戦姫絶唱シンフォギア~装者が紡ぐ破壊者の心~
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「プロローグ」
前書き
色々と至らない点があるかと思いますが、よろしくお願いします。
アドバイスなどを頂けたら、幸いです。
~???Said~
「…はぁはぁ。一体なんなんだあの怪物は?」
俺は変な怪物に襲われて、体力の続く限りひたすら、逃げてきた。
「彼奴は無事に、逃げれたのか?」
俺は一緒にいた妹を逃がすために、怪物に囮役として挑発して、ここまで逃げてきた。
夜の町の中から、結構離れた所まで来てしまっていた。
「……追い掛けっこも、もう終わりだ。ガキ!」
後ろから声が聞こえて、俺は振り向いた。
「っ!?……くそ!」
振り向いた先にいたのは、俺と妹を襲った怪物だった。
どことなく蜥蜴のような面立ちをした怪物は、ゆっくりと俺に近づいてくる。
俺はすぐ横にある石の階段を登って逃げる。
「逃げても無駄だと言っている」
その声は後ろではなく、真横から聞こえてきた。
「それでも!」
「貴様に無駄な時間を掛けてしまったんだ。さっさと貴様を殺して、一緒にいたもう一人のガキを殺さないとな」
怪物がそう言った瞬間、俺は階段を走って登ることを止めた。
この怪物は、俺を殺して妹も殺すと言ったのか?
俺のたった一人の“大切な妹”を!
「ふざけるな!」
俺は真横にいた怪物の腹を殴る。
「ガキが俺様の体に気安く触れるな!」
そう言った怪物が俺の腹を蹴る。
「ガッ!」
激しい痛みと共に、俺は浮遊感を感じた。
そして、背中に強い衝撃を感じた。
「…て……か?……ガ……」
怪物が何かを言っているが、言葉が耳に入ってこない。
それどころか、意識が朦朧としている。
……あぁ、死ぬのか俺は。
………せめて、お前だけは生きてくれ、□□□。
そこで意識が完全になくなった。
~少女Said~
私はいつも通りに、朝の特訓である走り込みを行うために家を出ようとした。
そう、いつも通りならすぐに走ろうとするのだが、今日はそうもいかなかった。
何故なら、門を開けた先に人が、体のあちこちから血を流して倒れていたからだ。
「だ、大丈夫ですか?」
そう問いかけるものの、返事はない。
「お、お父様!大変です!」
私は直ぐ様、家に入ってお父様を呼んだ。
「…どうした、翼」
襖を開けてお父様がそう言ってくる。
「も、門の前で人が、ち、血だらけで倒れてーーーー」
私がそこまで言うと、お父様は直ぐに門の前へと走っていた。
私もその後を追って、様子を見ていた。
「これは………酷い」
お父様の口からそんな声が聞こえてきた。
「翼、客間に布団を用意してくれ」
「はい」
私は返事をして直ぐに客間へと向かった。
~???Said~
ーーーーー体が痛い。
ーーーー何故だ?
ーーーーわからない。
ーーーーそもそも、俺は誰だ?
「………ん……グッ、こ、ここは?」
「目が覚めたのか、君」
すぐ隣から、声が聞こえる。
俺は体をおこそうとするが、痛みが全身を巡って起き上がれない。
「無理しないでいい。あれだけの怪我をしていたんだ。今は寝ながら答えてくれ」
隣にいるであろう男がそう言う。
「まず、君の名前は?」
ーーーーー名前。
ーーーーーー□□ 士。
「……士」
「士君か。では、名字は何ていうんだい?」
ーーーーー名字?
ーーーーーわからない。
頭の中を通りすぎる、“わからない”という言葉。
「……わからない」
「……わからない?………君のご家族は?」
ーーーーー家族。
ーーーーー生きてくれ、□□□。
誰のことなんだ?
「…わからない」
「……これは記憶喪失の可能性があるな」
「………記憶喪失」
俺がそう言うと、襖の開く音が聞こえた。
「お父様、その人は大丈夫なんですか?」
「ん、あぁ。……丁度良い。翼、少しこっちに来なさい」
男が翼と呼んだ少女が、俺の近くに来た。
「士君。……家の養子にならないか?」
「……養子?」
「……君のご家族と記憶が戻るまででもいい。それまで私を士くんの父親だと思ってくれると嬉しい」
「……俺の…家族。………記憶」
何もわからない。
でも、家族という言葉に何故か心が温かくなる。
「……養子になる」
気がつけばそう言っていた。
「そうか。……ところで士君、君の年齢はわかるかい?」
「………9歳?」
「9歳か。それなら、君はこの子の義兄だな」
「………?」
男がそう言って、先程入ってきた少女を指さした。
「あぁ、すまない。この子は翼。風鳴翼というんだ。歳は7歳で君の2つしたなんだよ」
「翼。彼は今日から君の義兄になる、士君だ」
「この人が、私のお義兄ちゃん?」
「っ!」
ーーーー士お兄ちゃん
頭のなかで誰かにそう呼ばれた。
「どうかしたのか?士君」
「………妹」
「あぁ、翼は今日から士君の妹だ」
ーーー記憶の無い少年、士はこうして風鳴家の養子に入った。
その道の先に、士は何を見るのか。
戦姫絶唱シンフォギア~装者が紡ぐ破壊者の心~始まります。
後書き
次回、1話「2翼のライブと破壊者」
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