ライブラリー=ラブ
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第四章
「やれやれよ」
「それは駄目か」
「時と場所を考えなさい、だからね」
周りを見回して人がいることを確認してだ、真礼は慎に言った。
「場所替えるわね」
「何処で話をするんだ?」
「そうね、屋上がいいわね」
二人が今いる校舎のというのだ。
「あそこなら人もいないし」
「話をしやすいか」
「そこに行くわよ」
「それじゃあな」
慎も応えてだ、そしてだった。
二人は屋上に出てそこで話をすることにした、屋上のフェンスの近くにあるベンチにだった。
真礼は腰掛け慎はフェンスにもたれかかった、そのうえで話をはじめた。
まずは真礼からだ、慎に言った。
「で、寿美礼のこと何処で見て好きになったのよ」
「図書館でな」
「この学校の図書館ね」
「そこで御前と一緒にいるのを見てなんだよ」
それでとだ、慎はフェンスに背中をもたれかけさせた姿勢で自分の前に向かい合う形で座っている真礼に話した。
「可愛いって思って」
「女の子を見る目はあるわね」
「あの娘可愛いな」
「ついでに言うといい娘よ」
「性格もか」
「多少趣味人過ぎて会話の内容が独特だけれど」
それでもというのだ。
「いい意味でお嬢様な性格でね」
「性格もいいのか」
「おっとりしてて優しくてサービス精神旺盛」
「いい娘なんだな」
「私が保証するわ、同級生でも先輩でも後輩でも嫌いな人いないから」
「そうか、じゃあそんな娘なら余計にな」
「ただね」
ここでだ、真礼は。
自分の前にいる慎を見据えてだ、彼に告げた。
「あんたいきなり好きだなんて言うつもりでしょ」
「駄目か?」
「あの娘じゃなくてもいきなりそんなことをしてもね」
それこそというのだ。
「受け入れてくれるものも受け入れてもらえないわよ」
「単刀直入じゃ駄目か」
「特攻隊じゃあるまいし」
神風特攻隊である、その様になるというのだ。
「玉砕するわよ」
「玉砕は俺もな」
「成功したいでしょ、告白するのなら」
「ああ、やっぱりな」
「それならよ」
「余計にか」
「そう、慎重かつ順序よくいかないと」
こうした告白はというのだ。
「これ何でもだから」
「それでか」
「そう、慎重によ」
またこう言った真礼だった。
「あの娘の趣味とか調べて私が紹介してあげたり一つ一つ進めていくべきよ」
「協力してくれるのか?だったらな」
ここでだ、慎は。
制服のポケットから今話題ノラガーマンの逞しいユニフォーム姿の生写真を取り出してだ、真礼に差し出して言った。
「これやるな」
「まだ何も言ってないわよ」
「どうせ協力して欲しいのならっていうんだろ」
「そうよ、けれどよくわかったわね」
「単刀直入か?今も」
「そうね、けれど今回の単刀直入はいいわ」
そのラガーマンの写真を自分から取ってだった、真礼は微笑んで言った。
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