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バーベキュー

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第四章

 それでだ、主に石を見たりその上を歩いて遊んでいると。
 ふとだ、その石の中にだ。
 見事な紫の丸い石を見付けた、そしてだった。
 その丸い石を手に取ってバーベキューの用意を続けている両親のところに行ってだ、そのうえで笑顔で言った。
「パパ、ママ見て」
「んっ、どうしたんだ?」
「何かあったの?」
「ほら、この石」
 その紫の丸い石を両手の上に置いて両親に見せて話した。
「凄く奇麗よね」
「ああ、そうだな」
「これは奇麗ね」
 両親もその石を見て言う。
「時々こうした石があるな」
「山にはね」
 小川の傍にはというのだ。
「そうした石の中でもな」
「この石は特に奇麗ね」
「この石夏休みの宿題にいいかな」 
 萌葉は両親にこうも言った。
「ひょっとしたら」
「ああ、自由研究だな」
「夏休みの宿題っていうと」
「うん」
 そうだとだ、萌葉は両親に答えた。
「そうよ、どうかな」
「うん、いいと思うぞ」
「丁度いいわね」
「じゃあその石は持って帰ろうな」
「そうしましょう」
 両親も笑顔で言う、そしてだった。
 萌葉はテントの中に入ってその石を自分のリュックの中に入れた。そうしてからまた小川のほとりに戻ってだった。
 他にもいい石がないかと思って探して遊んでいた、すると。
 暫く遊んでいるとだ、耕太に言われた。
「出来たぞ」
「バーベキューが?」
「そうだ、出来たぞ」
「もうすぐお肉とかお野菜焼きはじめるから」
 母も言ってきた。
「来なさい」
「焼いたらどんどん食べていくからな」
「だからね」
「すぐに来るんだ」
「うん、わかったわ」
 萌葉は両親の言葉に目を輝かせて応えた、そしてだった。
 すぐにバーベキューのところに来た、すると網の上で串に刺された肉や野菜、ソーセージが焼かれていた。その串を一本だ。
 円香は手に取って萌葉に渡してだ、こう言った。
「さあ、食べなさい」
「これがバーベキューなのね」
「そうよ」
「串に刺したお肉やお野菜を焼いて食べるのね」
「こうしてね」
「お皿の上にソースがあるからな」
 父は自分の皿に実際にソースを出していた、そして自分が手に取った串をそのソースに漬けて食べる。そうして言うのだった。
「こうして食べるんだ」
「そうなのね」
「美味いぞ」
「焼いていくから、どんどん」
 円香は言葉通りに串を網の上に次から次に置いていく。
「食べてね」
「うん、そうするね」
 萌葉は皿は父に出してもらって、そしてだった。
 皿の上のソースに漬けて食べてだ、笑顔で言った。
「美味しい」
「そうだろ」
「これがバーベキューよ」
 両親はその笑顔の萌葉にやはり笑顔で応えた。 
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