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Blue Rose

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第三十二話 長崎での日常その十三

「あらゆる意味でおかしいでしょ」
「何か」
「あの組織が強くなればね」
「そうなればですか」
「徴兵制になってもおかしくないわ」
 共産主義国家がそうだったからだ。
「それで北朝鮮みたいなことをね」
「してもですか」
「不思議じゃないわ」
「口では平和と言いながらも」
「幸いその力はかなり弱くなったけれどね」
 やはりソ連の崩壊が大きかった、本尊のない似非宗教が力を維持出来る筈がない。
「それでもね」
「まだ存在していて」
「しかも全く反省しないで」
 自分達の過去の発言や行動の誤りをだ。
「存在しているのよ」
「そしてそこにいる先生達も」
「そのままよ」
「北朝鮮を好きなままですか」
「碌でもない人は碌でもない存在を好きなものよ」 
 これが副所長の返事だった。
「そういうことよ」
「そう、ですか」
「あの先生も日教組だから」
「とんでもない人ですか」
「日教組の中で偉くなろうとしてるのよ」
「そうした人だから」
「生徒は自分の得点の元にしか思っていないわ」
 慈しむ育てるべき存在とは全く思っていないというのだ。
「だから暴力を振るってもね」
「平気なんですね」
「そうよ、何をしてもね」
 それこそというのだ。
「平気だから」
「近寄ったら駄目ですか」
「最低の人間よ」
 衝夫、彼はというのだ。
「ゴロツキよ、そしてね」
「そして?」
「聞いたかしら、さっき私も言ったけれど」
 あらためて優花に問うた。
「碌でもない人はね」
「碌でもない存在が好きで」
「碌でもない人と付き合いがあるのよ」
 類は友を呼ぶ、そういうことだ。
「学校の先生の世界と同じだけマスコミの世界も酷いけれど」
「じゃああの先生は」
「碌でもないジャーナリストと付き合いがあるわ」
「だからですか」
「そう、余計に付き合ったら駄目よ」
 それこそというのだった。
「いいわね」
「わかりました」
 確かな声でだ、優花は副所長に答えた。
「あの先生には近寄らないです」
「挨拶位はいいけれど」
「あまり、ですね」
「意識されない様にしてね」
「そこまで危ない人なんですね」
「暴力やセクハラのこともあるし」
 教師には付きものの話だ、度々報道されているがそれはほんの氷山の一角かも知れない。閉ざされた世界では悪事も漏れにくいものだ。 
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