| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『夢の中の現実』

作者:零那
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

『取り立て』



父さんの部屋に来て約1週間位経った。

布団は勿論、他にも色々と生活用品を買い足した。
少しずつ生活感の在る部屋になってきた。

産まれて初めて『親と一緒に行く動物園』を体験できた。

父さんの服を、いろんな店舗を巡って選ぶのが楽しかった。

車道側を歩く父さんに愛を感じた。

毎日、デートしてる時みたいで幸せだった。

今日は2人で餃子を包んでた。
そんな2人に水を差すように現れたのが借金取り。
支払う額は聞いてた。

生活保護は取り下げて来た。
零那が一緒に住むから。
住所も勿論、此処に移した。

父さんに『零那この人達に話あるから包んでて♪』って言って出て行った。
父さんは頷いた。

借用書全部見せて貰った。
何も知らんあの頃の零那じゃ無い。
何枚も在る。
しかも、ごっつ昔のも在った。
零那と父さんが離れ離れになった頃...?
なんで?
話を聞いてると、返済してる額は全体の利息分も満たして無いらしい。
今のままだと一生払い続けても返済は不可能。

元金含めた上での返済をせな意味が無い。
とりあえず、いつも通り利息分と、元金10万。
支払った。

父さんには一切手を出さんことを約束して貰った。
零那が全額払うからって。

今は零那も無職。
貯金からの生活。
其れも解ってる風な口調で突っ込まれた。

『嬢ちゃん仕事は?』

『嬢ちゃん言われるほど若くないです』

『ほぉ~?なんぼなんや?どう頑張って上に見ても22、23くらいやで?』

『30です!!チャント大人です!!』

『見た目若いんやなぁ~。ええこっちゃ♪悪い事言わん。遊廓...飛田新地かどっかに勤めたらええわ。借金さっさと終わらせて父ちゃん守ったらんとなぁ♪』

『嫌っ!!妖怪通りなんかで働きたく無いし!!』

『嬢ちゃんなら妖怪通り行かんでも普通にいけらぁ。面接行ってみぃな!』

『ハタチの時1回、数日間だけ働いてます。今は面接落ちる思うけど。どっちにしろ稼げる処に行きます』

『潔くてええわぁ♪さすが父さんの血ぃ引いてるわ♪男やったら父さんと同じ道行けたのに惜しかったなぁ~』

『...次から零那に直接連絡下さい。明日から店探しますので。宜しくお願いします』

『嬢ちゃん、人妻専門店の幼妻ってのも人気出るかも知れんでぇ♪まぁ店決まったら言うてやぁ♪』

借金のカタに娘売り飛ばしたりってのは今の時代もぉ無いんかな?

父さんの生活保護は回収出来てたから?
信用あるから?
零那が風俗する言うたから?

父さんとの時間を邪魔された事以外、特に嫌な印象は無かった。
チャント払っていけば危害は無さそう。


 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