| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

エクリプス(機動戦士ガンダムSEED編 )

作者:cipher
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第01話 偽りの平和

C.E.(コズミック・イラ)70。血のバレンタインの悲劇によって地球、プラント間の
緊張は、一気に本格的武力衝突へと発展した。
誰もが疑わなかった、数で勝る地球軍の勝利…。が、当初の予測は大きく裏切られ、
戦局は疲弊したまま、既に11ヶ月が過ぎようとしていた。



Side テレサ・テスタロッサ

「次元アウトします。アウトと同時に熱光学迷彩を展開、総員は各種警戒をお願いします。」

「「了解。」」

次元を出た所にはい一つの宇宙コロニーが浮かんでいた。

「テッサ艦長。船はこのまま待機。私がコロニーに潜入して情報収集を行う。」

「分かりました。コウキご武運を!」

Sideout


光輝はパイロットスーツに着替えてEX-ギア(エクスギア)を装備して宇宙に飛び出した。
勿論、EX-ギアは熱光学迷彩を標準搭載で視認されることはない。
噴射ノズルには圧縮空気のノズルが取付けてある為、火炎も見えない工夫がしてある。

ゆっくりとコロニーへ近付きコロニーに手を触れた。


Side テレサ・テスタロッサ

『テッサ艦長聞こえるか?
この世界は電波とレーザー通信が主体のようだ。ニュートリノ通信は察知されることはない。
今から宇宙コロニーの構造解析データを送る。』

「分かりました。
コウキの魔法ですか?何度拝見しても驚きます。本当にチートですね。宇宙コロニー全体を解析するなんて!?」

『今からコロニー内部へ侵入してコンピュータをハッキングする。』

「了解です。」

テレサは送られてきた宇宙コロニーの構造解析データを眺めながら溜息をついた。

私も遺伝子操作でIQや魔法適性を向上させているのにコウキは別次元ですね。

Sideout



光輝はコロニー内部へと侵入する。光輝にとってこの世界のセキュリティーは意味をなさない。
魔法でセキュリティー・コードや赤外線センサーなどを楽々と突破して行く。
目指すはコンピュータのサーバー室。
難なくたどり着いた光輝は魔法でコンピュータの外部記憶装置から情報を抽出する。
次元航行艦『トゥアハー・デ・ダナン』のメイン・コンピュータである『オモイカネ』へと情報を送る。
『オモイカネ』は量子コンピュータであり、送られた情報を元に即座に知識データベースを構築していくことが出来る。




Side テレサ・テスタロッサ

「コウキ、今大丈夫ですか?」

『ああっ大丈夫だ。何かあったか?』

「船が二隻コロニーに向かっています。」

『船籍を調べてくれ、オモイカネに情報は送ってある。』

「分かりました。少々お待ちください。ザフトのナスカ級及びローラシア級です。両方とも戦闘艦です。」

『了解。コンピュータ内の情報を元に分析すると交易や補給目的ではないようだ。
警戒を厳に、工作員や手の空いた者にはこの世界の知識や言語習得を速やかに行うよう伝達を。』

「了解しました。」

『後はオモイカネに詳細な映像を送ってくれ。
脳の外部記憶とオモイカネをリンクしているのでこちらからも確認が取れる。』

「了解です。」

Sideout



光輝は入手した情報を分析し、極秘な工場区を見つけてそこに移動する。
そこにはデータに載っていない5機のモビルスーツを発見した。



Side テレサ・テスタロッサ


『こちらヘリオポリス。接近中のザフト艦、応答願います。ザフト艦、応答願います。』

オープンチャンネルを通して無線を傍受した。
無線の後ろではアラート音が響いている。


『接近中のザフト艦に通告する。貴艦の行動は我が…大きく違反するものである。
直ちに停船されたし。ザフト艦!直ちに停船されたし!』


「コウキ聞いてる。
宇宙コロニーから接近中のザフト艦に呼び掛けている様です。
ザフト艦からは強力な電波干渉が発信されています。
ナスカ及びローラシア級からは電波妨害直前にモビルスーツの発進を確認しました。」

『テッサ艦長、モビルスーツは陽動だ。
その前に侵入した宇宙服を着た工作員達が本命に違いない。
ここに極秘の工場区があり、地球軍の機動兵器(モビルスーツ)を5機製造している。
モビルスーツが発進したとなれば、偵察より狙いは略奪が目的だろう。
命があるまでは戦闘待機。バルキリーにはミサイルに硬化剤を注入して置いてくれ。
出来ればプラントに潜入用にザフトのモビルスーツを捕獲したい。』

「了解です。」


Sideout


コロニー内では爆発音と振動が伝わってくる。


Side マリュー・ラミアス

「ラミアス大尉!艦との交信途絶。状況不明。」

「「…うわぁ。」」

「ザフトの…。X-105と303を起動させて!とにかく工区から出すわ!」

「分かりました。」

Sideout



Side 無線

イザーク
『ほお、すごいもんじゃないか。どうだ?ディアッカ。』

ディアッカ
『OK。アップデータ起動、ナーブリンク再構築、キャリブレート完了。動ける。』

イザーク
『ニコル。』

ニコル
『待って下さい。もう少し…。』

ディアッカ
『アスランとラスティは?遅いな。』

イザーク
『ふん。奴なら大丈夫さ。ともかくこの3機、先に持ち帰る。
クルーゼ隊長にお渡しするまで壊すなよ。』

Sideout



Side マリュー・ラミアス

工場区では銃撃戦が行われていた。

地球軍兵士A
「うおぉ。」

地球軍兵士B
「ラミアス大尉!」

マリュー
「ハマダ!ブライアン!早く起動させるんだ!」

ザフト兵がマリューを狙撃しようと銃を向ける。

キラ
「あっ危ない後ろ!」

マリュー
「さっきの子?なんで!」

ザフト兵A
「うおっ!」

マリュー
「来い!」

キラ
「左ブロックのシェルターに行きます!お構いなく!」

マリュー
「あそこはもうドアしかない!」

キラの横の通路で爆発が起きた。

キラ
「うわぁ!」

マリューがモビルスーツの上からキラに呼びかける。

マリュー
「こっちへ!」

キラは2階デッキからモビルスーツに飛び降りた。

キラ
「あっ。」

ラスティ
「うっ!」

ラスティが地球軍兵士に撃たれた。

アスラン
「ラスティー!きああああ!」

アスランが銃撃しながら走る。

ハマダ
「うお!」

マリュー
「ハマダ!
うわぁ!」

アスランの銃弾がマリューの肩に当たる。

キラ
「あ!」

アスラン
「えーい。」

アスランは弾詰まりとなった銃を放り捨ててナイフを取り出しマリューへ向かう。

マリュー
「うっう。」

キラはうずくまるマリューの側でザフト軍兵士に気付く。

キラ
「はぁ。アスラン!?」

アスラン
「キラ?」

マリュー
「きっ!」

マリューは痛む手でアスランを撃つが狙いがそれてアスランに逃げらられる。
それでもマリューはキラをモビルスーツのコックピットに放り込んだ。

キラ
「あー。」

マリューもキラに続いてコックピットに飛び込んだ。
その様子を見ていたアスランも別の機体のコックピットに飛びこんだ。

Sideout


工場区の一角では、その様子を伺っている光輝がいた。
光輝は右手を挙げる。手の先に光の粒子が集まると一つのロケットランチャーが握られていた。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