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暗闇を照らす白き日差し【影に身を委ねた一夏】

作者:Bloo-D
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クラス対抗戦
  第14話 決戦!クラス対抗戦 Ⅳ

 
前書き
白夜が携えし神の刃《神刀 摩利支天》、その力がついに解き放たれる!
……の前にちょっとネタ回…… 

 
千冬SIDE



真耶「大丈夫なのでしょうか?幾ら白夜くんが戦い慣れているのは解りますが……」

千冬「そう心配するな山田先生。
凰はともかく、あの白夜がしくじる筈があるまい。
無闇な気遣いはかえってヤツ(白夜)に悪い」

ヤツ等があのISとの交戦を始めてものの数分も経っていないが、山田先生はモニター越しであの二人を気に掛けている。
全く……生徒の事が心配だとはいえ、そこまで心配する必要があるか馬鹿者が……
……、だが…私も私であいつが心配だがな。何せ私とあいつは今は赤の他人ではあるが、元を辿れば正真正銘血の繋がった姉弟なのだからな……

真耶「織斑先生、生徒が自ら危険な橋に足を踏み入れたのですよ!そんな呑気な事を言ってる場合じゃないんですよ!
それを解っているのですか⁉︎」

全く……それは私も私で心配だが…そんなことを一々言ってたら悪い噂がたってしまうだろうが……

千冬「どう言ったにしてもアリーナは所属不明ISのせいで人間の出入りは出来てもISの出入りは出来ない。
どっちに転がったとしても、あの二人が打開すれば全て良しだ」

真耶「ですが!」

やれやれ、尚も食い下がって来るか……このままじゃイライラが収まらん。
コーヒーでも飲んで気分転換しよう……


≪カポッ≫

白夜に対する心配を押し殺しながらもカップにコーヒーを注ぐ。
この学園のコーヒーはそれなりに美味いから気分転換には丁度良い……

≪ボチャンッ≫

んっ、何だ今の水音は?まさか砂糖と間違えて別のを入れたか?

真耶「織斑先生?
今先生が入れたの……砂糖じゃなくて“にんにく卵黄”ですよ?」

何故また“にんにく卵黄”なんかあるんだ⁉︎
以前は塩を入れ間違えたが今度は何故“にんにく卵黄”なんだ⁉︎というより誰が“にんにく卵黄”なんか置いたんだ⁉︎

真耶「もしかしてお忘れになりましたか?
白夜くんが注文した品を本人に届けると言って先生がそこに置いたのですよ、他の品も含めて」

千冬「⁉︎」

それを聞いた私はつい“はっ!”っとなったが時すでに遅し。

『……』

その様子を同じ場に居合わせた教師達に見られた以上訂正することなど出来ない。

これは余談話しになるが、何故白夜が“にんにく卵黄”なんか取り寄せたかというと、答えは単純。最近あいつはマトモに食事を摂ってなかったから軽く栄養失調を起こしたのが事の発端だった。別にあいつは好きで摂らなかったわけじゃない、ただ楽に食事する暇がなかったのだ。あいつは出来る限り一人で喰いたいのに、篠ノ之やオルコット達が邪魔する上に生徒達が騒いで更に悪化させ、トドメに私が毎晩学園全体の見回りを任せたのが原因だった。
それから皆控えるようになったが、あの頑固な篠ノ之がアプローチが更にヒートアップしたせいで余計に栄養失調が加速し、終いには健康補助食品に頼るしかなくなってしまった。その際検査を担当した医師から“にんにく卵黄”を勧められて、あいつが注文するようになってそれがあいつは病みつきになり、今じゃそれ(にんにく卵黄)以外に、“熟成黒酢にんにく”やら“世田谷育ちのグルコサミン”やら(述べ10種類越え)注文するようになって月にベランダの戸を外してじゃないと入れないくらい大きな段ボール3~4箱分の量にまでなってしまった。これに加えて最近服用してる薬の量が倍以上に増えておよそ20万も払っている(あいつ自腹で)。
この程度ならまだ序の口だが、16(歳)でこの額は相当な大金を“こんな出費なんざまだ安い”とか言ってたあいつは次元からかけ離れ過ぎている……まあ殺し屋ならそんな額大した金額じゃないかもしれんが……

