遊戯王ARCーⅤ 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
二十二話 ー揺れる眼差しⅡ、ですー
遊矢 LP3800 手札四枚
ペンデュラムスケール
スケール1『EM モンキーボード』、スケール6『EM ギタートル』
場 『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』、『EM シルバー・クロウ』、『EM パートナーガ』、『EM リザードロー』
優希 LP4000 手札三枚
場『S・H・Dark Knight』、『BK ベイル』
ペンデュラム召喚で大量のモンスターを召喚し、私にプレッシャーをかけてくる遊矢に対し、私は彼の持たないエクシーズとシンクロ、融合召喚で巻き返すという拮抗したデュエルが続いていた。
「S・H・Dark Knightの効果発動!特殊召喚されたモンスター一体をエクシーズ素材として吸収する。私はパートナーガを吸収する!ダーク・ソウル・ローバー!」
「っ!」
「さらに 1000ライフを払って、手札から『簡易融合』発動!エクストラデッキから『旧神 ノーデン』を特殊召喚!そして、ノーデンの効果発動!墓地から『E・HERO シャドー・ミスト』を特殊召喚!」
優希:LP3000
瞬く間に私のフィールドに四体のモンスターが並ぶ。だが、ソリティアはここからだ!
「私のフィールドにエクシーズ、そして融合モンスターが存在する事でこのカードが発動できる!発動せよ、『禁断のトラペゾヘドロン』!エクストラデッキから『古神 クトグア』を特殊召喚!」
「こ、これで五体目⁉︎」
水を司る旧神に続き、生きた炎がフィールドに生まれる。その異形さに悲鳴に似た声が聞こえてくる。
「まだだ!私はレベル4の『旧神ノーデン』と『E・HERO シャドー・ミスト』でオーバレイ!満たされぬ魂を乗せた方舟よ!光届かぬ深淵より浮上せよ!ランク4 S・H・Ark Knight!」
「い、いつまで続くんだよ!」
次々と召喚されるモンスター達に遊矢が焦ったように声を発する。だが、まだ終わらせるつもりはないし、そも遊矢だって人の事を言えない。なによりまだ満足できない!
「オーバレイ・ユニット2つ取り除き、S・H・Ark Knightの効果発動!特殊召喚された攻撃表示の相手モンスター一体をエクシーズ素材として吸収する!私はシルバー・クロウを選択!エターナル・ソウル・アサイラム!」
「させるかよ!アクションマジック『透過』!シルバー・クロウを対象に取る効果を一度だけ無効にする!」
あらかじめ取っておいたアクションカードで躱される。だが、これくらい想定済みだ。
オッドアイズに跨り、フィールド内を駆けていく遊矢の背中を見送り次なる一手を打つ。
「墓地に送られたシャドー・ミストの効果によりデッキから『E・HERO エアーマン』を手札にそして、エクシーズモンスター『S・H・Ark Knight』とシンクロモンスター『古神クトグア』を墓地に送り融合召喚!」
「くっ、今度は融合かよ!」
「融合召喚!来たれ、外なる神を滅っする旧き神よ!レベル4『旧神ヌトス』!」
四本の光柱が天から地上へと降り、その中央を閃光が貫く。光の中から現れたのは盾と槍を携えた女神。
「クトグアを融合素材にした事で一枚ドローする、
さらに、ヌトスの効果発動!手札からレベル4のモンスター一体を特殊召喚できる!来い、『E・HERO エアーマン』!そして、エアーマンの効果によりデッキから『D・HERO ダイヤモンドガイ』を手札に加え、そのまま召喚!」
「ま、またモンスターが五体並んだ!」
ベイル、ダークナイト、に続きヌトス、エアーマン、ダイヤモンドガイを新たに召喚され、私のフィールドを再び埋め尽くす。
「まだだ!ダイヤモンドガイの効果発動!デッキトップを確認し、それが通常魔法カードだった時、そのカードを墓地へと送り、次の私のターンに発動する。それが以外ならデッキへと戻しシャッフルする」
