オズのポリクローム
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第十一幕その十
「どうかってね」
「そうですか、このお城にもお風呂あるんですね」
「どう?入る?」
「そうですね、この旅はいつもお風呂に入っていますけれど」
飛行船の中で、です。
「それなら」
「ここでも?」
「天使さんから勧められたら」
その時はというのです。
「ご行為に甘えようかなと」
「そうするのね」
「そう考えています」
「じゃあ天使さんからお声がかかると思うから」
お風呂はどうかと、です。
「その時はね」
「入らせてもらいます」
「そういうことでね」
こうポリクロームとお話してでした、実際にです。
そこで一人の天使さんが来てジョージにこう言ってきました。
「お風呂は如何でしょうか」
「入っていいんですか」
「はい、どうぞ」
笑顔での返事でした。
「何時でも入られます」
「それでお風呂の場所は」
「こちらです。先程ポリクロームさんにもお声をかけましたが」
「私はドロシー達と一緒に入るわ」
「だからですね」
「今はいいわ」
こう天使さんに答えるのでした。
「そうさせてもらうわ」
「わかりました」
「あの、それで」
ジョージはその天使さんに尋ねました。
「天使さんは皆さん男の人ですね」
「そうですが」
「それでしたら」
首を傾げさせての質問でした。
「女の人の為のお風呂場は」
「ありません」
この返事ははっきりしていました」
「そのことは。ですが」
「それでもですか」
「このお城にはお風呂場が幾つかありまして」
「そのうちの一つをですか」
「はい、ポリクロームさんに用意してあります」
旅の女の子達にというのです。
「そうさせて頂きます」
「そうしてもらえるんですか」
「はい、ですから」
だからと答える天使さんでした。
「お気遣いなく」
「わかりました」
ジョージもここまで聞いて頷きました、そして。
ジョージはお風呂場に案内してもらいました、そこはお城にあるお風呂場の一つですがそこに入るとです。
浴槽はプールみたいに大きくて周りは柱で囲まれています、ギリシアの神殿の柱そっくりの柱達がです。
その柱も床も奇麗な石です、鏡みたいな。
そしてその中にです。魔法使いと神宝にカルロスがいました。
魔法使いはそのプールみたいな浴槽の中からジョージに言ってきました。
「やあ、待っていたよ」
「皆もう」
「うん、先に案内してもらっていてね」
それでというのです。
「ここにいるんだ」
「そうなんですね」
「じゃあお風呂でね」
「奇麗になって」
「そうしてね」
「今日はこのお城で休むんですね」
「お部屋も用意してもらっているよ」
魔法使いはにこりと笑ってジョージにこのこともお話しました。
ページ上へ戻る