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ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル

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美味いモノには毒がある!?深海の珍味フグ鯨編
  第15話 先輩と同居ですか!?お引っ越しと狙えフグ鯨!?

side:イッセー


 よう皆、イッセーだ。俺は最近自分がおかしいって思うんだ。何でかと言うと最近食欲が落ちてしまったんだ。病気かと思ったけど医者に行っても何ともないらしいし一体俺はどうしちまったんだろうか?


『食欲がない?今朝もカレーを15杯も食べた奴が言う台詞じゃないな』
「いつもは30杯は食うんだぞ、半分も減っちまってるじゃないか……」
『知るか』


 一体俺はどうしちまったんだろうな、何からしくねえぜ。


『原因はあの白髪の小娘じゃないのか?』
「そ、それは……」
『明らかに意識してるだろうが。全く好きなら好きでさっさとヤってしまえば良いだろうに……』
「な、なに言ってるんだよドライグ!?」


 ドライグの奴、事あるごとに小猫ちゃんとの事をからかってきやがる。レーティングゲームの騒動が終わった日から小猫ちゃんのスキンシップが激しくなったような気がする。毎日朝一緒に登校するし昼に弁当を作ってきてくれるし常に時間があれば一緒にいるくらいだ。


『まあそのせいかあの金髪の小娘もスキンシップが激しくなってるようだし……クククッモテる男はつらいな?』


 そうなんだよな、小猫ちゃんに対抗してかアーシアもスキンシップが激しくなってきてるんだよな。風呂に裸で入ってきた時はビックリしたぜ。


「でも小猫ちゃんやアーシアといると俺も嬉しいのは確かなんだけどよ……いまいちこの感情が分かんねえな。今まで誰かに好意を持たれたことなかったからさ」
『……まあこれもいい機会だしゆっくりと考えてみる事だ』
「ああ、そうするよ」


 ドライグはそう言って眠りに入った。


「イッセーさん、こちらにいたんですね」


 声をかけられたので振り返るとそこにいたのはアーシアだった。


「アーシア、用事はすんだのか?」
「はい、待たせてしまって申し訳ございません」
「気にすんな、それより早く帰ろうぜ」
「そうですね。あ、その、イッセーさん?」
「ん、何だ?」
「その、手をつないでもいいですか?」
「手を?ああ、いいぜ」


 俺はアーシアの手を優しくつかんだ。


「えへへ、嬉しいです」
「じゃあ行こうぜ」
「はい!」


 俺はアーシアと手を繋ぎ家へと向かった。



ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー


「イッセーさん、今日は何が食べたいですか?」
「ん~、そうだな……ジャガイモが結構残ってるしコロッケでも作るか」
「あ、いいですね。私も手伝います」


 アーシアと今日の献立について話しながら家へと向かう。揚げ物が食いたい気分だったしアーシアと一緒に作るか。


「あ、お帰りなさいイッセー先輩」
「こんばんは、イッセー」
「あれ?小猫ちゃんとリアスさん?」


 俺の家の前に小猫ちゃんとリアスさんが立っていた。もしかして俺たちを待っていたのか?


「二人ともどうしたんですか?俺を待っていたみたいですが……」
「ええ、夕暮れ時にごめんなさい。貴方に頼みたいことがあって……」
「頼みたいこと?まあ立ち話も何ですし家に上がってから話しましょう」


 俺は二人を家に入れてアーシアにお茶を用意してもらう。


「はい、どうぞ」
「ありがとう、アーシア」
「すみません、アーシアさん」


 アーシアが二人にお茶を渡して俺は本題に入った。


「それで俺に頼みたいっていうのは何ですか?」
「ええ、実は小猫が使っているアパートが老朽化が酷くて壊すことになったの」
「ええ、そうなんですか?というか小猫ちゃんアパートに住んでいたんですね。もっと高級マンションみたいな所に住んでるのかと思ってました」
「あまり高級そうな所は好きじゃなくて……」
「話を戻すわね。その関係で小猫が住む場所がなくなってしまうの、それでもしイッセーが良ければこの子を預かってほしいの」
「俺は構いませんがそんなことしなくてもリアスさんなら住む場所くらい直に用意できると思いますが……」
「えーと、それは……そう!この子人見知りだから前住んでたアパートもこの子以外住んでなかったのよ!だから小猫が懐いてる貴方なら安心して任せられると思うの!お願い、生活費はちゃんと入れるから考えてくれないかしら?」


 リアスさんは何やら焦ったような口調で話す。まあ困ってるなら力になるつもりだし別にいいんだけどな。


「俺はかまいませんよ。どうせ見栄で大きい家を持ってますし部屋も余ってますから。アーシアもいいか?」
「はい、小猫ちゃんが来てくれるならもっと楽しくなりますね」
「ありがとう、イッセー。良かったわね、小猫。これでアーシアに追いつけるわよ」
「そ、それは言わないでください!」


 その後はリアスさんが祐斗と朱乃さんを小猫ちゃんの荷物ごと魔方陣で呼び出して一時間ぐらいで引っ越しは終わった。悪魔の技術ってやっぱ凄いな。その後は皆で引っ越しそばを食べている。コロッケを作る予定だったがまあ今度にしておこう。


