Blue Rose
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第三十三話 最悪の教師その三
「クビにならないの」
「全然よ」
「練習試合で他の学校の子の前で殴る蹴るしてもよ」
「何もなしよ」
「今も先生やってるのよ」
「普通いね」
「何でクビにならないの!?」
仰天したままだ、優花は言った。
「幾ら何でも」
「そう思うでしょ?」
「けれど何度も言うけれど守られてるのよ」
「そうした組合とかに」
「だからクビにならないの」
「そんなことをしても」
「凄い話ね」
唖然とさえしてだ、優花は言った。
「そこまでして何も言われないって」
「少なくともクビにならないから」
「セクハラされても泣き寝入りよ」
「暴力振るわれてもね」
「だから皆あいつに近寄らないの」
「どうしてもその部活をしたいって子以外は」
「実際部員どんどん辞めてるしね」
衝夫が顧問を務めている部活の部員達がというのだ。
「殴られ蹴られ罵られだし」
「負けたら丸坊主にされるし」
「もう無茶苦茶だから」
「無断欠席は即退部とか言ってるみたいだし」
「それもう部活じゃなくて」
それこそとだ、優花はあらためて言った。
「自衛隊よりも厳しいんじゃ」
「自衛隊でも殴ったり蹴ったりして通報されたらクビでしょ」
「憲兵みたいな人達いるらしいし」
警務隊だ、自衛隊内の警察でありそうした不祥事を犯した隊員を処罰することが出来るのだ。自衛官の人は頼るべきである。
「処罰されるじゃない」
「けれど学校の先生は違うの」
「それでも処罰されないから」
「全然ね」
「学校の先生は自衛隊嫌いな人多いけれど」
「うちの学校にもそうした先生いるけれど」
「あいつも多分そうにしても」
それでもというのだ。
「自衛隊よりも遥かに酷いからね」
「そういうことしてもああして偉そうにやってるから」
「殴られ損、蹴られ損、罵られ損」
「そりゃ部員も逃げるわよ」
「私そんな部活は」
とてもと言った優花だった。
「絶対に入らないわ」
「そう、そもそも近寄らないでね」
「絶対にね」
「何があっても」
「そうするわ」
優花も言った。
「あの先生にはね」
「誰か何とかしてよ」
「学校の中にヤクザ屋さん入れないでよ」
「クビになって欲しいけれど」
「中々ね」
そうはならないというのだ、皆既に職員室に入っている衝夫のことは汚物について語る目と顔で語っていた。
だが優花は衝夫のことを確かに知った、それで以後彼には注意することにした。このことは電話で龍馬にも話したが。
龍馬はその話を聞いてだ、こう優花に言った。
「そういう奴いるな」
「学校の先生にもね」
「そういう奴が世の中を悪くするんだよ」
優花に実に忌々しげに言った。
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