エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )
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第30話 舞い降りる剣
Side 地球軍
アラスカ将校(光輝)
『戦闘機は至急、帰投しろ!』
戦闘機パイロットA
「ええ!」
戦闘機パイロットB
「隊長!」
戦闘機パイロット隊長
「良く分からんが、上からの命令だ全機帰投する。」
戦闘機パイロット達
「「は!」」
バーナード艦通信オペレーター
「アークエンジェルの指示にこの海域を離脱せよとの、命令です。」
バーナード艦艦長
「本部へ連絡せよ!」
バーナード艦通信オペレーター
「同様の内容を繰り返されています。」
バーナード艦艦長
「そうか。
これより、我が艦はアークエンジェルに追随する。」
大型砲地球軍兵士
「う、動かない。」
地球軍整備兵
「本部からの電源供給が停止しています。」
大型砲地球軍兵士
「何!」
地球軍通信兵
「本部から撤退命令です!至急、地下の潜水艦ドッグへ避難せよとの命令です。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
トノムラ
「ザフト軍は攻撃してきません。」
マリュー
「え?」
パル
「守備軍の艦艇からの通信です。指示ヲコウ!」
マリュー
「本艦はこれより、現戦闘海域を放棄、離脱します!
僚艦に打電!我ニ続ケ。機関全速、取り舵、湾部の左翼を突破します!」
フラガ
「コウキの仕業だな。」
ナタル
「コウキ殿は考えがあっての事だと思います。」
トノムラ
「ザフト軍は二手に分かれて、睨み合っています。」
Sideout
Side 地球軍
アラスカ将校(光輝)
『戦車隊は至急、帰投しろ!』
地球軍戦車長
「ザウートなど仕留めてみせろ!ええ?」
地球軍通信兵
「本部から撤退命令です!至急、地下の潜水艦ドッグへ避難せよとの命令です。」
Sideout
Side ラウ・ル・クルーゼ
クルーゼ
「生け贄はユーラシアの部隊とあれか、いろいろと面白い構図だな、地球軍も。
強固な守り手が立ち塞がるほど、その奥の宝への期待は高まる。頑張ってもらいたいものだな、足つきには?
何!両軍とも攻撃していないだと!」
Sideout
Side 地球軍
地球軍兵A
「くっそー!撤退命令だと。」
地球軍兵B
「全員地下ドックへ退避しろ!」
地球軍兵C
「分かりました!」
Sideout
Side ウィリアム・サザーランド
サザーランド
「第4ゲートが突破されました。基地内部への侵入が始まりましたよ。」
連合軍幹部将校達
「ぁぁ…」
サザーランド
「メインゲートも間もなくでしょうな。最低でも8割は、誘い込みたいものですが…。」
Sideout
Side パナマへ向かう潜水艦
地球軍兵A
「ええ、まさかそんな!」
地球軍兵B
「シーッ!ヤバい話なんだからさぁ、これは…。」
地球軍兵A
「しかし…それじゃあアラスカに残った連中は…」
地球軍兵B
「奮戦やむなく、全滅だろうな。
そして本部は最後の手段に出る。全てドカンさ。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
マリュー
「司令部とのコンタクトは?」
パル
「取れません!どのチャンネルもずっと同じ電文が返って来るだけですよ!
海上艦艇はアークエンジェルの指揮に従い、退避するようって…」
マリュー
「…」
ノイマン
「既に、指揮系統が分断されています!艦長…これでは…」
光輝
「こちらコウキ、アークエンジェル応答せよ!アークエンジェル応答せよ!」
補充クルーD
「友軍機接近、着艦を希望しているようです。」
マリュー
「え?着艦しようとしているの?」
ナタル
「右舷フライトデッキ、オープン!」
光輝
「ぇぃっ!」
整備員
「コ、コウキ!」
光輝
「艦長!」
マリュー
「コウキ!あ、貴方一体何を!?」
光輝
「そんなことはどうだっていい!それより、すぐに撤退だ!」
マリュー
「ええ…」
光輝
「いいか、よく聞けよ!本部の地下に、サイクロプスが仕掛けられている!