「ギャンブル効果か……」
「DーHEROは運命を操る!未来を見通せ!ハードネス・アイ!」
ダイヤモンドガイが光を放ち、虚空へと映し出されたのは……
「『デステニー・ドロー』……⁉︎よりによってドローカードかよ!」
「私はレベル4のベイル、エアーマン、ヌトスでオーバレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!来い、無慈悲なる法の番人よ!ランク4『色の支配者 ショック・ルーラー』‼︎」
「なっ!?」
鳥の頭部のような顔先は不気味な仮面に隠され、紅い装甲に覆われた歪な天使の姿に流石の遊矢も驚愕の声を漏らす。
「ショック・ルーラーのオーバレイ・ユニットを一つ使用し、効果発動!モンスター、罠、魔法のいづれか一つを選択し、遊矢のターンの終了時まで選択したカードは発動できない!私は『魔法』カードを選択!」
ショック・ルーラーから緑色の閃光が放たれ、やがて消えていく。そして、その効果の真意を気づいた遊矢は声をあげる。
「っ……!まさか!俺のペンデュラムが!」
「そう。ペンデュラムカードをスケールにセッティングする時、魔法カードとして扱う。よって、遊矢は次のターン、新たにペンデュラムカードを発動できない!」
「し、しかも魔法カードって事はアクションマジックも使えないわ!」
「くそっ!」
デッキバウンス、エクシーズ素材として吸収、魔法カードの禁止。幾つものペンデュラムメタに悪態を吐く。
「さらに!エクシーズ素材として墓地に送られたヌトスの効果発動!シルバー・クロウを破壊する!」
「くっ、だがシルバー・クロウが破壊された事でリザードローの効果が発動!俺のフィールド上の『EM』モンスター一体につき、一枚ドローできる。俺のフィールドに存在のは『EM リザードロー』一体のみ。よって、一枚ドローだ!」
「ちょこざいな!バトル!ダイヤモンドガイでリザードローを攻撃!」
「リバースカードオープン!『エンタメフラッシュ』!優希の攻撃表示モンスターを全て守備表示にする!」
「ちょっ!?」
直後、色とりどりの閃光が放たれ、その眩しさに思わず目を瞑ってしまう。そして、再び目を開けば、私のモンスターたちは皆守備態勢を取り、遊矢がしてやったりと表情を浮かべていた。
「エンタメフラッシュの効果を受けたモンスターは俺のターン終了時まで表示形式が変更できない!」
「なら、カードを一枚伏せてターンエンド」
「俺のターン、ドロー!!」
遊矢は今しがた手札へと加えたカードと残りの手札を見比べると、思案する。
このターン、ショック・ルーラーの効果により魔法カードの使用は禁止されている。つまり、遊矢は『ブラック・ホール』などの除去系の魔法カードやセッティングされているペンデュラムスケールを破壊し、再びセッティングし直す事もできない。
私がどう出るかと様子を伺っていると考えがまとまったのかよしと小さく意気込むと、力強い瞳が私を見据える。
「いくぞ、優希!俺の成長の証を今ここで魅せてやる‼︎」
「ふふ、やれるものならやってみなよ!」
啖呵をきるとともに頭上で静止していた振り子が再び揺れ、軌跡を空へと刻み始める。
「俺はセッティング済みのスケール6『EM ギタートル』とスケール1『EM モンキーボード』でペンデュラ召喚!来い、俺のモンスター達ッ‼︎」
空へと刻まれた境界から光が溢れ、光玉が遊矢のフィールドへと降り注ぐ。その数は、3つ。
「手札からレベル2『EM トランプ・ガール』、レベル5『星読みの魔術師』!そして、エクストラデッキからレベル4『EM シルバー・クロウ』!」
「よっし、遊矢さんがペンデュラム召喚を決めた!」
「……このまま、押し切れば!」
「おっと、まだだぜ!俺は『EM トランプ・ガール』のモンスター効果を発動するぜ!フィールド上から融合素材となるモンスターを墓地に送る事で、融合召喚できる!
