Ｂｌｕｅ　Ｒｏｓｅ

「そして私達で何とかするから」
「その時は、ですか」
「ええ、何かとね」
「だからですか」
「前に向かってね、誰でも一人じゃないし」
「私もですね」
「そう、だからね」　　
　だからこそという言葉だった。
「前に向かってね」
「そうさせてもらいます」
「これまでの貴女はどうだったのかしら」
「友達がそうしていました」
　龍馬の顔を思い出して答えた。
「彼がいつもそうした時はです」
「止めていたのね」
「それで私は彼のすることに頷いていました」
「そうしていたのね」
「はい、悪いことをしたと思ったら注意もして」
「それで貴女の注意は聞いてくれたのね」
「喧嘩をすることもありましたけれど」
　ただし殴り合いにはなっていない、優花も龍馬もそうしたことで暴力を振るったりしない。龍馬もそうだが優花は特にだ。
「それでもです」
「そうしたことはしなかったのね」
「はい」
「悪いことは悪いって認めてくれたのね」
「そうでした」
　こう話すのだった。
「いじめとか意地悪は子供の頃からです」
「絶対にしなかったのですね」
「そうでした」
　まさにという返事だった。
「本当に」
「いいお友達なのね」
「いつもお話してますけれど」
「そのお友達ね」
「その彼みたいにですね」
「出来たらね」
　副所長も優花が話す龍馬のことを思いつつ話した。
「そうしたらいいわ」
「そうですか」
「ええ、本当にえ」
「わかりました」
「それじゃあね」　
　こうした話もした、優花は女の世界についても聞きその怖さも聞いた。そのうえでこれからのことを考えつつ外の世界に戻る日を待っていた。


第二十四話　　　完


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２０１６・６・５