ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版
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月光校庭のエクスカリバー
最終決戦からの白龍皇×新たな仲間ゼノヴィア
全くコカビエルの悪餓鬼の所為で、神が死んだ事も喋りやがって。そんで一応だからアザゼルに、今まで会話していたのを全て聞かせていた。今はサーゼクス対コカビエルとなっているが、このままではサーゼクスが負けるかもしれないんでね。
『アザゼル、悪餓鬼コカビエルが神シャルロットの死まで喋ってしまったようだが消滅させた方がいいか?』
『あのバカ野郎が・・・・全て聞いたが軍法会議で刑を執行させるから、消滅は勘弁だぜ一ちゃん』
『ではフルボッコで、原型があると言う事か?』
『その通りだ、気絶程度とフルボッコでいいぜ。禁句を言ってしまったコカビエルには、一ちゃんからの粛清が必要だ。良いタイミングで白龍皇を行かせる』
『了解したアザゼル』
俺とアザゼルとの通信を終わらせると、頭に血が上っていて冷静でないサーゼクスが傷を負いながら戦っている様子が見れる。
「ははははは、楽しいなサーゼクスよ。だがお前の力はこんなはずではないはずだ」
「黙れコカビエル!我が妹を傷つけた事、万死に値する!」
ミニ戦争勃発になりそうだったが、今はコカビエル対サーゼクスとなっている。兵士諸君は衛生兵として皆の治療をしているが、肝心のグレイフィアがどこに行ったのか。すると魔法陣反応があったのでこの部屋に通した。相手はやはりグレイフィアだったが、俺は椅子から立ち上がった。
「どうした?こんな所まで来て何の用だ」
「一誠様、いえ兵藤様にお願いがあってここに来ました」
「お願いとは何だ?」
「サーゼクス様をお助け下さい。コカビエルとの一戦は、恐らく我が主であるサーゼクス様の負けとなります。貴方様の力を借りたくて使者として来ました。お願いでございます。私と共に、駒王学園に来て下さるようお願いします。コカビエルを倒せる事が出来るのは、兵藤様いえ黒鐵様ならお止め出来るはずです。お願いします!」
俺はしばらく考えたが、もう答えは一つしかないので俺は言ってやった。
「いいだろう、ただし少し時間をくれ。どうやって倒すか考える時間をな、赤龍帝兼創造神黒鐵である俺が、コカビエルという悪餓鬼を原形を留める程度で二度と動かないくらいフルボッコしてやる」
「ありがとうございます。では私はこれで失礼致します」
と言って魔法陣で行ってしまったグレイフィア。俺はどう倒そうと考えていたら、ノック音が聞こえたので入室許可した。そしたら愛紗、華琳、朱里だった。
「どうした?こんな夜中に」
「ご主人様のお考えはお見通しです。私達も先程まで、駒王学園の事を映像で見ていました。魔王様が負ける事も」
「行くなら私達も連れてってよ。今どのくらい力があるか試してみたいわ」
「はわわ、私はご主人様からもらった力で、回復がどのくらいまで使えるか試してみたいでしゅ」
「三人共・・・・では俺と一緒に来てもらう。ただし、コカビエルの翼を全て斬り落としてから戦ってもらうぞ。お前らは飛べないからな」
『はい!』
次元の狭間本家にいるティアを呼んで人間界本家に来てもらい、今回は移動と守護役をしてくれと頼んだらすぐ了承してくれた。ゲートを開きティアを龍化させて俺達は、ティアの頭上に乗った。愛紗と華琳は、俺が量産用に創っておいた聖剣エクスカリバーを譲渡後、自分の武器に変化させた。愛紗は青龍偃月刀、華琳は鎌の絶を。能力も全て使えるから、使う時はイメージするように言っておいた。
ゲートを潜ると、丁度サーゼクスがヤバそうだったのでティアに全速で学校の校庭に行き、真上からコカビエルに向かって体当たりした。案の定気付いてなかったので、校庭がクレーターのように凹んだ。