作動したら、基地から半径10kmは溶鉱炉になるってサイズの代物が!」
マリュー
「ええ?」
光輝
「守備軍は全滅し、ゲートは突破され、本部は施設の破棄を兼ねて、サイクロプスを作動させる!
それで、ザフトの戦力の大半を奪う気なんだよ!それがお偉いさんの書いた、この戦闘のシナリオだ!」
マリュー
「そんな!」
光輝
「この目で見てきたんだ。司令本部は、もう蛻けの殻さ。
残っているのは、ユーラシアの部隊と、アークエンジェルのように、あっちの都合で切り捨てられた奴等ばかりさ!」
マリュー
「ぇぇ…くぅぅ…」
ノイマン
「俺達はここで死ねと!?そう言うことですか?」
光輝
「撤退したことを悟られないように、奮戦してな。」
トノムラ、チャンドラ二世
「ぁぁ…」
マリュー
「ザフト軍を誘い込むのが、この戦闘の目的だと言うのなら、
本艦は既に、その任を果たしたものと判断致します!
尚これは、アークエンジェル艦長、マリュー・ラミアスの独断であり、乗員には、一切この判断に責任はありません!」
フラガ
「そう気張るなって。」
マリュー
「本艦はこれより、現戦闘海域を放棄、離脱します!」
フラガ
「脱出もかなり厳しいが、諦めるな。俺も出る!」
マリュー
「少佐…」
フラガ
「心配しなさんな、忘れた?俺は不可能を可能にする男だってこと。」
光輝
「なに二人で盛り上がっている。
あの偽のザフト軍が守ってくれる。」
Sideout
Side ラウ・ル・クルーゼ
クルーゼ隊旗艦整備員A
「S-14のリペアパックを第7デッキへ。」
クルーゼ隊旗艦整備員B
「その用件は海上で出来るって伝えてくれ!」
クルーゼ隊旗艦整備員C
「第5デッキ…」
ミゲル
「隊長!」
クルーゼ
「ミゲル、補給かね?」
ミゲル
「いえ、先行しているモビルスーツが邪魔で、攻撃出来ません。」
クルーゼ
「なに!」
クルーゼ隊旗艦オペレーター
『本部からカーペンタリア基地に帰投命令です!
モビルスーツを収容後、この艦は潜行します。
繰り返します。本部からカーペンタリア基地に帰投命令です!
モビルスーツを収容後、この艦は潜行します。』
クルーゼ
「艦長!それは本当か?」
クルーゼ隊旗艦艦長
『はい、ザラ議長の命令です。』
クルーゼ
「もう一度確認しろ!」
クルーゼ隊旗艦艦長
『電波状態が悪く、カーペンタリア基地とは以降、連絡が取れません。』
クルーゼ
「チィッ!コウキ・イチジョウやってくれたな。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
フラガ
「あのモビルスーツは?」
キラ
「こちらキラ・ヤマト!援護します。今のうちに退避を!」
チャンドラ二世
「ああ?」
ナタル
「キラ…」
マリュー
「ぁ…いえ…あ…本部の地下に、サイクロプスがあって、私達は…囮にっ…!
作戦のなの!知らなかったのよ!」
キラ
「ぇぇ!」
光輝
「キラ君、ミスリルの名前で、両軍に撤退支持を出してくれ。」
キラ
「コウキさん…、分かりました!」
マリュー
「え?」
キラ
「ザフト、連合、両軍に伝えます。」
ザフト艦艦長
「なんだ?」
キラ
「こちらはミスリルです。アラスカ基地は、間もなくサイクロプスを作動させ、自爆します!」
ジンパイロットA
「えっ!?」
キラ
「両軍とも、直ちに戦闘を停止し、撤退して下さい!
繰り返します!アラスカ基地は間もなくサイクロプスを作動させ自爆します!
