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STARDUST∮FLAMEHAZE

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第一部 PHANTOM BLAZE
CHAPTER#1
  悪霊に取り憑かれた男と炎髪灼眼の少女

【1】 
 
 成田新東京国際空港。
 巨大な機体の轟音が何度も空間を交錯する。
 多種雑多な人々が行き交う空港ロビーで、
清楚な服装に身を包んだ壮麗の淑女が大きく手を挙げた。
「ここよ! パパ!」
 その静粛な声に、初老の男性が振り向く。
 しかしその体格は老齢のそれではなく、
見上げるほどの長身に加え全身は鍛え抜かれ引き絞られた筋肉で覆われていた。
 ソレに合わせる様に服装も、古代遺跡の探険家を想わせるワイルドなスタイルである。
「ホリィ! おいどけ!」
 偶然二人の間に入ったスーツ姿の男に肘鉄をくらわせ、
初老の男性はホリィと呼んだ女性の元へと駆け寄る。
「パパァ!」
 淑女はまるであどけない少女のように、
父親である男性の広い胸に飛び込んで抱きついた。
 父である彼もその力強い両腕で愛娘を優しく抱き留める。
 そして、しばし周囲の目など気にせず互いにはしゃぎながら
数年ぶりの親子の再会を喜び合う。
 しかし、淑女は突然我に返ったかのように顔を曇らせると、
「カバン、持つわ」
先刻の (劇的とも言える) 再会に罪悪感でも抱いたのか、
足早に空港を去ろうとする。
 その彼女を父親の声が呼び止めた。
「ところでホリィ? 我が孫の “承太郎” の事じゃが、
たしかに 【悪霊】 と言ったのか?」
「!!」
 父の口から出た “ 承太郎 ” という名前にホリィの足が、
その場で硬直したように止まった。
 そして張りつめた氷が溶けるように、
美しいその瞳に透明な雫が溜まっていく。
「ああ! なんてことッ! 承太郎ッ!
他の人達には見えなかったらしいけど、“私には視えたわ”……!
承太郎のとは 『別の腕』 が見えて……それで……それで……」
 ホリィの脳裡に甦る、一昨日前の変わり果てた姿。
 愛息は薄暗い牢獄の中、全身血に塗れた姿で
こちらと目を合わせようともせず、ただ俯いていた。
 なんとか懇意在る 『財団』 の協力を得て、
傷害事件の「正当防衛」が認められたのだが
それでも最愛の息子は頑なに牢獄から出る事を拒否した。
 そして激昂する警察官のホルダーからいつの間に抜き取ったのか、
黒光りするニューナンブの銃口を自らのこめかみに当て、
躊躇(ためら)いもなく引き金を()いた。 
 死のマズルフラッシュを放つ銃口、次いで轟音、
しかし、真の驚愕は “その後に” 来訪した。 
 至近距離で音速射出された鉛の弾丸を、
承太郎の腕から透化するように伸びた「別の手」が(つま)み取っていたのだ。
 指の隙間でコイル状に鋭く回転を続ける弾丸を
「その指」は何事もなかったように弾くと、
ソレは自分の足下に硬質な音を立てて転がってきた。
 停止した弾丸から立ち上っていた白い硝煙。
「オレを此処から出すンじゃあねぇ……死にたくねぇんならな……」
 最愛の息子はソレだけ告げ、再び闇の中に戻っていった。
 かける言葉は、みつからなかった。
 顔を覆いさめざめと泣く娘の肩を優しく抱きながら、初老の父親は娘に問う。
「他の人には見えないのに、 『お前には視えた』 のかい?」
「えぇ……」
 ようやく目元の涙を拭って愛娘は答える。
「承太郎は最近 “取り憑かれた” といってるらしいが、
おまえにも何か「異常」はあるのかい?」 
 優しい声でそう問いかける父にホリィは。
「私にはないわ。でも、承太郎は原因がわかるまで2度と牢屋から出ないっていうのよ!
パパ……ど……どうすればいいの?」
 睡眠不足が祟ってか、ホリィの顔色は悪い。
「よしよし、可愛い我が子よ。
この “ジョセフ・ジョースター” が来たからには安心しろッ!」
 ジョセフと名乗った男性は、そう言って力強く娘の肩を抱く。
「まずは、早く会いたい……」
 ジョセフは貧血気味で頼りない足取りの娘の身体をしっかりと支え、
共にエントランスに向けて歩き出した。
「我が「孫」の承太郎に」
 そう孫の名を口にしてジョセフは、
腕の中の娘に注意を払いながらも背後へと視線を送る。
 目当ての人物は、備え付けのソファーに足を組んで腰掛け、
湯気の立つ紙コップを口元に運んでいた。
 近寄れば、噎せ返る程甘い匂いがするに違いない。
 マントのような黒寂びたコート。
 そのフードをすっぽりと被っているため今表情は伺えない、
が、カップが口元に運ばれたその時だけは、
きっと妖精のような笑みを浮かべているのだろう。
 ジョセフはその黒コートの人物に向けて左手を差し出した。
 白い手袋で覆われた鋼鉄の腕。
 数十年前、第二次世界大戦の渦中、 
かけがえのない者達と共にこの世界の「命運」を
賭けた戦いへ身を投じた時の「証」
 名誉の、負傷。
 パチンッ!
 弾かれた指が義手とは想えぬ澄んだ音を立てた。
 それを合図と受け取った黒コートは空になった紙コップを背後に投げ捨て
(ちなみにそれは30メートル先のダストボックスに見事着弾した)
娘と寄り添いながら歩くジョセフの後を付いていく。
 音も無く、影も無く、衣擦れの音すらしなかった。




