ハイスクールD×D イッセーと小猫のグルメサバイバル
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第4話 怒れイッセー!エクソシストとの戦い
前書き
遅れてしまい申し訳ございません…残業ばっかり増やすなってのに…愚痴はこの辺にしてそれではどうぞ!
side:イッセー
「ふッ、はあッ、せいッ!」
日も沈み人気も少なくなった公園の近くにある森…そこで俺と一人の戦士が拳をぶつけ合っていた。
ドガッ、バキッ、グガッ!
激しく肉体がぶつかり合う、どちらも一歩も譲らない…まさに均衡した戦いだ。
「またパンチ力が上がってるじゃないか、これも魔法少女の力か、ミルたん!」
「そんなに褒められると照れるにょ、でもドラゴンさんも強くなってるにょ!」
そういいながら独特の決めポーズを決める人物…鍛え上げられた見事な肉体に加えて、魔女っ子に憧れる乙女心を持った、男の娘…いや『漢の娘』だ。
「よっしゃ、こっちもギア上げていくぜ!ミルたん!」
「にょ!魔法少女の力、とくと見るにょ~!」
再びぶつかり合う俺とミルたん、誰もいない深夜の森に肉体がぶつかる音が響いた。
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ーーー
「いやー、やっぱりミルたんは強いな!」
「こっちも久々にいい汗かかせてもらったにょ」
戦いが終わり俺とミルたんはスポーツドリンクを飲んでいた。
俺とミルたんの出会いはほんの些細なきっかけだった。俺は美食屋の仕事が無い時はアニメを見たりしてるんだけど、ある日行きつけのDVDショップに行ったんだ。
「ん~、今回はロボット物だったし、今回は魔法少女物にでもしようかな」
そういって俺はアニメコーナーに向かった。
「新作は…お、新しい魔女っ子のアニメか…チェックしとくか…」
そういってそのアニメDVDを取ろうとしたんだが…
「ん?」
「にょ?」
おっと、丁度同じものを取ろうとした人がいたみたいだ。俺はチラリとその人を見て…絶句した。
「にょ?お兄さんもこのアニメ見てるのかにょ?」
な、何だ…この生物は…核によって崩壊した世界に現れた世紀末覇者のような男性がネコミミとゴスロリ衣装を着こなしているだと…!?
凄いプレッシャーだ…今まで対峙してきた猛獣が可愛く思えたぜ…
正直あの時は猛獣が徘徊する野生の大自然にいる時よりも警戒したなぁ、でも話してみるとすっげえいい人で意気投合した。
「ドラゴンさん、どうかにょ?ミルたんは魔法少女に近づけたかにょ?」
「う~ん、ミルたんは十分強いと思うんだが魔法少女と言われるとな…」
ミルたんは魔法少女になるのが夢らしく魔法少女になるために様々な事を試してきたが、失敗ばかりらしい。聞いた話では異世界まで行って魔法を授けてくれる存在を探したがいなかったようだ。
初めてこの話を聞いた時、俺はまさか異次元七色チョウがいるのか、と思ったがミルたんは知らないようだし…まさか生身で異世界を渡れるのか…?まさかな、だがミルたんなら難なく出来てしまいそうだ。
「そうかにょ、残念だにょ…ミルたんも早く魔女っ子になって魔法の力で悪者を退治したいにょ」
「まあ気長に行こうぜ、思い立ったら吉日、その日以降は全て凶日ってな、自分で決めたんだろ?俺も力になるからさ」
「ドラゴンさん…ありがとうだにょ、そうだにょ、ミルたんは絶対に魔法少女になるんだにょ!」
ミルたんは力強く腕を突き上げる。因みにミルたんが俺をドラゴンさんと呼ぶのはドライグの事を知っているからだ。普通なら怖がるのにミルたんは逆に羨ましがってたな。
「そろそろいい時間だし帰るか」
「ドラゴンさん、実はあの魔女っ子アニメの最新刊ブルーレイが手に入ったにょ、家で見ていかないかにょ?」
「お、それは是非見たいな。美味いツマミを作るから酒でも買っていこうかな?」
「あ、お酒は20歳からだにょ!悪い事はしちゃ駄目だにょ!」
「ははは…ミルたんには適わないな」
「魔法少女は良い子の見本だにょ、これ位当たり前だにょ」
そんな冗談を言いあいながら俺たちはジュースを買ってミルたんの家に向かった。
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ーーー