両軍とも直ちに戦闘を停止し、撤退して下さい!」
フラガ
「あいつ…」
マリュー
「キラ君…」
Sideout
Side ウィリアム・サザーランド
サザーランド
「そろそろですな、よろしいですか?」
連合軍幹部将校
「この犠牲により、戦争が早期終結へ向かわんことを切に願う。」
サザーランド
「青き清浄なる世界の為に。3…2…1…」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
光輝
「サイクロプス起動!」
ノイマン、マリュー
「ええ!?」
マリュー
「機関全速!退避!」
Sideout
Side ラウ・ル・クルーゼ
クルーゼ隊旗艦オペレータ
「アラスカ基地内に、強烈なエネルギー放射を確認。これはっ!」
クルーゼ隊旗艦艦長
「ああ!こんな…」
クルーゼ
「してやられましたな、ナチュラル共に。ふん。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
マリュー
「どうなったの?」
光輝
「サザーランド大佐の最後の通信を覚えているか?
背景が作戦室でなく、潜水艦の内部だった。
大西洋連邦はユーラシアの部隊とアークエンジェルを置いて先に逃げ出したのさ。
大体、サイクロプス自体、事前にザフト軍の情報が漏れていないと設置しないだろ。
基地の破棄なら爆薬で十分だ。」
フラガ
「以前から知っていたんだな。何故俺達に教えない。」
光輝
「事前に教えてもどうにもならないよ。
それともお前に地球連合軍の幹部を止められたか?」
フラガ
「…」
マリュー
「ぁぁ…」
Sideout
Side 地球軍パナマ基地
基地司令
「なんだ、爆発か?」
副官
「突然、マスドライバー施設が爆発しました。」
基地司令
「原因は?」
副官
「以前不明です。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
マリュー
「この映像は?」
光輝
「パナマのマスドライバー施設の映像だ。
サザーランド大佐の命令書でマスドライバー施設に爆薬を仕掛けていたんだ。
アラスカのサイクロプスの起爆スイッチを入れると、その信号で爆発する仕組みだ。
サザーランド大佐は無人のアラスカ基地とパナマのマスドライバー施設を爆発させたのさ。」
フラガ
「無人?」
光輝
「基地内にいた兵士らは、地下ドッグのエクリプスの輸送潜水艦で脱出しているよ。
サザーランド大佐はいち早く逃げ出したおかげで、何も分からず仕舞いだ。
後は本部のコンピュータをハッキングしてゲートが突破された思わせていた。
本当は作戦室の映像を偽の映像にすり替える予定だったが、
いち早く逃げ出していてすり替える必要もなかった。」
マリュー
「地球軍のマスドライバー施設が破壊されたら、月面基地はどうなるの?」
光輝
「心配ない、ハルバートン提督へは、ミスリルが接触している。
補給はエクリプスが行う。最悪、月面基地を放棄して地球に降りればいい。
地球軍しだいだけどね。」
ナタル
「ザフト軍は?」
光輝
「大気圏降下部隊は、降下ポイントをミスリルの手によって、カーペンタリア基地に変更している。
後の残りはザラ議長の命令書でカーペンタリア基地に帰投中さ。
地球軍もザフト軍も偽の命令書とは知らずに大混乱だろうよ。」
「「…」」
Sideout
Side アスラン・ザラ(プラント)
ザフト軍士官A
「全滅!?全滅とはどういうことだ!?そんなバカな話はなかろう!」
ザフト軍士官B
「カーペンタリアは、とにかく正確な情報を…」
プラント宇宙港では多くの人々が騒いでいる。
アスラン
「ユウキ隊長!」
ユウキ
「アスラン・ザラ!どうしたんだこんなところで。」
アスラン
「いえ、それよりこの騒ぎは?」
ユウキ
「スピットブレイクが失敗したらしい。」
アスラン
「ええ?」
ユウキ
「詳しいことはまだ解らんが、全滅との報告もある。」
アスラン
「…そんな!」
ユウキ
「君にはもう一つ悪いニュースがある。
極秘開発されていた最新鋭のモビルスーツが一機、何者かに奪取された。」
アスラン
「…」
ユウキ
「奪取したのが、ミスリルだと言うことで…」
アスラン
「ぁぁ!?」
ユウキ
「今国防委員会が大騒ぎなんだ。」
Sideout
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