アニメにおけるOCGデッキの可能性
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熱闘の競技場
「まさか……逢魔君が犯人だったなんて……羨ま……じゃなくて最低ッス!」
黙れ丸めがね。なんか声だけでイラつくからやめろ。
あとエアトス。見えてないからって悪戯しようとするのはやめろ。まだ十代すら精霊は見えてない頃だから。
あ、丸藤眼鏡転んだ。
「なわけないだろう」
というかどう弁解しても絡まれるよなぁ。思い込んだら一直線みたいな性格だし。十代は十代で俺が犯人ではないと思っている様子だが、目が輝いている。やめろ……そんな目で見るなっ!
「そんなの、デュエルすればわかんだろ?」
ゴチャゴチャと言っている丸藤弟黙り込む。
……これ、受けないと丸藤がうるさそうだ。明日香に説明してもらうって手もあるが……。
「……わかった」
「へへ、そうこなくっちゃな! 受験の時から一度はデュエルしてみたいと思ってたんだ!」
お前遅刻したはずじゃ……。あ、そうか。順位だけ見たのね。
「デュエル!」
「まずは俺のターンから行くぜ! 俺のターン!! 俺はE-HERO フェザーマンを守備表示で召喚! カードを二枚伏せてターンエンド!」
羽男か。何と言うかバットマンを思わせる風貌だよなぁ。伏せカードはHEROバリアかシグナル……だろうか。
「俺のターン、ドロー。魔法カード、テラ・フォーミング。これによりデッキからフィールド魔法を一枚手札に加える。これにより俺はU.A.スタジアムを手札に。さらに手札から名推理を発動。これにより十代は好きな数字を宣言する」
「ん?いいのか?じゃあフェザーマンと同じ3で!」
U.A.にレベル3は存在しないんだがな……。まあ、いいか。
「U.A.ペナルティ、死者蘇生、ハーピィの羽根箒……U.A.パーフェクトエース。U.A.パーフェクトエースのレベルは5。よって特殊召喚できる。さらに墓地のU.A.ペナルティの効果。このカードをゲームから除外し、デッキからU.A.魔法カードを一枚手札に加える。これにより、俺はU.A.パワーギプスを手札に加える」
エースはこいつだ!まあ、火力は無いので守備表示なのだが。
「さらにフィールド魔法、U.A.スタジアムを発動する」
薄暗い洞穴があっという間に光溢れるスタジアムへと変化する。歓声まで聴こえてくるとはソリッドビジョンって凄いな。そしてパーフェクトエースというだけあってパーフェクトエースも大人気。観客席にむかって手まで振ってるし。うん、なんかすまんな。
「さらにU.A.パーフェクトエースをリリースし、手札からU.A.コリバルリバウンダーを通常召喚」
パーフェクトエースの足元に突如として穴が空き、パーフェクトエースが絶叫をあげながら落ちていく。そのまま消えてしまうかと思いきや、スタジアムの端から登場したコリバルリバウンダーがその手を見事に掴み、引き上げた。そして観客は大歓声。
「U.A.コリバルリバウンダーの効果によりU.A.パーフェクトエースを墓地から特殊召喚。さらにU.A.スタジアムの効果により、俺はデッキからU.A.ドレッドノートダンカーを手札に加える」
「おお、なんかすっげー!」
「感心してる場合っスか!」
目をキラキラさせている十代。だが、丸藤弟はそのパラメータに驚いているのかそんな余裕はないようだ。
「フィールド上のU.A.コリバルリバウンダーを手札に戻し、手札からU.A.ドレッドノートダンカーを特殊召喚。さらにこの時、U.A.スタジアムの効果が発動。自分フィールド上のモンスターの攻撃力を500ポイントアップする。さらに手札からU.A.パワーギプスをU.A.ドレッドノートダンカーに装備。これによりU.A.ドレッドノートダンカーの攻撃力はさらに1000ポイントアップする」
バスケットボールの選手を元にしたドレッドノートダンカーは専用のユニフォームを纏い、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。その攻撃力は……。
「攻撃力4000!?」
「バトル、U.A.ドレッドノートダンカーでフェザーマンを攻撃する」
大きく跳び上がったダンカーはそのままボールを構え、フェザーマンに向かって高速落下を開始する。
「くっ、トラップカード発動、ヒーローバリア! 自分フィールド上にヒーローが居るとき、攻撃を無効にする!」
アニメ効果か。だが甘い。
「U.A.パーフェクトエースのモンスター効果。手札を一枚墓地に送ることでその効果を無効にし、破壊する」
「なら、さらにトラップカード異次元トンネル・ミラーゲート! ヒーローが戦闘を行う場合、そのコントロールを入れ替えてバトルを行うぜ!」
空間が歪み始める……ってあかんあかん!?
