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第三十六話 永遠にその一

                 第三十六話  永遠に
 優花と龍馬は土産もののコーナーに入った、そこに入ってすぐにだった。龍馬はティーセットを見付けて言った。
「これにするか」
「それね」
「ああ、丁度カップ二つあるしな」
「おじさんとおばさんのものね」
「それぞれな」
 一つずつあるからだというのだ。
「これにするな」
「わかったわ、それじゃあね」
「御前も買うよな」
「扇をね」
 言っていたそれをというのだ。
「姉さんの為にね」
「買うんだな」
「そうするわ」
「それでその扇どうするんだ?」
 龍馬は扇のところに行こうとする優花に尋ねた。
「優子さんへのお土産なのはわかるけれどな」
「送るか姉さんがまた来た時に渡すか」
「すぐの方がいいだろ、それだったらな」
「だったら?」
「俺が神戸まで持って行ってな」
 そしてというのだ。
「優子さんに直接渡すけれどどうだ?」
「龍馬が?」
「明日神戸に帰るからな」
 このこともだ、龍馬は優花に微笑んで話した。
「だから丁度いいだろ」
「いいの?」
「これ位何でもないさ」
 笑っての返事だった。
「だからな」
「じゃあ頼める?」
「ああ、今から優子さんに連絡しておくか」
「それだったら私がするわ」
 優花はすぐに自分の携帯を出した。
 そしてメールを送るとだ、即座にだった。
 笑顔の顔文字付きでの返事が来た、優花は龍馬にもその返事を見せて話した。
「いいってね」
「ああ、それじゃあな」
「お願いするわね」
「それじゃあな」
「じゃあ扇は何を買おうかしら」
「豪華だな」
 龍馬もその扇のところに行って見て言った。
「羽根が付いていてな」
「そうよね」
「黒や赤や白でな」
 その色合いもというのだ。
「いいな」
「こうした扇をあちらの貴族の人達は使っていたのよね」
「貴族か」
「そう、貴族のね」
「そこは陶器と一緒か」
「ええ、そうよ」
「貴族か」
 この階級の名前を聞いてだ、龍馬はこうしたことを言った。
「贅沢とか豪奢とかってな」
「華やかなイメージよね」
「どうしてもあるよな」
「そうじゃない人達もいたけれど」
 華やかなイメージがある貴族といってもだ。
「これがね」
「貧乏貴族だな」
「そういう人達も結構いたみたいよ」
「貴族っていっても様々か」
「羽振りのいい人もいればね」
 そうでない者達もいたというのだ。 
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