『夢の中の現実』
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『取り立て』
父さんの部屋に来て約1週間位経った。
布団は勿論、他にも色々と生活用品を買い足した。
少しずつ生活感の在る部屋になってきた。
産まれて初めて『親と一緒に行く動物園』を体験できた。
父さんの服を、いろんな店舗を巡って選ぶのが楽しかった。
車道側を歩く父さんに愛を感じた。
毎日、デートしてる時みたいで幸せだった。
今日は2人で餃子を包んでた。
そんな2人に水を差すように現れたのが借金取り。
支払う額は聞いてた。
生活保護は取り下げて来た。
零那が一緒に住むから。
住所も勿論、此処に移した。
父さんに『零那この人達に話あるから包んでて♪』って言って出て行った。
父さんは頷いた。
借用書全部見せて貰った。
何も知らんあの頃の零那じゃ無い。
何枚も在る。
しかも、ごっつ昔のも在った。
零那と父さんが離れ離れになった頃...?
なんで?
話を聞いてると、返済してる額は全体の利息分も満たして無いらしい。
今のままだと一生払い続けても返済は不可能。
元金含めた上での返済をせな意味が無い。
とりあえず、いつも通り利息分と、元金10万。
支払った。
父さんには一切手を出さんことを約束して貰った。
零那が全額払うからって。
今は零那も無職。
貯金からの生活。
其れも解ってる風な口調で突っ込まれた。
『嬢ちゃん仕事は?』
『嬢ちゃん言われるほど若くないです』
『ほぉ~?なんぼなんや?どう頑張って上に見ても22、23くらいやで?』
『30です!!チャント大人です!!』
『見た目若いんやなぁ~。ええこっちゃ♪悪い事言わん。遊廓...飛田新地かどっかに勤めたらええわ。借金さっさと終わらせて父ちゃん守ったらんとなぁ♪』
『嫌っ!!妖怪通りなんかで働きたく無いし!!』
『嬢ちゃんなら妖怪通り行かんでも普通にいけらぁ。面接行ってみぃな!』
『ハタチの時1回、数日間だけ働いてます。今は面接落ちる思うけど。どっちにしろ稼げる処に行きます』
『潔くてええわぁ♪さすが父さんの血ぃ引いてるわ♪男やったら父さんと同じ道行けたのに惜しかったなぁ~』
『...次から零那に直接連絡下さい。明日から店探しますので。宜しくお願いします』
『嬢ちゃん、人妻専門店の幼妻ってのも人気出るかも知れんでぇ♪まぁ店決まったら言うてやぁ♪』
借金のカタに娘売り飛ばしたりってのは今の時代もぉ無いんかな?
父さんの生活保護は回収出来てたから?
信用あるから?
零那が風俗する言うたから?
父さんとの時間を邪魔された事以外、特に嫌な印象は無かった。
チャント払っていけば危害は無さそう。
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