がっこうぐらし!The world in confusion
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
chapter6
日が沈み、夜になるとドアを叩いていた、奴等は何処かへ行ったのか叩く音が聞こえなくなりグラウンドをみると明らかに数も少なくなっているのがわかった。
めぐねえ「とりあえず、大丈夫そうね…」
雄也「でも安心もできない…これからのことも考えなければ…」
めぐねえ「そうね…そういえばあなたとそちらの方は外から来たのね…こんな状況だけれど自己紹介しましょうか…佐倉慈、この学校の国語教師をしていたわ」
雄也「月宮雄也です、それで隣の彼女は朝倉音姫といいます」
佐倉「若狭さんのことは知ってるみたいだし、あそこにいる人が恵飛須沢胡桃さん、そして小さい子が丈槍由紀さんよ」
生き残ってるのはこれだけ…か、佐倉先生も普通に話してはいるが明らかに精神的に参ってる。
いたって冷静なのは俺だけ…そんな緊急事態だというのに落ち着いている俺に苛立ちを覚えてしまう。
俺ならもう少し救えたかもしれない…そんな後悔で頭が一杯であった。
雄也「これからのことを考えないといけないけど今は少し落ち着こう…直ぐに行動は無理だろうし」
そうしてそれから二時間ほど経ち漸く音姉達も落ち着いてきたが落ち込んでいた、見えない未来に不安を持っているのであろう。
悠里「ゆうくん…少し聞いていい?」
雄也「なんの話だ?」
悠里「…この四ヶ月…どこにいってたの?なのは達からゆうくんが行方不明になったって…」
音姫「四ヶ月?それって…雄也くんが初音島に来た時期と同じだよね…」
四ヶ月…やっぱり時差は存在せずこっちでもたっていたみたいだな
音姫「で、でもここって異世界だって…」
悠里「異世界?」
雄也「あ~四ヶ月前俺誤って崖から海に落ちちまってな…気がついたら初音島…というか異世界に…あっ、さくらさんはこの事知ってるから」
悠里「…そうだったの…」
雄也「その事は後々また話してやる…それより、今どうすべきか…これが重要だ」
今後のことの話になり空気が重くなる中始めに口を開いたのは佐倉先生であった。
佐倉「正直、食料が心許ないわ、園芸部の野菜があるけど…それでもね…購買部に行けば色々と調達できると思うわ」
雄也「…購買部は何階に?」
佐倉「1階だけれど…どうしてそんなことを?」
雄也「いや、俺が行って色々調達をしようかと」
悠里「危険よ!此処は救助を待つ方が…」
雄也「はっきりいっておくけどその可能性は皆無だ、それなら自衛隊が日夜過ごして戦ってるはずだ…けど…プロペラの音どころか銃声ひとつも聞こえない…つまり、自衛隊が来ていないということだ」
今のうちにありえない希望は切り落としておいた方がいい
悠里「それじゃあ私達は…神様から見放されたの?」
雄也「俺は神なんて信じちゃいない…活路を切り開くしかない俺達の全員で生き残るために」
PT事件でも闇の書事件でも自分達の力で切り開いた未来なんだ今度もそこはかわりはない。
胡桃「あたしも一緒にいく」
佐倉「恵飛須沢さん!?」
雄也「ひとつだけいっておくが、行くにあたって、確実に奴等との遭遇及び戦闘は避けられない…それでも来るか?」
奴等でも元は人間なのだ本当に割りきらなければ彼女の精神が崩壊するかもしれない。
胡桃「奴等とやりあったのは私とあんただけだ、それに購買部の場所も知らねえだろ?案内は必要だろ?」
雄也「…なら…」
直ぐにいこうと言おうとした矢先、突如学校いや、地面が大きく揺れ出した。
雄也「地震!?」
突然の地震により取り乱す俺達だったが…
雄也(これは魔力の残留!?まさか…次元震!?)
