| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

忘れ去られし古伝

作者:さいぞう
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

二説目…
KNOCKIN ' ON HEAVEN 'S DOOR
  4話

一人の武士有り。

眼は我を向かず…一つ向こうを差し候。

炎を伴う七尺五寸の大剣を肩に支え、気を触る。

我は想う。


いかに攻め申すか。否。

時を賭け腹に納まりし、あの眼の向こう。
我らよりも一段上の者の存在。

互いの指す標を、我は理解し候。








奴はな。
皇帝に謁見しに行ってからよ、そのまま姿を消したよ。

そりゃ、うち見たいな使い捨ての典型的な隊がよ。
奴のおかげで、凄い武勲を起ててんだから。

お偉いさんから呼び出しもあるさ。

皆でな、酒飲みながら話してたんだ。

隊長になって帰って来たらどうする?
なんてよ。

結局そりゃなかったけどなあ。







友への義がござる。
今の話は、腹に据えかねる。
この国の気の良い侍の為に、幾度と旨い酒を酌み交わした、この国の宝の為に…

友が仕える主君の話は、聞くが事で容赦願う。


だが、拙者、己の主君こそ見極めさせて頂く。
それこそが命の義の契り。

愚者は拙者の主君に非ず。

友への義は、生涯忘れぬ。

主君たる者こそ。 
努々、忘れる事の無きよう。







どこ行ったんだろうなあ…

楽しかったんだよ、奴といると。
皆よ。

あんな堅物を絵に書いたような奴、まあ、いないぜ?

その癖、酒好きなのに弱いし…

腕が逹つからとか、そんなんじゃねえんだよ。

いつでも死ぬ覚悟はあるさ。
怖いけどよお。

そんなんじゃねえ…そんなんじゃねえんだ…

友達だからよ。

奴はよ。

 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