「じゃあなミルたん、アニメ楽しかったぜ」
「それは良かったにょ、また来てほしいにょ」
アニメを見終わった俺はミルたんに礼を言って帰路に付いていた。うわ、もう22時過ぎじゃんか…腹減ったな、明日は土曜日だから学園は休みだ、何か食っていこうかな…
そんな事を考えながら歩いていたが…俺はふいに足を止めた。
『…ん、どうしたんだ相棒?』
ドライグが離しかけてくる。
「…ドライグ、血の匂いがする、それもちょっとじゃねえ…かなりの量だ」
『…なんだと、こんな住宅街でか?』
俺の問いにドライグは疑問そうに話す、俺の嗅覚は常人の一万倍、警察犬すら凌ぐほど特化している、だからほんの僅かな匂いも嗅ぎ分ける事が出来るんだ。
「間違いない、この強い鉄の匂い…これは赤血球に含まれているヘモグロビンから分泌されるものだ…あの家から匂う」
少し離れた先にある一軒の家、そこから血の匂いが漂っていた…
「まさか殺人事件でも起きたのか…?」
『おい、まさか様子を見に行くつもりか?』
「こんな近所で殺人事件でも起きたら怖くて夜も歩けねえよ」
『どの口が言うんだ…仮に殺人でも普通は警察というのを呼ぶものじゃないか?』
「まあな、でも何でか分からないが嫌な予感がするんだ」
『それは美食屋の感か?」
「ああ、そうだ」
俺はその家に近づく、すると更に血の匂いが強くなってくる。
『ん?おい、相棒。見ろ、扉が開いているぞ』
ドライグが指摘した通りその家の玄関のドアは半開きになっていた、こんな深夜に何故…
『これは相棒の言う通り何かあったのかも知れんな…ってオイッ!』
「何だよドライグ…いきなり叫ぶなよ…」
『何普通に入ろうとしてるんだ、少しは警戒しろ!』
「分かってるって…」
ドアの隙間から中を確認して辺りに気配がないか探りながら中に入る。少し奥に入るとリビングがあった、テレビやソファーなどが置いてある、どこにでもある普通の光景だな…!
…俺は一瞬息を詰まらせてしまった、壁に貼り付けられた男性の死体…それも上下逆さまにだ。ズタズタに斬られており腹から内臓が出ている。
「…えぐいな」
死体は逆十字の形で壁に貼り付けられていた、それも釘でだ。両腕や両足、更には心臓の辺りにも太い釘が刺さっている。明らかにまともな人間がすることじゃない。
「何か壁にかいてあるぞ、これは…」
「『悪い事をする人はおしおきよ!』って聖なる言葉を借りたものさ」
背後から声が聞こえ俺は振り返る、そこには白髪の男がいた、外人らしく年は俺よりちょっと上くらいか?神父の格好をしているがその易たる所に血が付着していた。
「んーんー?なんだいなんだい?どーして一般ぴーぽーがいる訳?僕チンわかんなーい♪」
ゲラゲラと笑いながら訳の分からない事を言い出す、何だコイツ…
「俺はエクソシスト~♪糞なデビルを切り殺し~♪悪魔の首を切り捨てて~♪血の雨を浴びるのさ~♪っと言うわけで自己紹介!俺はフリード・セルゼン!趣味は悪魔殺し!とある悪魔祓い組織に所属してる末端でごぜーますよ!以後宜しく~♪まあキミとはもうすぐイナイイナイばいちゃ!だけどね~」
…間違いねえ、コイツイカれてやがる、それに悪魔祓いって…教会の関係者か!
「おい、フリードといったか…お前がこんな事しやがったのか?」
「イエス!Exactly!!だって悪魔を呼び出す常習犯だったらしいし~、俺が正義の制裁を加えてやったのさ!」
「正義だって?こんなイカれた殺しがか?ふざけんなよ」
「はあ?なんなのお前?そのカスもしかしてお知り合いでしたか~?そりゃ悪い事しちまったナッシング!」
「知り合いじゃねえよ、俺は唯…命を貶す奴が大嫌いなだけだ」
「そっすか。遺言はそれだけかな~。いやあ、キミも運がなかったね~、これを見なきゃもう少し長生きできたのにな~。慈悲深い俺が選ばせてやるぜ、バラバラ死体になりたいか、それとも銃弾たらふく喰って死にたいかどっちかな!」
フリードと名乗った神父は懐から刀身のない剣の柄と拳銃を取り出した。
ブオンッ
刀身のない剣の柄から光の刀身を生み出した、ならこっちも赤龍帝の籠手を……
「な、何をしてるんですか!?」
突然誰かの声が響き、神父はそちらに視線を移す、俺も一緒に視線を移すが…おい、嘘だろ、何でここにいるんだ?
