魔法少女リリカルなのは -Second Transmigration-
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第1話 予期せぬ申し出
前書き
第1話です。
では、どうぞ
~前回までのあらすじ~
一度は神の手違いで交通事故で死亡し、『真剣で私に恋しなさい!S』の世界に転生した、『転生者』天城悠里。
事故に巻き込まれた怪我により死亡したものの、その最後は最愛の人に看取られて、無事に成仏したかに思えた。
だが、しかし!
彼の目の前に現れたのは、自身を転生させた神様(幼女)。
そして彼女は悠里に向かい、衝撃の事実を話すのだった。
「おはようございます!突然ですが天城さん……また『転生』しませんか?」
「……ハァ(゜Д゜)!?」
なんとそれは三度目の転生の話であった。果たして彼の明日はどっちだ!?
今、目の前にいる神様は俺に向けて衝撃の言葉を発言した。正直、「なに言ってんだ?こいつ」状態だ。
「あれ、喜べないんですか?」
「あのな……確かに俺は不慮の事故で死んだけど、別に今度はそっちの不備って訳でもないし、別に未練とかないし、次の生にも興味ねぇよ」
「なん……だと……!?」
神様は愕然とした顔をした。予想していた答えではなく、しかも興味がないと来たのだから。
「そんな……まさか、一回の転生で満足してしまったのですか……」
俺は満族じゃないんだけど……
いや、だってまた転生する理由もないし。
そもそも、本来死んだ人間がまた生きるのも可笑しいのに、二回も転生するのはどうだろうか?
「いやいやしかしですね!今度はマイナーな作品ではなくて、かなり人気の世界なんですよ!行かないのは勿体無いですよ!?」
「いや、別にいいよ。行く意味ないし……つか、そんなに人気なら他の奴に回しなよ」
「うぅ~……」
そう言うと、何故か神様は頭を抱え始めた……なんだ?
「……実はですね……天城さんはとある理由から、転生させるように言われているんです」
「……誰から?」
「上司です」
「それは……また……」
「先程も言った通り、次の世界はとても人気がありまして……あなた以外にも2人の転生者がいます」
「はぁ……」
「ただ……人気ということもありまして、下手に色々な能力を持った人間が行けば混乱をきたします」
「ふむふむ……」
「そこでです。ある人間をそこに送って、そういった混乱を避ける、というのがこの目的なんですよ」
「けどさ、それって本末転倒じゃね?生き返らせたんだからあとは好きに生きろってことだろ?それをあとで処理するとか……」
「確かにそうです。しかし、その社会に不適合……もとい、最低の人間を転生させた私どもにも非があります。ですから、形はどうあれその者達を処分するのも私どもの仕事なんです」
なるほどねぇ……。って待て、ということはまさか、その監視役って……
「はい。天城悠里さん、あなたにそれを任せようと思います」
「……ちょっと待て、俺はアンタらが思うような人間じゃないぞ?もしかしたら、その世界ではハーレム狙ったりするかもしれないぞ?」
「それはないでしょう。私達は、あなたの一生をここで見ていました。そこからあなたの行動を考えれば、間違いを犯すことはありません」
何故かすごい信用されてんだけど……
俺ってそんなに信用されることしたっけ?
「そんな天城さんだからこそ、私達は天城さんにこの仕事を頼みたいと思います……勝手だというのはわかってます……ですが、あなたにお願いしたいのです……」
そう言って神様は頭を下げる。突然のことだから俺は少し慌ててしまう。
……どうしたものかね。
「あ~……ちなみに、その世界でも俺への特典って付くの?」
「あ……はい。天城さんが前回の転生の際の特典と、それまで培った経験、能力等は全て引き継がれます。それから、新たに転生するので、他の特典を付け足せます」
うわ~……なんつ~チート仕様だそれ……
「あ、それと転生先の世界ですが……」
「そういえば聞いてなかったな……」
「『リリカルなのは』の世界です」
……(`・ω・´)
…………(`・ω・´)!?
ビッグタイトルキター!!
てか、それは人気出るよ……なんせ二次創作でもチート能力のオンパレードだもん……
俺も人のこと言えないけどさ……
「……と、まぁそんな世界なので、面倒な能力を要求する人間がいる訳なんですよね……」
「……なんかわかる気がする」
そうでもしないと勝てないだろうな……
相手が相手だし。
「では話を戻します。天城さんはその世界に行くに当たって、転生者との戦闘は避けられないでしょうから、まず『デバイス』を渡しておきます」
「とは言っても……俺は魔法なんか使えないぞ?」
「そこは大丈夫です。天城さんの気を魔力として変換しておきますから、魔力量は問題無いでしょう」
「……ちょっと待て。それってランクで言うなら幾らあるんだ?」
確か前回の特典が鉄爺(川神鉄心のこと)と同じ気の量だったはず……
「えっと……SS+ですね」
「化け物じゃん!それ!!」
なんだよそれ!?
川神流の技使えて、魔力量はオーバーSランクあるって、もうただのチート野郎じゃん!