【2】

 ゴギギイイイイィィィィ……………………
 鉄製の錆びた扉が重苦しい音を立てて開かれる。
 承太郎の居る牢屋の中は、一昨日とはまた別の部屋のように様変わりしていた。
 オーディオ、DVDデッキ、エアロバイク、ソファー、コーヒーメーカー、
ノートパソコンetcetc、
 およそ人間が快適に生活出来る、ありとあらゆるものが存在していた。
 中にはバイクのメットや飛行機のラジコン等、マヌケなものもいくつかあったが。
「お……恐ろしい……またいつのまにか物が増えている……!
こんな事が外部に知れたら、私は即免職になってしまう……!」
 兇悪な犯罪者を見慣れている筈の中年看守が、その恐怖心を隠す事もなく呻いた。
「大丈夫……孫はわしが連れて帰る」
 ジョセフは穏やかに、しかし各個とした意志を込めて看守に告げる。
「孫……?」
 簡易ベッドの上で煙草を燻らせていた美貌の青年が、その一言に反応する。
 脇には「ESPの全て」「神秘と魔法」「死者の書」「真紅(あか)い世界」等
オカルトじみたタイトルの書物が山積みになっていた。
 それらについた付箋と折り目から、投獄中に内容は全て読破しているようだ。
「承太郎! お爺ちゃんよ! お爺ちゃんはきっとあなたの力になってくれるわ!
お願いだからお爺ちゃんといっしょに出てきて!」
 鉄扉の脇で彼の母親であるホリィが叫ぶ。
 承太郎は祖父の顔を一瞥すると、銜えていた煙草を吹きだした。
 赤い飛沫が冷たいコンクリートの床で弾ける。
 ジョセフは無言で、孫である承太郎のいる牢屋に近づいた。
 承太郎もそれに合わせるようにベッドから身を起こす。
 ガッッッッッッシャアアアアアアアァァァァァァァ--------------ッッッッッッ!!!!!!
 最後のゲートが、暴力的な音を立てて開いた。
 承太郎、ジョセフ、両者共に言葉は一言も交わさなかった。
 が、空気どころか空間まで震えるようなプレッシャーを伴う、二人の邂逅だった。



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!




