魔法少女リリカルなのは -Second Transmigration-
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第11話 対話と契約
前書き
第11話です
ではどうぞ~
転生者との戦闘を終えて、俺達は自宅へと着いた。まずは俺と目の前にいるアーチャー改め、転生者のデバイス『スパーダ』に転生者の方は任せる。
「あとは本人次第なんだがな」
「ですがマスター、信用しても良いのですか?また襲ってくる可能性もありますよ?」
「スパーダがよく言い聞かせると言った。それに、交渉を持ちかけたのはスパーダだ。わざわざ自分が不利になることはしないさ」
スパーダは冷静だし、なにより視野が広い。あの場で交渉に出たのは正解だ。いいデバイスをパートナーにしたな。
「天城殿、マスターが目を覚ました。体にも異常はない」
「わかった。それじゃ、さっさと終わらせるか」
俺は転生者が眠っていた客間へ歩を進めた。
客間の前で止まって襖を開ける。中にいた転生者は驚きに目を見開いたが、すぐに臨戦態勢をとるが、スパーダによって止められる。
「落ち着けマスター、彼は君や私に危害を加えるつもりはない」
「信用できるかよ!転生者なんだぞ!?自分の欲のためならなんだってするに決まってる!」
お~お~、偉い嫌われようだな。まぁ、大体の二次創作系のキャラにもいるよね、そういう奴。
「そう言ってるけどな、俺に交渉でお前に危害を加えるなって言ってたのは、そのスパーダなんだけど?」
「なんだと……?」
転生者は驚いてスパーダを見る。スパーダはゆっくりと頷いて自分のマスターを落ち着かせる。
「本当なのか、スパーダ?」
「あぁ、本当だ。マスターの危険を回避させるにはこれしかなかった。それとマスター、ここへ君を運ぶように指示したのも彼だ」
転生者は今度は俺を見て何かを考えている。
徐々にだが、落ち着きを取り戻したようだ。
「落ち着いたか、マスター?」
「……ああ。もう大丈夫だ」
転生者は落ち着いてから再び俺へと向き合う。
スパーダがら大体の話をきいたから、議題はすぐに本題へと入った。初めに口を開いたのは俺だ。
「聞きたいことっていうのは、別に大したことじゃない。お前がこの世界で何がしたいのか聞きたいだけなんだ」
「したいこと……だと?」
「あとで詳しいことを話すとして、まずハッキリさせておこうと思う。俺はハーレムに興味はねぇんだよ」
「……は?」
「確かになのは達は魅力的だけどな、別に俺はハーレムを作りたいとも思わない。なんつーか、不純だし」
「……ちょっと待て、お前、本気で言ってんのか?」
「あぁ、本気」
「お前……神様の手違いで死んだからチート手に入れてハーレム作るって言うそういう……!」
「いるね、そういう奴。けど俺、興味ねぇんだよ。平和で楽しい人生が送れれば、それでいい」
「……(゜Д゜)」
そんなに驚くかね?開いた口が塞がらないみたいだな。
「で、お前は?」
「え?」
「お前は何がしたいんだ?原作に介入したいんなら別に止めはしないけど?」
俺は転生者を見据える。コイツがどんな思惑で転生したかは知らないが、とりあえずこれで1つ見極めてみよう。
「俺は……無理に原作に介入する気は無い。でも、やれるなら、なのは達と戦いたい」
……なんか、随分と控えめだな?普通はハーレム目指したりするはずだが……
「やれたらいいってどういう事なんだ?転生した際の特典で介入は容易な筈だが?」
「それについては私が話そう」
沈黙していたスパーダが口を開いた。
「私のマスターは口下手でね。それと、前世のとある出来事がトラウマになっていて、軽い人間不信なのだよ」
……なるほど、だからできたらいいな、っていう言い方なのか。しかし、自分の欠点をわかっている辺り、まだ更正の余地はあるな。
「そうか……大体わかった。最後にもう一つ、お前は俺にハーレム作るような奴って言ってきたけど、お前はどうなんだ?」
「興味ない。もとい、こんな欠点があるんだ。まともに話もできないから、作ろうなんて思ってない」
「そう……それを聞いて安心したよ」
「安心?」
やっぱり俺の言葉に反応してきたか。……まぁ、俺のことは話してもいいよな。
チラリ、とレンを見ると……
(マスターの思うがままに)
と念話で帰ってきた。なら話そうか、俺が神様から与えられた仕事を。
「2人には話しておく必要があるな。俺はね、神さまから仕事を受けてるんだよ」
これを話すと反発を食らって敵対する可能性があるが、2人のはなしが本当なら、殺す理由はない。初めにあの神さまも言っていたが、殺す対象はあくまでも悪い影響を及ぼす転生者であって、転生者全てではない。
話を終えると、転生者とスパーダは俺の話を真剣に聞いていた。俺が一度転生してからその世界で一生を終えてから再びこの世界に転生したこと。
話を終えると俺は一息を吐いた。
