とある科学の捻くれ者
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6話
御坂が来たことにより、八幡はフゥと息を吐き、少し離れたところに腰を下ろした。
「ちょっとあんた、なに休もうとしてんのよ」
それを御坂はジト目で見る。
「あとは任せた。俺はもう疲れたから働きたくない。」
「あんた仮にも風紀委員でしょうが...」
八幡にげんなりとした表情で御坂は返答をした。
「まぁ任せなさい!すぐに終わらせてあげるわ!!」
パシィと拳と手のひらで音を鳴らし、御坂は木山と相対した。
「選手交代かね。随分と自信満々だが、君も私のような相手と戦うのは初めてだろう。」
「そうね。だけどあんたのその余裕ぶってる雰囲気もろとも消し飛ばしてあげるわ。」
瞬間、轟音とともに交戦が開始した。
先に動いたのは御坂だった。御坂は紫電を手にまとわせそれを目の前に放つことで木山に攻撃を当てようとした。この方法は単純だが、10億ボルトもの電流を操ることができる超能力者の放電というだけあってその破壊力は計り知れない。だが、それも当たらなければいい。木山は一万の能力を有している。つまり、その中で対策を練ればいいだけの話だ。
木山に紫電が当たろうとしたとき、その紫電が逸れた。
「!!...避雷針のようなものを作り出して、雷が当たらないようになっているのね...」
周りの被害や木山への被害を度外視すれば強行突破できないこともないが、今自分たちの周りには警備員や初春達がいるので、この方法を使うことはできない。つまり、今この瞬間御坂の電撃は封じられたことになった。木山の攻撃を回避するため御坂は磁力を駆使し、壁にたった。
「お得意の電撃は封じられたが。どうするのかね?」
「電撃を封じたぐらいで勝ったと思わないでよね!!」
バチバチ、と音が響く。御坂が磁力によってコンクリートを持ち上げた音だ。重量はゆうに一トンを超えるだろう。その圧倒的質量を風を着るような速さで投げたが、それも木山も磁力などを操ったのだろう。防がれてしまった。そして、逆に御坂が立っていた壁の鉄分を抜かれ御坂が地面に落ちた。
「ゲホッ!!ゲホッ!!」
「もうやめにしないか?私はある事柄について調べたいだけなんだ。それが終われば全員解放する。誰も犠牲にはしない。」
「ふざけんじゃないわよっ!!!!」
「誰も犠牲にしない?あんたの身勝手な目的にあれだけの人を巻き込んで、ひとのこころをもてあそんで!!こんなことをしないと成り立たないものなんてろくなもんじゃない!!」
だが、御坂は意を唱える。だって木山は人の思いを踏みにじったから。能力のレベルが上がらない少年少女達に幻想御身手はさぞ希望あふれるものだったのだろう。確かに、努力してレベルを上げた人から見れば幻想御手はズルで、そんなズルを使った相手に対してのリターンとしてのこれは相応のものだろう。だけど、その根底にあったのは純粋な願いであったはずなのだ。その願いを土足で踏みにじった木山を御坂は許さない。すると、木山の方から呆れ混じりのため息が聞こえた。
「超能力者といっても所詮は世間知らずのお嬢様か」
ヤレヤレと聞こえてきそうな表情である。
「あんたにだけは言われたくないわよ」
ごもっともである。
「君は学園都市の能力開発が安全で人道的だと君は思っているのか?」
「!?」
「学園都市は能力に関する何かを隠している。それを教師達は知らずに180万人の子供達の脳を毎日開発しているんだ。これがどんなに危険なことか君なら分かるだろう?」
「まぁもっともそこの彼なら知っているかもしれないがね」
木山の目線の先を見るとそこには目の腐った少年がいた。だが今はそれよりも...
「それは随分と面白そうな話ね。あんたを倒した後でゆっくり調べさせてもらうわ!!」
御坂の磁力によって操られた砂鉄の刃が、木山の元へ殺到した。だが、それも木山に届くことは叶わない。木山に届こうとする直後、木山の手前の地面の瓦礫が隆起し、砂鉄の刃を阻んだ。
「君は強力すぎる個だが、これだけの数の暴力に勝てるかな?」
そう言って、木山の後ろから現れたのは、八幡の時よりもさらに大量の空を遮るほどのアルミ缶だった。だが、それにも御坂は挫けない。
「上っ等!!全部撃ち落としてあげるわ!!!」
と、宣言通り御坂は撃墜を開始した。轟音。轟音。轟音。数の暴力をものともしない、超能力者の力に木山は内心冷や汗をかいていた。
(すごいな...正攻法ではかなわないか...だが、搦め手ならどうかな?)
狙いは御坂が上空に集中仕切っている今、木山はアルミ缶を密かに1つ御坂の背後に忍び込ませた。
ーーー直後、御坂の背後で爆発が起きた。
「案外たいしたことなかったな。超能力者」
そこには、地に倒れ伏す超能力者がいた。
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