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Blue Sea 『空と海の境界線』

作者:03-Moonlight
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Operation 02-発令、ファーバンティ解放作戦-
放たれた矢
  Mission15「謎の少女と月夜と艦娘の原理」

 
前書き
お誕生日過ぎてSS途中だった問題。

※空母を流氷に止めてる描写はかなり固い流氷という設定なので大丈夫です。気になる方がいらっしゃったら変えます。
後第3波のミサイルの爆発は割と想像気味です(04のグラ粗いとか言わない) 

 


「ちっ……」

サーニャ達が戦闘しているエリアから数km離れたところでは、もう1つ、実は戦闘が発生していた。
だが、それもサーニャ達の戦闘が発生する前で、それもかなりの時間がたっている。

そこには、大破して何とか流氷に止められている大型空母と、1人のウィッチだけが存在していた。
バラバラになった何かのパーツの残骸や一部流血が見られるところから、護衛がいたというのは見られるがそれはすべて、水底に沈められているようだ。

だが、そんな中には異型の残骸などが浮かぶ当たり、深海棲艦との激しい攻防も見られる。
そこにまた、初めて見た人にとっては吐いてしまいそうな深海棲艦の仲間が、胴体を切断されて放り込まれる。

銃声が飛び交う……だが少しであって、すぐに再び深海棲艦はその残骸の山に放り込まれる。
それは攻防戦……というより、一方的な惨殺とも捉えられる。
惨殺を行っているのは艦娘ではない、空を飛ぶ―――この世界では作り出す事が困難だった少女。






―――――――――鈴初瀬 星奈。この世界に艦娘としてではなく、ウィッチとして前線で戦う、ノースポイント空軍の「人々に公開されない希望」として、今日も深海棲艦を撃ちぬいていた。



「……もう少しで会えると思うよ、私たちの『新天地』に……他のみんなも守りたかったけど――――――





大鳳、貴方だけは絶対に守り抜く」



そう呟くと深海棲艦がわいてこなくなったことを確認し、彼女もまた、一つの矢へと向かって行った。






場所は変わってミサイル撃墜部隊。
突然のサーニャたちの通信途絶に、ミーナたちは嫌な予感を巡らせる。

「爆発音がよく聞こえたのはいい、だがそこから謎の発言を持ってして通信途絶……最後に聞こえてきた、その名前の少女が関わってるのか?」
美緒は最悪の展開を予感している。言葉に出してはいないが、空母棲姫に落とされた、という可能性もあるからだ。

「でも、それだと少なくともサーニャもびっくりしたりするんじゃないかしら。そこら辺の証拠がない限り、難し『待て!』美緒!いきなり」

……美緒が指さした先から見えてきたもの、それは第3波のミサイルであった。それに加え、動きが異常なくらいおかしい。

「これを落とす……」
宮藤は銃を構えて追撃せんと動くが、美緒がそれを止めた。



そう、その視線の先にはウィッチとミサイルが機動戦闘を繰り広げていたからだ。
それも、彼女たちは見たこともない人。機材も何も。

「……アレは間違いなくウィッチだ。しかも、強力な……」

美緒は芳佳に話す。そして、眼帯を外し魔眼を発動させる。

「……対象ターゲットのコアは消滅しているが…それ以外にも、まだここにやらなければならない事があるみたいだ」
美緒は慎重に状況を分析する。ここから何が動くのかは、美緒でもわからない事だ。






消失したものは二度と戻らない

消失したものを再び生み出したとしても、それはすべて別物。

艦娘はこれが当たり前だ。ウィッチも然り、どんな物だろうと。



大きく旋回しながら目的地点までたどり着こうとしていく巡航ミサイル。私は直感で04-MARVEを撃ちこんでいくが、それも数ミリ単位で外す。
何かおかしい……としか言いようがない。撃ち方や接近方法を変えても当たらない。

ネウロイのコア……いや、それはない。まず深海棲艦が撃ち出したものだ。あり得ない……

今度は一度MARVEをほぼ至近距離で撃たんと一気に接近する。しかし、嫌な予感は的中した。

「くっ……!ネウロイ!」
赤い光線がミサイルのいくつかの個所から私に向かって照射しようとする。私はギリギリ避けるが、接近できないと考えればMoonlightは持ち腐れだ。両手持ちならまだいいが、片手なのが痛かった。

しかし判明したことは少なからずある。ネウロイであること、間違いなくコアがあること。そして深海棲艦がネウロイと手を組んでいる可能性があるとこと。


考えてる暇はない。コアがあるとすれば、何とか海上で大破させないと……

直感的に星奈の体が動く。ちょうど海の上だ。このチャンスを逃すわけにはいかないと、機体を一気に密着させ、思考を変える。

固有魔法「全方位魔法攻撃」。3次元的な攻撃でネウロイを砕かんと、彼女の魔法力を使い発動。


その瞬間、周辺が眩い蒼い光につつまれ、星奈の体から一定範囲に魔法が放たれる。それは破壊を持ってして消え、そこから再び、ミサイルの弾頭の爆発が起こる。
爆発は、大きく、また非常に強烈な威力を持って放たれ、星奈を襲った。





