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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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補習授業のヒーローズ
  英雄派残党らからの会談×アジュカの技である覇軍の方程式

「初めまして、アジュカ・ベルゼブブ。英雄派残党を率いている者の一人ですが、それとこの方々は英雄派に協力してくれている前魔王関係者ですよ」

英雄派残党の副リーダー的な存在なのか挨拶を受けるアジュカ。・・・・英雄派に与する旧魔王派の者もいるらしいが、何だが複雑な組織だと思いますが我らCBもそうですがね。

「ある程度の情報提供をされているから知っていたけど、まさか本当だったとはね。それで、俺に何の用があるんだい?先客がいるから、用件次第だとお引き取り願おうか」

テーブルの上で手を組みながらアジュカは、静かにそう問われていたけど英雄派なら兎も角として旧魔王派の悪魔達からは敵意のオーラを迸らせている。一触即発だけどアジュカが一言でも不信を口にすれば、すぐにでも襲い掛かるつもりなのでしょうね。それに遥か上空にはベルゼブブ様とカテレア達が見守っているからなのか、私達は現魔王の実力を見る為に見ていた。

『私の名を継いだだけの事はあるな、一触即発な状況でも優雅に振る舞い余裕振りが生まれている』

『姉上の名を語らないようにしてきましたが、我らにはその心配に及ばなかったようです。現に姉上が側にいる時点で、我らの夢は既に果たされたのですから』

「以前より打診していましたが、我々と同盟を結びませんでしょうか。アジュカ・ベルゼブブ」

どうやら祐斗さんらグレモリー眷属には驚愕に包まれていますが、我らにとっては既に認知していますので驚きもしませんし、ここで現ベルゼブブを相手にテロリスト集団が同盟を持ちかける事もね。雰囲気から察すると、悪魔全体ではなくアジュカ・ベルゼブブ個人との同盟なのだと。

「貴方は現四大魔王でありながら、あのサーゼクス・ルシファーとは違う思想を持っていて独自権利を持っている。創造神黒鐵と盟友でもあるが、異能に関する研究・技術は他と圧倒して超越している。盟友と同じぐらいの技術を持っているし、一度声を掛ければサーゼクス派の議員数に匹敵する協力者を得られると言うではありませんか」

現魔王政府の中で、魔王派は大きく分けて四つあるのですがそのほとんどを一誠様がコントロールされていると聞いています。それぞれの現魔王に派閥議員が従っており、四つの派閥で支持者が多いのがサーゼクス派とアジュカ派だと諜報員から聞かされた。

両派閥は現政府の維持と言う面だと協力関係にあるけど、詳細な政治面には対立も多く冥界のニュースで取り沙汰されています。報道では主に両陣営の技術体系による意見の食い違いが目立ちますし、英雄派残党の言葉を聞いてアジュカは息を吐く。

「確かに俺は魔王でありながら、個人的な嗜好で動いている。サーゼクスからの打診も言い付けも(ことごと)く破っている。傍から見れば俺がサーゼクスの考えに反対しているように見えるだろう。今運営している『ゲーム』も趣味の一環だからな」

「その趣味の所為で私達もかなり手痛い目に遭いましたよ」

『会話から察しますと、アジュカ様が制作した「ゲーム」は「禍の団」の活動を阻害していると言う事でしょうか?』

『どうやらそのようですが、今は最後まで聞いてみましょうか』

アジュカがそれはお互い様だと告げていたが、そう返すと英雄派残党は肩を竦めていた。

「我々が一番貴方に魅力を感じているのは・・・・あのサーゼクス・ルシファーに唯一対応出来る悪魔だからだ。まあ創造神黒鐵には及ばなくとも、貴方とサーゼクス・ルシファーのお二人は前魔王の血筋から最大級にまで疎まれ、畏れられる程のイレギュラーな悪魔だと聞いております。その一方がこちらに加わってくれればこれ以上の戦力は無い」

「なるほど、俺がテロリストになってサーゼクスと敵対するのも面白いかもしれんな。それに一誠とサーゼクスの驚く顔を見るだけでもその価値はありそうだ」

「こちらも有している情報と研究の資料を提供します。常に新しい物作りを思慮している貴方にとって、それらは十分に価値のあるモノだと断言出来ますよ」

本気か真意は知れないですけど、愉快そうに見えますが上空におりますベルゼブブ様はお怒りのようですね。英雄派残党から更なる甘言にアジュカは、二回頷いていましたが『禍の団』が得ている情報と研究資料を聞いて増々興味津々にしていました。ですが、一度瞑目後にはっきりと断りの言葉を聞いた事でベルゼブブ様も安堵した様子。

