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ソードアート・オンラインーもしもあの時、サチが死ななかったらー

作者:Bloo-D
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ALO Ⅰ
帰還
  第42話

 
前書き
新生ALOログイン後の世界。 

 
新生ALO。SAO事件で運営中止となったが、運営会社が変わった事で、無事復活。そして、その新生ALO中心部の街、ユグドラシルシティ。多くのプレイヤーで賑い、活気に満ち溢れている。プレイヤー達は雑談したり攻略の件を話したりと楽しそうに見える。ただ一組を覗いて…、

『キ〜リ〜ト♪』
キリト『……。』
そのユグドラシルシティの一角にあるエギルの店。そこでキリトは紫を基調とする服装の女性プレイヤーにイチャつかれていた。この時のキリトは不愉快そうな表情を浮かべている。
この女性。左の頬には絆創膏,肩にはパトランプらしき物が付けられ、胸は直葉、否、リーファ並に豊満な胸とグラマラスで且つスタイル抜群。
このぐらいの説明で大体解るかもしれませんが、この女性の名はストレア。プレイヤーと言いましたが、正体はユイと同様に《メンタルヘルス・カウンセリングプログラム》の2号機、つまりはユイと同類のAIで、ユイの妹と言う事になる。

何故AIたるストレアがこんな所にいるのか、時系列はキリト、否、和人が新生ALOにログインする辺りまで遡る。
ALOでは、プレイする前に、新規参入者は種族を決める事がお約束となっている。
和人が選んだ種族は《スプリガン》。
全ての操作を終えて和人が新生ALOにログインし、アイテム覧を確認すると、<MHCP01>,<MHCP02>と表記されたアイテムが存在していた。

キリトが<MHCP01>をオブジェクト化した所、ユイが姿を現した。ユイの話によると、ユイは新生ALOの世界では、《ピクシー》又はSAOの時のような姿で居られ、キリト達を情報面で支援する事が可能との事。
もう一方の<MHCP02>をオブジェクト化すると…、
ストレア『キリト〜♪』
ストレアが出て来て、直後にキリトに抱き付いた。
その際キリトは、ユイから浮気疑惑を掛けられたが、それを遮るかのように、キリト宛のメッセージが表示された。
内容はこんな物であった。
「キリト君、新しくバーチャルMMOを始めた暁に、SAOデータの消去から生き延びたMHCPの第2号機を君に託そう。
追記:彼女はキリト君のナーヴギアに強制的に保存して貰ったから、消去出来ない事を良く理解して欲しい。
あともう一つ、彼女はキリト君に夢中だから、そのつもりで。
茅場 明彦より。」
このメッセージを見たキリトは、茅場 明彦から厄介物をつかまされた事に不満を抱いたとか……

まぁ話を今に戻して…、
『『『『『……。』』』』』
フィリアを含む女性陣は、ストレアとイチャつくキリトを見て嫉妬の炎を立ち込めさせていた。
因みにリーファとは、直葉のアバター名で、ユイはピクシーの姿でいた。みんなロスト・ソング時と同じ格好。
サチはオリジナル設定で、種族はレプラコーン。
アルゴ『キー坊がサチ以外の女とイチャイチャするとは、これは高く売れそうだな。ふっふっふっふっ……。』
そこには何故か、ケットシー姿のアルゴもいた。しかもアルゴ、キリトとストレアのスキャンダルで大儲けを狙っていた。

クライン『クゥ〜、キリトの奴。あんな可愛い女の子とイチャイチャするなんて…羨ましい。』
一方のクライン。ストレアとイチャつくキリトを羨ましがっていた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