俺は『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』と『星読みの魔術師』で融合!」
魔法禁止という制約を、ペンデュラムから『融合』魔法を使わない融合召喚、ペンデュラム融合を決める事によって躱すと、得意げな笑みを浮かべる。そして、私達が見守る先で魔術師とドラゴンが赤と青に渦巻く渦へと飲み込まれていく。
「神秘の力繰りし者、眩き光となりて龍の瞳に今宿らん!融合召喚!出でよ、秘術振いし魔天の龍!『ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!」
「ーーーッ!!」
閃光とともに現れたドラゴンの姿に思わず息を呑む。
オッドアイズを素体にしたそのドラゴンが放つ存在感に何か嫌な予感を感じる。
「いくぞ、ルーンアイズ!バトルだ!」
私の懸念を他所にルーンアイズへと乗り移った遊矢は戦闘の号令を出し、それに従うかのようにルーンアイズも嘶きを上げる。
「ルーンアイズでショック・ルーラーを攻撃!閃光のシャイニー・バースト‼︎」
「くっ……ッ!」
ルーンアイズの背中にあるリングから光線が放たれ、ショック・ルーラーを襲う。
「ショック・ルーラーは破壊されたけど、守備表示!私に戦闘ダメージはない。それに、遊矢のフィールドで攻撃権が残ってのはシルバー・クロウだけ!」
「それはどうかな!ルーンアイズはレベル5以上の魔法使い族モンスターを融合素材とした時、1ターンに3回まで攻撃ができる!よって、後2回ルーンアイズは攻撃が可能だ!」
「んなッ⁉︎無茶苦茶な!」
驚く私に無慈悲にもルーンアイズは嘶きを上げ、砲口を向けて来る。
「いけッ!ルーンアイズ!ダイヤモンドガイを攻撃!連撃のシャイニー・バースト!」
「っぅ!」
ルーンアイズの二撃目がダイヤモンドガイを強襲、破壊される。攻撃の衝撃に呻いている一方で、三たびリングへとエネルギーが充填される。
「最後だ、ルーンアイズ!Dark Knightを攻撃!追撃のシャイニー・バーストォ!」
「ぐっ……、やってくれるじゃん!」
ルーンアイズの攻撃がダークナイトを襲い、その衝撃で砂煙が舞い上がる。
衝撃も3度目となると流石に慣れ、先ほどまでよりかはダメージが少ない。だが、遊矢がルーンアイズの攻撃を率先してくれたおかげで事は思ったよりいい方へと進んでいる。
「ふふ、ミスったね遊矢!」
「な、なんだと!」
私の言葉に怪訝な表情を浮かべる遊矢。だがそれもすぐに驚愕へと変わる。
「墓地にArk Knightが存在し、Dark Knightがエクシーズ素材を持っている状態で破壊された時、フィールドに特殊召喚される!甦れ、Dark Knight!」
「なっ!?そんな効果がっ!」
「まだだよ!この効果で特殊召喚された時、Dark Knightの攻撃力分ライフが回復する!ダーク・フロム・リンボ!」
優希:5800
Dark Knightから深い青い光が放たれ、私を包み込む。心なしか体が軽くなった気がする。
「Dark Knightは不死身だ!」
「ぼ、墓地から復活して……ライフポイントまで回復って」
「ぞ、ゾンゾンするぜ……」
窓から覗くみんなの表情は唖然。その一言に尽きる。だが、唯一遊矢はDark Knightを見上げたまま、乾いた笑い声を上げていた。
「は、ハハ……やっぱ優希は強いな。けど!」
だが、その瞳に強い闘志が宿ると私と側に佇むDark Knightを睨みつける。
「俺はなんとしてでもこのデュエルに勝って、お前を引き止める!」
「はっ、言ってろ弱虫!そーゆーセリフは強者が口にするから惹かれるんだよ!」
「なら、勝つまでだ!俺はターンエンド」
「遊矢のターン終了と共にショック・ルーラーの効果が終了し、魔法カードが使用可能となる」
普段はあまり強気な発言をしない遊矢が勝つと宣言し、今まで以上に本気な事がわかる。
私だって出来れば、ここに残りたい。けど、私が遊勝塾の一員として残っている事でみんなを巻き込みたくはない。だから、絶対に負けられない。例え、アレを使ったとしても。
「私のターン、ドロー!メインフェイズ時、ダイヤモンドガイの効果で墓地に送られた『デステニー・ドロー』の効果を発動するよ。本来は『DーHERO』を捨てなきゃ発動出来ないけど、ダイヤモンドガイの効果はそれを踏み倒して発動できる!」
「じゃ、じゃあ二枚ドロー。って、それじゃ強欲な壺と変わんねぇじゃん!」
抗議の声が飛んでくるがスルー。完全に無視だ。『デステニー・ドロー』の効果で新たに手札へと加わったカードを確認するとなかなかの引きで、思わず頬が緩んでしまう。
