艦隊これくしょん~男艦娘 木曾~
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第三話
前書き
どうも、流石にこのペースはもう二度とできないと思う。
次に俺が目を覚ました時には、太陽が半分くらい沈んでいた。大体二、三時間と言った所だろうか。俺は起き上がろうとして、体が動かないことを思い出した。
あー、そーだった。俺って、なんか変なことなってたんだっけ。
そんなアホみてぇな考えをしていたら、少し前から声が聞こえた。
「お、起きたか。大丈夫か?」
すこし前にも似たようなシチュエーションがあった気がしないでもないと言ったら嘘になるような感じが無いと言ったら過言にならなくは無いこともない。
そんなことは置いといて。
「おう、ついでに頭も冷えた。」
俺は寝転んでそう言った。しっかし、一応男なのに女の子にロープで引っ張られて連れてかれるとか、これ以上無いくらいの辱しめな気がしないでも(以下略)。
さてさて、勝手に脳内で天丼をお代わりしたところで、木曾が止まった。木曾はスカートの中―具体的にはクマちゃんパンツ―を見られないために、今回は早めに俺をとめた。しかも足で。……これ、人によってはご褒美だな。
「ほら、着いたぞ。これが鎮守府だ。」
そう言って、今度は俺に肩を貸してくれた木曾。やっぱりこの子いい娘だ。
そして、木曾の支えで何とか立つと、目の前には、赤レンガを中心にして建てられたかなりでかい建物が。
「これが俺達の拠点、呉鎮守府だ。」
呉と言うと、確か広島だったかな?そこそこ近くにあったんだな。
そんなことを考えていると、赤レンガの建物のそばから一人出てきた。背中には俺達と同じように……いや、俺達よりかなりでかい艤装――恐らくクレーン――を着けた女の人だった。
「お帰りなさい、木曾。その人が話していた艦娘ね?」
「あぁ、小破すらしてねぇから入渠は必要ねぇ。ただ、燃料と弾薬が空っぽだ。補給頼む。」
そう言って、木曾は俺と一緒に海から陸地に上がった。
久しぶりの陸地の感覚に少し戸惑ったが、普通に歩けた。
「それじゃ、こっち来て。」
クレーンの女の人は、そう言って先を歩いた。俺と木曾もそれに着いていく。しばらくすると、赤レンガの建物のそばにある建物に入っていった。俺と木曾も当然それに付いていく。
中は、まるでどこかの工場みたいな感じだった。
「それじゃ、二人とも艤装を外すね?」
そう言って、クレーンの人は俺達の後ろに回った。そして、二、三分で俺と木曾の艤装を外した。すると、さっきまでの疲労感は何処へやら。すっかり楽になった。
「そうそう木曾?提督が呼んでたわよ?」
艤装を運びながらクレーンの人は言った。
「はいはい。んじゃ、お前もこい。」
ここで断る理由もなく、と言うかその為にここに来た様なもんだ。異論は無い。
「それじゃ明石さん、頼むな?」
「はいはーい。」
そう言って、その建物を後にした。成る程、明石と言うのか。
さて、そこから俺と木曾は赤レンガの建前の中に入っていった。全四階建て。その間、誰とすれ違うでもなく、木曾に連れられるまま歩いて行った。
そして、建物の最上階。一番奥の部屋。そこには『室務執』と書いてあった。
「………なんで右読みかなー。」
「始めっからそうだったし、最早気にしてねぇな。」
しかし、あれだな。
「執務室、左読みでも室務執(しつむしつ)だな。」
間
「お前…………天才か………?」
と、かなり驚いた様子の木曾……いやちょっと待て。
「いや、このくらい思いつけよ!漢字が読めないとかならまだしもさぁ!」
流石にこれには突っ込んでしまった。神さまも許してくれるかな(仏教徒)。
「だってだって……そんなことを考えたことすらなかったからさ!それを考えてる位ならどうやったら強くなれるか考えてたし!」
「クソマジメか!」
そんな感じで言い合いをしていると、ガチャリと扉が開いた。
「…………早く入って下さい。」
そこには、眼鏡をかけた、いかにも秘書と言わんばかりの女の人がいた。ただし、この人もセーラー服。
「「あ、はい。」」
そう返事するしかなく、俺と木曾は部屋の中に入った。
部屋の中は青い絨毯が引かれていて、真ん中に校長室のような机とソファ。
そして、奥には仕事に使うのか、なかなかな大きさの机。 そこには、一人の男が座っていた――後ろの壁に『!すでのな』と書かれた掛け軸を見上げて。
「第二船隊所属、木曾、只今帰投しました!」
と言って、敬礼する木曾。
すると、その男はゆっくり椅子ごと回転した。
「お疲れ様。そして、そっちのが新しい艦娘かい?」
そう言ってそいつは俺達に顔を向けた。
後書き
読んでくれてありがとうございます。どうやら俺のリア友も小説投稿してたらしくて……類は友を呼ぶと言うのでしょうか(既に友達)。
また次回。
追記 誤字脱字直しました
更に追記 五月二十日 投稿作品全体に修正を加えました
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