Blue Rose
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第二十話 小さくなる身体その九
「問題のある先生の話を聞いてるし見てるからね」
「うちの学園にも変な先生いますしね」
「学校の先生は変な先生がね」
それこそというのだ。
「何処にでもいるんだよ」
「それこそですね」
「そう、いるからね」
だからだというのだ。
「八条学園にもね」
「そうなんですよね」
「変な授業やってそれでいて偉そうで」
「そんな人いますね」
「そうした先生達を見てきているから」
だからだというのだ。
「僕は先生には厳しいんだ」
「そうなんですね」
「うん、そんな先生はね」
それこそとだ、岡島は優花にまた言った。
「早く辞めればいいんだよ」
「辞めてそして」
「その後は知らないよ」
知らないというよりかは知ったことかという感じの言葉だった。
「もうね」
「何か岡島さん学校の先生は」
「嫌いだよ」
正面を見て無表情での言葉だった。
「正直言ってね」
「そうですか、やっぱり」
「うん、生徒への暴力の話もしょっちゅうだしね」
「確かに多いですね」
「そうした理由でね」
「学校の先生は嫌いだよ」
こう優花に話した。
「学校の先生についてはこう思うよ」
「不向きなら辞めろ、ですか」
「そう、けれど他のお仕事の人にはね」
「不向きな分野にはですね」
「最初から進まないことがいいね」
「学部の段階からですか」
「そう、得意な好きな学部に行けばいいんだよ」
そうすればというのだ。
「君にしてもね」
「わかりました、それじゃあ」
「文系に進んでもいいですか」
「というかこうしたことは僕が言う話じゃないよ」
「それじゃあ姉さんが」
「彼女もそうしたことは言わないからね」
優子のことをわかっていての言葉だ。
「相談には乗ってくれてもね」
「まずは、ですか」
「君がじっくり考えてね」
そしてというのだった。
「後はね」
「姉さんとも相談して」
「そして決めてね」
「わかりました、そのことも」
「うん、それとね」
「それと?」
「これから何処に行こうか」
話題を元に戻してきた。
「それでね」
「やっぱりグラバー園と」
「中華街だね」
「その二つでいいですか?」
「いいよ」
今度は微笑んでだった、岡島は優花に答えた。
「それじゃあね」
「はい、そちらにですね」
「行こうね」
こう話してだった、車は有料駐車場に停めてだった。
岡島は優花を連れてまずはグラバー園に入った、海が見える坂道にあるそこに来てだ。優花はまずは青い海、長崎湾の中にあるそれを見て言った。
「この海を見ていますと」
「どう思うかな」
「吸い込まれそうですね」
青い空の下、緑の山と市街に囲まれたそこを見ているとというのだ。
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