「Dark Knightの効果発動!特殊召喚された相手モンスター一体をオーバレイ・ユニットとして吸収する。私が選ぶのはもちろん、ルーンアイズ!喰らえ、ダーク・ソウル・リーパー!」
「くっ、ルーンアイズ!」
ルーンアイズはDark Knightの放つ光へとのみこまれ、光る球体にされる。
「『貪欲の壺』を発動し、墓地のモンスター五体をデッキに戻し、二枚ドローする。さらに魔法カード『Hーヒート・ハート』を発動!Dark Knightの攻撃力を500ポイントアップさせる!バトルだ!Dark Knightで、リザードローを攻撃!」
「っ!?だ、だけどリザードローは守備表示!」
「甘い!ヒート・ハートの効果によってDark Knightさ貫通効果を得る!」
赤いーー燃え盛る炎のようなオーラを纏った、Dark Knightが手に持つ槍をリザードローめがけ、投擲する。
遊矢:LP1300
「うわぁぁぁぁ!?」
「遊矢!」
「ゆ、遊矢にいちゃん……!」
攻撃の衝撃で大きく吹き飛ばされた遊矢を見て、心配するような、悲痛な声が響く。
「私は『召喚僧サモンプリースト』を召喚し、自身の効果で守備表示に変更する」よし……あった!」
たんたん、と浮島を飛び越えつつ寂しげに置かれていたカードを手に取る。
「私は手札の魔法カードを墓地に送り、サモンプリーストの効果発動する。デッキから『DーHERO ダイヤモンドガイ』を特殊召喚する!」
「く、またそのモンスターか!」
「ダイヤモンドガイの効果発動!ハードネス・アイ!」
ダイヤモンドガイが光輝き、虚空にが映し出されたカードはーー
「ーー『終わりの始まり』!?」
ドローによるアドバンテージは長らく禁止カードに指定されている『強欲な壺』を抜くドローソースが墓地へと落ちる。
「私のデッキトップは、通常魔法!よって、『終わりの始まり』を墓地へと送る。
さらにレベル4のサモンプリーストとダイヤモンドガイ。二体のモンスターでオーバレイ・ネットワークを構築!
足元に紅い光が渦巻き、大きな渦を作り出し、二体のモンスターが飲み込まれていく。
そして、激しい光の奔流と共に聖なる騎士が現れた。
「正義の光よ!深遠なる闇を斬り裂け!エクシーズ召喚!ランク4『励輝士ヴェルズビュート』!」
新たなエクシーズモンスターに遊矢は苦悶の表情を作る。だがこのデュエルは負けるわけにはいかない。
「私はカードを二枚伏せ、ターンエンド」
「くっ……俺のターン、ドロー!」
互いのエースモンスターを倒し倒されのデュエルに遊矢は疲弊した様子を見せるも、気力を必死に振り絞り、食らいついてくる。
「俺は魔法カード『ペンデュラム・ストーム』を発動する!」
「なっ!?ペンデュラムカードが!」
突如発生した竜巻が遊矢のフィールドにセッティングされていたペンデュラムカードと私の伏せていた『奈落の落とし穴』を破壊する。
「『ペンデュラム・ストーム』はペンデュラムゾーンに置かれているカードを破壊し、さらにフィールド上の魔法・罠カードを破壊する!」
「けど、自分のペンデュラムカードを破壊してどうするのさ……」
私がそう言った手前、遊矢はニヤリと口角を上げ得意げな表情を作り上げる。
「それは、どうかな!俺は手札一枚を捨て『ペンデュラム・コール』を発動する!デッキから『星読みの魔術師』、『竜穴の魔術師』を手札に加える。
そして、俺はレフトペンデュラムスケールにスケール1『星読みの魔術師』、ライトペンデュラムスケールにスケール8の『竜穴の魔術師』をセッティング!」
遊矢の左右に礼装を身に纏った魔術師が現れ、その下にはスケールを表す『1』と『8』の数字が浮かぶ。
「これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!揺れろ魂のペンデュラム!天空に描け光のアーク!ペンデュラム召喚!来い、俺のモンスター達!」
天から吊るされた水晶の振り子が揺れ、光の軌跡を刻む。空へと描かれた境界線から早速見慣れた激しいライトエフェクトとともに一体のモンスターがフィールドへと降り立つ。
「エクストラデッキから現れよ!二色の色を持つ神秘の竜!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!」
「成長したと思ったらまたオッドアイズ……バカの一つ覚えってわけ?」
「そんな事ない!見せてやる!オッドアイズに秘められた可能性を!」
遊矢の叫ぶに呼応するかの様にオッドアイズが嘶く。
「俺は『EMトランプ・ガール』の効果発動!トランプガールとオッドアイズを融合!」
