やはり俺がネイバーと戦うのは間違っているのだろうか
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6.戸塚彩加は天使である。タイトルが適当?知らないなぁ
「お前ら、二人組作れ」
時は戦国──という名の体育──厚木先生の声のもと、二人組を作り始める。ん?おれか?ふっ、言うまでもないだろう?………ああ!そうだよ!独りだよ!ぼっちだよ!だけどそれの何が悪い!一匹狼という言葉を知らねーのかよ。強い奴は群ねーんだよ!
取り乱したな。一人で何やってんだ、俺。まあ、案の定一人組む奴もいないのでぼっちなのだが。しかし、ベテランぼっちにしてぼっちのスペシャリスト、ぼっち日本代表の名は伊達ではない。すべて自称なのだが。まあ、この程度のことは想定済みだ。
「先生、体調悪いんで壁打ちしてていいっすか?相手に迷惑かけても悪いんで」
俺は先生の答えも聞かず壁打ちコートへと立った。
完璧だ。体調悪いと迷惑をかけてしまうの相乗効果によるサボ、コフッコフッ、世渡り術だ。これこそが技の八幡と畏れられる俺の48あるぼっちの奥義の真髄かもしれん。今度材木座に教えてやろう。
(材木座さんに教えるのは賛成ですけど、世渡り術じゃないと思いますよ?)
うっせーやい。そもそもこのテレパシー設定いつまで引っ張るんだよ。
(そろそろこの手のメタ発言控えませんか?真面目に答えますと、いいじゃないですか!八幡さんとの絆の証明ですよ!表れですよ!八幡さんを愛してやまない沖田さん的にはうれしい限りですよ!あ、今の沖田さん的にポイント高いです)
おい、それは小町の持ちネタのはずだ。何故お前が使えるんだ?まさか!お前クインシーなのか!奪ったのか!?ばんか(ry
(何でも何も、小町ちゃんと私って中の人が同じ)
ばっか、やめろ。それ以上はやめろ。偉い人に怒られちゃうだろうが!
こんな他愛のない会話をしつつ、校舎──より正確な場所を言うと2-Jのあたり──から背筋の凍る思いをしながら壁打ちをしていると、いつの間にか授業が終わっていた。
時間は進んで昼休み。俺は総司とベストプレイスへ来ていた。ここはある一定の時間になると海が近いこともあり風向きが変わるのだ。しかも、風が吹かないときがないといってもいい。まあ、何が言いたいかというとだ。
「この場所にはいい風が吹くぜ」
「あ、その半熟卵もらいますね!」
あ!総司!何人の半熟卵取ってんだ!これ小町が作ったのだからお前のにも入ってんだろうが!
おっと、こいつは説明をし忘れてたな。
俺と小町は俺ら以外の家族は全員四年前の侵攻までには死去していた。総司も俺らと同じ境遇であったため、三人で暮らし始めたのだ。俺は所謂旧ボーダーとコネというより知り合っていたため、今のボーダーが発足して直ぐにボーダーに入った。総司はまあ諸事情が色々あり一年くらい遅れてボーダーに入った。雪ノ下が入ったのは中学三年の終わり頃なのだがその話は他の機会でいいだろう。
はっきり言って総司は和菓子以外は点で料理が出来ないため、当番制で俺と小町が飯を作っているのだ。で、今日は小町の日。
「あれヒッキーにおきたんじゃん!またここで食べてんの?」
このアホなあだ名で呼ぶ奴は間違いない、やはり由比ヶ浜が俺らの後ろにいた。
「俺はいつもここで飯食ってんだよ」
「何で教室でご飯食べないの?」
「教室だとお前らみたいなリア充がうるさいからな」
「私は八幡さんのあるところに私あり、ですから。それよりも由比ヶ浜さんは何故ここへ?」
俺のいるところにお前ありって、何だよそれ?