「速攻魔法、U.A.ターンオーバー・タクティクス発動。フィールド上のモンスターをすべてデッキに戻し、互いに戻した枚数だけフィールド上に特殊召喚する。ただし自分が特殊召喚したモンスターはこのターン、攻撃できない。これにより俺はU.A.パーフェクトエースとU.A.ストロングブロッカーを守備表示で特殊召喚する」
「なら俺はE・HERO エッジマンを特殊召喚するぜ!」
あ、危ない……。発動しなければ6000ダメージ受けて死んでいた……。
しかし、ターンオーバータクティクスを切らされたのは辛い。
「カードを一枚伏せ、ターンエンド」
「俺のターン、ドロー! よし、俺は天使の施しを発動するぜ!」
「それはさせん。U.A.パーフェクトエースのモンスター効果。手札を一枚捨て、その効果を無効にし、破壊する」
十代の目の前に天使が現れるがパーフェクトエースの投げた球によって昇天した。おまっ、なんてことを……。
「へへ……知ってたぜ。だが俺の手札にはまだこれがあるんだ!」
そう言って十代が発動したのは強欲な壷。……困ったのか。
「よし! 魔法カード、エッジ・ハンマーを発動! E・HERO エッジマンをいけにえにしてU.A.ストロングブロッカーを破壊! そして破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える!」
「くっ……」
4000→2400
黄金に輝くエッジマンが捨て身でこっちに向かってくる。ストロングブロッカーがガードに向かうも容易く弾き飛ばされ、そのまま俺に体当たり。
「さらに! 俺はE・HERO バブルマンを召喚! 召喚した時、このカード以外のカードがフィールド上にない場合、二枚ドローできる!」
強欲なバブルマンだと……。
「さらにテイク・オーバー5を発動! デッキの上から五枚のカードを墓地に送るぜ!」
原作オリジナルの壊れカードか。……落ちたのはバーストレディ、スパークマン、ネクロダークマン、フェザーマン、ネクロガードナーっておいおい……。
「さらに手札から突然変異を発動! フィールド上のバブルマンをバブルマン・ネオに変化させるぜ! さらにバブルショットをバブルマンに装備! バトルだ! バブルマン・ネオでU.A.パーフェクトエースに攻撃!」
バ、バブルマンネオ?どういう効果だったっけ……。OCGでは突然変異が禁止だから使ったことすらないし……。とりあえず攻撃してくるということはなんかありそうだな。
「罠カード、連撃の帝王を発動。この効果で俺はU.A.コリバルリバウンダーを召喚。効果で墓地からU.A.ストロングブロッカーを守備表示で特殊召喚。さらに、U.A.スタジアムの効果でデッキからU.A.コリバルリバウンダーを手札に加える。さらにもう一つ、U.A.コリバルリバウンダーの攻撃力を500ポイントアップする」
「ならU.A.ストロングブロッカーを攻撃する!」
「な、なにしてるんスかアニキ! 攻撃力が足りてないッスよ!?」
もはや恒例の合いの手。本当は対戦相手の俺が言わなければならないかもしれんが……言う気はないしなぁ。
鰭などが追加され、少し豪華になったバブルマンが手に付けた水鉄砲から水を放ってくる。当然巨躯を誇るストロングブロッカーはそれをものともしない……が、地面に貯まった水に足を取られ転倒した。
ちょっと待て。
「E・HEROバブルマン・ネオの効果は、戦闘を行った相手をバトル終了後、破壊できるんだぜ! そしてバブルショットは装備したモンスターが発生させる自分へのダメージをゼロにする! 俺はこれでターンエンドだ!」
「いや、バブルショットは自壊した時の効果だからダメージは発生するぞ?」
「な、なに!?ぐあああっ!?」
4000→2900
自爆して丸藤弟と漫才を繰り広げる十代。いや、無意識かも知れないが一番面倒な手を……。
専用カードをよくぞここまで組み合わせられるな。専用魔法罠なんてOCGじゃまず使い物にならんぞ。
「俺のターン、ドロー」
やつを倒すには二度の攻撃が必要。しかも2900以上のダメージを与えなければならない。しかも墓地にはネクロ・ガードナー……。さらに次のターン、十代は二枚のカードをドローできる。……このままライフを減らしたら逆転フラグが成立しそうで怖いな。……十代のデッキは融合メイン。ストロングブロッカーさえ維持できれば……。
「U.A.ファンタジスタを通常召喚。U.A.スタジアムの効果でデッキからU.A.マイティスラッガーを手札に加える」
サイキッカーのような異色の選手が現れ、フィールドはどよめきで溢れる。
「手札のU.A.マイティスラッガーを、U.A.コリバルリバウンダーを手札に戻すことで特殊召喚する。さらにU.A.スタジアムの効果で攻撃力が500ポイントアップする」
