本気で挑むダンジョン攻略記
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Chapter Ⅱ:Xenogenesis
第08話:desiderantes
前書き
何とか今日も更新できました。多分、今月の更新はこれで終わりですね。
更新速度重視で少々、というかかなり駄文になってます。ごめんなさい。
ふと思ったんですが、月一ペースとは言え二話から三話更新しているのならば、それは二週間に一度のペースで更新しているのと同じではないだろうか。
つまり、私の更新ペースはそこまで遅くない(暴論)。
異論は認める。←認めるんかい。
ダンジョン第50階層の異常事態を切り抜けた【ロキ・ファミリア】の第一級冒険者の面々――フィン、リヴェリア、ガレス、アイズ、ベート、ティオナ、ティオネにレフィーヤ達は、37階層で先に逃げていたラウルたちとの合流を果たし、地上へと帰還している途中だった。
本来ならば中層では団員たちに経験を積ませるために第一級冒険者は戦闘に出張らないという形を取っていたのだが、度重なる異常事態によって予備の武器や荷物などが少ない上に団員たちの疲労も大きい現状を考慮し、アイズ、ベート、ティオナ、ティオネの四人が先頭に立って隊列前方のモンスターを片付けていた。
「あー、やっぱり大双刃が使いたーい!」
「アンタが団長の指示聞かずに突っ込むから壊したんでしょうが。」
「やっぱりバカゾネスだな。」
「ベートうるさい!」
「お前が言うなお前が!」
あれほどの戦闘をしておきながら和気藹々とモンスターを片づけていく光景に、うへぇ、と下の団員たちが尊敬とも呆れともとれる声を溢す中、第17階層でベート達の目の前に『ミノタウロス』の群れが出現した。
「ほら、ベートがうるさいからミノタウロス来ちゃったじゃん。」
「お前マジで喧嘩売ってんだろ?そうなんだろ?あァ!?」
「あー、マジでバカの世話が嫌になってきた。」
「大丈夫、ティオネ?」
「…こっちはこっちで天然か。」
中層で出現するモンスターの中では一番強いミノタウロスだが、ここよりも30層以上離れた階層で戦う彼らに取ってみればただの雑魚。アイズを筆頭に瞬く間に半数近くが殲滅され、残りの半数を殲滅せんとしたその時だった。
『ヴォオオオオオオオオオオ!?』
残りのミノタウロスが逃亡した。
『…』
『……』
『ヤバッ!!!!!』
一瞬、フィンですら思考が停止した。
そして一斉に【ロキ・ファミリア】総出で駆けだした。
「上層の冒険者に被害が出る前に駆逐しろ!!」
「わ、私はどうしたら!」
「杖で殴れ!」
「まさかの物理!?」
【ロキ・ファミリア】にとっては雑魚でも、他の中層の冒険者にとっては強敵だ。それが群れで向かって来るのだ。もし何かあってからでは遅いし、フィンをはじめとして【ロキ・ファミリア】の面々は人格者が揃っている。自分たちが逃がしたモンスターのせいで犠牲が出てしまっては気分が悪い。
フィンですら全速力で駆け出す中、近接戦闘が苦手なレフィーヤ達魔導士部隊に「物理で殴れ」と指示が出るくらいにヤバい状況なのである。
16階層、15階層、14階層――。
どんどん上へと上っていくミノタウロスを追い付いた者から瞬殺していくも数が多すぎた。
「12階層を超えたぞ!」
「一匹も逃がすな!追え!」
そして遂には本来はミノタウロスが存在しない『上層』へとミノタウロスが行ってしまう。
12階層、11階層、10階層――。
周りの団員たちがミノタウロスをどんどん駆逐していくも未だに逃げた数に届かない。アイズの速度が加速する。
9階層、8階層、7階層――。
「うわああああああ―――!」
「――!」
「上か!」
