がっこうぐらし!The world in confusion
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chapter52
学園生活部が拠点にしていた巡ヶ丘中学から離れ通れる車道を通りながら自衛隊の拠点となっている小学校へと車を走らせていた。
街並みはもう見慣れてしまった廃墟当然の有り様であり、数日前のリバーシティの爆発で前まで通れていた道も塞がっているなどのアクシデントもあったがようやく小学校の近くまでやって来ることができた。
「もうすぐだな」
ふと、目的地につくことに微笑む、何でか去ったのがつい先日のはずが懐かしくも思えてしまう。
「るーちゃんたちとまた会える…本当にここまで長かった気がする」
隣の助手席に座る悠里も久しぶりの家族に会えることに胸を踊らせておりそうしていると見知った校舎が見えてきた。
「見えてきた!」
小学校の校舎を視認することができたあと目の前には自衛隊員が警備をしており俺達の車に気がつき、止まるように指示されて俺達は停車させる。
「俺が話をつけてくるよ」
そういって俺は車からでて自衛隊の前に出る。
「ん?君は…確か、月宮雄也くんじゃないか!」
「どうも、巡ヶ丘中学からこっちに移動してきたんですけど…通してもらえないてしょうか」
「ちょっと待っていてくれ」
そういうと、自衛隊員はトランシーバーを持って恐らく小学校の方にいる自衛隊に連絡を入れ、その交信のやり取りをして数分後トランシーバーを先程入れていたポケットに入れ直して俺の方に向く。
「あちらには連絡しておいたよ、それと硲少佐の元へ行ってもらえないかな?」
「??は、はい、わかりました」
何かあったのかと疑問に思うなか車に戻り小学校の校門の少し横に駐車させて外に出て校門前にたつ。
「…なんか人数が増えてないか?」
俺達がいたときより往来が激しく何故か管理局の局員もあちらこちらに疾走していた。
「ゆーにい!!りーねえ!!」
そんな中聞きなれた声の子が真っ直ぐこちらに駆け寄ってきて悠里に抱きついた。
「るーちゃん…っ!よかった…本当に生きていてくれて…」
妹に会えたことに悠里の瞳には涙で溢れた。
「りーさん、よかったな…」
家族に会えたことに回りにいる胡桃達も見守っていると
「胡桃?」
「え?」
突然と聞き覚えのない声で胡桃が呼ばれて呼ばれた声がした方向を向くと夫妻だろうか何故か何処と無く胡桃に似ている人達が胡桃を見つめていた。
「あっ……パパ…ママ…」
「胡桃!本当にあなたなのね!」
「本当に生きていてくれて…よかった…」
思わぬ親子の再会に胡桃も涙を流して親に抱きつく…やっぱり生死がわからなかった分うれしいに決まっているからな
「本当に感動だな」
少しもらい泣きしてしまうぐらいだ
「…取り合えず、悠里も胡桃も久しぶりの家族との再開なんだ…そっとしておこう…俺は硲さんのところにいくけどみんなは自由に行動してくれ」
「うん、わかった、私もお母さんのところにいきたいから…」
そういって各自別々の行動をして俺は硲さんがいるであろう応援室にやってきた。
「硲さん、雄也です、居ますか?」
「ん?雄也くんか?入ってきてくれ」
応答があったため部屋にはいると資料を読んでいる硲さんがおり俺は硲さんの前にたつ。
「無事に帰ってきてくれたんだな…先ずはその事に嬉しく思うよ」
「ありがとうございます、それで色々と気になることがあるんですけど…」
「やはり、わかるかね…ならばそこら辺の話をしなければな」
そういって資料を机の上に置くと目線を俺に向けて何があったのかを口にする。
「先ずは雄也くんが居なくなってから…また事態が動いた…といっても、あちら側でだ」
あちら側とは管理局のことだろう、いったい何が起きたのだろうか
「ランダル本社でクーデターが起きた…が結果はクーデターはならずクーデター首謀者であった主格はほとんどが粛清されたらしい」
「クーデター…なるほど、それで賛同していた局員は命辛々ここまで逃げ延びてきたと…」
軽傷重傷とかなりの人数がいるのであろう…だがこれでランダル本社にいる局員もわずかというわけだ
「その局員と一緒にランダルにいた生き残りの研究者や社員も上手く逃げてきた…その中にはランダルの最高責任者…つまり、社長もいた」
「っ!ランダルの社長!?」
「ああ、だが」
ランダルの社長がいることは驚くが何故か硲さんの顔は浮かないかおをしていた。
「彼の命はもう…残り少ない…」
「っ!!」
硲さんの言葉から浮かないかおをしていた理由を読み取った…そういうことか…だから硲さんは…
「…君が帰ってきて本当によかった…彼は君に伝えたいことがあるらしい…」
「俺に?それでランダルの社長さんの名前を教えてくれませんか?」
「彼というのも失礼だね、彼の名前は…○○○○だ」
…え?