千冬「はぁ……」

ショックだ……こんなみっともない姿を晒すなど……穴があったら入りたい程に恥ずかしい……


真耶「織斑先生は余程白夜くんが心配なのですね。だって塩と間違えてならまだ解りますが、寄りによって“にんにく卵黄”は流石に__」

こいつめ……良い機会だ……

千冬「山田先生?」

真耶「えっ……あの…織斑先生……?」

フッフッフッ……復讐には丁度良い……

千冬「健康食品の入った身体に優しいコーヒーをどうぞ」≪ズイッ≫

お返しに私が砂糖と間違えて入れてしまった健康食品入りコーヒーでも飲んでもらうか……

真耶「待って下さい!それだけはどうか勘弁してください‼︎」

千冬「問答無用!」

≪ドバドバドバ……≫

真耶「ゲフッ!おえ……気持ち悪い……」

千冬「身体に良いから文句を言うな」

勝ったな!≪ググッ≫

いやいや拒む山田先生を差し置いて散々言ってくれた事への復讐にと問答無用で口の中に泣く子も黙る特製コーヒー(いや不死身なヤツでも息絶える程の無差別大量殺人コーヒーか?)を注ぎ込んで黙らせることに成功。本人はコーヒーと一緒にゲロ吐いてノックアウトして私は満足さのあまりガッツポーズをしてしまった。
教師として不本意だが私を怒らせた罪だ……これでも十分軽い方だと思え……

ーーーーーーーーーーーーーーー

セシリア「織斑先生!
わたくしに出撃許可をお願いします!わたくしでしたらいつでも出撃出来ますわ‼︎」

簪「織斑先生!
私にもお願いします!」

マドカ「姉さん!私も__!」

箒「千冬さん!是非私にも__!」

≪パシパシーンッ!≫

そこへ出撃許可を求めにオルコット達が来たが、篠ノ之とマドカが普段の呼び方で呼ぶから手始めに黙らせておいた。


千冬「志願するのは喜ばしいが、生憎遮断シールドがレベル4に設定されて強制ロックされてるのだ。
人間の出入りは良くともISの出入りが出来ないのが今の現状だ。しかもピットまで閉じてるから白夜と凰は実質アリーナに閉じ込められたと言っても過言じゃない」

まあ名乗り出るのは感心出来るが、けれど今は部隊の突入はシールドがロックされてて不可能。
まあ、解除すればさほど問題は無いがな……

千冬「今はシールド解除に全力を挙げている。それを解除すればヤツらとすぐ交代させるさ」

セシリア「てしたら、わたくしをその部隊に加えて下さいな!」

簪「織斑先生、私もお願いします!」

マドカ「私も!」

箒「私も訓練機を借り次第すぐに!」

オルコットや更識妹はともかく、私からの制裁にすぐ立ち直った篠ノ之とマドカ達がこぞって部隊に志願して来た。
やれやれ、自ら志願するのは有難いが……

千冬「織斑と更識妹は加えてやろう。だがオルコットと篠ノ之は駄目だ、お前らでは寧ろ邪魔だ」

「「はい♪!」」

セシリア「何を言いますか⁉︎そんなことは絶対ありませんわ!」

箒「そうですよ千h…織斑先生!幾ら専用機が無いからって__!」

全く……説明しなきゃ納得ならんか……

千冬「まず更識妹は既に連携訓練を受けてある上に機体の特徴から見てもどのポジションに置いても邪魔にならんから問題無い、織斑はお前(オルコット)と同じタイプだが裏で実戦経験を積んでることが白夜から届いた資料で判明したから更識妹のように邪魔にならんのは“言わずもがな”だ。
だがオルコット、お前は連携訓練はしたか?ポジションは何だ?単独戦用の機体ではかえって邪魔だ。それに篠ノ之はより経験か無いから駄目だ、それに訓練機では瞬殺されるのが良いオチだ。
言うまでもなくお前達2人では迷惑だ」

セシリア「……、解り…ましたわ……」

箒「ですが!」

ハァ……私が折角心配してやってるというのに…篠ノ之の奴め……まあいい、頑固なお前にお灸を据えてやろう……


千冬「更識妹と織斑は良いが、お前達2人がまだ教えてない事を実戦でやらせるのは教師として苦痛だし、実際に失敗してあわよくば万が一があってはたまったものではない。解ったな、“あばずれ女”?」