爆発を目視する4人。真っ先に動いたのは宮藤。美緒は止めようとしたが振り切られ、結局ついてく羽目になった。

あのウィッチはどうして爆発に巻き込まれながらも自ら破壊しに向かったのだろうか。いや、あの動きは普通のウィッチではないのだが、ともかく確かめるために2人は向かう。

「坂本さん!あれです!」
宮藤が指しながら美緒に伝える。美緒は不思議ながらも同じ方向を向くと――――――


そのウィッチが緩やかに落ちていくのが見えた。このままでは、海面に激突する。その状況をどうやって助けるか。答えはすぐ浮かんだ。


「宮藤!武器を捨ててあのウィッチを救助するぞ!」
「はい!」
美緒はすぐに指示を出す。それに従って宮藤も武器を捨てて救助に向かった。






――――――通信から作戦終了と思われる通信はない。
「サーニャさんが言っていたウィッチ、そこからまたミサイルを撃ち落としたウィッチは同一、しかしこの世界にウィッチという概念はなかったはず……」
響は先ほどから起こっていることをホワイトボードに軽くまとめる。

「私もウィッチに関する情報は聞いたことはない、ただ1つ思い当たる節があるな」
セレンはそれに対して述べると、ホワイトボードに赤いペンで記入を始める。

「まず、ウィッチに関してだが少なからず国が開発していたものを使っていない可能性が高い。むしろ、最近ノースポイントがエイラやサーニャの機体を基に開発を始めたくらいだ。可能性は限りなくゼロになるだろう」
すらすらと謎のウィッチを基にしてマッピングをすると、説明しながら彼女は書き続ける。
「ではどこが一番可能性として高いかというと、ベルカ国境付近、現ノースオーシア首都のスーデントールに本社を置く、艦娘の技術支援にも縁が深いレイレナードだろう。あそこは専属の艦娘もいる。艦娘の原理が魔力によって成り立ってるとなれば、ウィッチはストライカーさえ開発すれば成り立つ」
「ちょっと待ってくれ」
セレンが一通り説明すると、バルクホルンが手を挙げる。セレンは黙々と何かを聞こうとするが、何か不満でもあるだろうか。

「艦娘の原理が魔力によって成り立っているというのは聞いたことがないぞ?現にこの船、つまり照月が魔力によって動かしているというのであればわかるが、どういう意味だ?」

セレンは納得する。説明せんとホワイトボードをもう1つ持ってくる。

「では、今から艦娘の原理について軽く説明しよう」

軽くと言いながら非常に長い説明ではあるが、セレンは自分がわかっている範囲ですべてを話す。
「艦娘の原理。妖精と艦娘本体である人体が保有する魔力によって艤装は動かされる。まあ、そこまでを説明するとややこしいから、今回は照月を用いて説明しよう。まず……艤装について。これらはこの船体を非常にコンパクトにまとめた、と思ってもらった方が早いだろう。照月の艤装をここで展開したい、と思ったがスペースがスペースだ。今回は説明を省く。じゃあ船体がなぜ使えるか。そこが疑問だろう?」
セレンが問いかける。もちろん全員うなずくとすぐ説明が再開した。
「船体はほぼ、装備や各種電子装備、これらは作られていると思ってもらった方が早いだろう。しかし、これらに当てはまらない深海棲艦から『解放』された船体は、このような姿を持ってして誕生することもあれば、また別の艦娘も生まれる。先ほどの戦闘の通信からして、深海棲艦も一部は完全な船体を保有している個体も存在することは、今回の件で私も知った。そして動く原理、それは彼女たちの『意思』だ」
ここで一旦、セレンの手が止まる。

「私が動けなど思っても、この船体は動かない。照月が思わなければ、何も動かないのと同じだ。これが、私が把握できているすべてだ」

見事な説明ではある。だが、照月が言おうとする。
「だけどさ、私たちの艤装の技術についてそのレイレナード?ってところが関わっているのだったら、難しくてもストライカーの開発はできるかもしれないよ?それでも気になるのは、



レイレナードに、バルクホルンさんみたいな所からこの世界に来ているウィッチがいるっていう可能性は否定できないよね?」

照月の発言にセレンは頭を悩ます。

「……その可能性を見落としていた。だとすれば……バルクホルンがそっちの世界では世界2位の撃墜スコア、1位はエーリカ・ハルトマン……ハルトマンには双子がいる……双子のもう一方は、技術者……!」
セレンが何かひらめく。それにびっくりするバルクホルンだが、そこに質問が飛ぶ。
「バルクホルン、エーリカ・ハルトマンの双子のもう一方について、この世界に来る前に何か聞いたことはるか?」

バルクホルンは困惑する。いや、無理はないだろう。あれだけストレートに言われるものだからすぐ答えられるわけがない。

「ああ……そういえば、少し前から行方不明だとは聞いてた」
「間違いないな……レイレナードに直接聞くしかないだろう。だが、本当の本題に戻して作戦の方は?」
セレンはスイッチを入れ替えすぐに問う。照月はそれを、淡々と伝える。

「作戦自体は一応成功です。ですが、例のウィッチが宮藤さんと坂本さんに救助されています。あと1つは――――――







装甲空母『大鳳』が大破、護衛にあたっていた者は例のウィッチ以外全滅。曳航については艦艇の派遣を要する、という感じです」 
 

 
後書き
ここまで書いた回あったっけ?w 
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