「出ろッ! ワシと帰るぞ!」
「消えな……」
 牢屋を挟んで、十年ぶりの再会を果たした祖父と孫。
 その、最初の一言。
 ジョセフの言葉が終わる前に承太郎はそう吐き捨てた。
「およびじゃあないぜ……オレの力になるだと……? 
一体何が出来るっていうんだ……?
わざわざニューヨークくんだりから来てくれて悪いが……
アンタはオレの力になれない……」
 そう言って承太郎は挑発的にジョセフを指差す。
「……」
 その彼の指の隙間に、何か光るものが握られていた。
「はッ!」
 ジョセフは咄嗟に自分の左手に視線を向ける。
 頑丈な鉄製の義手、その小指部分がいつのまにか欠損していた。
 凄まじい力で捻じ切られたというよりは、
余りに速いスピードで抜き取られたかのような、
眼前のその事実にジョセフは戸惑いを隠せなかった。
 老いたとはいえ、かつて生物進化の究極にまで到達した太古の最強種、
『柱の男』 と戦い抜いた戦闘者である自分が、
「気配」すら感じ取る事が出来なかったのだ。
「見えたか? 気づいたか? これが 【悪霊】 だ」
 承太郎はジョセフの小指を指先で弾く。
 鉄片が扉にぶつかって耳障りな音を立てた。
「オレの傍に近づくンじゃあねぇ……残り少ない寿命が縮むだけだぜ……」
 そう端的に祖父に告げ、実孫はもう話は終わりだとでもいうように背を向けた。
(なんてやつだ……このワシをいきなり欺くとは……)
 ジョセフは十年ぶりに出逢った、成人前の実孫へ畏怖に近い感情を覚えた。
 自分が知っている孫の姿は、まるで女の子と見紛うような
あどけなく可愛らしい少年だったというのに。
 目の前の孫はもう立派な青年、否、精悍な一人の “男” として成長していた。
 十年という 「時間」 がこれほどまでに人間を変えるモノか、
感慨と共に一抹の淋しさを感じながらベッドの上で片膝を抱え込む承太郎を見つめる。
 その孫はもうジョセフに興味を失ったのか、
再び白いシーツの上で紫煙を燻らせていた。
「むうぅ……」
 呻きのような嘆息がジョセフの口から漏れる。
(おそらくアイツは……“このコト” を……
あの 【悪霊】 を自分自身だけで抱え込むつもりなのだ……
他人に頼る等という事は、端から思考の隅にも存在すらしなかったらしい……)
 奇妙な事だがソレは、血の繋がりで殆ど確信に近く「実感」出来た。
 もし自分が同じ立場に置かれたなら、
考えの相違はあれど結果的にはおそらく同じ選択をするだろう。
 しかし、“だからこそ” 承太郎に、
自分の【悪霊】」を実際に体験させなければと思った。
 近い将来、必ず訪れる 『危機』 の為にも、
いま、ここで、身体で理解する必要がある。
「君の出番だ」
 ジョセフはパチンッと右手で弾く。
 その合図と同時に牢獄前の壁へ背をつけて座っていた黒コートの人物が、
静かに立ち上がり承太郎のいる牢屋の前に立った。
 フードを被っているのでその表情は覗えない。
「最近知り合った友人の一人だ。
名は愛刀の銘からとって “ニエトノノシャナ”
長いので単純に 「シャナ」 と呼んでいるがな。
シャナ、孫の承太郎をこの牢屋から追い出せ」
 そのジョセフの言葉に承太郎はやれやれと、
プラチナメッキのプレートが光る学帽の鍔で目元を覆う。
「やめろ。何者かはしらねーが、目の前で「追い出せ」と言われて
素直にそんな 「優男」 に追い出されてやるオレだと思うのか?
イヤなことだな。逆にもっと意地を張って、なにがなんでも出たくなくなったぜ」
 承太郎の言った優 「男」 という言葉に、
シャナと呼ばれた黒コートの人物の肩がピクッと震える。
「コイツ、ムカつく……ねぇジョセフ? 少し荒っぽくいくけど良い?
きっと自分の方から「出してくれ」って、
