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第十二幕その七

「ようこそ、我が国に」
「相変わらず元気そうじゃな」
「ははは、そちらこそ」
 狐の王様は笑ってリンキティンク王に応えました。
「元気そうで何より」
「うむ、それで今日こちらにお邪魔したのは」
「もう門番の兵から聞いておるぞ」
「そうか、では話が早い」
「今日はここで遊ぶのだな」
「貴殿と共にな」
「それでは」
 狐の王様はリンキティンクの王様の提案に微笑んで応えてでした、そのうえで他の皆にも明るい声で応えました。
「では皆さん」
「ええ、これからね」
「共に遊びましょうぞ」
 オズマにも笑顔で応えます。
「楽しく」
「それじゃあ何をして遊ぼうかしら」
「遊びと言っても色々ありますが」
 王様は楽しそうに考えるお顔になっています。
「今日は今我が国で流行っている遊びを」
「その遊びはどんなのですか?」
 ジュリアが狐の王様に尋ねます。
「一体」
「百人一首といって」
「ああ、百人一首ですか」
 恵梨香がそう聞いて言います。
「日本の遊びですね」
「歌を詠みその歌の札を取る」
「それが狐の国では流行っているんですか」
「左様、この遊びでいいか」
「ふむ、面白そうじゃな」
 そう聞いてです、王様が笑顔で言いました。
「ではそれを楽しもうぞ」
「それでは早速」
 狐の王様も応えます、そしてです。
 皆で百人一首をはじめました、ここでカルロスはこんなことを言いました。
「日本での遊びだから」
「恵梨香だよね」
 ボタンがカルロスに応えます、既に和歌が書かれているお札は床の上に置かれていて皆で囲んでいます。
「やっぱり」
「うん、和歌は日本だからね」
「恵梨香が一番強いかな」
「そうだよね」
「あれっ、、けれど恵梨香は」 
 ここで言ったのはつぎはぎ娘です。
「今は詠む役だから」
「あっ、それなら」
「恵梨香はだね」
「参加しないわよ」
 お札を取る立場としてはです。
「そうなってるわよ」
「そうだね、詠むのならね」
 それならとです、カルロスはつぎはぎ娘の言葉に頷きました。
「お札は取れないね」
「そうでしょ」
「それに私はね」
 恵梨香も言ってきます、その彼女も。
「和歌は知らないから」
「あれっ、そうなんだ」
「百人一首もね」
 今まさに楽しもうとしているこの遊びもというのです。
「殆どしたことないから」
「だからなんだ」
「そう、弱いわよ」
 実際にというのです。
「私はね」
「日本人なのになんだ」
「日本人なら誰でも百人一首が得意かというと」
 恵梨香はカルロスにお話します。 
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