「…本当なんですか…それ…」
「………ああ」
嘘だろ…こんな…ことってあるのかよ…
「…受け止められるかは…信じてもらうしかない」
「…はい…取り合えず俺と一緒に来たみんなを集めてほしいです」
そうして、話し合いの末に会いに行くために応援室から出て保健室がある場所そこにランダルの社長がいるらしい
「ゆうくん!」
保健室で待っていると悠里を始めとしたみんながやってきた、自衛隊にいきなり保健室に来てくれと言われたのだ、その顔には戸惑いの顔が見える。
「ごめん、家族との再会だったのに…こっちも時間がなかったから」
「…何かあったの?」
俺の言葉から何があったのかを察した優花は俺に聞いてくる。
「…この保健室にランダルの社長がいる」
「なんだって!?本当なのか雄也!」
「……ああ、だが…彼は逃げる途中に深傷を負いもう…時間がないらしい」
「っ!そんな…」
「だから、生きているうちに会ってくれと硲さんに頼まれた……由紀」
「ん?なに?ゆうくん?」
少し言葉がつまる…本当は会わせたくないのが本心だ…だが…彼のため…引き合わせた方がいいと思いひとつだけ忠告することにした。
「…覚悟を決めてくれ」
「??」
それだけをいい俺は保健室に入りその後をみんなが入っていきそして保健室のベッドがある場所に向かいベッドを遮っているカーテンにてをかけ
「……」
少し息を整えるとカーテンを開けてベッドの上の光景が俺達の目にはいる
ベッドの上にはかなり顔色が悪く本当にぎりぎり命を繋いでいる状態だといっていいほどに至るところが血で滲んでいた。
「……君は…そう…か…君…が…ゆう…やくん…だね」
ほとんどかすれた声今にも途絶えそうなくらいだ
その彼の視線は俺から…由紀に変わった。
その由紀は彼を見て瞳を大きく開け体は震えていた。
「由紀…」
「…お、…父…さん」
ランダルコーポレーションの社長は由紀の父親…衝撃な事実に回りは驚きをかくせないであった。
「お父さん…ってそれってランダルコーポレーションの社長は由紀のお父さんだったってこと!?」
放たれた衝撃の事実それは俺たちを驚かせるのには余りにも容易な事実だった。
「…由紀は父親の仕事に関してはあんまり知ってなさそうな雰囲気だけどな」
もし知っていたら、確実に顔に出るはずだ…由紀は嘘が下手だからな
「さてと、驚くのはわかるけど、本題に入らないとな…色々と聞かないといけないことがあるんだ」
「あ…あ、話そう…」
「なら、単刀直入聞く…なんで管理局と組んだんだ」
ランダルと管理局…この協力関係になった理由は間違いなく何かあるはず…それは当事者のこの人でしかわからないはずだ
「……もう…二十年…ほど前になるか…」
彼は質問に答えるように何処か遠い目をしながら語り始めた。
「私は…国の…命令で…この土地で…発生した…パンデミックの…研究をしていた…」
「だが…当然だが…簡単な…ことでは…ない…資金…人員…科学力…何もかもが…初めから…不足していた」
「そんなとき…彼らが…管理局となのる集団が私の目の前に現れた…」
「彼らは資金と科学力を…提供する引き換えに共同での研究…を持ちかけてきた…」
「…管理局がきて資金と次元世界の技術…その上共同だから人員も確保できるランダルからは真にWIN-WINといってもいい商談だな…受けたんですか?」
確実に得な条件での商談、それを受けたのかを聞くと彼は小さく横に首を振る。
「…出どころ…がわからなかった…怪しいと思い…その時は商談を…断った…」
「…適切な判断ですね」
どう考えても首を縦には降らないだろう
「それから…何度かは…管理局からも商談があったが…全て…断った…ある日忽然と…商談を…持ち込まなくなって…5年が経過を経ったとき…また管理局は商談を持ち込んできた…」
「…何故…管理局は5年も歳月を…?」
少し気になることだが…今は彼の話を聞こう。
「5年も経過していることから人員や…研究費は余裕があった…勿論…断ろうとした…奴等のあの一言を…聞くまでは…」
彼の手が震える…それからは後悔等が感じされた。
「…由紀…今ならまだ引き返せるぞ」