泣いて喚いて懇願する位苦しむ事になると想うけど」
「!」
 声の主の意外なトーンに、承太郎が一抹驚きの表情をみせる。
「こいつ…… 『女』 か!?」
 しかもまだ “ションベンクセェ……” と頭の中で付け加える。
 それが伝わったのかどうか、シャナのイラだちが一層強まる。
「……腕の2、3本へし折っちゃうかもしれないけど、良い?」
「かまわんよ」
 怒気で少々震えるシャナの言葉に、ジョセフはこともなげに応じた。
「パパ!? いったい何を!?」
「おいおい! さわぎは困るぞ!」
「だまっとれィッ!」
 騒ぎ出したホリィと看守をジョセフは一喝する。
 その声に、一瞬視線を逸らした承太郎の目の前に、
いつのまにか「シャナ」が立っていた。
「……!」
 扉は閉じたまま、しかも鍵が掛かっていた筈だ。
 ()じ開けたとしても、何の音もしなかった。
 しかも、こんな数秒の間に……
 目の前で備え付けのベッドの上、状況の分析を続ける無頼の貴公子を後目に、
シャナはおもむろに頭部を覆っていたフードを外した。
 腰の下まで届く艶やかな黒髪が、音もなく垂れ下がり空間を撫ぜる。
 その、暗闇の中で一際光る、鮮麗なる少女の姿。
 白い肌、まるで磨き込まれた水晶のように。
 強靱な自制心を持つ承太郎でなければ、
その清冽な美しさにしばし見入っていた事だろう。
 そしてベッドの上から、承太郎は初めてシャナの姿を覗う事になった。
 その身に纏った黒衣の異様な存在感で気づかなかったが、
彼女の背丈は約140㎝前後。
 自分が立てばその腰まで届くかどうか、年もせいぜい12歳前後といったところだ。
 しかしその顔立ちには、年齢特有のあどけなさが微塵も感じられない。
 無表情な黒い瞳からは、何も言わなくても強い意志を感じる事が出来た。
 容姿に不釣り合いな黒寂びたコートの内側は、ミッション系のセーラー服。
 制服の胸元に垂れ下がった、奇妙なデザインのペンダントが妙に目を引いた。
『なんなんだ? このガキは?』
 目の前の少女に対して、承太郎が最初に抱いた感想はそれだった。
 自分も従順な子供ではなかったが、ここまで人間味をなくしてはいなかった筈だ。
 純朴さや無邪気さ、そんな幼年期特有の柔らかい感情、
その全てが欠落、或いは剥離したような子供では。
“一体どのような人生を送れば、この歳でこんな表情が出来るようになる?”
 考え込む承太郎の目の前で、
その少女の袖先から覗く細い指先がコートの内側へと潜った。 
(!?)
 そして、次に出てきたその手の中には、
少女の身の丈に匹敵するほどの大刀が握られていた。
 どこからどう出したのか、まるで『魔術師(マジシャン)』 のようだった。
「!」
 そして承太郎は、(しば)しその大刀の本刃に魅入られた。
 それほどまでに、その刀は美しかった。
 長い鋼の刀身は、まるで冷たい水で濡れているかのよう。
 人を殺傷する事を最大の目的としながら、
同時に人心を誘惑し官能に近い感情すら想起させる、
そんな危険な甘さがその刀には在った。
「峰だぞ」
(!)
 不意に、少女の胸元のペンダントから声があがる。
 重く荘厳な、男の声。
「こいつ次第よ」
 少女は感情を込めず、胸元の「喋る」ペンダントへ返した。
 そし、て。
 少女の艶やかな黒髪が風もないのにわずか靡き、
いきなり多量の紅蓮の火の粉を撒いて灼熱の光を灯す。
「!!」
 まるで自分の周囲の時間が数秒まとめて消し飛んだかのような、
驚愕の「事態」に想わずライトグリーンの双眸を見開いた
無頼の貴公子の眼前で。
 舞い落ちる炎の飛沫の向こう側で。
 二つの、強烈な光がこちらをを見ていた。
 火の粉を撒いて靡く紅い髪と同じ、灼熱の輝きを燈した真紅の瞳が。




