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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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220部分:第三十話 黒薔薇の香りその二


第三十話 黒薔薇の香りその二

「先の聖戦でのピスケスの黄金聖闘士はだ」
「確かアルバフィカ様だったか」
 遥かな過去の黄金聖闘士だがそれでも尊称なのだった。
「確か」
「そうだ。そのアルバフィカ様だが」
 ミスティは語るのだった。
「紅薔薇とその他にも薔薇を使っておられた」
「他の薔薇もか」
「そう。そして」
 ミスティはさらに語っていく。
「その薔薇の色は」
 アフロディーテがここで静かに手を動かしてきた。そうして出してきたものは。
 紅薔薇ではなかった。黒い何処か闇を思わせる、その薔薇だったのだ。
「何っ、それは」
「黒薔薇か!?」
「如何にも」
 アフロディーテはインプ達の言葉に対してここでも静かに述べてきた。
「これは黒薔薇です」
「そうだな、黒薔薇だな」
「確かにな」
 それは彼等もよく認識できた。
「しかしその薔薇は何だ?」
「一体何なのだ?」
「紅薔薇は穏やかな死をもたらすもの」
 アフロディーテはその薔薇をゆっくりとたずさえながら彼等に告げる。
「しかしこの黒薔薇は」
「何だというのだ?」
「速やかな死をもたらすもの」
 こう告げるのだった。
「そう、この花びらによって」
「何っ、黒薔薇が散った!?」
 アフロディーテが持っていたその黒薔薇が散っていった。そうして無数の花びらが宙に舞いだした。その黒薔薇の花びらがであった。
「まさか。ここで」
「技が放たれるというのか」
「如何にも。そしてこの技は」
 アフロディーテは言う。
「ピラニアンローズ!」
「なっ、何っ!?」
「身体が!」
 インプ達は突如として崩れ落ちたのだった。
「う、動かん・・・・・・」
「これが速やかな死というのか」
「そうです。これこそがピラニアンローズの力」
 崩れ落ちていく彼等に対して告げるのだった。
「苦しまず。死になさい」
「紅薔薇だけでなく黒薔薇まで操るとは」
「しかもこれ程までの力とは」
 彼等は崩れ落ち朦朧とする意識の中で最後に呟く。
「ピスケスのアフロディーテ」
「何という恐ろしい男だ・・・・・・」
 こう言い残して倒れていくのだった。アフロディーテはそうした彼等を見送りつつ述べた。
「安らかに眠るのです。そのまま」
「それが黒薔薇ですか」
「今の技が」
 ここでミスティトアルゴルがアフロディーテに対して声をかけてきた。今しがた技を放ち闘いを終えた彼に対して。
「ピラニアンローズというのですか」
「そうです。今のがピラニアンローズです」
 彼はまた述べた。
「ロイヤルデモンローズとはまた対極に位置する技です」
「紅薔薇とは対極の」
「今の技が」
「そうです。この技を闘いに使ったことはここでははじめてです」
 そしてこうも言うのだった。
 
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