サーゼクス達はティアを見て驚愕の声上げていたが時間が惜しいから、三人を俺に捕まらせて降り立つ。彼女達の格好は、恋姫世界での格好であり戦闘服だ。魔力で攻撃されても、金色の守護結界が発動してくれるお守りを持たせている。
「サーゼクス無事か?」
「その声は一誠君かい。どうしてここに来た?それと彼女達は一体何者だ?」
「その話はあとだ。朱里!サーゼクスの治療を頼む。俺達はコカビエルを討つ」
「畏まりましたご主人様」
サーゼクスに関しては、朱里に任せて俺達はクレーター中心部へ向かった。案の定生きていたので、神速で空間から刀を取り出してコカビエルの翼を全部斬り落とした。これで飛べまい。
「むっ、貴様何者だ!俺の翼を斬るとは、サーゼクスさえ出来なかった事を・・・・」
「俺の声を聞いてまだ分からないのか?悪餓鬼コカビエルよ」
「そ、その声は兵藤一誠!来てたのか。何しに来た?」
「お前をフルボッコする為に来た。極秘中の極秘を言ってしまったお前をな」
俺は刀から元に戻した瞬間、コカビエルは驚愕の顔をしてこの剣を見た。
「そ、それはまさか!聖剣エクスカリバーか!あれはさっき聖魔剣の小僧が、砕けて使い物にならなくなったはずだ、なのに何故お前の手にあるのだ!?」
リアス達も衛生兵やサーゼクスも目を見開きながら見ていたが、正確には俺のエクスカリバーをな。
「これは一から創った物。始まりの神とも言われた、創造神黒鐵である俺だったら何本も創れるわ。本物のエクスカリバーの味を喰らいな!」
俺は、刀身を透明にして俺の姿も透明になった。コカビエルは、俺を探して縦横無尽に光の槍を投げていたが甘い。擬態の聖剣によって、刀身を枝分かれにしてコカビエルを襲った。光の槍を砕けた後、彼女達の仕事なので俺は後退した。
「なぜ後退する!今一番いい時だったのに!」
「それはこいつらを倒してから言ってみろ!」
二人は武器を取り出してコカビエルに向けた。
「弱そうな人間だと思ったが、何だこの覇気は!サーゼクス以上の覇気だぞ。お前達は何者だ?」
「我らは兵藤一誠様の眷属であり主でもある。我が名は関羽。ご主人様の懐刀なり!ご主人様の命により、貴殿を討たせてもらう」
「我が名は曹操。魏の覇王であったが、今は主である一誠様の部下だ。貴様の首をこの鎌で討たせてもらうわ」
「関羽に曹操だと。それは偽名か?」
「それは本当の事さ。彼女達は、別世界から来た三国志の人物達。彼女の力は本物だから注意しな、コカビエルの悪餓鬼よ」
愛紗と華琳は飛び出して行き、コカビエルは舐めていたのか光の槍を創り投げていたが、それを砕きながらコカビエルに向かって行った。焦ったのか、槍を二刀流にして彼女達の偃月刀と鎌を受け止めようとしたが、槍が砕けてコカビエルの腕を斬り落とした。血がドバッと出たので、止血しようにも二人を下がらせて俺は波導弾をコカビエルに喰らわせた。
「ギャアアアアアア!くそったれ、俺はまだ戦えるぞ!」
何と腕が生えたのだ、俺は驚きながらもコカビエルの喉を持ち上げてこう言った。
「俺は誰だ、そして何者だ!」
「あ、貴方様は創造神黒鐵様ですぞ!」
と言った瞬間、上に投げて再びエクスカリバーで斬り刻んでやった。体中斬り傷となり、服はボロ雑巾となり血反吐を吐きながらだった。
「感謝しておくんだなコカビエルよ。テメエを生きたまま原形留めておくようにと、アザゼルから言われたんでね!」
「やはりアザゼルか!アザゼルゥゥゥゥ!お、俺は・・・・!」
「テメエは少々勝手が過ぎた事で、アザゼルや俺いや我の怒りを買ったのだ。そろそろ気絶してもらわないと困るんでね!」
これがアザゼルの注文通りにして、俺の拳打がコカビエルの顔面に突き刺さった事で地面に埋まった。そろそろ止めを刺そうとしたら、第三者の声が聞こえたので、俺は止めを刺すのを止めた。皆も上空を見たら、白い全身鎧を着た奴が来たからお迎えが来た様子だ。既にコカビエルは気を失っている。
