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エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )

作者:cipher
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第10話 目覚める刃(前編)

Side マリュー・ラミアス

コープマン
『本艦隊のランデブーポイントへの到達時間は予定通り。
合流後、アークエンジェルは本艦隊指揮下に入り、本隊への合流地点へ向かう。
後わずかだ。無事の到達を祈る!』

マリュー
「了解しました。
コープマン少佐、ミスリルからの情報ではアークエンジェルを追って、
クルーゼ隊とラコーニ隊、ポルト隊が向かっているそうです。
敵の情報を転送します。
本隊へ連絡をお願いします。」

コープマン
『分かった。』

マリュー
「でも、これだけの情報良く分かったわね。」

光輝
「ミスリルにも工作員はいる。」

マリュー
「本当にラウ・ル・クルーゼは来ないの?」

光輝
「何も戦いは、武器を手に持つ必要がない。
情報戦も立派な戦いだ。
クルーゼならこの戦力で第8艦隊を殲滅できる。
その為に情報操作して、本国に足止めしてある。」

フラガ
「抜け目ないことで。」

ナタル
「流石です。コウキ殿。」

ナタル熱い視線が光輝を見つめる。

光輝
(あっやべ、フラグ立てたかも。
早めにフラグ折らないとなぁ。
親愛より、尊敬に持って行かないと)

Sideout



Side アスラン・ザラ

アスランはクルーゼと同じく本国に足止めされていた。

ハロ
「ハロ、ハロ、アスラーン。」

アスラン
「…おっ…ハァ…ラクス。」

ラクス
「ハロがはしゃいでいますわ。久しぶりに貴方に会えて嬉しいみたい。」

アスラン
「ハロには、そんな感情のようなものはありませんよ。
ニュース見ました…。
あ…ご気分はいかがかと思いまして、…その…いろいろありましたから…」

ラクス
「えっへ。私は元気ですわ。あちらの船でも、貴方のお友達が良くしてくださいましたし。」

アスラン
「…そうですか…」

ラクス
「キラ様はとても優しい方ですのね。そして、とても強い方。」

アスラン
「…あいつはバカです!軍人じゃないって言ってたくせに…まだあんなものに…あいつは利用されてるだけなんだ!
友達とかなんとか…あいつの両親は、ナチュラルだから…だから…」

ラクス
「違いますよ。キラ様はミスリルです。
あぁ…でも貴方と戦いたくないと、仰っていましたわ。」

アスラン
「…ミスリル!?…僕だってそうです!誰があいつと…」

ラクス
「…」

アスラン
「失礼しました。では私はこれで。」

ラクス
「辛そうなお顔ばかりですのね。この頃の貴方は…。」

アスラン
「ニコニコ笑って戦争は出来ませんよ。」

ラクス
「コウキ様は仰っていましたわ。
何と戦わねばならないか。
それが本当に分かれば、悩まなくて済む。
キラ様は分かっているみたいでした。」

アスラン
「何と戦わねばならないか…そうですか?…」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

マリュー
「180度回頭。減速。更に20%、相対速度合わせ。」

ノイマン
「しかし、いいんですかねぇ。
メネラオスの横っ面になんか着けて…」

マリュー
「ハルバートン提督が、艦をよく御覧になりたいんでしょう。
後ほど、自らも御出でになるということだし。
閣下こそ、この艦と、Gの開発計画の一番の推進者でしたらかね。」

Sideout



Side デュエイン・ハルバートン提督

ハルバートン
「ん?おぉーー!
いやぁ、ヘリオポリス攻撃の知らせを受けた時は、もう駄目かと思ったぞ。
それがここで、君達と会えるとは…。」

マリュー
「ありがとうございます!お久しぶりです、閣下!」

ナタル
「ナタル・バジルールであります!」

フラガ
「第7機動艦隊、ムウ・ラ・フラガであります。」

ハルバートン
「おおー、君が居てくれて幸いだったぁ。」

フラガ
「いえ、さして役にも立ちませんで…」

ハルバートン
「ナタル君も良く。艦長の補佐してくれた。」

ナタル
「ありがとうございます。」

ハルバートン
「ああー、そして彼らが…」

マリュー
「はい、艦を手伝ってくれました、ヘリオポリスの学生達とミスリルのコウキ・イチジョウです。」

ハルバートン
「とんでもない状況の中、よく頑張ってくれたなぁ。
私からも礼を言う。
コウキ君、君達の力がなかったら無事に脱出できなかった。
改めて礼を言う。」

ホフマン
「閣下、お時間があまり…」

ハルバートン
「うむ。後でまた君達ともゆっくりと話がしたいものだなぁ。」

キラ
「…ぁぁ…」

Sideout



Side フレドリック・アデス

副官
「ラコーニとポルトー隊とガモフ、合流しました。」

アデス
「発見されてはいないな?」

副官
「艦隊は、だいぶ降りていますからねぇ…」

アデス
「月本部へ向かうものと思っていたが…奴等足つきをそのまま地球に降ろすつもりとはな。」

副官
「降下目標はアラスカですかー…」

アデス
「なんとかこっちの庭に居るうちに沈めたいものだが…どうかな?」

副官
「ローラシア級2艦にジンがそれぞれ6機、
こちら(ナスカ級・ヴェサリウス)ジンも6機、
ガモフ(ローラシア級)も、デュエルとバスター、ブリッツ、ジンが3機は出られますから。」

アデス
「クルーゼ隊長は戻られていないがクルーゼ隊の誇りにかけて、
足つきを地球に降ろさせはしない。」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

