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レインボークラウン

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第四百三十九話

                   第四百三十九話  枝豆は
 博士は飲み終わってからだ、風呂に入ろうとする小田切君に尋ねた。小田切君はまだ飲んではいない。
「少し聞きたいが」
「何でしょうか」
「君は枝豆も好きじゃな」
「はい、かなり」
 実際にとだ、小田切君も答える。
「いい酒の肴ですよね」
「わしも好きじゃ」
 かく言う博士もだ。
「よく白ワインと共に飲んでおるな」
「そういえばそうですね」
「豆腐や刺身、天婦羅も好きじゃ」
 和食系の肴はというのだ。
「それと卵焼きじゃな」
「ツボを押さえてますね」
「そうじゃろう、その中でも枝豆はな」
「一番お好きですか」
「和食系で飲む時はいつも食しておる」 
 実際にというのだ。
「そうしておる」
「そうですか」
「うむ、だから枝豆かと言ったが」
「何か残念そうでしたけど」
「それかと思っただけじゃ」
 ただそれだけだったというのだ。
「特に深い意味はなかった」
「そうでしたか」
「うむ、では明日は白ワインを飲んでじゃ」
 そしてというのだ。
「枝豆等和食系を楽しむか」
「お刺身もですね」
「他のものもじゃ」
 天婦羅、豆腐、卵焼き等もというのだ。
「楽しむぞ」
「豪勢ですね」
「和食の肴は豪勢じゃな」
「そうなんですよね、これが」
「最近肉より高くつくな」
「はい、スーパーで買いましても」
 小田切君もよく実感していることだ。
「高くつきますし」
「案外な」
「はい、お肉イコール高級はです」
「遥か昔の話じゃ」
「輸入肉のせいですね」 
 何故そうなったかは小田切君にもわかっていた。
「安くなりました」
「日本ではそうじゃな」
「もうお魚より安いです」
 まさにそうなったというのだ、小田切君もよく実感していた。そのうえで今は風呂に入って楽しむのだった。


第四百三十九話   完


                    2017・4・21 
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