箒「くっ……」

千冬「解ったら大人しくしてろよ、お前の軽はずみな判断で勝手な事をされては、幾らお前でも容赦はしない。場合によってはあいつ(白夜)にお前を消すよう命じるからな」

箒「うう……」≪シュンッ≫

やっと大人しくなりおったな……まあそうでなくてはな……

千冬「オルコット、篠ノ之が何かやらかさないようしっかり見張ってろ。一瞬でも見逃そうものなら承知せんぞ」

セシリア「はい……」≪ガクガク……≫

ハァ……こっちはこっちで安心だな……
だが……ヤツに宿る神の力が知りたいが、とにかく頼むぞ白夜……そして決して無茶するな……

_______________


白夜SIDE



鈴音「この!」

≪カパッ……キュウウウウ……≫

≪ドンッ!……スウッ≫

鈴音「チッ!あいつ早過ぎるわよ!全然当たんないじゃない‼︎」

所属不明ISとの戦闘が始まってもう10分以上経過したが、甲龍の衝撃砲が一発も当たらないから隙が出来ない。

白夜「クッソッ!これならどうだ‼︎
"白夜-宵月夜(よいづきよ)"!」

≪ドンッ……ドパーンッ!≫

こうなったら全く埒が明かないから仕方なく中距離戦用のライフル《逮夜》にて"白夜-星月夜"より強力な銃撃技を放つが……

≪ヒュンヒュンッ≫

これも躱された。
クソッ!このままじゃ埒が明かねぇよ!
だがどうする?今のエネルギーはまだまだ余裕だが凰のエネルギーが気になるしな……

白夜「凰、そちとらのエネルギー後どんぐらいだ?」

鈴音「御免……“龍砲”の撃ち過ぎでエネルギー使い過ぎて今60弱」

マジかよ……?そんじゃ何れ落とされるのが良いオチだな……
不本意だが仕方ねぇか……

ーーーー

白夜「凰、悪いがこっから派手にやるから離れてろ、巻き込まれて大怪我したって知らんからな」

鈴音「えっ、あんた一体何する気?」

白夜「解ったら離れてろ、痛い目に遭いたくなけりゃな」

鈴音「……、解ったわよ……」

よし……これでやり易くなった……

ーーーーーーーーーーーーーーー

≪スッ≫

凰が距離を確認して《三五夜》を仕舞い……

≪ギラリッ!≫

新たに《摩利支天》を装備する……

白夜「見せてやるよ……光を操る創造の力を!」

≪カッ!カアァアアアア〜〜〜……!≫

そう言ったと同時に辺りは眩い光に包まれた……

_______________


鈴音SIDE



鈴音「⁉︎なっ、何なのこの眩しい光は⁉︎」

白夜が何か言ったと思ったら目を閉じたくなるほどに眩しい光。
一体何なのよこれは⁉︎誰か教えてよ⁉︎


【それは見れば解るわ、異国の住人よ】

鈴音「何ですって……って、えっ⁉︎」

いきなり女性の声がした思えば白夜の側に白い和風ドレスを着た謎の女が居た、しかも宙に浮いた状態で……
何これ一体超怖いんですけど⁉︎

鈴音「って、あんた誰よ⁉︎」

【我が名は天照大御神。
光を操る創造の神にして太陽神。
そして彼の者が携えし《神刀 摩利支天》に宿る神である】

鈴音「えっ⁉︎」

かっ、神⁉︎この人神様なの⁉︎

天照大御神【そうよ、我は神。この世界の命運を賭けて“破壊の神”と死闘を繰り広げた神よ。
折角だから、今回は我がしもべの蓄えた力を披露してあげるわ、有難く思いなさい】

ふ~ん、“蓄えた力”ね……まあどうせロクなモンじゃ…って、ええっ⁉︎
あの白夜の事だから今頃驚いたって仕方ないと思ったけど、白夜の宵闇の姿が変わった光景を見て思わず驚いちゃった。
今まであったシールドの隠し刃が砕かれて代わりに全長2mにもなるプラズマブレードが、背中の装甲翼の代わりに4枚の天使のような純白の翼が生え、更に頭上に天使の輪のようなオブジェが現れて、更に本人は微かに透けて見える長い布を纏っていた。

鈴音「なっ、何なのよあれは⁉︎
あれってもしかして二次移行(セカンドシフト)なわけ⁉︎」

天照大御神【あれこそ宵闇の究極形態“大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)”。
我の力が最も反映された完全体にして究極の戦神である】

いっ、戦神⁉︎究極形態⁉︎もう言ってることが多過ぎて解んないですけど⁉︎

天照大御神【いつまでもそんな細かい事に集中してても良いのか?
呑気にしてると終わってしまうわよ?戦神の戦いが】

鈴音「えっ⁉︎」

白夜「フッ……」

この後あたしは白夜の力を…本当の力を目の当たりにすることになった…… 
 

 
後書き
最初の砂糖と間違えた件は完全なネタ回です。
哀れなり山田先生……
でも“失敗は成功のもと”だから頑張れ山田先生!ファイト山田先生!

さて次回は白夜VSゴーレムⅠ決着。そして…… 
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