『おい、それらしきビンの蓋を開けて匂い嗅いでるが、あれはいいのか?』

『味見は禁止してますが……匂い位はセーフという事にしておきましょう』

摩耶「これだ!いつも嗅ぎ慣れてる匂いだから間違いねぇ!」

摩耶「コイツを肉に……あっ!」

『いきなりドバッと出ちゃう……あるあるですねぇ』

『焼き肉のタレの瓶の半分位かかったぞ、アレ……つゆだくってレベルじゃねぇぞ(震え声)』

摩耶「………………」←涙目

摩耶「もういい……卵乗せよ」←鶉の卵チョイス

『あれは可愛さアピールなのか?』

『黒い焼け野原の中心で、光り輝いて見えますね』

摩耶「出来たよ……出来ちまったよ畜生!」

『アカン……アカン』

『これは青葉も高速修復材を覚悟』

『あっ!ずっこいぞお前!』



      ー調理風景:朝潮の場合ー

朝潮「スタミナ丼、ですか……食べた事はありますが作るとなると些か、いやかなり不安です」

『頼む……笑えない料理は1人分だけでいい』

朝潮「お肉は何が良いのでしょうか……間宮さんで食べた時には確か豚肉でしたが」

朝潮「よし、これにしましょう」

『おっと、鶏肉を選びましたね。もしかしたら一人くらいイ級の肉を選ぶかとも思いましたが』

『とりあえず、一安心だな。卵との相性も悪くないだろうし』

朝潮「味付けは……シンプルに塩コショウにしてみましょう!」

『スタミナ丼?』

『いやむしろチキンステーキじゃないですかコレ。でも焼き具合はかなりいい感じですよ!』

朝潮「よし、ここにサッパリとさせる為にレモン汁を少々」

『お題の物と違う場合、失格になるんじゃ?』

『う~ん、そうですね。でも可愛そうですから試食はしましょうか、普通に美味しそうですし』

朝潮「ご飯に鶏肉を切って乗せて、仕上げの卵ね。卵は栄養価の高い食材……大きければ大きい程栄養価も高いハズ」

『あっ(察し)』

『ま  さ  か』

朝潮「この巨大な卵なら、黄身も大きくて食べ応えもバッチリのハズです!」

『マジかよおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!』

『お~っと、まさかまさかのダチョウの卵チョイス!これは選ばないだろうとタカを括っていた妖s……スタッフさんも困惑だぁ~www』

( ´・ワ・)<正直すまんやで

朝潮「えい!えい!……ふぅ、固くて割りにくいわ。全力で殴ったら弾け飛びそうだし。どうしたら」

『推定5万馬力のパンチはダメだろ』

(´・ワ・)つ【小型ハンマー】

朝潮「え?これで割ればいいんですか?感謝します!」

『殻が入らないように慎重に割ってますね……』

『その気遣いが逆に心苦しいわ』

朝潮「割れました!……うわぁ、黄身も大きくて美味しそうです」

朝潮「でもこの量、乗せきれるでしょうか……んしょ」

『おいおい、卵抱えて傾け始めたぞ』

『直で乗せるんですか!?』

朝潮「これは……ちょっと、バランスが……でも、なんとか……乗りました!って、わわわ!?白身が、白身が丼から溢れちゃう!」

『知ってた』

『朝潮ちゃんに半透明の粘液が絡み付いて、かなり際どい絵面ですよコレ!スタッフさーん!』

(`・ω・)b<任せろ~

※注意!これはいかがわしい液体ではなく、卵白です。悪しからず。

『スタッフさん、ナイステロップです!』

『でも、丼の上に残った黄身で他の物が見えんぞ』

『で、でもほら、ダチョウの卵って高級食材ですし?スタミナたっぷり補充できそうじゃないですか?』

『コレステロール値が高すぎて死にそうだぞ』

※ダチョウの卵1個¥4000~5000(平均)