ホフマン
「しかしまぁ…この艦一つとG1機のために、ヘリオポリスの工場破壊させるとはなぁ…」

マリュー
「…」

ハルバートン
「だが、彼女らがストライクとこの艦だけでも守ったことは、いずれ必ず、我ら地球軍の利となる。」

ホフマン
「アラスカは、そうは思ってないようですが…」

ハルバートン
「ふん!奴等に宇宙(そら)での戦いの何が分かる!
ラミアス大尉は私の意志を理解してくれていたのだ。
問題にせねばならぬことは、何もない。」

マリュー
「…閣下…」

ホフマン
「このミスリル件は…これも不問ですかな…?」

マリュー
「コウキさん達はヘリオポリスの民間人を守りたい。
ただその一心で護衛してくれたのです。
我々は彼らの力なくば、ここまで来ることは出来なかったでしょう。」

マリュー
「誠実で信頼おける人達です。
彼らには、信頼で答えるべき、と私は考えます。」

ホフマン
「しかし…このまま解放しては…」

ナタル
「僭越ですが、彼らの技術や能力は、目を見張るものがあります。
それにかれらの協力がなければ我々は合流出来なかった判断します。
その辺、ご配慮を。」

ハルバートン
「うむ!既にザフトに4機渡っているのだ。
今更機密もない。」

ホフマン
「し、しかし!彼らの力は貴重です!
出来れば、このまま我が軍の力とすべきだと…私は…」

マリュー
「だが、ラミアス大尉の話だと、彼らにその意志はなさそうだが?」

ホフマン
「彼らは一隻…。」

ハルバートン
「ふざけたことを言うな!」

ホフマン
「…申し訳ありません!」

ハルバートン
「過去のことなどもういい!問題はこれからだ!」

マリュー
「え?」

ハルバートン
「この後、アークエンジェルは、アラスカ本部に降りてもらわねばならん。」

ナタル、マリュー、フラガ
「えぇー?」

ハルバートン
「だが、ヘリオポリスの工場が壊滅してしまった今、アークエンジェルとGは、
その全てのデータを持って、なんとしてもアラスカへ降りねばならん。

マリュー
「し、しかし…我々は…」

ハルバートン
「あれの開発を軌道に乗せねばならん!
ザフトは次々と新しい機体を投入してくるのだぞ?」

マリュー、フラガ
「…」

ハルバートン
「なのに、利権絡みで役にも立たんことばかりに予算を注ぎ込むバカな連中は、
戦場でどれほどの兵が死んでいるかを、数字でしか知らん!」

マリュー
「分かりました。
閣下のお心、しかとアラスカへ届けます!」

フラガ
「アーマー乗りの生き残りとしては、お断りできませんな。」

ハルバートン
「頼む…。」

Sideout



Side キラ・ヤマト

キラは格納庫でストライクを眺めていた。

ハルバートン
「降りるとなったら、名残惜しいのかねぇ?」

キラ
「あ!?」

ハルバートン
「キラ・ヤマト君だな?報告書で見ているんでね。」

キラ
「…はい…」

ハルバートン
「しかし、改めて驚かされるよ。
君達コーディネイターの力というものには。」

キラ
「…」

ハルバートン
「ザフトのモビルスーツに、せめて対抗せんと造ったものだというのに、
君達が扱うと、とんでもないスーパーウェポンになってしまうようだ。」

キラ
「そんなことは…」

ハルバートン
「君の御両親は、ナチュラルだそうだが?」

キラ
「え!…あ…はい。」

ハルバートン
「どんな夢を託して、君をコーディネイターとしたのか…」

キラ
「…あぁ!」

ハルバートン
「何にせよ、早く終わらせたいものだな、こんな戦争は!」

下士官
「閣下!メネラオスから、至急お戻りいただきたいと。」

ハルバートン
「やれやれ…君達とゆっくり話す間もないわ!」

キラ
「あぁ…。」

ハルバートン
「ここまで、アークエンジェルとストライクを守ってもらって感謝している。
良い時代が来るまで、死ぬなよ!」

キラ
「…あの!」

ハルバートン
「ん?」

キラ
「あ…あの…アークエンジェル…ラミアス大尉達は…これから…?」

ハルバートン
「アークエンジェルはこのまま地球に降りる。
彼女らはまた戦場だ!」

キラ
「あぁ…その…コウキさんが…」

光輝
「やはりアラスカですか?」

ハルバートン
「…うむ。流石に予想していたのか?」

光輝
「はい。」

下士官
「閣下…!」

光輝
「ザフト軍が来たようです。
私達はこのままアラスカへ同行したいと思います。」

ハルバートン
「…頼めるか?」

光輝
「はい、それが私達の仕事です。
それより、旗艦にお早くお戻り下さい。」

Sideout



Side ザフト軍

オペレータ
「モビルスーツ、発進は3分後、各機、システムチェック!」

Sideout



Side デュエイン・ハルバートン提督

オペレータ
「ナスカ級1、ローラシア級3、グリーン24、距離500。…予測、15分後です。」

ホフマン
「こちらへ向かってきているのか?」

ハルバートン
「ミスリルからの情報通りだな。」

Sideout



Side マリュー・ラミアス

マリュー
「総員!第一戦闘配備!」

パル
「総員、第一戦闘配備!繰り返す!総員、第一戦闘配備!」

Sideout



Side キラ・ヤマト

光輝
「キラ君、これから本格的な艦対戦だ。
君にはミスリルの護衛が付くので出撃して欲しい。
但し君の任務は、アークエンジェルの護衛だ。
決して無理をするな。
艦隊戦を通して戦争を実感して欲しい。
これで君の価値観が変わり成長できるだろう。」

キラ
「…はい。」

光輝
「私は艦橋でマリュー艦長を補佐する。」

Sideout

 
 

 
後書き
原作の第12話「フレイの選択」までの話です。
次話でキラが活躍する予定です。 
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