【3】

 脈絡のない少女の変貌に承太郎が声をあげる間もなく、
その張本人は大刀の重量など意に関する事無く軽やかに跳躍し、
そして承太郎の胸元に大刀の峰を鋭く逆袈裟に撃ち込んだ。
「う、ぐぅッッ!?」
 鍛え抜かれた承太郎の胸板で無ければ、
間違いなく胸骨陥没コースまっしぐらの激しい打擲(ちょうちゃく)だった。
 いきなりの空中からの打撃によりベッドの上から弾き飛ばされ、
コンクリートの床に転がった多量の電化製品を跳ね飛ばしながら、
承太郎は牢獄の罅割れた壁に激突する。
「ぐ……うぅ……ヤ……ロウ……!」
 (とどこお)った呼気がようやく吐き出され、頭蓋が揺らぐ。
 ブレる視点を意志の力で無理に繋ぎ合わせ、承太郎は壁を支えに立ち上がろうとした。
 が、次の瞬間。
「!?」
 得体のしれない力が承太郎の身体を押さえつけ、
その全身を牢獄の壁面に縫いつけた。
「こ……これ……は……ッ!?」
 腕に、足に感じる熱。
 肉と革の焦げる匂い。
 煙のような炎が、まるで生き物のように自分の身体を這い回っていた。
 ブスブスと燻る音を立てながら、炎は次第次第に承太郎の身体を侵蝕していく。
 信じがたいことだが、自分が、今、“炎に焼かれている事” を嫌でも認識できた。
(う……ぐ……ぐ……ッ! ほ……“炎”……か……!?
や……焼け……る……! オレの……腕が……焼けて……いる……ッ!
こいつは……!? まさか……あのガキの……【悪霊】の力か……!?
こいつも……! オレと同じ……『取り憑かれたヤツ』 なのか……ッ!?)
「パパ! 承太郎に何をするのッ!? あの子の身体に火がッ!」
「火? 火なんて見えるか?」
「なんだ? あいつ? なにを勝手に苦しがってるんだ?」
 悲痛なホリィの叫びとは裏腹に、傍にいる看守達はポカンとしている。
「う、うおおおおぉぉぉぉ――――――――――――ッッッッ!!!!」
 己の危機に際して湧き上がった承太郎の咆吼と共に、
ソノ背後から途轍もない存在感を持った 『ナニカ』 が、
まるで空間が捻れるような異質な「音」を発して
彼の身体から抜け出るように姿を現した。
「!!」
 ジョセフはその存在の「出現」に目を見開いた。
「おおおッ! 出……「出」おったッ! 
よ……予想以上の承太郎のパワーッ!
ついにアレが “姿” を見せたか!」
 いつのまにか、牢獄内の人数が 『一人増えていた』
 否、果たしてソレを 「人」 と呼んで良いのかどうか?
 その極限まで鍛え抜かれた長身の体躯を包む、
古代ローマの剣闘士を彷彿とさせるプロテクター。
 剥き出しの剛腕の先端を覆う、無数の鉄鋲が穿たれたブラスナックル。
 背にかかるしなやかな、しかし獅子の鬣を想わせる黒い髪。
 その開けた額に白金のサークレットが嵌められた、巨大で異様な「人型」のナニカ。
 ソレが血に飢えた餓狼のように承太郎の身体から躍り出て、
シャナの大刀に掴みかかっていた。
「ふぅ……ん……! ここまではっきりした「形」で出せる、なんてね……
意外だわッ!」
 ソレは口元に凶暴な笑みを浮かべ、戦いの「歓喜」に打ち震えていた。
 そしてその技術もへったくれもない、乱暴で一方的な圧力のゴリ押しに
シャナの片膝が意図せず湿った床の上に落ちる。
「テメーもオレと同じような…… 【悪霊】 の力を持ってるとはな……
そして、ジジイ。アンタはその 【悪霊】 の正体を」
 今を以て解除されない、己の身を焼く炎の苦悶に強靱な精神で耐えながらも、
なんとか承太郎は言葉を紡ぎ出す。
「ああ。知っている。そちらのシャナは 『また違った力の発現系』 だがな。
しかし、彼女が今驚いているように 【悪霊】 の形がこんなにはっきり「視える」とは、
相当のパワーだ!」
「うるさいうるさいうるさい! 別に驚いてなんかないッ!」
 奥歯をギリッと食いしばりシャナが喚く。
「でも、ジョセフ? アナタがコイツを牢から出せと言ったから、手加減したけど……
このままじゃちょっとヤバいわ……正直、肩の関節外れそう」
 刀と素手の奇妙な鍔迫り合いは、明らかに 【悪霊】 の方に分があった。
 シャナの片膝は地に付き、悪霊の凄貌(かお)が眼前にまで迫って来ている。
「やめ、る? このままどーしても出せッ! っていうのなら、
コイツを半年程、病院のベッドの上で暮らさなきゃならないほど、
荒っぽくやらざる負えないんだけど」
 震える手で柄を持ちながらも、その可憐な風貌に似合わない
強靱な精神で眼前の悪霊を睨み返す少女にジョセフは微笑を浮かべると、
「かまわん。想う存分ためしてみろ!」
余裕たっぷりに応じる。
「了・解ッッ!!」
 少女はそう叫ぶと、大刀をいきなり高速で内側に引き抜いた。