    ー実食&ジャッジメントタイムー

青葉「さぁ!4人のエプロンガールズが作ったスタミナ丼が出揃いました!今から提督と青葉が試食して、成績を付けて行きたいと思いま~す!」

金剛「…………」ワクワク

翔鶴「…………」ドキドキ

摩耶「…………」ズーン

朝潮「…………」プルプル

提督「おい、一人だけテンションが葬式レベルに暗いぞ」

青葉(そりゃ豚肉を火葬?してましたし)

提督「解ってるよな?青葉。お前も食うんだぞ?」

青葉「も、勿論ですとも!では最初は誰にしますか?提督」

提督「朝潮だな」

青葉「何でまた朝潮ちゃんなんです?」←小声

提督「よく見ろ。朝潮の奴、不安定な黄身を落とさないように腕を固定してるから腕がつりそうになってやがる。早く楽にしてやりたい」←小声

青葉「では朝潮ちゃん、どうぞ!」

朝潮「はい!朝潮特製スタミナ丼です!」タプンタプン

提督(丼の中で黄身が波打ってんぞオイ)

青葉(今日のお題って汁物でしたっけ?)←すっとぼけ

提督「では……いただきます」ガシッ

提督「……………………」ズルズルズルズル

青葉(ど、丼一杯の卵を……)

エプロンガールズ(の、飲んでるぅ~~~~っ!?)

提督「流石は高級卵。美味い」

朝潮「そうですか。選んだ甲斐がありました!」

青葉(ダチョウの卵って確か、Lサイズの鶏卵2ダース分位の中身だった気が……)

( ;´・ω・`)<提督ってやっぱ化物ですわ

青葉「卵が消えたらご飯とお肉が見えましたね」←卵は別皿に取り分けた

朝潮「お肉も美味しく出来たと思います」

提督「どれ……うん、皮もパリッと焼けてて、生焼けもない。確かに美味いな」

朝潮「あ、ありがとうございます!」

青葉「ですが、これだとチキンステーキ丼ですね」

提督「それに卵に浸かってて、くどすぎてキツい。すまんな朝潮、よって今回は失格だ」

朝潮「そうですか……」シュン

提督「そう落ち込むな、手際は自信が無いという割には良かったぞ?」

青葉「次回に期待ですね!では提督、次は誰にします?」

提督「次は……摩耶だな。悪いが、俺は美味そうな物は後に取っておくタイプでな」

摩耶「お、おう!摩耶樣特製のスタミナ丼だ、有り難く食えよな!」←ヤケクソ

金剛「Oh……」

翔鶴「うわぁ」

朝潮「……」←同レベルなので何も言えない

青葉「しかし改めて近くで見ると……迫力が違いますね!」

摩耶「迫力言うな!」

提督「しっかし……かったいなぁコレ!」←箸でつまんでる

青葉「カッチカチやぞ!って奴ですねまさに。炭化はかろうじてしてませんか」

摩耶「てめぇ等……!」プルプル

提督「では……いただきます」

青葉「えぇい、ままよ!」


パクッ

提督「ヴぁ」

青葉「ヴォエ」

~提督の勇姿と青葉の可愛い姿を思い浮かべつつ、しばらくお待ち下さい~


ーー数分後

提督「あぁ、ヤバかった……」

青葉「焦げた肉の苦味とかけすぎの焼き肉のタレの塩気と辛味が一気に襲って来ましたからね」

提督「今ここにダチョウの卵の黄身があれば、それに付けて少しは中和出来たかもな」

青葉「後の祭りですよ提督……ホラ、味見した本人も死にけてますし」

摩耶「」ピクピク

( ´・ω・`)<大破やな


青葉「さて、気を取り直しまして……3人目を選んで下さい提督」

提督「次は……お前だ、金剛」

金剛「フッフッフー、ついに私の出番ネー!」

翔鶴「私が最後ですか……少し緊張しますね」

金剛「これが私のスタミナ丼デース!」

青葉「おおおおおお!普通に美味しそうです!普通に!」

提督「確かにな」

金剛「むぅ、あんまり普通普通連呼されるのは気分悪いネ」ムスッ

提督「でも普通に美味そうって貴重だろ?前例2つと見比べると」

金剛「Oh、確かにそうネ」 

青葉「では改めて、いただきます!」 

青葉「……」モグモグ

青葉「…………」ムグムグ

青葉「………………(泣)」

金剛「ファっ!?あああ青葉!一体どうしたデスか?もしかして私のも不味かった!?」

青葉「違うんです、美味しさのあまりに涙が止まらないんです!」ウワァァン!