「おそば美味しいです~」
「イッセーって蕎麦も打てるのね。食べる事に関しては何でもできちゃうのかしら?」
「流石にその道でやってるプロには勝てませんよ」


 よしよし、俺の作った蕎麦は好評らしい、良かった良かった。


「所でイッセー、一つ質問をしてもいいかしら?」
「はい、何ですか?」
「前に貴方たちの料理研究部の様子を見に行ったんだけどだれもいなかったの。でも小猫は貴方の元に行ってたし一体何をしてたの?」
「あー、それは……」


 まずいな、いつかは感づかれると思っていたが結構早かったな。ここ最近小猫ちゃんをグルメ界に連れて行きすぎたのが仇になったか。小猫ちゃんとアーシアも心配そうな顔で俺を見ている。さてどうしたもんか……


「……もしかして話しにくい事?私は貴方を信用してるから変な事はしてないと思うけどやっぱり小猫の主として行動位は把握しておきたいの。駄目かしら?」
「……そうですね、小猫ちゃんを預かってる以上保護者でもあるリアスさんには話しておくべきですね」


 構わないよな、ドライグ?


『いちいち止めるのも疲れたしお前が信じたならそれでいいさ。どうせ一龍に怒られるのはお前だけだしな』


 ありがとう、ドライグ。


「折角だしここにいる全員に話すよ。俺の秘密を……ただこれは絶対に他の人に話さないってことを約束してほしい」
「そこまでの事なの?……分かったわ、ここにいる全員が秘密を守ることを誓うわ、貴方たちもいいわね?」
「はい、僕も話しません」
「私もですわ」


 俺はリアスさん、祐斗、朱乃さんの言葉を信じてグルメ界の事を話した。


「「「……………」」」
「えっと、一応俺が話せるのはこのくらいなんですが……」


 三人はどういった表情をすれば分からないといった困惑した様子だった。


「……ごめんなさい。驚きの余り思考が停止していたわ」
「無理もないですわ。私もイッセー君じゃなければ到底信じられない話ですし……」
「まさか異世界だなんて……イッセー君にはいつも驚かされるね」


 三人は俺の話を聞いて信じてはくれたようだがやはり頭が追い付いていないのだろう。よし、なら実際に見てもらったほうが早いな。


「なら実際に行ってみましょう、グルメ界にね」


ーーーーーーーーー

ーーーーーー

ーーー


「これは……」
「まさか実際にお菓子の家を目にする日が来るなんて……」


 異次元七色チョウの力でグルメ界に来てもらったわけだがリアスさんたちは目の前に立つお菓子の家に驚いているようだ。


「うわ、石かと思ったらこれはチーズじゃないか」
「あら、これ木じゃなくてチョコだわ」
「本当に見た事もない食材だらけですわね。まるで子供の頃に読んでいた童話の中に入ってしまったようですわ」


 更に周りにあるチーズ岩やチョコレートの木など見た事もない食材の数々を見てようやくこの光景が現実だと頭が追い付いたようだ。


「部長達の驚きって冷静に考えれば当り前ですよね、魔法や他種族が存在する私たちの世界でもありえないものばかりですし」
「あはは……私たちはすっかり慣れちゃいましたね」


 そういえば小猫ちゃんやアーシアも初めてここに来たときは驚いてたしあっちの世界の住人なら普通の反応か。


『俺たちは慣れ過ぎてしまって寧ろああいった反応の方が珍しいからな』


 ドライグも最初は『な、なんだこの世界は!?』って驚いてたしな。


『……言うな、恥ずかしい』


 恥ずかしがることはないと思うがな、まあドラゴンとしてのプライドが許せないんだろう。


「ねえイッセー、小猫が修行する前から私たちより実力を上げていたのはこの世界に来ていたからなのかしら?」
「ええ、俺は美食屋として様々な危険地帯に行ったりしてます、小猫ちゃんやアーシアもそれに付き合ってるんです」
「そう、ねえイッセー。もし貴方が良ければ私たちもそれに連れて行ってくれないかしら?」


 俺はリアスさんの言葉に少し驚いた。


「危険ですよ?ヘタをすれば悪魔でも死にかねないことだってあります」
「それでもお願いしたいの。今回のレーティングゲームは貴方のお蔭で何とかなったけど今後またライザーのような輩が、いえもしかしたらライザーなんて比べ物にならない強者が立ちふさがるかも知れない。その時に眷属を守れるように強くなりたいの」
「本当に危険ですよ?俺も助けられない状況にもなるかもしれないし死ぬ覚悟も必要になりますがいいんですか?」
「構わないわ」
「イッセーくん、僕からもお願いしたい。騎士として皆を守れるくらい強くなりたいんだ」
「私もイッセー君のように強くなりたいですわ、リアスの女王として……だからお願いします」


 ……どうやら三人の決意は本物のようだな。


「分かりました。そこまで言うなら俺はかまいません。『思い立ったら吉日、その日以降は全て凶日』ってのが俺の信条ですからね」
「あら、素敵な言葉ね」
「なら明日早速行きましょうか、美味い深海の珍味を食べにね」


 丁度例の食材が出てくる時期だし皆も連れていく事にしよう。そうだ、久しぶりにココ兄に会いに行くとするか。ココ兄なら俺が向かうことくらいもう把握してるだろうしココ兄じゃなきゃ調理できないだろうしな。


「待っていろよ、フグ鯨!!」


 
 

 
後書き
 こんにちは、小猫です。先輩が向かうのは占いの街という場所らしいんですが今回の食材に何か関係があるんでしょうか……ええっ!?先輩のお兄さんがいるんですか!?次回16話『イッセー先輩のお兄さん?四天王ココ登場!!』でお会いしましょう。にゃん♪ 
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