多分、次の一言は由紀にも関係ありそうだっただから…聞きたくなかったら部屋を出ることを促す。
「ううん、私…ここにいるよ」
由紀は決心したのかとどまることを決意、その決意を見た再度彼の顔を見る。
「続けてください」
「…わかった…やつらは…こういったんだ…
『娘を生き返したくはないかと』」
『っ!!?』
生き返したくないか…その言葉は俺達に衝撃を与えた
それはまるで死者蘇生技術があるといっていることになる…それになにより、それでは…
「由紀…お前姉何ていたか?」
一応聞く…由紀はそれにたいして首を横に降った。
「丈槍さんは、姉妹もいない一人娘のはずです」
めぐねえが補足する…それではまるで…由紀が昔に死んでいたことになるではないか…
昔に死んだ?…俺はこれに似た出来事が…一度だけ…目の辺りにしたことがあった
「私はそれを…聞いて動揺した…悩んだ末…私は…管理局…提供を…受け入れて…しまった…」
「……」
みんな黙りこんで彼の話を聞く
「そして、管理局の技術のもと…ある技術を使い…」
その後に続く言葉は何となくわかった。
だから、俺は彼が言う前に口を開けて告げた。
「由紀が生まれた…違うか?」
『っ!!?』
その言葉は…余りにも残酷で…ひどい真実…
「そんな…そんなことができるはず…」
悠里は否定するが…俺には否定できなかった…その技術を知っているから
「…否定するのも無理はない…ジュード…お前なら薄々感づくんじゃないか?」
俺と同じく管理局にいたジュードならと訪ねると浮かないかおをしてこちらを見ており、どうやらわかっているようだ
「PROJECT…FATE…」
「死者蘇生技術…又は記憶複写型人工魔導士生成技術…だ」
「人工…魔導士!?」
プロジェクトフェイトの内容を聞いて知らない胡桃をはじめとする回りのみんなは絶句した。
「…それの…プロトタイプ…だ…まだ…実験…段階…だったらしい」
「プロトタイプ…」
「君が…言うように…由紀は…人工ではあっても…リンカーコアは複製…出来ていない…由紀の成長が…著しいのは…これが原因だろう」
告げられていく真実に俺を含めて無言で聞いていく。
「…あなたは…由紀を生まれたときどう思ったんですか?返答次第では俺はあなたを許せないかもしれない」
俺は由紀をどう思っているのか率直に聞く
「確かに由紀はあの娘とはそっくりだ…恐らく生きていたら由紀のような子供になっていただろう…」
「だが、あの娘と由紀は違う…私は今も由紀を愛している…!げほぉっ!ごぼぉっ!!」
その言葉をいったあとかなり大きく咳き込み、その咳で口からは大量の血を吐き出してしまう。
「おとうさん!?」
「無理をしないで!今すぐ治療を!」
「…いい…もう…長くはない…それは私自身が…よく…わかる」
すく様ジュードが治療を施そうとしようとしたが、それを彼は拒む…もう治療しても助からないのがわかっているからであろう。
「雄也…くん…すまない…本当は…」
「いやいいです、それよりも由紀の方を…」
俺は彼の言葉を察して、残りの時間を由紀に言う時間に回すように促す。
「由紀…すま…ない…由紀を…一人…残して逝ってしまう…」
「やだ…やだぁ…」
「……みな…さん…由紀のことを…」
「任せてください」
何を言おうとしたのかわかり言い切る前に返答した。
「ああ…ゆ…な…」
誰かの名前を呟きながら右手を揚げ…
「今…君…の…も…とへ…… 」
それを皮切りにプツリと切れたように手はベッドの上に落ちそれ以降彼はピクリとも動かなくなった。
「お…とう…さん…」
由紀が彼の名前を呼ぶだがその呼び掛けの彼は返さない…
もう彼の命の灯火は消えた。
「う、うぅ…ひっく… 」
「丈槍…さん…」
涙目を浮かべる由紀、それを見かねてめぐねえが寄り添い、すると由紀は溜まっていた涙は決壊してめぐねえに抱きつき泣き始めた。
「めぐねぇ…めぐねえぇ…」
むせびなく由紀をめぐねえが体を抱き締め、この部屋は一人の死の悲しみにみちあふれた。
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