「ア、アーシア!?」
そう、そこにいたのは前にあった町で道に迷っていたシスターの女の子…その彼女がどうしてここに!?
「おんや、助手のアーシアちゃんじゃあーりませんか。どうしたの?結界は張り終えたのかな?」
「!!い、いやァァァァァッ!?」
アーシアは壁に貼り付けられた死体を見て悲鳴を上げた。って待て!今あの神父なんて言った?助手だと!?アーシアはコイツの仲間…!?
「期待通りの可愛い悲鳴ありがとうございます!そっか、アーシアちゃんは初めて見るんだね、コイツは糞悪魔に魅入られた哀れな人間の末路だよ。よ~く見て覚えてね」
「な、何てことを…あ、貴方はイッセーさん!?」
アーシアは俺を見て驚愕した表情を浮かべた。
「あらあら、もしかして知り合いだったんですか~?それとも彼氏かな~?うわッ、アーシアちゃん清純ビッチ!!でもごめんちアーシアちゃん、コイツこれを見ちまったから死んでもらうんだ、アーシアちゃんもコイツが天国に行けるようにお祈りしてあげなよ!」
「そ、そんな…フリード神父、止めて下さい!この人は私を助けてくれた方なんです!」
アーシアは俺を庇うように神父に立ち塞がる。
「おいおいアーシアちゃん、キミ、何してるか分かってるの?」
「もう嫌です、悪魔に関わったというだけで何の罪もない人達をが殺されるのを見てるだけなんて…そんなのおかしいです!」
「はぁァァァァ!?バカこいてんじゃねえよ!悪魔は糞だって教会で習わなかったのか?お前頭にウジ虫でもわいてんじゃねえのか!?」
フリードの表情は憤怒に包まれていた、だがアーシアは怯まず神父を睨む、何て心の強い子なんだ。
バキッ!
「キャッ!」
あいつ、持っていた拳銃でアーシアを殴りやがった!
「アーシア!」
床に倒れたアーシアに駆け寄る、…顔面に痣ができている…コイツ、マジで殴ったのか…!
「…堕天使の姉さんからキミを殺さないように念を押されてるんですけどねぇ…ちょっとむかつきマックスざんすよ。殺さなきゃいいわけだから、ちょっくらレ○プまがいのことでもさせてもらいましょうかね…ッとその前にそこのゴミからおかた付けしましょうかね」
神父は光の剣を俺に突きつける…だがそんなことはどうでもいい…コイツ…アーシアを殴りやがったな…!!!
「そんじゃサクッと殺してアーシアちゃんをおか……」
「黙れ!」
「はえ?」
気がつけば俺は左腕から籠手を出しクソ野郎の顔面を殴っていた。
ミシッ、ミシミシッ!!
神父の顔面がきしむ様に陥没していき…
ズガァァァァンッ!!
壁を突き破って吹っ飛んでいった。
「はぁ、はぁ……」
『おい相棒、大丈夫か?お前がそこまでキレるなんて珍しいな』
ドライグが声をかけてくるが怒りは収まりそうにもない…いつだってそうだ、俺を本気で怒らせるのは……人間だけだ。
「ッそうだ、アーシアは?」
俺はアーシアに駆け寄り様子を見る、殴られたショックで気を失っているようだが痣以外に傷は見当たらない。
『…ムッ、相棒、この家に複数の堕天使の気配を感じた、こっちに向かって来ているぞ』
堕天使か…相手してやってもいいがアーシアがいてはな…よしここは取っておきの作戦でいくか…
『ほう、どんな作戦だ?』
「決まってるだろ、全力で……撤退する!逃げるんだよォォォ、ドライグゥゥゥッ!!!」
『オイッ!!!』
ドライグがつっこむが今は無視だ、早くアーシアを安全な場所までつれていかなくては…!
俺はアーシアをお姫様抱っこして走り出した。
後書き
こんにちは小猫です…最近出番が無いです、ううッ、一応ヒロインなのに…アーシアさんを連れて逃げた先輩。彼女が堕天使に狙われていると知った先輩は彼女をかくまう事にした、そしてイッセー先輩はアーシアさんと過ごしている内に段々と惹かれて…って何ですか!この台本!これじゃ本当にアーシアさんがヒロインじゃないですか!…気を取り直して次回「魔女と呼ばれし少女、アーシアの悲しき過去」でお会いしましょう…私は出ませんが…
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