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魔法少女リリカルなのはStrikerS~赤き弓兵と青の槍兵

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本編
  十二話~機動六課の休日(後編)

 
前書き
後書きに説明文追加しました。 

 
side カリム



私は六課の今後についてある人物と会談をしている。


「それにしても、あなたの制服姿は久しぶりね。クロノ提督」
「制服が似合わないと部隊のみんなからだけでなく妻にまで言われていますよ」
「そんなことはないわ。いつもの防護服と同じくらい凛々しくてよ」
「ありがとうございます。騎士カリム」


のんびりと世間話をしていた時、


「失礼します」



シャッハと共に一人の女性が入ってきた。


「あら、シグナム。合同会議の方はもういいの?」
「ええ。滞りなく」
「今六課の今後について話していたところだ。君にも同席してほしい」
「わかりました」


そんな時だ。


「直接通信…………はやてから?」


何かあったのかしら………?



side エリオ



レリックのケースの封印、女の子の応急処置が終わってから少しして、


「エリオ、キャロ。待たせたな」
「この子が……」


なのはさんと士郎さんが到着した。


「地下水路を通って、かなりの距離を歩いてきたみたいです……」
「まだこんなに小さいのに……それに服もボロボロだね……」
「ケースの封印は?」
「それは私がしました」
「それと、これ………」
「ふむ、ケースは二つだった、という事だな」
「ロングアーチに知らせて、調べてもらってます」


そんな会話をしていると、



「お待たせしました!」
「状況は?」


説明を行う。


「フェイト隊長たちとリイン曹長、シャマル先生がこっちに向かってるから、それまでは周辺警戒を」
「「「「了解です!」」」」




side はやて



「そう………レリックが………」
「それを持ってたのが小さい女の子だって言うのも気になるし、なによりガジェットや召喚士が出てきたら市街地での戦闘になる。迅速に、確実に片付けなあかん」
「近隣の部隊への連絡は?」
「海上部隊と市街地の部隊には知らせてあるよ」
「そうか……」
「奥の手も出さなあかんかもしれん…………」
「そうならないことを祈らなければな……」
「シグナムもそっちに戻ったほうがいいわね。シャッハ、送ってあげて」
「はい」
「わかりました」


そういって手の甲を見る。
令呪。使うことになるかもしれんな………
私たち自身の限定解除はあまり使いたくないし……
しかし、4回しかないものだ。タイミングは考えないといかんな……



side なのは



フェイトちゃん達も合流し、シャマル先生による女の子の診断が行われている。



「バイタルも安定してるし、危険な反応もない。心配ないわ。」
「よかった……」
「みんな、ごめんね。せっかくのお休みだったのに………」
「いえ、平気です」
「大丈夫です!」


とりあえずは、現場調査かな。


「レリックと女の子はこのままヘリで搬送するから、皆はこっちで現場調査ね。サポートは………」
「俺が行くぜ」
「うん。お願いね」
「まかしときな」
「なのはちゃん、この子をヘリまで抱いて行ってくれる?」
「はい。わかりました」


もう一度女の子を見るが、うなされているようだった。こんなに小さい子がレリックを………
少し悲しかった。



side はやて



「来ました!地下水路にガジェット一型、数機単位のグループで、総数……20です!」
「海上にも来ました!12機のグループが5個です!」
「結構多いな……」
「どうしましょうか?」


そんな時に通信。


「スターズ2よりロングアーチへ。海上にて演習中だったが、ナカジマ三佐の許可が出たから現場に向かってる。それから、もう一人」
「108部隊、ギンガ・ナカジマです。別件の捜査中だったんですが、そちらの事例とも関係がありそうなんです。私も参加してもよろしいでしょうか?」
「うん。お願いや。ほんならヴィータはリインと士郎と合流して海上の南西方向を制圧」
「南西方向、了解です!」
「心得た」
「なのは隊長、フェイト隊長は北西から」
「「了解!」」
「ヘリの方はヴァイス君とシャマルに任せてええな?」
「任せてください!」
「しっかり守ります」
「ギンガは地下でスバルたちと合流。別件の話は道々聞かせてな」
「はい!」


