エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )
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第29話 まなざしの先
Side ラウ・ル・クルーゼ
クルーゼ
「スピットブレイク、全軍の配置、完了しました。後はご命令頂くのみです。」
Sideout
Side キラ・ヤマト
ラクス
「間もなく雨の時間です。」
ハロ達
「テヤンデイ。」
「「ハロハロ…」」
ラクス
「中でお茶にしませんか?」
ハロ
「ミトメタクナーイ!」
ハロ達
「「ハロハロ…」」
Sideout
Side ウィリアム・サザーランド
連合軍幹部将校A
「状況は?」
サザーランド
「順調です。全て予定通りに始まり、予定通りに終わるでしょう。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
アラスカ将校
「暫定の措置ではあるが、第8艦隊所属艦アークエンジェルは、
本日付で、アラスカ守備軍第5護衛隊付きへとする。
発令、ウィリアム・サザーランド大佐。」
マリュー
「は!」
パル
「アラスカ守備軍?」
チャンドラ二世
「アークエンジェルは宇宙艦だぜ?」
アラスカ将校
「それを受け、1400から貴艦への補給作業が行われる。以上だ。」
マリュー
「ぁぁあの!」
アラスカ将校
「なんだ、不服か?」
マリュー
「そうではありませんが、こちらには休暇、除隊を申請している者もおりますし…」
アラスカ将校
「こっちはもうパナマがカウントダウンのようで大変なんだよ。大佐には伝えておく。」
マリュー
「ぁぁ…」
Sideout
Side キラ・ヤマト
ラクス
「キラは雨がお好きですか?」
ハロ
「ナンデヤネン?」
ラクス
「うふ。」
キラ
「不思議だなって思って。
なんで僕は…ここに居るんだろうって思って。」
ラクス
「キラはどこに居たいのですか?」
キラ
「解らない。」
ラクス
「ここはお嫌いですか?」
キラ
「ここに居て…いいのかな?」
ラクス
「私はもちろん。とお答えしますけど。」
マルキオ
「自分の向かうべき場所、せねばならぬことは、やがて自ずと知れましょう。
あなた方はSEEDを持つ者。故に。」
ラクス
「ですって。」
メリッサ・マオ
「ラクス様、ミスリルの方からキラ様にお届け物です。」
ラクス
「まあ、何かしら?」
キラ
「アイテムボックスですね。」
キラはアイテムボックスから学習システムを取り出した。
ラクス
「学習システムですのね。」
キラ
「そんな…。」
ラクス
「何なんですか?」
キラ
「ラクスさんとシ-ゲル様、マルキオさんにもコウキさんから、メッセージが送られています。
内容を確認下さい。」
Sideout
Side ザフト軍
ザフト軍本部オペレータA
「作戦開始は定刻の予定。各員は迅速に作業を終了せよ。」
ザフト軍本部オペレータB
「降下揚陸隊、配置完了。作戦域オールグリーン。レーザー通信回線、最終チェック。」
カーペンタリオペレータ
「0300現在、気象部報告。第25管区は晴、北北西の風4.2m。気温18.7度。」
ザラ
「この作戦により、戦争が早期終結に向かわんことを切に願う。
真の自由と、正義が示されんことを。オペレーション・スピットブレイク!開始せよ!」
ザフト軍本部オペレータ達
「「スピットブレイク発動!目標アラスカ…」」
ザフト軍本部オペレータC
「事務局発、第6号作戦開封承認。コールサイン、オペレーション・スピットブレイク、目標、アラスカ、ジョシュア。」
艦長
「ジョシュア…」
副官
「そんな…」
オペレータ
「スピットブレイク発動されました。目標はアラスカ、ジョシュアです。」
艦長
「なに…?」
ミゲル
「ジョシュアだと!?」
整備員
「地球軍本部?」
パイロット
「パナマじゃなかったのかよ!」
クルーゼ
「頭を潰した方が、戦いは早く終わるのでね。」
ミゲル
「へぇー面白いじゃないか。流石ザラ議長閣下。やってくれる。」
整備員
「ミゲル。」
ミゲル
「奴等は目標をパナマだと信じて、主力隊を展開させてるんだろ?まさに好機じゃない。」
整備員
「ぉ!」
ミゲル
「これで終わりだな、ナチュラル共もさ。」
Sideout
Side キラ・ヤマト
シーゲル・クライン
「やはり駄目ですな。導師のシャトルでも、地球へ向かうものは現在全て、発進許可は出せないということで。」
執事
「シーゲル様に、アイリーン・カナーバ様より通信です。」
クライン
「クラインだ。」
カナーバ
「シーゲル・クライン!我々はザラに欺かれた!」
クライン
「カナーバ…」
カナーバ
「発動されたスピットブレイクの目標はパナマではない。アラスカだ!」
クライン
「なんだと!