「……ルーンアイズ?」
トランプ・ガールがステッキを振ると現れた神秘の渦へとオッドアイズとトランプ・ガールが飲み込まれていく。そして、二度目となるペンデュラム召喚からの融合召喚ーーペンデュラム融合に、皆が固唾を飲んで見守る。
「二色の色を持つ神秘のドラゴンよ!天雷の力を得て、新たな姿に生まれ変われ!融合召喚!天雷繰りし神秘の竜!『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』!」
融合召喚により生み出されたのは身体中からプラズマを迸らせ、碧色の鎧を身に纏ったドラゴン。新たな力を得たオッドアイズの今までよりも力強い咆哮に思わず後退る。
「『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』の効果発動!このカードの特殊召喚成功時、相手の表側攻撃表示モンスター一体を手札へと戻す!俺が戻すのは、Dark Knight!お前だ!」
「Dark Knightッ!?」
「よし。破壊じゃないから蘇生効果は発動しない!」
「す、凄い!」
「痺れるぅぅぅ〜!」
不死を誇るDark Knightはボルテックス・ドラゴンの雷撃のブレスを受け、デッキへと押し戻される。これで再びデッキからDark Knightを呼ばない限り復活する事は無くなってしまった。
(だけど、ヴェルズビュートの発動条件は満たしてる。それにまだライフ余裕もある……。大丈夫まだ負けない)
「バトルだ!オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンでヴェルズビュートを攻撃!天雷のプラズマ・バーストォ!」
「オーバレイ・ユニットを一つ使用し、ヴェルズビュートの効果発動!このカードを除くフィールド上全てのカードを、破壊する!」
「「なっ!?」」
デメリットこそあるがそれでもお釣りが来る強力なリセット効果に驚愕の声が聞こえてくる。だが、オッドアイズが嘶くと今度は私が絶句させられる。
力を溜め、光を放つ剣が横一線に薙ぎ払われ光の斬撃が遊矢のモンスターを破壊せんと迫る。しかし、嘶きを上げると共にオッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンから放たれたプラズマが破壊の光と拮抗し、霧散させる。
「オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンのもう一つの効果。一ターンに一度だけ、エクストラデッキに存在するペンデュラムカードをデッキに戻す事で効果を無効にし破壊できる!」
「よし、これで優希のフィールドはガラ空き!」
「いくぞ!ボルテックス・ドラゴンでダイレクトアタック!天雷のプラズマ・バーストォ!」
「キャァア⁉︎」
優希:LP4300
オッドアイズのブレスを正面から受け、身体が宙に浮く。背中を地面へと叩きつけられ、思わず鈍痛に顔を顰める。
「俺はこれでターンエンドだ!」
新たなオッドアイズーーオッドアイズ・ボルテックス・ドラゴンの召喚から若干ながら主導権を握られつつある。オッドアイズの無効効果のコストとなるペンデュラムカードは充分数あり、慎重にいかなければならない。
「私のターン、ドロー!さらにダイヤモンドガイの効果で墓地に送られた『終わりの始まり』の効果発動!三枚ドロー!……っ!」
「て、手札が4枚になったぁ!?」
私は大量の手札を稼ぐ一方で、心中穏やかではない。
ーー引いちゃったか……これ
使えば、確実に勝てる奥の手。だけど、使えば少なくとも前みたいな友好的な関係には戻れない。
「……けど、負けは許されない!ごめん、遊矢」
「え……?ご、ごめんて、どういう」
「私はライトペンデュラムスケールに ーーーー を、レフトペンデュラムスケールに ーーーー をセッティング……」
私の左右に昇る二本の光の柱。紛れもなく遊矢のみが使えるはずだった、ペンデュラム召喚のエフェクトが私のフィールドに起こっている。
最後まで言いかける前に、遊矢は目の前で起こった光景に息を詰まらせる。
「な、え……なんで、優希?」
「私は、お前を倒して、遊勝塾をやめる!」
突き放す様に、決別する様に、放たれた言葉が遊矢だけではなく遊勝塾のみんなを絶句させる。
後書き
カードは創造するもの(´・ω・`)
遅くなってすいません。最近のトレンドは『音響ダイナサイバー』デッキのざびーです。
カード名は伏せてますが、優希が遂にペンデュラムカードを!
次回、(多分)決着!。
ページ上へ戻る