音姫「っ!!」
次の瞬間俺の視界は眩い光によって包まれた。
……
揺れが収まり目を徐々に開けて辺りを見渡しみんなの無事かを確認する。
雄也「みんな無事か?」
佐倉「ええ、なんとか…」
悠里「なにさっきの…」
胡桃「天変地異の前触れだったのか…」
雄也「今は気にする必要はないだろう…さっさと物資の調達しよう」
胡桃「ああ…」
雄也「それじゃあ行ってきます、絶対に俺達が帰ってくるまでは開けないでくださいよ」
佐倉「ええ、わかったわ」
そしてロッカーを動かしてドアを警戒しながら開けて俺と恵飛須沢さんは校内へと入っていった。
三階へと降りた俺達は学校とは思えない惨劇を目にし恵飛須沢さんの顔色もかなり悪いが必死に耐えている。
胡桃「…暗いな…」
雄也「暗いけど直ぐになれる…っ!」
胡桃「どうし…「静かに…」」
三階の踊り場から顔を出して三階廊下を見て、奴等を3体補足する。
雄也「3体いる…」
胡桃「やっぱりいるのか…目的の通路じゃないから無視しよう」
雄也「いや、帰るときに遭遇しても厄介だ片付けよう」
胡桃「…わかった」
3体を倒すことにして踊り場から一気に駆け出して一瞬で片付ける。
胡桃「瞬殺かよ」
雄也「これぐらいなら奴等が反応する前に倒せるからな…先を急ごう」
そして校内を進んでいき邪魔な奴等を倒して購買部へと辿り着く。
胡桃「漸く着いたな」
雄也「…気配は感じられない…中は大丈夫みたいだ」
胡桃「気配って…わかんのかそういうの」
雄也「まあな…それよりさっさと必要物資をかき集めよう」
胡桃「おう」
そうして物資の調達を進める。
食料を始め、懐中電灯、ガスコンロ、ボールペン、あと服等々…
胡桃「なあ…ひとつ聞いていいか?」
集めている最中深刻な顔をした恵飛須沢さんが俺に聞いてきた。
雄也「なんだ?」
胡桃「ここに来る途中、奴等とお前一人で戦ったわけだけどよ……殺すことに躊躇いは無かったのか?」
此処までの経緯で遭遇した奴等は俺が一人で片付けた、端から見たらそう思うのは頷ける。
雄也「ないっていったら嘘になるが…こういうのは覚悟決めて割りきるしかないんだよ」
胡桃「そうか…なんか、あたしたち英雄みたいだな 」
雄也「…英雄?」
胡桃「ああ、この学校で孤軍奮闘し始めたわけだしさ…」
雄也「なるほど、みんなを守るから英雄ってわけか…でも…」
胡桃「ん?」
雄也「俺は英雄じゃなく殺戮者だろうがな」
胡桃「それってどういう…」
雄也「恵飛須沢さん…みんなを守る英雄になれよ…俺は…無理だからさ…」
俺は英雄なんかにはなれない俺は血塗られた殺戮者…こちらの方があっているであろう。
胡桃「……」
雄也「この話は終わりだ…さてと…必要物資はこれで揃ったろ…屋上に帰ろうみんなが待ってる」
胡桃「お、おう」
そして物資を詰め込んだボストンバッグを持って購買部から出る最中後ろから恵飛須沢さんに声をかけられる。
胡桃「なあ…」
雄也「何?」
胡桃「これからは名前で呼び会わないか?…そのこれから長い付き合いになるだろうし」
雄也「……それもそうだな…それじゃあこれからよろしく…胡桃」
胡桃「ああ、雄也」
名前を呼び会うことにして俺達は購買部を後にして屋上を目指した。
胡桃「めぐねえ、今帰ってきた」
屋上の扉前まで辿り着き、扉の向こう側にいる佐倉先生に呼び掛けて少し扉を開けて佐倉先生が伺ってくる。
佐倉「よかった…無事で」
胡桃「何ともなかったぜ、なあ雄也?」
雄也「ああ、胡桃の言う通り、敵もすくないからな」
佐倉「あらあら、いつの間に名前で呼び会うなんて」
胡桃「まあ、長い付き合いになりそうだからさ」
そしてなあっと胡桃は俺に聞き返してくるので俺もああっと頷いた。
胡桃「っで、これが購買部から持ってきたものだ」
そういってボストンバッグを下ろして戦利品を取り出す。
佐倉「こんなに…ありがとう、恵飛須沢さん、月宮くん」
胡桃「お互い様だって、あのとき鍵を開けてくれなかったらあたしたち今頃…」
雄也「まあ、結果オーライだったからいいじゃねえか…っでひとつ提案があるんだけど今下は奴等が少なかった三階なら制圧できると思う」
佐倉「本当?」
胡桃「それは本当だ、それでどうやって制圧するんだ?」
雄也「まず三階の教室にある机と購買部であったこの鉄線でバリケードを作って下への通路を封鎖してエリアを確保する…慎重に進めるからかかるとは思うけどこれが最善だと思います」
佐倉「…そうね…わかったわ、それじゃあ人手が必要ね、私も手伝うは後は」
音姫「私と若狭さんも手伝います」
雄也「いいのか?」
人手が増えるのは助かるが精神的にも来るからあまりおすすめができない
悠里「ゆうくんと恵飛須沢さんだけ、頑張ってるのに、私たちだけなにもしないのは嫌だから」
佐倉「丈槍さんは…どうする?私たちと一緒に来る?」
由紀「…うん」
雄也「んじゃあ決まりだ、それじゃあいこう」
そういって三階へと降りる…これが正しいと心に信じながら
ページ上へ戻る