…ミスリルの情報通りだな。」
キラ
「はぁ…」
ラクス
「キラ?」
カナーバ
「彼は一息に地球軍本部を壊滅させるつもりなのだ。評議会はそんなことを承認していない!」
キラ
「ぁぁ…」
ラクス
「キラ…」
Sideout
Side ウィリアム・サザーランド
連合軍幹部将校A
「退避の状況は?」
サザーランド
「後3隻ほどでしょう。」
連合軍幹部将校B
「間に合うのかね?」
サザーランド
「いきなり最深部まで入られたりはしませんよ。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
警報が鳴り響く。
マリュー
「うっ!」
ナタル、パル
「あ!」
クルー達
「えっ!」
パル
「統合作戦室より入電。」
マリュー
「サザーランド大佐!これは!」
サザーランド
『守備軍は直ちに発進!迎撃を開始せよ!』
マリュー
「ぇ!」
ノイマン
「ぁ!」
ナタル
「ぇ!」
サザーランド
『してやられたよ、奴等は直前で目標をこのジョシュアへと変えたのだ。』
Sideout
ザフト軍の攻撃が始まった。
Side ラウ・ル・クルーゼ
クルーゼ
「さて、この舞台の主役、どれほどの大物か見せてもらうぞ。」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
マリュー
「これで戦えと言うのも酷な話だけど、本部をやらせるわけにはいかないわ。」
ノイマン
「艦長!」
マリュー
「総員第一戦闘配備。アークエンジェルは防衛任務の為、発進します!」
トノムラ
「くそー、キラもコウキさんも居ないのにどうやって…」
マリュー
「ぅ…」
光輝
『こちらはザフト軍、地球軍は降伏したまえ。
サザーランド大佐、応答しろ。降伏すれば将兵の命は保証する。』
マリュー
「この声は…。」
フラガ
「コウキの声だな。」
「「え!」」
パル
「コウキさんからの通信です。」
マリュー
「繋いで!」
光輝
『お久ー。』
マリュー
「これはどういう事?」
光輝
『ザフト軍に見えるでしょう。
でもこれは、今まで生捕りにしたモビルスーツで、ミスリルが遠隔操縦しているんだ。
今、アラスカ本部の統合作戦室にいるんだが、連合軍の幹部連中は全て逃げ出した後さ。
各部隊への指示は、テープの録音だ。
今からテープを退避命令に置き換える。
アークエンジェルはユーラシアの軍と退避してくれ。』
フラガ
「どうなっている。」
光輝
『ザフト軍の作戦が漏れていて、ユーラシアの軍とアークエンジェルは囮に使われたのさ。
奮戦虚しく戦ったが、敗れて止もう得なく、アラスカ基地は自爆。
地球軍の書いたシナリオだ、幹部も一緒に自爆するなら、将兵もまだ納得出来るだろうが、
地球軍の幹部将校は、真っ先に逃げ出している。
テープを入れ替えた。アークエンジェルはテープに従い退避すればいい。』
「「…」」
光輝
『地球軍のシナリオを逆手に取って、ブレイクしてみせる。』
Sideout
Side キラ・ヤマト
ラクス
「キラ?