「よう白龍皇、お前が来たって事はこいつを連れにか?」
「ああそうさ。赤龍帝」
俺は彼女達を下がらせて、白龍皇と話していた。サーゼクスは無事なようだ、白龍皇はコカビエルを見ると無残な目で見ていた。
「禁手化無しでここまでやる。アザゼルから聞いていたが、これ程強いとはね。今度会ったら戦ってくれるか」
「ああ。今度な・・・・アザゼルにも言っといたが、伝言を頼む白龍皇。コカビエルとフリードの処分は、そちらで任せるとな」
「回収後に伝えておくさ。フリードも聞き出さないといけないので、始末はその後となるが確かにその伝言はアザゼルに伝えておくとしよう」
サーゼクス達は、こちらに近付いて来たら白龍皇に気づいたのか臨戦態勢に入ったが俺が止めた。
「サーゼクスにそしてリアス。こいつは戦いに来たんじゃない、コカビエルを運ぶ為に来た訳だ。紹介しよう、白龍皇だ」
『・・・・白い龍(バニシング・ドラゴン)!』
サーゼクス達はハモって言ったが、代表してサーゼクスが話しかけてきた。
「白龍皇。赤龍帝である一誠君と因縁の勝負はしないのかね?」
「今はしない。俺はアザゼルに言われて、コカビエルとフリードを回収する為だ」
「神滅具の一つ『白龍皇の光翼』・・・・その姿は一誠君が禁手化した時と同じ姿」
白龍皇は気絶しているコカビエルを肩に抱えて、倒れ込むフリードの元に行ってもう片方の肩に担いだ。二人を回収後、光翼を展開し立ち去ろうとした時、ドライグとアルビオンの声が聞こえた。
『無視か白いの』
俺の左手の甲が緑色に点滅して、ドライグは話し始めた。それも皆全員に聞こえるように、大ボリュームだった。
『起きていたか、赤いの』
白龍皇の鎧の宝玉も白き輝きを発していた。宝玉に宿る者同士が会話を始めていたが、余りにも長いのでハリセンを出した。
『折角出会ったのにこの状況ではな』
『いいさ、いずれ戦う運命かもしれないが今回は特別らしいな。まさか創造神黒鐵である兵藤一誠に宿っていたとは思わなかったぞ』
『俺もそう思ったが、しかし白いの。以前のような敵意が伝わってこないが?』
『赤いの、そちらも敵意が段違いに低いじゃないか』
『お互い、戦い以外の興味対象があるという事か』
『そういう事だから、こちらはしばらく独自に楽しませてもらうよ。たまには悪くないだろう?また会おう、ドライグ』
『それもまた一興か。じゃあなアルビオン・・・・それと俺の相棒が、ハリセンを持っているのは気の所為だろうか?』
会話は赤龍帝と白龍皇であったが、余りにも長いので神器奥にいるコイツらを叩こうとしていた。
「お前ら会話が長すぎるんだよ。白龍皇そう言う事だから、また会おうぜ宿敵君」
「そうさせてもらうよ。ライバル」
白き閃光と化して白龍皇は行ってしまったが、俺はサーゼクスに近づいて行った。
「サーゼクス、無事で何よりだ。グレイフィアが、俺の元に来なかったら俺もここにはいないだろう。ティアはそこで待機だ」
「一誠君。私は熱くなりすぎたようだが、そうかグレイフィアがか」
「申し訳ありませんサーゼクス様。ですが頼れる御方は、一誠様しかいないと思い独断で使者として行きました。処罰でも何でもして下さい」
「処罰はしないさ。一誠君のお蔭でこの町は救われたんだから、それよりこの子は何者だろうか?回復があっという間だったぞ」
「この子は諸葛亮孔明。一応言っておくが本物だぞ。それと回復については、俺が黒の駒を与えたからだ。リアス達も無事なようだし、俺達は帰らせてもらう」
俺はティアを呼んで愛紗達を念力で頭上に乗せた後、バルパーの死体を見るがミカエルに報告する事が増えたな。ヴァチカン本部に、奴の研究を引き継いでいる輩がいるはずだ。祐斗がやるのではなく、俺達が粛清をした方がいいし今はまだシャルロットの死に関しては伏せておいた方がいいな。
