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Blue Rose

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第三十二話 長崎での日常その十四

「碌な存在もいるから」
「だから」
「そう、余計にね」
「近寄らない方がいいですね」
「そうよ、気をつけてね」
「わかりました」
 優花は副所長の言葉に頷いて答えた。
「そうします」
「本当にね」
「そうした先生が本当にいて」
「気をつけないといけないのよ」
「ヤクザ屋さんみたいなものですか」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「むしろヤクザ屋さんはいつも警察や市民の人に見張られてるでしょ」
「悪いことをする人達だから」
「それがはっきりしているからね」
「まだいいんですね」
「学校の先生は違うわ」
 この職業にいるならず者達はというのだ、暴力常習者や性犯罪者それに精神異常者に極左思想の持ち主も多い。
「先生様と言われていたでしょ」
「聖職者とか」
「そうよ、けれどお坊さんや神主さんがヤクザ屋さんの元締めだったこともあるし」
 寺の境内や神社の前で賭場や出店を開かせ置かせていたのだ、寺社は寺社奉行の管轄なので普通の奉行所は手出し出来ずヤクザ者がそこに入ったのだ。
「欧州でもね」
「欧州は教会ですか」
「教会とマフィアも言われてるわ」
 その関係がというのだ。
「聖職者といってもね」
「それもですか」
「そうよ、表の話でね」
「学校の先生もですか」
「むしろ先生の方がね」
 僧侶や神主、神父達以上にというのだ。
「問題があるわ」
「だから」
「その先生には本当に近寄ったら駄目よ」
「名前もですね」
「覚えられない位でないとね」
「わかりました」
「向こうから来るかも知れないけれど」
 こちらが注意していてもというのだ。
「出来る限りね」
「注意して」
「近寄らないでね」
「セクハラもしてくるからですか」
「そっちの方の評判も悪い人だから」
「本当にとんでもない人ですね」
「言った通りよ、聖職者と言ってもね」 
 俗にそう呼ばれる立場でもというのだ。
「その人それぞれなのよ」
「いい人かどうかは」
「そうよ、そして衝夫という先生はね」
 彼はというと。 
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