「ゆきのんとのゲームに負けて、罰ゲーム中で飲み物を買いに行ってるの!」
「何?俺と話すことが罰ゲームなのか?」
「違う違う!ジャンケンしてジュース買ってこようってゲームだよ」
ああ、あれね。ランク戦に負けたらおごりみたいな奴のあれね。
「ねえ、ヒッキーはさ、入学式の日のこと覚えてる?」
入学式だ?鮮明に覚えている。総司が朝布団に潜り込んでて寝ぼけてた総司が俺に抱きついてきた何ていうトラブルがあったため、ヒスってさっさと起きて、さっさと学校へ向かったのだ。そしたら雪ノ下の家の車と通り過ぎたのだ。そして、そこにどこかの家の飼い犬が登場。轢かれそうになった犬を助けようとしたら、俺が轢かれたんだよな。まあ、絶牢と橘花を使って威力なくして無傷だったけどな。
「車に轢かれたくらいしか思い当たらんが」
「それって(ry」
由比ヶ浜が何か言いかけたところで別の人間の声が入ってきた。
「比企谷君と由比ヶ浜さんに沖田さん?」
そこには、ジャージ姿でラケットを持った可愛らしい顔の女子生徒がいた。
「あっ、さいちゃん!よっす!」
「由比ヶ浜さんよっす」
「昼練?いつも大変だね」
「そんなことないよ。うちのテニス部あんまり人数いないから僕が頑張らないと。そういえば比企谷君もテニス上手だよね」
「そういえば、八幡さんってテニス出来たんですね」
女子生徒の言葉に、総司が確かにと腕を組みうんうんと頷く。今更何をいってるんだか。
「俺の家系はそれだけが取り柄みたいなもんだぞ」
謎の拳法通称比企谷拳法はお袋の家で代々継承しているものだったんだ。お袋の旧姓は遠山。元を正せば、先祖は遠山金四郎なのだ。昔時代劇でやっていた遠山の金さんその人だ。
何故脳筋が取り柄かというとだ。まず、俺と同じ技を使えるお袋。そして、お袋が惚れた俺の親父。元警官。殉職だが、それはネイバーの存在がおおっぴらになる遙か前に、ネイバーの百はいるであろう軍勢を生身で一手に引き受けて相打ちで倒れたのだ。ちなみにネイバーはトリオン体でしか傷つけられません。生身で倒すとか何もんだよ親父。そして俺の祖父。まだまだ元気なくそ爺。零戦のパイロットとして戦争を経験している。怪我して入院して気づいたら戦争が終わっていたとほざいていたが何かあると思い調べたら、撃墜された後、旧日本領のブレスク島に泳いで辿りつき、その翌々日に現れた米陸軍三百人を一人で食い止めた伝説を持ち、アメリカからは『ダイハード』という二つ名を持ち今な畏れられている。
な、これだけ見ても脳筋だろ?
「確かに、そうでしたね。八幡さん含めて比企谷家や遠山家の皆さんは人間やめてましたね」
おいおい、心外だな。たかが一、二回生き返ったくらいで。俺は一般人だ!
(逸般人ですね)
解せぬ。
で、ずっと思ってたんだが、
「「で、誰 (です)?」」
「信じらんない!あたしの時もそうだけどクラスの人の名前くらい覚えようよ!っておきたんも!」
こいつの場合おそらく俺以外に興味がない、とか言い出しそうだから怖いんだよな。
(何故わかったんですか!?)
マジだったのかよ!
「同じクラスの戸塚彩加です。よろしくね」
「悪いな。クラスの女子とかかわらんから名前わかんなかったわ」
由比ヶ浜と総司が、えっ?という風に俺をみる。
えっ?何かやっちゃった?地雷踏み抜いた!?
「あの………」
なぜか戸塚がもじもじしている。トイレか?それなら俺なんか気にせずにさっさと行けばいいのに。
「僕、男なんだけど、なあ」
ふぁ!?
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