「いや、でもですね?デバイスにリミッター付けておきますし、鍛錬次第では魔力の放出量はなんとかできますし、あくまで初期値なので更に伸びる可能性も……」
「いや、もういいや……よくよく考えたら、下手するとSSSいってそうな感じだし……」
「そ、そうですか……あと、念のためにデバイスには生活を補助する機能も付けますから、可愛がってあげてください」
「はぁ……」
「それと、緊急時の為にこの『魔導書』を差し上げます」
「……魔導書?」
「ストーリー上必要になるときがあると思いますから……」
そう言って神様は一冊の書を取り出す。それは深い紺色の書で、俺が触れた途端に光の粒子となって右手に吸い込まれるように消えた。
「……なんだ?今の」
「書があなたを持ち主と認めたんです。これでこの魔導書はあなたと、あなたが認めた相手しか使用できません」
「……ちなみに、これなんて名前の書なんだ?」
「えっと……あるゲームから作った魔導書で、確か『蒼の魔導書』と呼ばれてたような……」
「またチートかよ!!!」
「あ、でもデバイスとリンクさせて初めて使用できるものでして、封印に特化させたらしいです。いわば後付け装備ですね」
いや……後付けですねって……
後付けになんつ~物騒な物を……
「……で、ここまでは標準装備です。それを説明した上で、再び天城さんにお聞きします。……この仕事を、引き受けてくれますか?」
再び、神様は俺を見据えてくる。ここまで俺の能力を上げてまで、やらなければならないことなのか?
「……最後に確認したい。これは俺だから頼む仕事なのか?それとも、ただアンタ達の尻拭いをするだけの定のいい駒か?」
俺は神様を見据えるように見る。神様はそれに驚くような表情をするが、一度目を閉じて再び俺を見た。
「……これは、私の上司が命じた仕事ですが、人選は私に一任されていました。……天城さんが駒と思うのも無理はありません」
ですが、と神様は一拍置いてからしっかりとこっちを見た。
「先程も言った通り、私は天城さんの一生を見ていました。あなたは、違う世界に転生しその世界でも破格の能力を持ちながらも、その力に自惚れることなく、その生涯を全うしました。世界の流れを壊す事なく、周りの人間を良い方向へと導いて行くことは、簡単ですがとても難しい。しかし、あなたはそれを可能にしました。よって、私はあなたを信じて、あなたにこの仕事を託します」
神様は迷いのない目でこちらを見てきた。
……どうやら本当に嘘はないようだ。そこまで信用されてるなら、期待に答えるとしようか。
「わかった。受けるよその仕事」
「ありがとうございます!」
神様は嬉しそうに笑うと、ピョンピョンと飛び跳ねた。
……可愛いな、オイ。
「さて、それでは転生の際の特典をお聞きしましょう。今回は3つまで可能ですよ~」
「……ちなみにそれって、俺個人以外も可能なのか?」
「と言いますと?」
「ストーリー上死んでる人間を生存させたりするのってアリか?」
「はい、大丈夫ですよ」
「……じゃあ、一つ目は『アリシア・テスタロッサとリィンフォースに生存の方法を残しておく』こと」
「ふむふむ……あれ?アリシア・テスタロッサは死亡しているのでは?」
「肉体が無事だったから魂が無いだけだと思うんだよね……」
実際、映画やアニメだと『死んだ』アリシアの描写はあっても、体は綺麗に残ってた。彼女は魔力炉の暴走で魔力素を大量に吸い込んで心臓が停止したと聞いたことがある。
それなら、魂を吸着させれば生き返らせるのも可能な筈だ。
ジュエルシードとかがあるのなら、そういったものもあってもいいはずだし。
「なるほど……確かに。では、何か方法を残しておきます。そこから先は天城さんが頑張ってください」
「わかった。2つ目はそうだな……」
俺は少し考えて、呟くように言った。
「……両親と一緒に暮らす、かな」
前回の転生では、俺の両親は幼少期に他界してしまった。
モモや鉄爺、風間ファミリーのみんなと一緒だったからあまり感じなかったが、やはり両親と暮らしてみたいと思った。
「えっと……それは以前の転生と同じですか?」
「そうだな。あまり一緒にいれなかったから」
「でしたら……寿命が原作開始の3年前までですから、そこまでの生活は保証します。それと……この分は特典に含みません」
「え、なんで?」
「それくらいならばお安い御用です。私達のワガママに付き合ってくれた、せめてものお礼です。他にも何かありますか?」
神様は優しそうに笑って答えた。他にもと言っても、今のところ無いな……
「この特典って、後からお願いするのって可能か?」
「可能ですよ。偶に例外でいますからね」
「なら、今は残しておく。後で思い付いたら頼むよ」
「わかりました。……これで以上になりますね。」
神様は手元の書類に書き込み終えると、それをパタンと閉じる。
すると、周囲の空間が光を発していた。
「天城さんの手続きはこれにて終了になります。後はそのまま転生されるので、そのままお待ちください。尚、仕事の詳しいことはデバイスに記録してありますので、そちらをご覧になってください」
「わかった」
「最後に……今回は、本当にすみませんでした」
「もういいっちゅーに。気にしてないし、気にしても仕方ないよ」
「そうですか……すみませんが、少し屈んで目を閉じてくれませんか?」
「…こう?」
俺は屈んで目を閉じる。
少しすると頭を両手で掴まれ
「え…?」
「ん……」
驚いて目を開くと目の前に神様の体があり、額に温かく、柔らかい感触があった。
一瞬の感覚の後、神様は離れて
「おまじないです♪」
と、口の前に人差し指を持って行き可愛らしく笑って言った。俺はなにか言おうとしたが、光が辺りを包んで、その眩しさに目を閉じてそのまま意識は飛んだ。
「どうかあなたに、幸福がありますように……」
最後の瞬間、遠くからそう呟く声が聞こえた。
後書き
というわけで始まりました。
更新は遅いですが、楽しくやれたらと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
感想もお待ちしてますのでどうぞよろしくノシ
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