【ロキ・ファミリア】の中でも随一の俊足を持つアイズとベートの二人が悲鳴を聞きつけて6階層へと向かう。そして走り続けた先に見える三体のミノタウロス。その奥に見える白い髪の毛。
「(助けなきゃっ!)」
最高速へ到達したアイズは愛剣、デスペラートを引き抜くとミノタウロスへと突進したのだった。
☩☩☩
「(逃げろ逃げろ逃げろ!!!)」
一体どれだけ走っただろうか。一日か、いや、一時間か、もしくは10分しか経ってないのか。ひたすら全速力でダッシュを続けているベルには時間の感覚は無い。本来ならばとっくに追いつかれて殺されているところをこうして今も逃げ続けられているのは一重にエレオノーレのしごきに耐えて特訓を続けてきたからに他ならない。
だが、走り続けられる事と逃げられる事がイコールでは無い。
「(行き止まり!しまった!)」
目の前にはこれ以上先が無い事を示す袋小路。慌てて後ろに戻ろうにも、先程の分岐点には既にもうミノタウロスが到達している。つまりは鬼ごっこ終了である。
「(いや、まだだ!)」
こんなところで死ねないのだ。まだ二つ名も貰ってない。まだ一度も冒険らしい冒険をしていない。まだ一度もラインハルト達に恩を返していない。こんなところで諦められないのだ。
ベルを追い詰めた事でミノタウロスの足が止まる。その姿は獲物を追い詰めて遊んでいる捕食者のそれだ。
そのミノタウロス相手にナイフを構える。
「~~~っ」
ミノタウロスの猛攻が始まる。通路の広さの関係上三体同時に攻撃はしてこないが、それでも一体だけで大きな脅威としてベルの前に立ちはだかる。しかもベルに退路は無い。
ミノタウロスが振るう天然武器が轟音と共に振るわれる。左側から斜めに振り下ろされるそれを側面にナイフを滑らせる事で受け流すと同時に相手の側面へと回りこむ事に成功する。この二週間強でエレオノーレから散々仕込まれたナイフの扱い方を、身体が覚えていた。
「(抜けた――!)」
無防備な体勢のミノタウロスの脇腹へ向けてナイフを突き刺そうとした瞬間、ベルの腹部に大きな衝撃が奔る。
「がっ!?」
そして大きく仰け反ったベルの身体に向けて後方にいたミノタウロスが武器を振り下ろす。
「うわあああああああ!!!!」
何とか自分と相手の間にナイフを挟み込む事で防御に成功するも、宙に浮きあがったベルが踏ん張ることなど出来る筈も無く、袋小路の最奥の壁まで吹き飛ばされる。
地面を数回もバウンドして壁に背中を打ち付けた衝撃でナイフはとっくに手元を離れ、上半身を奔り回る衝撃が動くことを許さないせいで予備のナイフすらまともに握れない。何より、視界一杯に光がチラついてまともに上下の感覚すら分から無い。
だが、それでも意地でミノタウロスがいるであろう方向から目を離さなかったベルは何が起きたのかを数秒間かけて理解した。
「(蹴り、跳ばされたのか...!)」
一体目はおそらく完全に抜けたのだ。だが、瞬時にその後ろにいたミノタウロスがフォローに入ってベルを蹴り飛ばし、一撃を振るったのだ。
「(立たなくちゃ...)」
最早ベルにたいした力は残っていないと思っているのか、ゆっくりと近づいてくるミノタウロスを前に、よろめきながらも立ち上がるベル。壁に片手をついて支えにしながら、ホルスターからナイフを抜き取って構える。
『ヴォオオオオオオ!!!』
「死んでたまるかぁッ!!!!」
そしてミノタウロスが最後の一撃を振り下ろす瞬間、ベルもミノタウロスの懐へと飛び込んだ。
次の瞬間――
「ヴォオオオオオオ!?」
「がっ!!?」
目の前のミノタウロスが一斉に血飛沫を飛ばしながら四散するのと同時に、ベルの右肩に衝撃が奔り再び壁へと吹き飛ばされた。
四散したミノタウロスの血飛沫を浴びながら、肩から血を流しつつも呆然とするベルの目の前に、美しい金髪を靡かせて金の瞳を輝かせた少女がとん、と着地した。
「(助けて、貰った…?)――いッ!」
