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やはり俺がネイバーと戦うのは間違っているのだろうか

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10.比企谷小町は厄介事を持ちかける

『職場見学希望調査票

二年F組 比企谷八幡

希望 雪ノ下建設

理由 顔見知りだし、内容を知っている分気が楽』


「さて、比企谷。この調査票について聞かせてもらおうか」
「いや、そのまんまッスよ。勇次さんや秋乃さんにはお世話になってますし」
 しかも、一応ボーダーのスポンサーだからな。仕事の内容なら知ってる。何なら、顔見知りすぎて家の隊のメンバーはたまに出張の名目で手伝わされているまでもある。もう向こうの人たちに顔を覚えられて、俺らの隊の出勤カードや「あ、比企谷君。来てたんだ。ところで今日のみに行くんだけど君もどうかな?」なんて言われるまでもある。あれ?今思ったらボーダーってブラックだな。どんだけ働かせるんだよ。金は入るけど。
 平塚先生が非常に驚いた顔をしているが、どうかしたか?
「確かに、君と雪ノ下に沖田は仲がいいと思っていたがそこまで親密な関係なのか?」
「まあ、お互いに世話になってますし」
「まあ、君の言い分は百歩譲って良いとして、だからといって雪ノ下建設がオーケーをくれるとは思えん」
 そうか?喜んでオーケーをくれると思うが。特に俺が希望をしてると知ったら。確か人手が足りないとか小耳に挟んだからな。きっと、職場見学が終わった瞬間に引き止められて仕事ルートだな。あれ?何か俺って着実に社畜になっててね?何それ怖い。
 ん?ていうか、そもそも
「うちの学校って雪ノ下建設と結構良好な関係築いてますし、オーケーでると思うのは俺だけですか?」
「……………まあ、それは置いといてだ」
「今明らかに話そらしましたよね。明らかに非を認めましたよね」
「少し黙れ。話が進まんだろう」
 解せぬ。人の話は最後まで聞こうぜ。そんなんだから彼氏ができねーんだよ。
「おい、比企谷。次変なことを考えたら」
「ごめんなさいもう考えませんはい」
 こえーよ。一瞬忍田さんの睨みを越えたぞ。後怖い。
 前はここまでじゃなかったろ。この数週間で何があったんだよ。
 現代社会に生きる独身女性の恐ろしさが骨身にしみた瞬間であった。
「んん!では話を戻すとだな、書き直しは必要ない。それと、今回の調査票の結果から言うとボーダー本部を希望するものが多くてな。結果、全員ボーダー本部にお邪魔する事になった」
 なん、だと。ということは何だ?学校のめんどくせーウェーイな奴らが本部なだれ込んでくるってことか?ヤバいな。こりゃあマジでばれるかもしれない。サボるか?
「ちなみにだが、サボった場合レポートを提出してもらう。噂で聞いた話だと発狂する量だそうだ」
 デスヨネー!退路は断たれてますよねぇ!しかも発狂するほどの量のレポートってどんな量だよ。むしろ、逆に興味わくわ。サボるはどのみち無理だな。総司か雪ノ下、はたまた両方が俺を連行に来るだろうからな。
 










 平塚先生の呼び出しも終わり、俺は今日も奉仕部の扉を開けた。
「あら、比企谷君?」
 何故ここに?という顔で俺を見ていた。何俺いちゃいけない感じ?
「八幡さん?由比ヶ浜さんには会わなかったんですか?」 
 由比ヶ浜?俺が来るのが遅いのと何の関係が、
「ああ!やっと見つけた!」 
 扉が勢いよく開かれた。そこにはさっき話に出てきた由比ヶ浜がいた。
「来るのが遅いから探しに行ったのよ。由比ヶ浜さんが」
「お前は穗刈さんか」
「一応、平塚先生の呼び出しと伝えたんですがねぇ」 
 は?じゃあ、何ですれ違わないの?一番近道できたが、職員室からここまでの道ってそこまで多くないぞ。
「……やっと見つけたと言っていたが、まさかずっとそこら辺探してたんじゃねーだろうな?」
「………」
「………図星かよ」
「……場所を言わなかったおきたんが悪いんだからね!」
「「いや、その理屈はおかしい」」
 俺と総司がバカなことを垂れ流している由比ヶ浜にツッコミを入れる。そんな中でも雪ノ下は勉強をしていた。動じませんね。
 それからしばらく、俺らは部室で勉強しながら依頼を待つもくる気配すらない。まあ、期末近いしな。部活なら部活禁止前の追い上げに、帰宅部連中は勉強と色々忙しいのだろう。
「ヒマー!」
 ついに由比ヶ浜が値を上げたか。まあ、こいつは見るまでもなく俺らとは違う世界の住民だもんな。何がいいたいかというと、自分から勉強しなさそうだもんな。一夜漬けとかで終わらせるんだろ。
「なら勉強でもしたらどうかしら?期末も近いのだし」
「ええー、でもさぁ勉強したって将来使わないじゃん!」
「うわっ、頭の悪い奴の典型的な言葉が出ましたね」
「由比ヶ浜、お前小学生か」
 由比ヶ浜のアホ発言にすぐさま総司と俺のツッコミが刺さる。今時そんなこというの小学生くらいだぞ。
「むぅ。ヒッキーに言われるとなんかいや」
 ひどくないか?俺次席だぞ。
 ヴヴヴヴ、とポッケの携帯がバイブが鳴り始めた。
 誰だ?っと、小町か。まあ、このメンツなら問題ないか。
 俺はその場で小町の電話に応じた。
「小町、どしたー?」
『あ、お兄ちゃん?今日の夕飯サイゼにしよ!少し相談したいこともあるし』
「家じゃだめなの?」
 外食だと出費がかさむでしょうが。
『小町じゃなくて、小町の友達が相談してきたんだよ』
「で、どうしようもなく俺に丸投げと」
『………てへ☆三。じゃあ、六時にサイゼで!』
 …………切りやがった。まあ、いいか。今は五時か。先行って向こうで勉強するか。
「雪ノ下、すまんが先上がるわ」
「小町さんから相談を受けたのね」
「話が早くて助かる」
「ええ、了解よ」
「じゃ、おつかれー」
 俺は奉仕部を後にし、サイゼまでのんびりチャリを急がせた。チャリ面倒だしバイクの免許取ろうかな。
 
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