にしても聖魔剣か、俺はツインバスターソードとしてなら創れるが神器の禁手によって聖魔剣が誕生したとはね。そろそろ俺も行く所で、サーゼクスが俺の手を掴んだ。
「どうしたサーゼクス?」
「色々と聞きたい事はあるが、後日聞かせてもらうよ。また今度人間界本家に行かせてもらうよ、それと一枚でいいから報告書を頼んでいいかな?」
「ああいいだろう。おい見ろよ、リアスが祐斗に尻叩きしてるぞ。あれは爆笑だな」
俺は笑いながらティアの頭上に乗って、ゲートを開けて次元の狭間本家に戻った。その後、次元の狭間本家にいる奴らに嫉妬されてしまった。主に愛紗・華琳・朱里だが、何でも下界に行けてしかもアグニ達以外の相手をして、見事に倒してしまったのを見たとか。
それと祐斗が尻叩きをしている様子は、俺とサーゼクスが会話をしている最中だった。なのでそれも録音していて、映像にも残していたので家に帰った後にでも酒のつまみで見るかと思った。そんで見ると本当に面白い場面とされていた。そこは祐斗視点だったからか、自然と祐斗の考え事も丸分かりである。
『・・・・木場さん、また一緒に部活出来ますよね?』
アーシアさんが心配そうに訊いて来る。神の存在を否定され、心中はショックであるはずなのに彼女は僕の心配をしてくれた。本当に優しい女の子何だと思うが、一誠君はサーゼクス様と話しているようで聞こえてなさそうだった。大丈夫と答えようとしたら。
『祐斗』
僕を呼ぶ部長の声。部長は笑顔で僕を迎え入れてくれた。
『祐斗、よく帰ってきてくれたわ。それに禁手だ何て、私も誇れるわよ』
『・・・・部長、僕は・・・・部員の皆に・・・・。何よりも、一度命を救ってくれた貴女を裏切ってしまいました・・・・お詫びする言葉が見つかりません・・・・』
部長の手が僕の頬を撫でるが、部長は何かあると、必ずこうして慰めてくれたからだ。
『でも、貴方は帰ってきてくれた。もうそれだけで充分。彼らの想いを無駄にしてはダメよ』
『部長・・・・。僕はここに改めて誓います。僕、木場祐斗はリアス・グレモリーの眷属「騎士」として、貴女と仲間達を終生お守りします』
『うふふ。ありがとう・・・・まあ一誠のお陰で、貴方は憎悪が一切無くしたのも彼のお陰よ。お礼は私ではなく一誠に言いなさい、今はお兄様とお話しているから無理だけどね。さて、祐斗。勝手な事をした罰として、お尻千叩きね』
危険な音を立てて、部長の手が紅いオーラに包まれた事で僕は魔王様が見ている時にお尻を千回叩かれた。魔力付きだったから、普段の叩きよりもとてつもなく痛かったがやっと戻ってきた気がした。との事だったが、やはり録音録画しておいて正解だったか。
それと俺には、量産型聖剣エクスカリバーをくれと言われた。主に戦闘班にだが、創造神だから簡単に創れる。黒神眷属という事を名乗り忘れたが、充分披露したと思いながら人間界本家に愛紗・華琳・朱里と一緒に戻った後、自室で報告書を作成してから寝た。
次の日に、学校へ行くと破壊された体育館や校庭が破壊される前に戻っていた。恐らく悪魔側によって修復させたのだろう、俺だったら一瞬で修復出来る。学生達もいつも通り学校に通っていた所なのだが、昨日の出来事が無かった事となっていた。
数日後いつも通り学業を終わらせて、放課後の部室に顔出しをした俺とアーシアは驚いた。ソファに座っていたのは、緑のメッシュを入れた女子でるゼノヴィアが教会側の人間だったのが駒王学園の制服を着ていた。
「やあ兵藤」
俺は一瞬動揺したが、すぐに冷静になって考えたが見当がつかない。ゼノヴィアの背中から、黒い翼が生えたが悪魔の翼だな。と言う事は転生したのか?ゼノヴィアは、ふんと鼻息を付きながら言う。
「神がいないと知ったんでね、破れ被れで悪魔に転生した。リアス・グレモリーから『騎士』の駒を頂いた。デュランダルが凄いだけで、私はそこまで凄くなかったようだから駒一つ消費で済んだ。そしてこの学園に編入させてもらったから、今日から高校二年の同級生でオカルト研究部所属だそうだ。よろしくね一誠君♪」