そして漸く助けが来たのだと理解した瞬間、全身に激しい痛みが奔る。特に血を流している右肩の痛みは筆舌に尽くし難い程で、ただ悲鳴はあげまいと歯を食いしばるしかできない。
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
そして、そんなベルに向けてアイズが手を差し伸べるも、ベルにはその手を取るような余裕は無い。ただただ、目の前で此方に手を差し伸べる彼女の美しい顔を見ながら、意識を手放すのだった。
☩☩☩
「あっ...」
アイズの目の前で白髪の少年が力が抜けたように倒れ込む。慌てて少年の元へ一歩を踏み出し、地面に少年の身体が打ち付けられるのを防ぐ。
そしてそっと少年を地面に横たわらせると、所持していた回復薬を少年に浴びせかける。徐々に治っていく傷口を見て、アイズはホッと息を吐いた。
実を言うと、少年の肩の傷はアイズがつけてしまったものだ。
アイズからみても危ない状態で動けないと思っていた少年が、アイズの攻撃開始と同時に前に出てしまい、デスペラートの切先が少年の防具を断ち、浅く少年の肩を切り裂いてしまったのだ。
「おいアイズ!ミノタウロスは!」
「…倒しました」
「そいつは何だ。」
「襲われてた。」
「ははっ、何だそれ。トマトみてえな面構えになってやがる。」
ベートがいつも通り毒を吐いている中、アイズは先程の少年の動きを頭の中で検証していた。
「(明らかに、レベル1。)」
それは間違いない。パワーも速度も、間違いなくミノタウロスの前で見せたものはレベル1相当のものだった。
「(でも、一番前のミノタウロスを躱した。)」
この少年は二匹目のミノタウロスにやられただけ。ならば、ミノタウロスがもし一匹だけだったなら。もしかしたら無事に逃げおおせていたんじゃないのか。
アイズが思い浮かべたのは、少年がミノタウロスの最初の攻撃をいなしたあの動き。レベル1で出来るものはまずいないだろう。レベル2でも大半のものは無理だ。でも、この少年はやった。
レベルとステータスに合わない技術の持ち主。
今でこそ【剣姫】と言われているが、アイズがそれを出来るようになった時ですら冒険者になってから数年経った時であった。駆けだしの冒険者が使える程簡単なものじゃない。
そして何よりも、明らかにレベル差がある格上相手に勝負を挑んだその『勇気』。アイズの普段の無茶無謀とは一線を画した別種のそれは、アイズには全く分から無いものだ。
「(あなたは、何で強いの?)」
少年の側にしゃがんでじっと少年を眺め続けるアイズをベートが怪訝そうに眺め、そろそろ声をかけようとし――
「ふむ、【ロキ・ファミリア】の第一級冒険者か。うちのバカ弟子が世話になったな。」
「「っ!!??」」
アイズとベートの知覚外から、そして間合いの内側から聞こえてきたその声に、2人は思わず距離をとって武器を構えた。
2人の目の前に立つのは、黒い服を着た長身の女性。紅蓮の赤毛を後ろで纏め、半分焼け爛れたその顔が彼女の印象を余計に厳しく見せていた。
だが、それよりも先に二人が気にしたのは、自分たちが気づく間もなく間合いに入られていたというその事実。そのような芸当が出来るものなど2人は知ら無い。それこそ、フィンでも無理だ。
「てめえ、何者だ。」
警戒心丸出しでベートが問う前で、目の前に立つ女性は地面に横たわる少年の状態を確認している。明らかな無防備。だが、そこへ飛び込んで勝てるヴィジョンが浮かばない。圧倒的な力量差を肌で感じてしまったベートは思わず唸る。
「ふむ、先程言った通り、このバカ弟子の師匠をやっているものだ。警戒する必要はないぞ。」
そんな二人に対し、あくまで淡々と述べる女性――エレオノーレだったが、ベートとアイズはそれでも警戒を解かない。いや、解けない。今までの経験則が、今までで最大級の強敵を前に警戒しない事を許さないのだ。