皆、頼むで。
いざとなったら私も出れるようにしとかんとな。
そんなことにならんといいけど………



side ランス


地下の調査を任せられた俺たち。



「こんなことになっちまったが、これも仕事だ。準備はいいか?」
「「「「はい!」」」」


それぞれがバリアジャケットを纏う。
俺の仕事はフォロー。こいつらの成長のためにも後方に回るか。


「ああ、ちょっと待て。全員だ」
「なんですか?」



全員に『探査』のルーンをかける。



「何をしたんですか?」
「お前たちが大体どこにいるかを俺に知らせる……まあ、発信機みたいなのをつけた、とでも思ってくれ」
「なんでそんなことを?」
「今回、俺はあくまでサポートだ。お前らに危険が及ばねえ限りは手出ししねえ。お前たちの力で乗り切れ」
「わかりました。みんな!そうと決まったら思いっきりやるわよ!」
「「「了解!」」」


ま、無事に終わることを祈るか。





side ルーテシア



「ヘリに回収されたレリックとマテリアルは妹たちが回収します。お嬢様は地下の方へ」
「うん」
「騎士ゼストとアギト様は?」
「別行動」
「おひとりですか?」
「一人じゃない。私にはガリューがいるから」
「これは失礼いたしました。ですが、助力が必要なときはお申し付けください。最優先で実行いたしますので」
「わかった」


レリック……やっと出てきた。


「行こう。ガリュー」



私の探し物を見つけるために。




side はやて



「スターズ1、ライトニング1南西方向に進行中、1分ほどで現場に到着します」
「スターズ2、リイン曹長とスターズ5と合流、フォワード陣、ガジェットの目標点へ進行中。このペースなら先行できます」


ここまでは順調やね。
でも、問題はこの後や。


「スターズ1、ライトニング1ガジェットと交戦開始しました」
「八神部隊長。全体通信です。108部隊ギンガ・ナカジマ陸曹からです」


ギンガからか。さっき言ってた話かな。



「私が呼ばれた現場にあったのは、ガジェットの残骸と、壊れた生体ポッドでした。ちょうど、5、6歳の子供が入るくらいの大きさです。その近くには何か重いものを引きずったような跡があって……それをたどっていこうとした時、連絡を受けた次第です。それと、この生体ポッド……前の事件でよく似たものを見たんです」



それは私も見たことがあった。



「人造魔導士の……素体培養器です」
「人造魔導士……」
「これは私の推測ですが、あの子は人造魔導士の素材として生み出されたのではないでしょうか」



そんな子がレリックを………これは裏がありそうやな。




side 士郎



「おっし。いい感じだ」
「リインも絶好調です!」
「にしてもよぉ………衛宮」
「ん?なんだ?」
「一回に十発の矢を飛ばすとかどうなってんだよお前………」


そんなにおかしかっただろうか………


「私の専門は弓だ。これくらいできなくてどうする」
「答えになってねえよ………」
「二人とも、見てください!アレは………」



敵の増援。だが………


「まずいです………」
「何体いるんだよ………」
「少なく見積もっても500はいるな」


攻撃を加えていると、実機と幻影で構成されている、ということがわかった。
そんなとき、なのはたちから念話が。


(この数はちょっとまずいね………)
(幻影が交じってる。これは私たちを足止めするのが目的だよ。本命は地下かヘリに行ったと思う)
(まずくねえか?地下にはランスがいるとはいえ………)
(援護にむかべきだろう。私が残る。君たちは地下へ向かってくれ)
(一人で!?無茶だよ!)
(ちゃんと手はある。安心しろ、なのは)


自身の手札を切るため、通信をする。



「マスター、宝具使用の許可を。最大出力なら一撃でこの軍団を破壊できる」
「ダメや。ここは目立ちすぎる。士郎の魔術は本局の方にも目つけられてるんや。それに、そんなことせんでも私が参戦する。だから何とかなるよ。ヴィータとリインは地下に、士郎はヘリに向かってや。空は私となのはちゃん、フェイトちゃんが抑えるよ」
「そうか。それならば………」



そうと決まればここは三人に任せ、ヘリの方へ向かうとしよう。
その前に…………


「ワーカー、カートリッジロード。」
[load cartridge.]