「・・・・真顔で可愛い声出すな」
「イリナの真似をしたのだが、上手くいかないものだな」
「転生、ね。俺は出来ないから人間のままだが、急すぎるのではないのか。部長、貴重な駒をよかったのか?」
聖書に記されし神シャルロットが、不在=死亡している事をこいつらは昨日知った。俺だけ知っているが、前四大魔王と共に生存している事もな。
「まあ、デュランダル使いが眷属にいるのは頼もしいわ。これで祐斗と共に剣士の二翼が誕生したわね」
部長は楽しげに言っていたが、伝説の聖剣使いを眷属にするというのは悪魔にとっては心強い味方なのだろう。『レーティングゲーム』も相手は悪魔だし、これでグレモリー眷属は強化されたみたいだしな。そろそろこちらの眷属も、裏から表に出さないといけない。
「そう私はもう悪魔だ。後戻りは出来ない・・・・いや、これで良かったのだろうか?うぅむ、しかし神がいない以上、私の人生は破綻した訳だ。だが元敵の悪魔に降るというのはどうなのだろうか・・・・いくら相手が魔王の妹だからとて・・・・」
ゼノヴィアは思考の海に入ったのか、ぶつぶつと呟いて頭を抱え出した。アーシアみたいにダメージを受けるからな、今度ミカエルに頼んでみようか?イリナは、戦闘終了後の朝には回復していた。ゼノヴィアが、持っていた聖剣と合わせて五本のエクスカリバーとバルパーの遺体を持って本部に帰った。
統合したエクスカリバーを破壊したが、芯となっている『欠片』の状態で回収した訳だ。奪還任務は成功したが、芯があれば錬金術で鍛えて再び聖剣に出来る。だが同時にゼノヴィアは異分子になった、神の不在を述べたら何も言わなくなった。教会は異分子を異端を酷く嫌う。
例えゼノヴィアが、デュランダル使いでもすぐに切り捨てる事が出来る。アーシアと同じくだが、イリナはその場にいなかったから神不在も知らないまま帰国した。知ったら寝込む可能性が高い、彼女は信仰心が異常な程高い。
神がいないのなら、心の均衡はどうなっていたか。ゼノヴィアが、悪魔になった事をとても残念がっていた。何とも言えない別れだったらしい、次会ったら敵かもしれない。部員が全員揃ったので、部長が語り出す。
「教会は、今回の事で悪魔側・・・・つまり魔王に打診してきたそうよ・・・・。
『堕天使の動きが不透明で不誠実の為、遺憾ではあるが連絡を取り合いたい』
と。それとバルパーの件についても、過去逃した事に関して自分達にも非があると謝罪してきたわ」
あくまで遺憾だろう。基本的に敵同士だが、俺はどちらの味方でも無ければ属していない。
「しかし、この学び舎は恐ろしいな。ここには、魔王の妹がもう一名いるのだから」
ああ、セラフォルーの妹のソーナの事か。この学園は、サーゼクスとの援助して成り立ってるものだ。
「今回の事は、堕天使の総督アザゼルから神側と悪魔側に真相が伝わってきたわ。エクスカリバー強奪は、コカビエルの単独行為。他の幹部は知らない事だった。三すくみの均衡を崩そうと画策し、再び戦争を起こそうとした罪により『地獄の最下層』で永久冷凍の刑が執行されたそうよ」
これでアイツは、二度と外には出てこなくなった訳だ。というか戦争起こそうとしていた、じゃなくて起こしてたけどもう戦争狂は懲り懲りだぜ。
「最終的には、一誠が介入して収めたカタチになってるわ。赤龍帝と白龍皇が揃った時は流石に驚いたけど、宿命対決になりそうだったわね」
禁手化してなかったとはいえ、赤龍帝は俺。神々の頂点である創造神黒鐵ではなく、人間として介入したから問題なさそうだった。
「近い内に天使側の代表、悪魔側の代表、アザゼルが会談を開くらしいわ。何でもアザゼルから話したい事があるみたいだから。その時に、コカビエルの事を謝罪するかもしれない何て言われてるけど、一誠は何か知らない?」