「まあ、警戒するならするで構わん。どうやらうちのバカ弟子の治療もやったらしいな。」
礼だ。と言ってエレオノーレが放ってきた小袋を、ベートが慎重にキャッチする。そして、中身を見たベートは思わず瞠目した。
小袋の中身は最高品質の万能薬が3本。これだけで普通に一年は暮らせる額だ。たかだか回復薬一つ使った治療の御礼にしては破格すぎる。
「ああ、値段の方は気にする事は無い。懐具合も厳しいだろう?」
確かに、今回の遠征で多数の武器を失い、50層からとんぼ返りしてきた【ロキ・ファミリア】は懐が厳しいと言えば厳しい。しかし、目の前の女が何故、それを50層から一直線に帰ってきた自分たち同様に知っているというのだ。
「では、これで失礼させて貰うよ。」
「っ、待てこのやろ!」
「――!」
そして、ベルを抱えて立ち去って行くエレオノーレを止めようと、ベートとアイズが掴みかかろうとした次の瞬間――
「なっ!?」
「っ!!???」
いつの間にか二人の背後にいたエレオノーレが、2人の首を掴んでいた。ベルを器用に抱えたままで、だ。
「別に貴様らが何を考え、何を行おうが別に構わん。だがな――」
弁えろ、と耳元で囁かれたたった一言に、首を掴まれていた手が消えた後も二人はその場から動く事が出来なかった。
☩☩☩
その日の夜、ラインハルト達黒円卓のメンバーはホームの円卓に座り会議を行っていた。
「――以上、ベル・クラネルについては神ヘスティアに預け、現在は安静中です。」
「ご苦労。ミノタウロス三匹相手に無事に逃げおおせたようで何よりだ。」
エレオノーレの報告が終わり、ベルが無事にヘスティアの元へ送り届けられた事に安心するラインハルト。原作と違い、ベルがアイズから逃げなかったことが少々気がかりではあるものの、概ね原作通りに事が進んでいるとみて良いだろうとラインハルトは判断した。
「ハイドリヒ卿。わざわざ神ヘスティアにベル・クラネルの負傷を報告する必要があったのでしょうか。」
エレオノーレは勿論ラインハルトの指示には従うが、ベルを心底溺愛しているヘスティアの様子を見て、今後の活動に支障が出るのではないかと危惧していた。具体的には、ヘスティアがベルのダンジョンでの活動に口出ししてくる可能性を考慮していた。
「確かに、卿の心配は尤もだ。しかし、それ以上に神ヘスティアは己が眷属の力になりたいと考える筈だ。おそらく、近日中には動くだろう。」
「ハイドリヒ卿がそうおっしゃるのであれば。」
だが、原作をある程度は覚えているラインハルトは、この後の流れを把握できている。多少の差は出るかもしれないが、その時はその時で自分たちが動けば良い。
「三日後の神会に神ヘファイストスが参加することは確実だ。おそらく、神ヘスティアは彼の女神にベルの武器を依頼するだろう。念のため神フレイヤにもフォローするように話は通してある。折角彼の鍛冶神自ら鍛えた武器が手に入るのだ。これを逃す手はあるまい。」
今の自分たちが持っている神々とのパイプは微々たるもの。ヘファイストスやロキ、ガネーシャといった最大派閥は勿論、ゴブニュやディアンケヒトといった中堅ながらもダンジョン攻略では必須の【ファミリア】とも関わりは無い。フレイヤからアイテムなどを仲介して貰っている状況なのだ。
原作でベルが使っていたヘスティア・ナイフ。今後ベルのダンジョン攻略において必須のアイテムを手に入れる方法を、ラインハルト達は持っていない。
「一週間後の【ガネーシャ・ファミリア】主催の『怪物祭』まではベル・クラネルのコンディションを万全の状態にしておけ。」
「Yawohl」
エレオノーレがラインハルトの指示を受けた時点でベルについての議題は終了し、ラインハルトはポケットから一つの魔石を取りだした。第50階層で入手した女体型の魔石――極彩色の魔石である。