コリバルリバウンダーとハイタッチをしてマイティスラッガーが出てくると再び歓声。
「バトル、U.A.マイティスラッガーでE・HEROバブルマン・ネオを攻撃する」
「墓地のネクロ・ガードナーの効果を……」
「残念だが、U.A.マイティスラッガーが攻撃をする時、魔法、罠、モンスター効果はダメージステップ終了時まで発動できない。つまりネクロ・ガードナーもバブルショットも効果は使用できない」
「なにっ!?ぐぅっ!?」
2900→1700
マイティスラッガーのフルスイングによってバブルマン・ネオは星になった。
「U.A.ファンタジスタでダイレクトアタック」
攻撃力1700のファンタジスタでダイレクトだが、ネクロガードナーで防がれる。まあ、そうか。
「くっ……俺のターン、ドロー! さらにテイクオーバー5の効果! このカードをゲームから除外して追加で一枚ドロー!」
チートだよなぁ……。ディスアド無しの墓地肥やし。
「メインフェイズが始まった時、連撃の帝王の効果発動。マイティスラッガーをリリースし、U.A.コリバルリバウンダーを通常召喚。U.A.コリバルリバウンダーの効果により、墓地からU.A.パーフェクトエースを守備表示で特殊召喚。さらにU.A.コロシアムの効果により、デッキからU.A.ストロングブロッカーを手札に加える」
さて、布陣は整った。これで勝てるか?
「なら俺は戦士の生還を発動する!」
強欲なバブルマンを再び発動する気か。だが、それは許可しない。
「U.A.パーフェクトエースの効果発動。手札を一枚墓地に捨て、その効果を無効にし、破壊する」
必死に立ち上がろうとしていた切り込み隊長にボールをぶつける外道。スタジアム内にも大ブーイングが響き渡る。やめてやれよ。エースが涙目になってるから。
「へへ、だが甘いぜ! 俺は手札からホープ・オブ・フィフスを発動! バブルマン、バブルマン・ネオ、エッジマン、スパークマン、フェザーマンをデッキに戻して三枚ドロー!」
マジですか。
「この瞬間、U.A.ファンタジスタの効果発動。このカードとU.A.コリバルリバウンダーを手札に戻し、手札からU.A.ストロングブロッカーを守備表示で特殊召喚する」
「なら俺は黙する死者を発動。バーストレディを守備表示で特殊召喚! さらにバースト・インパクトを発動! フィールド上のバーストレディ以外のモンスターをすべて破壊し、破壊されたモンスター数×300ポイントのダメージをそのモンスターのコントローラーは受ける!」
なん……だと……?
バーストレディが煌々と輝き、こちらのフィールドが一瞬で灰になった。
2400→1800
「さらに俺はE・HEROスパークマンを召喚! バトル! スパークでダイレクトアタック!」
「くっ……」
スパークマンが電流を放ち、俺に着弾。……少し痺れた。
1800→200
「ターンエンドだ!」
「俺のターン、ドロー。U.A.ファンタジスタを召喚。U.Aスタジアムの効果でU.A.ドレッドノートダンカーを手札に加える。」
再び現れるファンタジスタ。だがごめん。すぐに退場だ。
「U.A.ファンタジスタを手札に戻し、U.A.ドレッドノートダンカーを特殊召喚。U.A.スタジアムの効果で攻撃力500ポイントアップ。バトルだ。U.A.ドレッドノートダンカーでE・HERO バーストレディを攻撃する」
「だ、だけど、バーストレディは守備表示……」
「U.A.ドレッドノートダンカーは守備表示モンスターを攻撃した時、超えていた分だけその分のダメージを与える」
「なにっ!?ぐあああっ!?」
1700→-500
やはり、このデッキは手札がマッハだな。パーフェクトエースのおかげで多少なりとも防御力があるのが救いか。
パーフェクトエースがいなければドローされ、こちらが負けていたことは想像に難くない。これだからGX時代は気が抜けないんだ。
「へへ、ガッチャ! 楽しいデュエルだったぜ。こんなデュエルをするやつが明日香をさらうわけがねぇ!」
その判断基準はどうかと思うが……まあ、納得してくれたのならそれでいい。丸眼鏡はなにか言っているが、十代が特に根拠もない理由で言いくるめていく。
……なんとかなったか。
後書き
U.A.というテーマ。バランスはとれているけれども手札消費ががが。おかげで手札の補充に苦労するという。エクシーズが使えないから名推理に頼ってみました。名推理、レベルがバラバラなんで成功率は非常に高く、また永続罠が落ちればサーチまで。ワンキルするには十分です。まあ、うん、ガチにはなれませんが。
次回は制裁タッグデュエルですかね。……不知火……ェ。
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