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ヴァンガードG ネクステージジェネレーション Re:start

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Turn:12 貫く信念

 
前書き
結果が出せず思い悩むミツキ
そんな中アムと共に臨んだ撮影で偶然同じU-20に出る南波カイトと出会う
今の自分を再確認するためファイトを挑むミツキ
ファイトを見守っているアムは彼女の様子に気が付いて……… 

 
今日のミツキはアムと一緒に撮影
親子の休日をテーマにした今回の撮影
ミツキとアムが仲良くポーズをとっていた
カメラマンのリクエストに応えるミツキの表情を窺うアム
最近彼女が何か悩んでいるのに気づいていた

Turn:12 貫く信念

撮影を終えベンチで休憩するミツキとアム
「何か悩んでる?」
アムの問いかけにミツキは静かに頷いた
「わからないの………どうしたらいいのか」
これまでもチームに誘ってくれたミライの期待に応えるべく努力を続けてきた
ミツキにとっては初めての大きな大会
予選が近づく大事な時期だからこそ、先日の負けが心に深く刻まれていた
「気持ちはわかるんだけどね」
それでも自分に出来ることが無いとわかっているアムは大きくため息をこぼす、すると
「あれ?アムさんじゃないですか?」
整った顔立ちの青年がアムに声をかける
「あれ?南波くん?奇遇ね、君もここで撮影?」
「ええ、まあ」
「お母さんの知り合い?」
「ええ、同じ事務所の新人で南波カイト君、そういえば、君もテレビの企画でU-20に出るって言ってたけど」
アムの言葉を聞いて突っ伏していた顔を上げるミツキ
「U-20に!?」
「ええ、なんでも挑戦者に密着するドキュメンタリーを撮るとか、でも、たとえテレビの企画だろうと、選ばれた以上、僕も全力で挑む」
そう言ってデッキを手に取る南波
その言葉にミツキは思わず自身の懐に手が伸びる
「あのっ!」

ファイトテーブルでそれぞれ向き合うミツキと南波
「(ミツキにとっていいきっかけになればいいけど)」
アムも真剣な表情で二人を見守った
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」

