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工業高校哀歌

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第四章

「してくる奴は覚悟しておけ」
「いい考えだったのにな」
「凄く残念だな」
「これならって思ったのに」
「校長がそう言うんなら」
 それも壇を破壊したうえでだ、流石にこれで逆らう生徒もいなかった。星野の怒りは誰が見ても明らかだったからだ。
 それでだ、生徒達はあらためてだった。
 どうすればいいのかを考えることになった、落合はあらためて仲間達に言った。
「校長がああ言うしな」
「しかも壇破壊したしな」
「もう無茶苦茶怒ってたな」
「あの人の怒り方って激怒しかないんだよな」
「普通に怒ることないんだよな」
 常にそうなり大暴れする、だから怖いのだ。
「だから従うしかないな」
「壇みたいになるしな、逆らったら」
「止めるか」
「女装はな」
「ああ、止めるぞ」
 落合はまた言った。
「身の安全は守らないとな」
「だよな、相手は鬼だからな」
「その域に達してる人だしな」
「止めておこうな」
「逆らうことは」
「俺もしないし誰にも勧めない」 
 落合は生徒会長として答えた。
「最初からな」
「ああ、じゃあ別の考えでいくか」
「校長が怒らないやり方でいくか」
「女装も駄目だしな」
「他のやり方でいこうな」
「そうする、しかしだ」
 それでもとだ、落合は正直なところだった。
 考えがまとまらなくなっていた、そのうえで。
 暫く考えてだ、仲間達に言った。
「穏健にいくか」
「穏健?」
「穏健にか」
「ああ、せめてとなるが」
 声のトーンは変わらないがだ、落合は小さな感じで話した。
「彼女なり好きな娘の写真を生徒手帳や定期入れに入れてだ」
「見るのか」
「写真はいつも一緒か」
「そうしていくのか」
「あと携帯の画像にも入れてだ」
 そうもしてというのだ。
「見ていくか」
「何か本当に慎ましいな」
「大人しいな」
「せめて一緒にとかな」
「その目で見てとかな」
「それだけなんてな」
「青春だけれどな」
 それはそれでというのだ。
「何か悲しいな」
「儚いか?」
「けれどそれしかないか」
「俺達の場合は」
「さもないと校長が怒るからな」
 落合はこのことも話した。
「今度はどんな怒り方するかわからないぞ」
「だよな、あの校長だけは」
「鬼みたいに怒るからな」
「下手なことはしない」
「というか出来ないな」
「ああ、だからだ」
 思案の結果というのだった。
「それ位にしておくか」
「そうするか」
「写真や画像をいつも持っておくか」
「そうするか」
 こうしてだった、彼等は。 
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