「ッッ!!」
 突如力の均衡が崩れ、その対象を失った承太郎の「悪霊」は
逆に自分自身の力に引っ張られて大きく体勢を崩し蹈鞴(たたら)を踏む。
 その隙にシャナは悪霊の手から愛刀を回転させて引き剥がし、
バックステップで距離を取る。
 そして柄から利き腕を放し、指を立てて高々と頭上に掲げた。
 その先端に、蛍のような儚い色彩を持つ光が幾つも集まり
やがてより強く発光、点滅する。
 その刹那。
 承太郎の全身を押さえつけていた煙状の炎が瞬時に荒縄状に変化、
まるで蛇のように蠢いて巻きつき、彼の呼吸器を塞いだ。
「ぐっ!?」
 あまりといえばあまりな眼前の変異に、
鋭敏な彼の頭脳もその演算処理速度が追いつかない。
 そしてシャナは指先に振り子のような弾みを付け、
素早く先端を真一文字に薙ぎ払う。
 空間に疾走(はし)る、紅い閃光。
 その動きに炎の荒縄が連動し、起点の見えない力に引っ張られた承太郎は
牢の鉄格子に勢いよく叩きつけられた。
 衝撃で鉄芯がギシギシと軋んだ音を立てる。
「ぐ……!お……ぉ……! い……息……が……ッ!」
 できねぇ、と最後に言葉にならない声で叫んだ承太郎と同時に、
再びシャナに掴みかかろうとしていた 【悪霊】 はいきなりガクンッと膝を折り、
吸い込まれるように元の身体の裡へと戻っていく。
「悪霊が引っ込んでいく……熱で呼吸が苦しくなればお前の悪霊は弱まっていく。
いまこそ、その 『正体』 を言おう! 
ソレは “悪霊であって悪霊ではないモノ” じゃッ!
承太郎! お前が悪霊だと思っていたモノは!
お前の生命エネルギーが創り出す、パワーある映像(ヴィジョン)なのじゃッ!
「傍に現れ、立つ」というところから、 そのヴィジョンを名付けて
幽波紋(スタンド)!!』」
「スタ……ンド……?」
 消え去りそうになる意識を懸命に繋ぎ止めながら、
承太郎は祖父の言葉を反芻した。
「人間のお伽噺にあったわね……? 
寒風では旅人は衣を纏うだけだけど、熱さは音をあげさせる……
おまえ? 此処から出たくなった?
今なら 「出してください」 って心の底からお願いすれば、考えてあげないでもないわ」  
 勝ち誇った表情に小悪魔的な微笑みを浮かべた美少女は、
目の前で煩悶し続ける無頼の貴公子に向け、澄んだ声で勧告する。
「テメ……ェ……! いい加減にしやがれ……ッ!
オレがこっから 「出ねえ」 のは! 
この悪霊が知らず知らずのうちに他人へ 「害」 を加えるからだ!!」
「!?」
 意外な返答に、シャナはその紅い瞳を丸くする。
 てっきり傍若無人な人間の 「不良」 が、
想定外の能力(チカラ)が突然「発現」した事に混乱し、
己の殻に閉じこもって駄々を捏ねているだけだと想っていたのだ。
「同じような能力を……持ってるって事で……多少は……親しみが……
湧く……が…… コレ以上……続けると……テメー……死ぬ……ぞ……ッ!
コイツは……この……悪霊は……“オレの身に危機が迫った時”……
このオレの意志に叛して……『暴走』するッッ!!」
 そう叫んだ刹那、承太郎はせめてその被害を最小限に押し留めようと身を翻し、
後ろ廻し蹴りの要領で背後にある剥き出しの水道パイプを破壊した。
 目の前の、出逢ってからまだ数分足らずの少女の身を想い遣っての事ではあるが、
悪霊の「脅威」の方に意識がいっていた為彼はその事実に気がつかない。
 バジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッッ!!!!
 勢いよく吹き出す大量のカルキに(まみ)れた水によって、
承太郎を縛り付けていた炎の荒縄は官能的な音を伴いながら
白い湯気となって立ち消え、本体が自由となった『スタンド』は俄然勢いを取り戻す。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!
テメェ――――――――――――――――ッッッッッッッ!!!!!!!
もうどうなってもオレは知らんぞ!!!!!!!!!!!」
 承太郎の悪霊は、否、『幽波紋(スタンド)』は、
「本体」 である彼の意志を無視して頑強な素材と造りの鉄格子を
まるで溶けた飴細工でも捻じ切るかのように容易く左右に押し広げ、
そして引き千切る。
 己が護るべき主を、傷つけた者を断罪する為に。
 そして、そのどんな刃物よりも鋭利な手刀で
檻から引き抜いた一本の鉄芯を真っ二つに斬り裂き、
強力な殺傷能力宿す凶器と化した鉄格子を両手に持って構える。
 その炎と水が生み出した白い靄の立ち込める空間の中で、
承太郎のスタンドと、大太刀を持ったシャナが再び対峙した。