…ぁ…」
キラ
「僕は…行くよ。」
ラクス
「どちらへ行かれますの?」
キラ
「地球へ、戻らなきゃ。」
ラクス
「何故?貴方お一人戻ったところで、戦いは終わりませんわ。」
キラ
「でも、ここでただ見ていることも、もう出来ない。」
Sideout
Side ラウ・ル・クルーゼ
クルーゼ
「ふ、アズラエルの情報は確かなようだな。」
Sideout
Side キラ・ヤマト
キラ
「何も出来ないって言って、何もしなかったら、もっと何も出来ない。
何も変わらない。何も終わらないから。」
ラクス
「また、ザフトと戦われるのですか?」
キラは首を横に振る。
ラクス
「では地球軍と?」
キラは首を横に振る。
キラ
「僕達は、何と戦わなきゃならないのか、少し、解った気がするから。」
ラクス
「ぁ…
解りました。」
メリッサ・マオ
「キラはこれに着替えて下さい。」
キラ
「ぁぁ…」
ラクス
「あちらに連絡を。ラクス・クラインは平和の歌を歌います。と。」
Sideout
Side ラウ・ル・クルーゼ
クルーゼ
「ほぉ…。
久しぶりだな、コウキ・イチジョウ。
せっかく会えたのに残念だが、今は貴様に付き合っている時間がなくてね。
ここに居ると言うことは、ミスリルが介入するのか?」
光輝
「地球軍とお前のシナリオはブレイクさせて貰ったよ。」
Sideout
Side キラ・ヤマト
ラクス
「ぁ!こうですからね、こう!ザフトの軍人さんの御挨拶は。」
キラ
「このパイロットスーツは熱光学迷彩で見えなくなりますから…。」
ラクス
「あら、そうなの?」
Sideout
Side マリュー・ラミアス
マリュー
「本部の命令は?」
パル
「速やかに退避しろ…と。
基地内部の人員は潜水艦ドッグへ向かうように。
海上艦艇はアークエンジェルの指揮に従い、退避するよう…指示が繰り返されています。」
フラガ
「あいつは、アークエンジェルが囮になる事を知っていたな。」
ナタル
「テープとは言え、軍の命令です。うふふっ。
命令に従いましょう。」
Sideout
Side キラ・ヤマト
メリッサ・マオ
「ラクス様はここまでです。軍内部はモニターで監視されています。
キラ中尉はミスリルの手引きで案内されます。」
ラクス
「あら、つまんない。」
マオ
「こちらの端末でキラとは通信出来ますので、我慢して下さい。」
マオは車から降りた。
続いてキラが不可視の状態で降りる。
キラはナビゲーションに従い格納庫へ向かう。
格納庫の扉の前にはミスリルの兵2名が立っており、
その横には二人のザフト兵が倒れ気絶していた。
キラは不可視状態を解いた。
ミスリルの兵がザフト兵から取り上げたIDを使い、扉を開ける。
ラクス
『さぁ、どうぞ。』
キラ
「ん?
あぁ!ガンダム!」
ラクス
『ちょっと違いますわね。これはZGMF-X10Aフリーダムです。
でも、ガンダムの方が強そうでいいですわねぇ。うふ。
奪取した地球軍のモビルスーツの性能をも取り込み、
ザラ新議長の下、開発された、ザフト軍の最新鋭の機体だそうですわ。』
キラ
「これを、何故僕に?」
ラクス
『今の貴方には必要な力と思いましたの。』
キラ
「ぁー…」
ラクス
『想いだけでも…力だけでも駄目なのです。だから…
キラの願いに、行きたいと望む場所に、これは不要ですか?』
キラ
「想いだけでも…力だけでも…
君は誰?」
ラクス
『私はラクス・クラインですわ。キラ・ヤマト。』
キラ
「ありがとう。
大丈夫?」
ラクス
『私も歌いますから。平和の歌を。』
キラ
「気を付けてね。」
ラクス
『ええ、キラも。私の力も共に。』
ラクスは端末のキラに向かってキスをする。
キラ
「ぁぁ…
うん。」
ラクス
『では、行ってらっしゃいませ。』
キラ
「Nジャマーキャンセラー?凄い!ストライクの4倍以上のパワーがある。
想いだけでも…力だけでも…」
整備員A
「おいなんだ?」
整備員B
「フリーダムが…動いている?」
整備員A
「エアロックを止めろ!本部へ通報!スクランブルだ!」
整備員B
「誰だ貴様!止まれ!」
ジンパイロットA
「うわぁぁ!」
ジンパイロットB
「なんだあのモビルスーツは!」
キラ
「止めろ!僕を行かせてくれ!くっ!」
ジンパイロットC
「こいつ!?」
ジンパイロットD
「速い!?」
キラ
「くっ!」
ジンパイロットD
「あぁ…ぁぁ…」
Sideout
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