      ~提督、青葉完食~

提督「うん、普通に美味かった。惜しむらくは……トロロを掛けるならタレをもう少し濃くした方が良かったな」

金剛「darlingは相変わらず手厳しいネー!でもいつかギャフンと言わせてやりマース!」

青葉「これだけ美味しくても提督を唸らせるのは難しいんですか……金剛さんの腕前が鍛えられた訳がわかりますね!」

青葉「では最後に、翔鶴さん!お願いします」

金剛(近くで見ると解る……翔鶴の料理は間違いなく美味しい)

翔鶴「どうぞ……翔鶴の愛情をたっぷり込めました」

提督「いただこう」

青葉「いただきます……」

パクッ

2人「美味いッ!」

翔鶴「ほ、本当ですか!?」

提督「あぁ、味付け、火の入り具合、米と具のバランス……ケチの付けようがない」

青葉「金剛さんのスタミナ丼も美味しかったですが、こっちはもっと凄いです!箸が止まりません!」ガツガツ

    ~当然の如く完食~


青葉「あぁ……お腹が苦しい。青葉太っちゃいそうですぅ」ケプー

提督「おい、しっかりしろ司会進行」

青葉「おっと、それではジャッジメントタイムです!エプロンボード、カモン!」

( ´・ω・`)<力作やで

青葉「エプロンボードは食べた料理の評価によって、その艦娘の名前が書かれたエプロン型のプレートを貼り付けていきます!」 

青葉「上から特エプ、上エプ、中エプ、下エプ、ランク外となっており、ランク外の人はスタジオからの距離が遠ければ遠い程、評価が低いという事になります」

提督「スタジオの外に貼り出されたりしたら、晒し首レベルの辱しめだな」

青葉「では始めましょう。まずは金剛さん!」

青葉「個人的には特エプでいいと思うんですが、提督はいかがです?」

提督「あ~……正直俺も特エプかな?とも思ったが、相手が悪かったという事でココ!」

金剛:上エプ

青葉「次に期待ですね」

金剛「ま、しょうがないデース」

青葉「次は……翔鶴さん!」

提督「文句なしでココだろ」 

翔鶴:特エプ

青葉「これは青葉も反論の余地が無いです。さて……問題は残る2人ですが」

提督「朝潮は……すまんな。失格だからココだ」

朝潮:ランク外

青葉「エプロンボードのすぐ下辺りにしておきましょう」

朝潮「もっと鍛練して、リベンジします!」

(´;ω;`)<健気なエェ娘や……

提督「となると摩耶は……ココだな」

摩耶:下エプ

青葉「おや?ランク外かと思いましたが」

提督「自分で食って、反省したろ。今後に期待を込めてだ」

青葉「という事は次回もあると期待していいんですね!?」

提督「それはこの放送の視聴回数次第だな」

青葉「ではでは!次回がある事を期待しつつ、お別れしましょう。さよーならー!」ノシ









 
 

 
後書き
 ハイ、という感じでお送りしました鎮守府版愛のエプロン。いかがでしたか?普段書かないやり方で書いてみたので、個人的にも挑戦的な部分がありました。

さて、提督も言ってましたがこれは試験放送回。言ってみればテストプレイです。作中で提督が言っていた通り、今後この企画が継続されるかどうかは読者の皆さんのご意見次第です。

アンケートをご用意して、皆さんに継続の是非を問いたいと思います。そちらにもよければご参加下さいm(_ _)m 
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