【4】


   ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!
  ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!!!



 承太郎のスタンドの全身から放たれる、
封印から放たれた魔獣のように狂暴な威圧感(プレッシャー)と、
シャナの全身から静かに立ち昇る、
天使のように神聖な煌めきを宿した炎の燐光。
 その鬩ぎ合いに、空間が歪むかのような重苦しい空気が場を錯綜する。
 対峙する空間で、承太郎のライトグリーンの瞳とシャナの真紅の双眸が交差した。
「オッッッッッッラアアアアアァァァァ―――――ッッッッッッ!!!!!!」
 荒々しいスタンドの咆吼によって、均衡は突如破られた。
 承太郎のスタンドが唸りを上げて全身を脈動させ、手にした鉄壊刃の投擲体勢に入る。 
 精密なフォームを寸分の狂いもなく形成しながらも、
同時に視線は正確に着弾地点を射抜いている。
 人体の正中線最上部。
 シャナの 「眉間」 
 その目の前のスタンドの動きに対し、シャナが執った行動、は。
「……」
 いともあっさり、承太郎に対してその小さな背を向けるという行為。
「!!」
 慮外の行動に虚を突かれたのか、
承太郎のスタンドは投擲体勢を保ったままその場で停止する。
 承太郎とスタンドに背を向け、ジョセフとホリィの佇む場所に
静かに歩いていく少女の紅い髪と瞳は、
やがて焼けた鉄が冷えるようにゆっくりと元の艶のある黒に戻っていく。
「貴様ァッッ!! 何故急に後ろを見せる!! こっちを向きやがれッッ!!」
 両者(?)共に猛っているので、まるでスタンド自身が喋っている
かのような錯覚を見る者に覚えさせた。
 現在所謂 『暴走状態』 で、危険極まりないとはいえ
宿主の高潔な精神を多少なりとも受け継いでいるのか、
スタンドは少女の背後から不意打ちを仕掛けるような真似はしない。
 シャナはこの承太郎とスタンドの問いを無視し、
彼には見向きもせず手にした剥き身の大太刀をコートの中、
左腰のあたりに収める。
 切っ先から、後ろにまで突き抜けるような勢いで押し込まれた刀が、
そのままコートの中にすっぽり消えてしまった。
 刀身は少女の身の丈ほどもあったというのに、まるで本当に『魔術師』のようだった。
 シャナはそのままジョセフの居る壁際までトコトコと歩いていき、
そして瞳を閉じて再びコンクリートの床に腰を下ろす。
「ジョセフ。見ての通り。 “アイツを牢から出したわよ” 」
「!!」
 承太郎は自らの足下を凝視した。
 いつの間にか、スタンドが捻じ曲げた鉄格子の隙間から
靴が鉄の仕切りを跨いでいた。
「……」
 意図せず漏れる、深い吐息。
 そして興が殺がれたのか、スタンドは承太郎の存在の裡側へ、
ゆっくりと潜るように戻っていく。
 アレだけ凄まじい存在感を誇示して発現していたのにも関わらず、
消えた後にはその余韻すらも残らなかった。
「してやられたというわけか?」
 誰に言うでもなく無頼の貴公子はそう一人語ちる。
「そうでもないわ。私は本当におまえを病院送りにするつもりでいた。
正直、破壊力(パワー)だけは予想外だった」
「だけは」というのを殊更に強調してシャナが応えた。
 やがてスタンドが完全に承太郎の中に立ち消え、
手にしていた鉄の刃が落下して重い音を立てる。
「もしオレの悪霊が、この鉄棒を投げるのをやめなかったら、どうするつもりだった?」 
「私は【フレイムヘイズ】 “炎髪灼眼の討ち手”
『宝具』 でもなんでもないただの「鉄棒」なんか、
空中で粉々にするのはわけないわ」
 問いかける承太郎に素っ気なく答えるシャナ。
 意味不明な単語が幾つかあったが、
要するに自分の戦闘能力は高いという事なのだろう。
【フレイムヘイズ】というのは、こいつの悪霊の名前か?
 考え込む承太郎に、
「シャナはおまえと同じような能力をもつ者。
もう牢屋内で一人、悪霊の「研究」に勤しむこともなかろう?」
口元に明るい笑みを浮かべたジョセフが、親指をグッと立てて彼を促した。
「チッ……」
 言っている事は正論だが、結局何から何までジョセフのお膳立て通りに
事が運んで面白くない実孫は、苦々しく口元を歪め学帽の鍔を下ろす。
「わァ~~~~♪ 承太郎♪ ここを出るのね♪」
 暗い牢屋の中から久方ぶりに姿を現した最愛の息子に、
待ちかまえていた淑女がまるで恋人同士のように承太郎に抱きつき、
その細い腕を絡める。
「ウットーしぃんだよ! この(アマ)ッ!」
 苦虫を10匹まとめて噛み潰したような表情で母親にそう返す承太郎。
「はあぁ~~い♪ ルンルン♪」
 優しい声で本当にルンルンと口に出し、
ホリィは承太郎の逞しい二の腕に頬を寄せている。
「!」
 その二人の態度にジョセフはあからさまに「ムッ」とした表情を浮かべる。
「おい! きさまッ! 自分の母親に向かってアマとはなんじゃ! アマとはッ!
その口のききかたはなんじゃ! ホリィもいわれてニコニコしてるんじゃあないッ!」
「はぁ~~~~い♪」
「……」
 その「光景」を、シャナは冷めた視線で眺めていた。
 甘いものは大好きだがこのような「雰囲気」は正直苦手だった。
「ジジイ、ひとつだ!」
 一人の淑女が醸し出す、場の甘ったるい流れを断ち切るように
承太郎は立てた指先をジョセフに向けた。
「たったひとつだけ……今……解らないことを訊く……
なぜアンタはオレの【悪霊】……イヤ……そこの「ガキ」も含めた……
とんでもねぇ能力の事を知っていたのか……? そこがわからねえ……」
「な!? ガ、ガキって……・おまえ誰に向かって!」
 真っ赤になって抗議の声をあげるシャナを、ジョセフが慣れた手つきで制止する。
 そして再び真剣な表情で承太郎に向き直る。
「いいだろう……それを説明するためにわざわざニューヨークから来たのだ……
だが、説明するにはひとつひとつ順序を追わなくてはならない。
これは、我がジョースター家にとても関係の深い話でな……まずこの写真をみたまえ」
 静かな、しかし確固たる意志を込めて承太郎にそう告げたジョセフは、
レザーコートの内ポケットから取り出した数枚の写真を彼に手渡した。
「?」
 承太郎は訝しげに祖父の手からそれを受け取り視線を落とす。


 
 一枚目……大海原に浮かぶモータークルーザー。
 二枚目……フジツボにびっしり覆われた、金属製の大型の箱。
 三枚目……開かれた箱、内部は二重底になっている。
 四枚目……箱の側面に刻まれた、『DIO』という刻印。