「・・・・そんなのはいらんな、俺にとって君達との同盟は魅力的な提案だが否定しなければならない事もあるんでね。それに今頃一誠が、俺達の会話を聞いている事だと思うとゾッとしてしまうからな」

否定的なコメントを聞いたとしても英雄派残党は顔色を変えなかった。・・・・周囲にいる旧魔王派の悪魔達は殺意を一気に高めたが、私達にとっては何も怖くありませんわ。すると英雄派残党が聞く。

「詳細な事を訊きたいけど、簡潔にするが何故なのかね?」

「俺が趣味に没頭出来るのは、サーゼクスが俺の意志を全て汲んでくれるからだ。彼らとは・・・・いやアイツと一誠とは長い付き合いでもあるし、俺が唯一の友と呼べる存在であり盟友でもある。アイツの事は誰よりも知っているし、アイツも俺の事を誰よりもよく認識している。アイツが魔王になったから、俺も魔王になっているに過ぎないからな。俺とサーゼクス・ルシファーの関係と言うのは、そう言う事だし更に言えば一誠との関係の方が長く感じる。一誠が持つ情報と技術は、俺ら悪魔でも知らない事があるし神と言う存在でもフレンドリーに接して来る神って言うのは一誠以外有り得んしな」

アジュカとサーゼクスは旧知の間柄で、分かりやすく言うと若い頃からのライバル的な存在同士とも言えるかと。それに一誠様とは魔王になってから、情報と技術提供を蒼い翼経由で常に最新状態として知られている。

三人の間には、見えない何かによって繋ぎ止められている絆があると言う事。だからテロリストに同盟破棄する理由を正当化としているので、英雄派残党は表情に変化が見えないし予め答えを推測していたのかもしれません。

「なるほど・・・・『友人と盟友』に関して、私らにとって分からない理由ですがそう言う断り方もあると言うのも知っていますよ」

彼の皮肉げな笑みと言葉を受けたのか、旧魔王派の悪魔達が色めき立つ。

「だから言ったであろう!この男は!この男とサーゼクスは独善で冥界を支配しているのだ!いくら冥界に多大な技術繁栄をもたらしたと言えど、このような遊びに興じている魔王を野放しにしておく訳にはいかないのだ!」

「今まさに滅する時ぞ!忌々しい偽りの存在め!我ら真なる魔王の遺志を継し者が貴様を消し去ってみせよう!」

怨恨に塗れた言葉を受けたとしても、アジュカは苦笑されただけである。

「如何にもなセリフだ。もしかして貴方方は同様の事を現魔王関係者に言っているのだろうか?怨念に彩られ過ぎた言動は、『ナイトメア』にいる三大魔王らが聞いたら同じ事を言うだろうね。華もなければ興もなければ、つまらない悪魔人生を送っているのかな」

「先程から言っている事の意味が理解不能であるが、『ナイトメア』に『三大魔王』とはどう言う事か?」

現魔王に切り捨てられて、旧魔王派の悪魔達は殺気を一層濃厚に漂わせていた。ですが旧魔王派の悪魔達には、冷静に考え事をしている悪魔もいるようで『ナイトメア』と『三大魔王』とはどう言う事か?を尋ねていた。だが旧魔王派の悪魔達の内、二人は戦闘開始と言う状況だ。アジュカはテーブルの上で組んでいた手を解いて、片手を前に突き出して小型魔法陣を展開させました。

「何を言っても無駄な者達も居れば、先程知ったキーワードを知ろうと言う者らもいる。ま、俺も久方振りに魔王の仕事とやらをするか。その方が一誠に怒られなくて済むけど、貴方方を消すつもりでね」

「「ふざけるなッ!」」

激高した旧魔王派の悪魔達全員ではなく、十人の内の四人だけが手元から大質量の魔力波動を放出させていく。残りの六人は『ナイトメア』と『三大魔王』について考えていた様子だったので、攻撃態勢をせずに攻撃をする仲間を止めずに英雄派残党らと一緒にいた。かなりの質量となっているが、グレモリー眷属だけなら致命傷受けるぐらいだろうが黒神らにとっては弱火に近いだろう。

『ほう、アジュカは同時攻撃に動じる事なく手元の小型魔法陣を操作するだけのようだな』

『現ベルゼブブであるアジュカは、魔法陣に記された数式と悪魔文字を高速に動かす事で何らかの攻撃をするようですよ姉上』

相手の攻撃が直撃コースとなったが、直撃寸前で魔力の波動が全て軌道を外して在らぬ方向に飛んで行った。矛先を違えた魔力が深夜の空を切るように放出されるが、この現象を見た旧魔王派の悪魔らは仰天していた。アジュカは変わらず椅子にゆったりと座っているままとなっていた。