「あの後サーゼクスに報告書を書いてから寝たが、そう言った事は聞いていないな。会談を開くから俺の力を貸してくれ、とサーゼクスに言われた」
三大勢力が集まる何て、あの戦争以来かもしれない。懐かしいが、俺は三大勢力の仲介役トップ、として出席する事になっている。
「私達もその場に招待されているわ。事件に関わってしまったから、そこで今回の報告をしなくてはいけないの」
部長の言葉に、俺以外の部員は驚いた。トップとの会談に招待されているから、緊張するだろう。
「それと一誠、お兄様から手紙を預かっているわ」
俺は手紙を読んだら、面白い事が書いてあったので苦笑した。手紙の中身は、三大勢力会談の出席に関してだったが俺と関羽・曹操・諸葛亮も出席してほしいと。それと一応ブラック・シャーク隊の手配を頼む、と書いてあった。確かにあの場には愛紗達もいたし、人間界本家に帰ったら聞いてみるか。
「一つ言っておく事がある。アザゼルは、神器コレクターでも有名な奴だ。アイツは、神滅具を持つ神器所有者を集めている。白い龍と言えば分かると思うが、白龍皇はグリゴリ幹部を含めた強者の中でも四番目か五番目に強いと聞いている。俺と同じく禁手化も出来るが、三大勢力トップの中でも年長者は俺であり最強の座も俺だ」
手紙をポケットにしまうと、ゼノヴィアの視線が俺からアーシアに移った。
「・・・・そうだな、アーシア・アルジェントに謝ろう。主がいないのならば、救いも愛も無かった訳だからね。すまなかった、アーシア・アルジェント。君の気が済むのなら、殴ってくれても構わない」
ゼノヴィアは頭を下げてくるが、日本風の謝罪だな。余り表情が変わらないから、どこまで本心は分からない。
「・・・・そんな、私はそのような事をするつもりはありません。ゼノヴィアさん。私は今の生活に満足してます。悪魔ですけど、大切なヒトに・・・・大切な方々に出会えたのですから。私はこの出会いと、今の環境だけで本当に幸せ何です」
聖母のような微笑でアーシアは彼女を許した。アーシアも元から優しいし、神の存在を否定されて一時的に精神の均衡が危なかった。
「・・・・クリスチャンで、神の不在を知ったのは私と君だけか。もう君を断罪する何て事は言えやしないな。異端視か。尊敬されるべき聖剣使いから、異端の徒。私を見る目の変わった彼らの態度は忘れられないよ」
その時、ゼノヴィアの瞳に少しだけ哀しみの影が映った気がした。
「では私はこれで失礼する。この学園に転校するに至って、まだまだ知らねばならない事が多すぎるからね」
ゼノヴィアは部屋を出ようとしたら笑顔でこう言った。
「今度、私に学校を案内してくれるかいアーシア?」
「はい!」
アーシアも笑顔で答える。まあゼノヴィアもいい子だから、友達にはなれると思う。
「我が聖剣デュランダルの名にかけて・・・・そちらの聖魔剣使いとも再び手合せしたいものだね」
「いいよ。今度は負けない」
祐斗も笑顔で返した。それを確認するとゼノヴィアは部室をあとにした。祐斗の全身から自信と共に何か力強いものを感じる。ようやく落ち着いたな、こいつは。部長が手を叩いて部活動も再開後、その日は久々に楽しい部活動になって談笑した。次の休みの日は、次元の狭間本家に戻るが悪魔眷属であるアイツらはリアスと朱乃を外して買い物やらボウリングを楽しんでいる様子だった。
匙も誘ったようだが、異性交遊禁止されているようだからか。グレモリー眷属とシトリー眷属とでは、相当ルールが違う様子であった。リアスと朱乃は、一緒にショッピングを楽しんでいたがそこには朱乃の母親である朱璃さんも同行しているらしいな。先程メールが届いたが、もちろん朱璃さんからで水着を物色中何だとね。俺と朱璃さんとの関係は長いから、俺の好みもある程度知っているからだ。
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