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Three Roses

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第三十七話 一つになってその二

「変えられたいのですね」
「そう考えています」
「そうですか」
「紫の薔薇は」
「王ご自身です」
「王の薔薇は紫の薔薇」
「このことは変わりません」 
 例え王が誰であろうがというのだ。
「しかし王をです」
「四つの薔薇達がですね」
「支え盛り立てる」
「それを表したいのですか」
「そう考えています、また旗はです」
 マリーはこちらの話もした。
「やがて統一したならば」
「今王女が進めておられる」
「はい、それが達成されたなら」 
 その時はというのだ。
「変えたいと思っています」
「どういった旗にでしょうか」
「四国の旗を重ね合わせて一つにした」
「そうした様なですか」
「旗にしようとです」
「お考えですか」
「はい」
 まさにとだ、マリーは王に答えた。
「考えています」
「左様ですか」
「如何でしょうか」
「よいかと」
 王は旗のこともだ、幼さを感じさせないしっかりとした声で答えた。そこには淀みがなく既に威厳が漂っていた。
「それで」
「そう仰って頂けますか」
「はい、四国が再び一つになれば」
「それならばですね」
「旗も一つになるべきです」
 だからだとだ、王も言うのだった。
「ですから」
「それでは」
「旗はまだ先ですが」
「そちらのこともですね」
「それでよいかと」
「では」
「そして紋章は」
 王もまたこれの話をした。
「王家の紋章ですね」
「エヴァンズ家の」
「そうですね、獅子ではなく薔薇ですね」
「これからは」
「そうですね、優雅な薔薇は紋章に相応しいです」
 王はマリーに微笑んで述べた。
「それではです」
「紋章もですね」
「変えていきましょう」
「その様に、それではご婚姻も」
「間もなくです、そしてその婚礼の儀は」
 マリーはその時の考えも述べた。
「薔薇もです」
「それもですね」
「飾りたいです」
「四色の薔薇達を」
「そして五つ目の薔薇も」 
 それもというのだ。 
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