「……まぁ、あらかたこんなもんか。とにかく、今のお前達2人を殺す気はないよ。聞いた限りでも特に問題は無かったしな」
「なぁ、1ついいか?」
「答えられる範囲なら」
「お前は前の転生で結婚までしたんだろ?それに対して未練とか無いのかよ?」
もっともな意見だな。確かに、俺はモモを残して死んだ。そうだな……
「確かに、先に俺が死んで、モモを残してきた事は心残りだ。けど、後悔はしてない」
「何故?」
「……信じてるから、かな?モモのことを」
「え?」
「モモは確かに武神って呼ばれるくらい強かった。負けなしで、人前ではカッコよく見せたくては可愛い女の子をナンパしたり……」
思い出せば、今のなのはのように、モモとはいつでも一緒だった。鍛錬ではともに競い合い、遊ぶときはモモの方からかまえとせがんできたり……
「けど、そんな今の関係が壊れるのを恐れて前に踏み出せなかったり、自分より強い相手がいないがために孤独になったり」
本当は誰よりも人間らしくて、誰よりも危なっかしい女の子、それが俺にとっての川神百代の、モモの姿だった。
「それにな、俺がモモを好きになったのは、そんなところをひっくるめてなんだ。そんな俺が、モモの事を信じないでどうする?」
誰よりもモモを愛し、信頼し、共にいたいと思った。だから、最後の瞬間でさえ、俺が死ぬとわかっていたあの時でさえ、モモのことを信じれたから確証できた。
きっとモモなら大丈夫だ、と。
だから今を生きれる。
昨日を、過去を後悔せずに、前へ進めるんだ。
「……さて、ここまで俺の話を聞いてくれてなんだが、1つ提案があるんだ」
「提案?」
「ああ。」
俺と組まないか、新米転生者君?
転生者side
あいつから提案されたのは、思いもよらないものだった。
今は少し考える時間が欲しいからということで、今は部屋に俺とスパーダしかいない。
転生者同士が協力することは小説ではあることだが……
「どうする?スパーダ」
「フム……悪い条件ではないな。衣食住とマスターの能力強化などを約束してくれることを考えるならば、破棄するには惜しい内容だ」
隣にいたスパーダは賛同してくれているようだ。確かに悪くない。実際にあいつとの戦闘でわかった。俺は弱い。
もし、このまま原作に介入するなら、俺はまだまだ強くならないといけない。
「信頼、か……」
俺はそれを手に入れる事が出来るのだろうか?前世での俺の失敗を考えると不安になる。
「マスター、君に1つアドバイスをしておこう」
「なんだよ?」
「信頼と信じるということは、似ているようで違うぞ。もし信頼が欲しいなら、相手をまず信じることだ。疑いの目で見るような相手を誰が信じるというのだ?」
「……随分とアイツを信用してるな?」
「なに、でなければ彼はあの時に私達を殺していただろう。……彼が前世でやれたのは、相手を信じていたからだろうな。愛する者を信じ、信じ抜いたからだろう。当たり前だが難しい……しかし、だからこそ彼が強くなれたのだろうな」
スパーダの話を聞いて俺は再びさっきのアイツの顔を思い出した。
確かにアイツは嘘は言ってないと思う。
「信じて、みるか……」
まずは信じることからやってみよう。
悠里side
「考えた結果、お前達と組もうと思う。よろしく頼む」
というわけで、転生者の1人を仲間にすることができた。
……レンは少し不満そうなんだけど……
後でなんとかしよう。
「天城悠里だ」
「鳴海陽斗。……よろしく、悠里」
これが俺と陽斗こと、ハルの出会い。これから俺の相棒との邂逅である。
オマケ
テイルズ風スキット
肩書き
「なぁ、悠里」
「ん?」
「お前が使ってたのって武術かなんかの技なのか?」
「あぁ、前世で育ったのが寺院だったからな」
「へぇ~……。ちなみになんていう所だ?」
「川神院」
「………それって、『真剣で私に恋しなさい!』の川神院?」
「それ以外どこがあるよ?ちなみに肩書きは川神院剣術師範代、あと武道四天王にもなったからな。いや~、懐かしいな……ヒュームさんと解体される九鬼の旧ビル(40階建て)で剣で戦ったり、モモと戦って辺りを焦土にしちゃったり……かわかみ破を試しに撃ったらまるでコロニーレーザーだったしな……」
「………((((゜д゜;))))」
「さて、飯の準備しないとな~。今日は鍋にしよう」
(その場を去る悠里。そこへスパーダが通りかかる)
「さて、私も夕食の手伝いを……む?どうかしたのかマスター?」
「……スパーダ、俺、悠里に挑まなくて正解だったわ……」
後書き
第11話でした。
というわけで今回から新キャラ2人が追加されましたがどうでしょうか?
2人を表すなら
悠里=完成されたチート
陽翔=修行中のチート
といった感じです。
まぁ、年齢的にも悠里が年上ですから当たり前なんでしょうが……
それではまた次回で
意見、感想を心から、切実にお待ちしております。
ではまたノシ
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