能力者たちが事件を起こしたり解決したりするようです
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第三話 壊れても直せばOK 直せる見立て無し
「じゃあ、お疲れ様でしたー」
そう言いながらドアを開け、警察署に向かって歩いて行く
「まさか新しいバイトの子があそこまでアホの子とは...もうやだ....なんだよ神崎セガって...」
そう、愚痴をこぼしながら進んでいると、後から急に肩を叩かれる
「なーぎー君!」
急に気配もなく呼び止められたので驚きを隠せきれず裏返った声を上げてしまう
背後にいたのはいつのまにか着いて来ていた成美だった
「なんだ、成美か...ビックリさせんな!!」
「あ、今声裏返ったよね?裏返ったでしょ?あはは、そんな声出すんだねー」
と一人でげらげら笑っている、笑われている事に苛立ちを禁じ得ない
「声が裏返るぐらいは許せ、頼む、お前に言われ続けたらキリがない」
「そんなズルズル引きずりゃしないよー?もう、人をなんだと思ってるの!!」
そういいながら頬を膨らませている、すると突然ポツポツと雨が降り始めた
そして、それと同時に進行方向から、まるで大きなビルなどが爆破解体され倒壊したような大きな音が響く
それを聞くと同時に神鳴樹と成美は同時に走り出す
「なぎ君...どういうことなのかな、嫌な予感がするんだけど」
と、いつもより深刻な顔をして訪ねてくる、らしくない
「きっとその嫌な予感は当たってるんだろうな、とりあえず急ぐぞ」
数十秒ほど走っていると発砲音が聞こえ出す、そしてまた十数秒ほど走り警察署が眼前まで近付いて来ると先程まで大量に聞こえていた発砲音が徐々に少なくなっていき、そして発泡音が消えてしまった、
「おいおい、どういう事だ...」
目の前には、入口の警備についていた2人の警備員が倒れていた、そしてその後ろにあった警察署は半壊しており一部原型をとどめている部分もあるが6割程度は倒壊している
「あらら~、これは大変だね、ぶっ壊れちゃってるじゃん」
と、成美は緊張感なく言う
「とりあえず中に入るぞ」
中に入りると、エントランスホールだった場所は天井が抜け、3階まで吹き抜けのようになってしまい、1階の床には瓦礫が積み重なっている、その上には横たわっている警官たちがいる
「まだ敵がいるかもしれない、成美、武器位は持っておけ」
と言いながら警官の持っていた拳銃と予備マガジンを投げ渡す
「うわ、最近の警察ってこんなもんまで使ってんの?」
手に取った拳銃をまじまじと眺めている、SOCOM mk23だ、
「よし、先に進むぞ」
そう言い手首の血液の硬化を解き血を刃にして用意する
瓦礫を退かし少しづつ進んでゆく、ある程度平らな場所に出る、すると少しだけ積み重なっている瓦礫の上に座っている人物がいた
背中には大きなゴルフバックを背負っている中には何やら刀剣の様な物が入っており柄の部分が外に出ている
「ん?誰だオメェら、さっきまではいなかったよな、新手かぁ?」
威嚇するようにこちらを睨みつけながら、こちらを見ている
「お前がやったのか?」
と、一応は聞いておく
「ああ、そうだよ、一応自己紹介はしとかねぇとなぁ、俺の名前は"武槌 雷命"、おめぇは?」
「俺は神鳴樹 星雅、警察のものだ、お前がこれをやったのか、じゃあお前は敵でいいんだな?」
「ああ、そうだよ、オメェが警察で俺を攻撃しようってんなら、敵だ」
言い終わると同時に先程まで黙っていた成美が銃を即座に相手に向かって撃ち牽制する
が、それも意味なく、あっさりと避ける
「よ、よけたよ?なにあれ、人間だよね?」
「お前は好きな様に動け、どうせ命令は聞かないだろ?」
と言いながら血の刃を構え相手に向かって行く
「2対1か、丁度いいハンデだ!」
大きいゴルフバックから刀剣を周りに撒き散らし床に落ちている1本だけを取る、あのゴルフバックにどのように入っていたか疑わしいほどの大量の刀剣がまき散らされている
「武御雷!!」
そう言うと、刀剣が光りを帯び、電気を纏っているのか小さく放電を起こしている
「行くぜオラァァァァ!!!」
雄叫び、大きく跳躍し、刀を振りかぶり、斬りかかる
それを咄嗟に右腕の刃で受け止める
腕に電流とともに激痛が走る、右腕の血管はズタズタになり、痙攣を起こしているが、辛うじて動く
「大丈夫、なぎ君?」
「ああ、問題ねーよ、すごく痛いが動かせる、まあ、ちゃんとお返ししねーとなぁ!!」
雷命にむかってすぐさま距離を詰め拳で武器を叩き落とす
それと同時に腹部に回し蹴りを入れる「ぐあっ」とうめき声を上げつつも床に大量に散らばっている刀を手に取り突きを繰り出す、それを紙一重で避ける電撃によって少し頬を火傷してしまう
そこへ成美が援護射撃をする、が床に散らばっている刀を足で蹴りあげ弾を受け止める
「やっぱり人間じゃないでしょ、人間業じゃないよ」
と、成美は驚愕し、銃を懐へしまう
「なぎくーん、僕はここで待ってるから、ひとりで頑張ってね、正直戦力外でーす」
「ああ、もしも俺に当たったら大惨事だからな」
「いやまあ、当たらないでしょ」
「余所見してる余裕あんのか!!」
成美と緊張感も無く話をしていると雷命は思い切りこちらに向かってダッシュし、斬り付けてくる
「おせぇよ」
と星雅はヒョイっと避けて雷命の後頭部に左肘を叩き込む
雷命はまたもやうめき声あげよろけるがギリギリ意識を保ち横薙ぎに刀を大振りする
それは星雅の制服を軽く傷つけるだけで、ダメージはほぼ無いと言える
(刀にさえ気をつければどうということは無いな)
ダメージが深いのか隙だらけになっている今なら銃も当たるだろう
が、そのまま接近し思い切り足を踏み付ける、そうして動きを止め、腹部に何度も拳を打ち込む
雷命は口から血を吐く
「ふぅ...終ったかな?」
「くそ....がああぁぁぁぁぁっ!!!」
そのまま前のめりに倒れ込む
「案外強かったな...痛たた...」
次の瞬間右腹部に強い衝撃と鋭い痛みが走る
痛みの原因の場所を反射的に見る、そこには僅かに電気を帯びた刀が突き刺さっている
「あ...れ...?」
そして雷命が倒れているはずの場所を見る、そこにはフラフラになった雷命が立っていたが、またすぐ倒れ伏す
「やっぱ、きっちり拘束しときゃ良かったな....」
後書き
ごめんなさい誤字や異能名を修正しました
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