「なんの写真だ?」
 一通り目を通した承太郎がジョセフに問う。
「今から4年前、その鉄の箱がアフリカ沖大西洋から引き上げられた。
箱はワシが回収してある……ブ厚い鉄の箱は棺桶だ。ちょうど100年前のな……
棺桶はお前の5代前の祖父……つまりこのワシの祖父、
『ジョナサン・ジョースター』 が死亡した客船につんであったモノ、
ということまでは調べがついている。中身は発見された時カラっぽだった。
だが! ワシには! “中に何が入っていたのか” 解るッ!」
 穏やかな口調で承太郎に写真の詳細を説明していたジョセフだったが、
最後の最後で感極まったのか激しい口調でそう叫び、
再び強い意志で満ちた眼光を承太郎へと向ける。
「ワシとシャナ達は “そいつ” の行方(ゆくえ)を追っている!」
 ジョセフの瞳に宿る気高き光。
 それは、その誇り高きジョースターの血統の者のみが持つ事を赦される
『黄金の精神』の輝きだった。
「 “そいつ” ? ちょい待ちな……そいつとはまるで「人間」のような言い方だが、
百年以上海底にあった箱の「中身」を、 “そいつ” と呼ぶとは一体どういうことだ?」
 承太郎の自然な問いに、ジョセフは確信を込めて言い放つ。
「そいつは 【邪悪の化身!】 名前は 『DIOッッ!!』
そいつは百年の眠りから目醒めた男!
「我々」はッ! その男と闘わねばならない『宿命』にあるッッ!!」
(――ッッ!!)


『DIO』
 呪われた 【石仮面】 が生み出した、狂気と戦慄の悪魔。
 承太郎、ジョセフ、ホリィ、そしてシャナの背後に浮かび上がる、
この世の何よりも(くら)き邪悪を司る一人の男。
 ジョースター家にまつわる百年の因縁。
 このとき、彼は、空条 承太郎は、
まだ己の置かれた 『運命』 を認識していなかった。
 そして。
 己の傍らに佇む、少女の紅い瞳が招き寄せる幾千の “因果” も。
 しかし、その日、そのとき。
 彼の「日常」は、終わりを告げた。
 或いは、跡形もなく燃え上がった。
 静かに、音もなく。


 
 時は流れる。
 運命の車輪は、回転を続ける。
 世界は変わらず、ただそうであるように、動いている。

←To Be Continued…

 
 

 
後書き
どうも初めまして、この小説の作者、空宮(ウツミヤ) 汐兎(セキト)と申します。
以後お見知りおきを。
さて、まずお断りしておきますがこの作品に於いてワタシは、
ジョジョは「肯定的」シャナは「否定的」な見解で以て作品を仕上げております。
解り易く言うとジョジョは大好きですが「灼眼のシャナ」という作品は嫌いなので
アレンジを加えます、キャラもストーリーも設定も変えていきますというコトです。
その目的はただ一つ『そっちの方が面白い』からです。
(「ジョジョを使ってシャナを貶めている」と安易な邪推をする方もいますが、
『そんなモノ』は小説に成り得ません)

何より連載30周年を迎え、世代を超え世界的に評価され
今なお進化し続けている『ジョジョの奇妙な冒険』という作品と
一介のラノベ作品として「消費」される(された)しかない
「灼眼のシャナ」という作品を『同列』に扱うコトは事実上、
不可能だからです。(形而上、形而下でも)
故に灼眼のシャナという作品で重要な位 置(ポジション)にある(主人公?)
坂井 悠二というキャラクターは「ジョジョの世界観」には
全くの「無用」という理由で一切出てきません(その存在すらも最後まで)
承太郎、花京院、ジョセフといった知識も精神も常人を遥かに超え、
更にスタンド能力まで持っている魅力あるキャラクター達を前に、
戦闘能力どころか戦闘経験すらないただの高校生を出す
「必然性」は全く以て皆無だからです。
そもそも「戦闘(バトル)」が主体(メイン)の作品で、
その主要キャラの中に「戦えない者」が登場する等という「設定」は
野球マンガで主人公が「野球をしない」と言ってるようなモノで
(ルールも知らない、経験もない、そもそも野球自体に興味がない)
既にして「破綻」していると断じざる負えません。

故に、「あらすじ」にも書いてありますがこのワタシの主張に賛同戴けない方、
著しい不快感を覚えた方は、ここで読むのを御止めになるコトを強くお勧めします。
「警告」はしました、後になって『バイツァ・ダスト』のスイッチが入っても
当方は一切責任を負い兼ねます。
そしてご賛同戴ける方、
感謝致しますと同時にこれから宜しくお願い致します。 
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