4発の薬莢が飛び出す。これで魔力は何とかなったか。



投影、開始(トレース・オン)


ある物を投影しておく。


「ヴィータ!持って行け」
「これは……盾か?」


投影したのは加護を与えし女神の盾(イージス)。黄金色に薄く光る四角い小型の盾で、彼の女神アテナの持ちしあらゆる魔的要素を無効化するという概念を持つ盾だ。
真名解放すれば盾が鏡のように光り輝き、担い手の幸運を上げ、ほとんどの攻撃を跳ね返す、まさに最高クラスの防具である。


「いざとなったらこいつでフォワードたちを守ってやってくれ。魔法相手ならこの盾に防げぬものなどない」
「……ま、一応借りてくぜ」


私もヘリのもとへ向かわねばな。



side スバル



ギン姉と合流し、ガジェットを倒しながら進む。ランスさんは直接戦闘に参加はしないが、アドバイスをしてくれていた。
そして、だいぶ進んだところで



「ありました!」



キャロがレリックを確保。だが………


「な、何?」


謎の影が現れ、キャロのもとへ。


「キャロ、危ない!」
「え?」


間に合わない―――!誰もがそう思った。が、


「おせぇよ」
「……………」


いつの間にキャロのところへ移動したのか、ランスさんがその影……人型をした虫?のような生物の攻撃を止めた。



「てめぇ、何者だ?」
「…………」
「だんまりか、なら……」


そうして一度目をつぶったランスさんが再び目を開けた時、急に虫のような生物がランスさんから大きく距離を取った。



その様子にあっけにとられていたが、



「きゃああああああああ!」
「キャロ!?」


キャロの叫び声で現実に引き戻された。
そこには一人の女の子が。
どうやら彼女がキャロを吹き飛ばしたようだ。


「あった……」
「それは危ないものなの!こっちにわたして!」
「…………」


キャロの言葉を無視して、女の子は去っていく。が、



「荒っぽくてごめんね。でも、それほんとに危ないものなの。こっちに渡してくれない?」
「…………」


ティアが女の子にダガーを突きつけて動きを抑えた。
女の子は答えない。と、女の子が不意に目をつぶったのとランスさんが叫んだのは同時だった。



「耳と目を塞げ!!!!」


瞬間、辺り一面に閃光が閃いた。


「……くっ、待ちなさい!」


ランスさんの言葉のおかげですぐに行動を開始できたティアが女の子をとらえに走る。が、



「ルールーに手ぇ出すなー!!!」
「きゃああああ!!」


小さい………リイン曹長と同じくらいのサイズの女の子が攻撃してきて弾かれた。



「アギト………」
「……………」
「おう!まったく……ルールーもガリューも勝手に出かけたりするからこんなことになるんだぞ?まあ、でも………この烈火の剣精!アギト様が来たからには心配ねぇ!あいつらまとめてぶっ飛ばしてやる!」



レリックはあの子たちの手にある………なんとかしなきゃ!



「ま~た変なのが出てきやがったな。おい、そこのちっこいの」
「なんだと!?あたしはチビじゃねえぞ!!」
「んなこたぁいいんだよ。さっさとレリックをよこしな」
「や~だね!」
「そうか、なら力ずくで奪い返させてもらうぜ!」


そういって駆けるランスさん。ガリューと呼ばれた生物と打ち合いを始めた。


(おい、全員聞こえてるか?)


そんな中で念話が。



(聞こえてますけど………あいつを相手にしながら念話なんて……)
(こまけぇことはいい。ちっこいのとこいつは俺が引き付ける。お前たちはあのお嬢ちゃんからレリックを取り返すんだ)
((((了解!))))


あの子からレリックを取り戻すんだ!


だが、まだ彼女たちは知らない。さらに裏で動いているものたちがいることを……………



 
 

 
後書き
ホントはもっと長くなる予定でしたが、長すぎになると思ったので、一度切りました。


次は一週間以内にできたらいいな………


あと今回の宝具の補足です。


加護を与えし女神の盾(イージス)


女神アテナが使用していた盾。魔を退ける概念武装としての使用が主。
本来のランクはA++ですが、士郎は今回Cまで落として渡しています。
今作で出てくる中では最強の盾なので、完全なものを投影しようとすればものすごい負担があります。



それでは今回はこの辺で~ 
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