「俺の能力に関して、大体把握してここに来たんだろう?まさか、自分の魔力だけは問題なく通るとでも思っていたのだろうか?それとも強化してきて、この結果だった事に驚いているのか?どちらにしても貴方方では俺と黒神らを倒すのは無理だろうよ」

アジュカが苦笑していて、黒神である黒歌とレイヴェルに来たとしても簡単に防いで見せた事でグレモリーらも驚いていた。

恐らく強化してきたかもしれんけど、過去の前魔王政府とのいざこざでサーゼクスとアジュカは、反魔王派のエースとして当時最前線で戦われていた歴戦の英雄として英雄譚は冥界でも広く伝わっている。

サーゼクスは全てを滅ぼす絶大な消滅魔力を持っているに対して、アジュカは全ての現象を数式・方程式で操って絶技を持っているとも言われている。

『それを知っているにも関わらず、コイツらは強化してきたはずだ』

『確かアジュカは、旧魔王派の攻撃を自身の魔力でずらしたんだと思います』

「俺から言わせればこの世起こるあらゆる現象・異能は、大概法則性などが決まっている。数式や方程式に当てはめて答えを導き出す事が出来るが、俺は幼い頃から計算が大好きだったから自然に魔力をそちら方面に特化したと言う事さ。例えばこう言う事も出来るよ」

ベルゼブブとシャルバが念話で喋っていると、アジュカが空を見上げているので怪訝に思った旧魔王派悪魔四名とグレモリーらも視線を上に向けていた。ベルゼブブらがいる上空ではないが、風を切る音が大きくなっていると先程ずらした魔力の波動が降り注ぐ魔力がテロリストらに襲う。一人は絶叫すら上げる事も出来ぬまま、一撃で消滅していき当たる直前で避けた者らの元に魔力の波動が追撃を開始。

「我らの攻撃を操ったか!」

「こうする事も出来る」

『なるほど。魔法陣に刻まれた数式と悪魔文字を更に高速に動かし続ける事で、現象を計算して操る独自術式プログラムのようだな。アスモデウスが得意そうな感じだが』

『恐らくアスモデウス様でも複雑な攻撃方法はしないと思いますよ、奴らを追撃する魔力の波動が弾けて散弾しています。他の波動も枝分かれとなって、攻撃した四名を追っているようですし』

他者が放った魔力をそのまま操り、形式までも容易に変えられる様子。高速でもあるし、散弾と化した波動と細く分かれた波動も追尾していく事で追撃スピードも増していた。相手の放った魔力を手足のように操り、能力向上までさせるのは一誠とアジュカぐらいしか出来ない。

「お、おのれぇぇぇぇっ!」

「これが現魔王の力なのですか・・・・にしても私を含めた旧魔王派が攻撃しなくて済みました」

避け切れないと理解したのか、手元を再び煌めかせて攻撃オーラを解き放つ。質量規模から先程の一撃よりもそれ以上の威力だと理解出来る。アジュカが操る波動は、放たれたばかりの魔力を軽々と打ち砕かれていて、旧魔王派四名の体を貫通させていった。操った魔力の波動威力までアップしていた様子だが、攻撃の軸をずらして術式を乗っ取って操る形式変更を加えた速度と威力を上乗せしていた。

「・・・・これがこの男の『覇軍(カンカラー)方程式(フォーミュラ)』か・・・・」

「軽く動かしてこれとは・・・・一体、貴様とサーゼクスはどれだけの力を持って・・・・」

攻撃した旧魔王派の悪魔達はそれを言い残して、無念を抱いた表情でその場に事切れた。これが現魔王ベルゼブブの力であり、散って行った彼らの言うようにアジュカはほとんど実力を出さずに襲撃を収めたのだった。しかもアジュカは椅子から立ち上がらずにだが、驚嘆を通り過ぎて畏怖の念を抱く程の力量だとグレモリーらはそう思っていた。

「どうやら貴方相手に強化して来た訳ですが、こうなったら切り札を使うしかなさそうですね」

「先程の四名は弱い訳ではありませんでしたが、手元を動かしただけで葬り去ってしまう事は我々としても畏怖ですね。偽りの魔王であるサーゼクスとアジュカが、悪魔の中でも規格外と称されていたようですが頷ける程の威力ですね」

「ふざけた威力だが、ここにいる二十名の悪魔相手と英雄派の者らと戦ってもらおうか」

グレモリー眷属らは嫌味の笑みを見たのか、自分の体の底から湧き立つのを感じるがこれは激情に近い。アジュカと黒歌らは英雄派の物言いに関心を示していたが、不意に旧魔王派の悪魔を倒すように告げるアジュカと同時にそろそろ出番だと思ったベルゼブブ。 
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