「次の議題だ。ダンジョン第50階層で異常事態が発生した。このような特異な魔石を有するモンスターの大量発生。全て一年前には確認できなかった新種である。」
ラインハルトが目配せするのと同時に、リザが捕獲した芋虫型モンスターのうちの一体をその場に召喚する。勿論芋虫型モンスターはリザの制御下に置かれているため、暴れ出す事は無い。
「別に新種つっても雑魚。俺らが気にする必要はねえでしょ。」
ベイの言葉にシュライバーも確かに、と同意する。実際50階層で芋虫型モンスターを虐殺したベイは全く感じない手応えに直ぐに飽きたらしい。腐食液が効かなければ只の動作が遅くて的が大きなモンスター。第一級冒険者にとっては強敵でも、『創造』位階に到達している黒円卓の人外たちにとっては大した敵では無いのだ。
「とはいえ、カインがこの腐食液で駄目になったのは事実よ。今まで通りの素体だと直ぐにやられるわ。」
「そうね。一々回収する私の身にもなってほしいわ。」
モンスターを素体にしている為本来のカインよりは弱体化しているとはいえ、黒円卓の戦力が削られたという事実は彼らの沽券に関わる。モンスター如きに遅れを取る訳にはいかないのだ。
「ダンジョンで謎の活動をしている一団がいる事は確かだ。間違いないなシュライバー。」
「うん。何かモンスターを檻に入れて運んでる奴らがいたよ。」
ラインハルトの命令で基本的にダンジョンの中で密偵の活動をしているシュライバー。彼の俊足にかかればほぼダンジョン全域の情報を即日で入手できる。
「我々には害はないとはいえ、他の【ファミリア】の攻略に支障が出てしまうのは本意では無い。早急にこの問題に対処する。」
ラインハルトの決定に、その場の雰囲気が一気に引き締まる。
「諸君、一年ぶりの遠征を敢行する。」
一年ぶりの50階層以降への進出の決定。来る闘争にエレオノーレとベイ、シュライバーは戦意を滾らせ、リザとルサルカは面倒事が来たと嘆息する。
「時期は一週間後。【ガネーシャ・ファミリア】が行う『怪物祭』でダンジョンから冒険者が減ったときを狙う。準備を怠るな。以上、解散。」
☩☩☩
黒円卓の会議が終わった後の円卓の椅子に、ラインハルトは一人で座り、手元の資料を眺めていた。
「くく、はははっ」
そこに書かれているのはベルのステイタス。神ヘスティアが意図的に何かを隠した跡を、エレオノーレが再度元通りに修正したベルの真のステイタスだ。
ベル・クラネル
Lv.1
力:G278→F302 耐久:G289→F335 器用:F378→E422 敏捷:E400→E479 魔力:I0
≪魔法≫
≪スキル≫
【憧憬一途】
・早熟する。
・懸想が続く限り効果持続。
・懸想の丈により効果向上。
原作通りに発現した、成長促進のスキル。わざわざこれを作りだす為に【ロキ・ファミリア】から逃げるミノタウロスを誘導し、原作より多くのミノタウロスをベルにけしかけたのだ。50階層で【ロキ・ファミリア】の援護を行ったのも、ベルにこのスキルを発現させるため。今回の一連の行動は全て、アイズ・ヴァレンシュタインにベル・クラネルを助けさせることに収束する。
後はヘスティア・ナイフさえ手に入れば、ベルの成長に必要なものは全て揃う。
「さあ、本気でダンジョンに挑む時だ。」
来る一週間後の遠征に向け、ラインハルトはホームを後にした。
後書き
漸くアニメの一話の半分に到達です。アニメではこの後豊饒の女主人に行って、その後スキルを発現させていたベル君ですが、今作では一足早くスキルを発現させています。
一応次の話でアニメ一話から二話の途中の内容になる予定です。まあ、あくまで予定なんですけどね。それではまた来月。
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