惑星クレイ、メガラニカの深海で向き合う二人
「青雲の宝石騎士 ヘロイーズ!」
「七海兵卒 ステュクス!」
骸骨のようなファーストヴァンガードの姿を見て目を見開くミツキ
「グランブルー!?」
目の前の相手はアムと同じグランブルー使い
ミツキにとっても馴染み深いクランだ
「ライド!呼声の宝石騎士 クリスティーン、ヘロイーズは先駆で………斜めに移動」
「(斜め?いつもヴァンガードの後ろに置いてたけど………)」
ミツキのファイトが変化していることに気付くアム
「ライド!七海操舵手 ナイトクロウ、更に荒海のバンシーをコール」
ミツキと同様に南波もステュクスを斜めに移動させその前に新たなユニットをコールする
「荒海のバンシーのスキルでソウルに移動、一枚ドロー、続けて演奏するゾンビをコール」
ギターを片手に姿を現したユニット
そのスキルで南波は山札を上から十枚確認する
「演奏するゾンビのスキルで七海剣豪 スラッシュ・シェイドをドロップゾーンへ」
「(スラッシュ・シェイドのスキルは確か………)」
ドロップゾーンを駆使する戦術こそグランブルーデッキの特徴
演奏するゾンビでそのための布石を打つ南波
「ステュクスのブースト、演奏するゾンビでアタック」
演奏するゾンビの奏でるギターの音色がクリスティーンに襲い掛かる
【宝石騎士 さばるみー】トリガーなし
「(最初のターンからユニットを並べて攻撃してくる………この人も速攻デッキ)」
「ナイトクロウでアタック!」
「ラシェルでガード!」
長い爪を振り上げるナイトクロウだがラシェルが剣でその攻撃を受け止める
「ドライブチェック」
【七海水夫 ナイトアラート】トリガーなし
「ふぅ」
安心して息を漏らすミツキ
その様子を見たアムは何かに気付いた
「そう言うこと………」
「アルトガロでアタック、ドライブチェック」
【純真の宝石騎士 アシュレイ】トリガーなし
「ダメージチェック、あちゃあ、意味のないトリガーだったね」
【演奏するゾンビ】スタンドトリガー
「(デッキが回らない………でも、まだ序盤、巻き返せるはず)」
「ライド!七海剣豪 スラッシュ・シェイド!更にナイトアラート、海中散歩のバンシーをコール」
「(海中散歩はドロップゾーンにあって意味を成すユニット、それをコールした理由は多分………)」
「ナイトアラートでブースト、海中散歩でアルトガロにアタック」
海中散歩の叫び声がアルトガロを直撃する
【呼声の宝石騎士 クリスティーン】トリガーなし
「スラッシュ・シェイドでアタック!更に七海のヴァンガードがアタックする時、ドロップゾーンのスラッシュ・シェイドのスキルで海中散歩を退却、ドロップゾーンからスペリオルコール」
ドロップゾーンにいたはずのユニットが再び姿を現した
このスキルを駆使した攻撃こそ南波のデッキ、七海の得意パターン
「バートラムでガード!」
「ドライブチェック」
【おまじないするバンシー】ヒールトリガー
「あっちゃあ、またか、まあいいや、パワーはリアガードのスラッシュ・シェイドに」
現在のダメージはミツキの方が多い
このタイミングのヒールトリガーは意味をなさないが
「スラッシュ・シェイドでアタック」
スラッシュ・シェイドの攻撃でアルトガロが切り裂かれる
【閃光の宝石騎士 イゾルデ】トリガーなし
「さらに演奏するゾンビでアタック」
【友愛の宝石騎士 トレーシー】トリガーなし
ダメージは圧倒的に南波が優勢
再びくじけそうになるミツキだったが
「ミツキ」
そんな彼女にアムが歩み寄った
「ママ………私」
思い詰めるミツキの頬をアムが思いっきりつねる
「いたいたいた、マっ!?なにを」
「あんた最近ファイトしてる時の表情硬いわよ、ちゃんと自分のデッキを信じてあげれてるの?」
「なんでいきなり………あっ!」
アムの言葉に気付かされるミツキ
だが最近はU-20に向け強くなろうと必死だった
そして結果が出ないことに焦っていた
「(そうか………だから)」
それに気づいたミツキは大きく深呼吸をしてカードを引く
「(シェリー、パワー7000のグレード1、アタックする時スキルでパワーが10000になる、それに………)」
空いているリアガードや残りの手札、ダメージを落ち着いてみるミツキ
「(いける!)ライド!導きの宝石騎士 サロメ」
サロメにライドしたミツキはスラッシュ・シェイドを見据える
「サロメのエスペシャルカウンターブラスト、トレーシーをコール、更にシェリー、バートラム、シンベリンをコール、シンベリンのスキルでサロメのパワーを+10000」
パワーアップしたサロメが剣を構える
「サロメでアタック!さらにリミットブレイク!パワー+2000、クリティカル+1」
南波の手札は4枚、この中に防げるカードはあるのか
「ノーガード」
どうやらサロメの攻撃を防ぐ手立てはないようだ
「ツインドライブ」
【友愛の宝石騎士 トレーシー】トリガーなし
【必中の宝石騎士 シェリー】トリガーなし
サロメの攻撃がスラッシュ・シェイドを直撃する
【七海暴椋 ナイトスピネル】トリガーなし
【七海水夫 ナイトアラート】トリガーなし
「バートラムのブースト!シェリーでアタック!」
シェリーの放った矢がスラッシュ・シェイドを直撃する
【七海操舵手 ナイトクロウ】トリガーなし
「トレーシー!」
ふらついたスラッシュ・シェイドに向けトレーシーが斧を振り上げる
【七海賢者 プレゲトーン】トリガーなし
ミツキのこのターンの攻撃はかなりのものだった
対戦していた南波もそれを感じたのか思わず息を飲んだ
「(危なかった、もしクリティカルトリガーが出ていたらこのターンで負けていた)」
ミツキの実力を直に感じた南波は小さく笑みをこぼした
「ならば、僕も全力で行くよ、ライド!」
剣を持った吸血鬼のユニットがサロメを見据える
「七海覇王 ナイトミスト、そしてストライドジェネレーション!」
手札のナイトミストを捨てGユニットを一枚手に取る南波
「七海に愛されし者 ナイトミスト、スキルで海中散歩のバンシーと七海覇王 ナイトミストをドロップゾーンからスペリオルコール」
ドロップゾーンから登場した時ソウルブラストでドロー出来るバンシーのスキルを使い南波は手札を増やした
「さらにナイトスピネルをコール、スラッシュ・シェイドを退却、ナイトスピネルでアタック!」
女性の吸血鬼が剣を豪快に振り回しながらサロメに向かっていく
「シェリー!トレーシー!」
すかさずこの攻撃をガードするミツキだが続けざまにリアガードのナイトミストが向かってくる
「トレーシー!そーどみー!」
その攻撃も二体のユニットが受け止める
「七海に愛されし者 ナイトミストが参る!更にスラッシュ・シェイドのスキル、ナイトミストを退却させドロップゾーンからコール、ステュクスのスキル、自身をソウルに移動しナイトミストをコール」
ステュクスのスキルはドロップゾーンから七海が復活した時、更にもう一体復活できるというもの
このスキルを使い攻撃回数を増やしてくる南波
「ノーガード」
先程の速攻で手札を使いすぎたミツキにこの攻撃を、さらに残りの追加攻撃をも止める術はない
「トリプルドライブ!」
【竜巻のジン】トリガーなし
【七海暴椋 ナイトスピネル】トリガーなし
【七海不死竜 スカベンジ・ドラゴン】クリティカルトリガー
七海に愛されし者の攻撃がサロメを切り裂いた
【呼声の宝石騎士 クリスティーン】
【宝石騎士 ノーブル・スティンガー】

「また負けちゃったか」
「いいファイトだったよ、さすがアムさんの娘さん」
そう言って握手を求める南波に小さく笑いかけるミツキ
「本番ではこうはいきませんから」
「楽しみにしているよ」
吹っ切れた様子のミツキを見てアムも笑みをこぼしていた 
 

 
後書き
次回予告
「ふぅ、元気になってくれてよかったわ」
「お疲れ、今日は大変だったね」
「まったく、ミツキったらすぐに悩み抱え込んでくるんだから」
「いいじゃないか、その分成長できるんだから」
「ふふっ、まあね」

turn:13 誇り高き騎士

「それにしても、すぐ抱え込むあの子の性格は誰に似たのか」
「ギクッ、さあ、誰だろうね」 
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