それから数時間後の夜。場所はケットシー領の首都、フリーリアの上空。

そこにリーファの姿があった。しかもリーファ、かなりのスピードを出して飛んでいる。そして今度は、空高く飛んで行く。高度は段々高くなり、月が目の前まで見えてくる。すると、リーファの眼前に赤いシステムタグが表示された。限界高度を告げるタグである。するとリーファはどんどん降下して行く。
リーファ『……。』
この時のリーファは、何か諦めたような表情を浮かべていた。
リーファが雲に突入しようとした時…、
≪ビュンッ‼︎≫
風が吹いたと思うと、キリトがリーファを抱えていた。
キリト『どこまでも上って行くから心配したぞ、リーファ。』
リーファ『お兄ちゃん。』
キリト『もうじき時間だぞ。』
リーファ『そう…ありがとう。』
キリトが姿を現したのは、リーファを心配しての事だった。キリトにお礼を言ったリーファは、キリトと少し距離を置いた。
リーファ『ねぇお兄ちゃん。みんなSAOのアバターが使える様になったって言うのに、なんでお兄ちゃんだけは新規でアバターを作ったの?』
キリト『答えは簡単だよ。あっちのキリトの役目は終わったのさ。』
リーファ『そっか。』
リーファは、今まで気になっていた事をキリトに聞いた。
新生ALOになってから、SAOのアバターも使用可能になったので、サチやクラインを始めとするSAO帰還者は皆SAOのアバターを使ってはいるが、キリトに限っては新規でアバターを作製した。
それについて、リーファはずっと気になっていた。その問いキリトは、向こうのキリトの役目は終わったと答えた。それを聞いたリーファは頷いた。

それから暫し間が空き…、
リーファ『ねぇお兄ちゃん、踊ろ。』
キリト『えっ?』
リーファ『簡単だよ。ホバリングしながら、ゆっくり横移動するの。』
キリト『えっと、こうか?』
リーファから踊ろうと言われたキリトは驚いた。リーファはやり方を教えて、キリトはリーファと手を繋ぎながらやってみる。するとキリト、のみ込みが早いのかすぐに出来た。
リーファ『そうそう、上手い上手い。』
リーファはそう言うと、懐から小瓶を取り出した。
≪ぱかッ、パアァアア〜〜‼︎≫
小瓶の蓋を開けると、小瓶の中から淡い光が漂い出すと同時に、バイオリンとハープを基調とするオーケストラが流れ始めた。
キリトとリーファは、その曲に合わせて踊り出した。その姿はペアでフィギュアスケートをするプロの選手に見える。およそ5,6分くらいになる踊りを終えた後、リーファはキリトと手を離した。

キリト『スグ?』
リーファ『……。』
キリトがリーファの顔を伺うと、リーファの目には涙が溢れていた。
リーファ『私、ここで帰るね。』
キリト『どうして?折角、ここまで来たのに。』
リーファ『だって、遠過ぎるよ。皆の所まで。』
キリト『‼︎』
リーファの突然の言葉に、キリトは驚いてリーファに尋ねた。一方のリーファの言葉に、キリトは驚いた。先程、リーファが諦めたような表情を浮かべていたのは、自分とキリト達までの所が遠過ぎたからだったのだ。
キリト『そんな事は無いぞ、スグ。行こうと思えば行けるさ‼︎』
リーファ『えっ、チョット⁉︎』
そう言ったキリトは、リーファの手を掴んで上昇し始めた。戸惑うリーファをそっちのけにキリトはどんどん上昇し、あっという間に、リーファの限界高度を突破した。
リーファ『わっとと‼︎。』
キリト『≪ガシッ‼︎≫』
それからしばらく上昇した所で、キリトは止まり、止まり切れなかったリーファを抱き締めて止めた。

キリト『さぁ、そろそろ来るぞ。』
リーファ『えっ?』
キリト『≪ピッ≫』
リーファ『……。』
そこで止まった直後、キリトはリーファに告げた。
言われたリーファは何の事かサッパリ解らなかったが、キリトが空に向けて指を指したので、その方向に見入る。
リーファ『えっ?』
すると、空から巨大な構造物が降り立って来た。
リーファはその姿に憶えがあった。
≪パアッ≫
構造物が日の出の如く輝いたと思ったら、2人の目の前に【浮遊城アインクラッド】が姿を現した。
リーファは【浮遊城アインクラッド】に関しては、茅場 晶彦のデスゲーム宣言直後に流されたニュースで見ていたので、今でもその姿は忘れていない。
リーファ『なんで…今更?』
キリト『決着をつけるのさ。今度こそは絶対に、第100層まで攻略して、アインクラッドを征服する。リーファ、俺、新規でアバター作ったから弱くなったから、手伝ってくれるよな?』
リーファ『うん、私行くよ。私は、お兄ちゃんと妹なんだから。』
リーファは突然の事に驚いた。アインクラッドはキリトの頼みで、シンカー達がどうにかしてくれたのだ。最後に、キリトの手伝って欲しいの言葉にリーファは嬉しくなり、涙ながらに答えた。

その直後…、
クライン『おーい、キリト〜‼︎』
遠くから、クラインの声がした。2人が後ろを向くと、クラインだけでなく、サチやアスナ達を含めたSAO生還者、それだけでなく、新生ALOの各種族のプレイヤーが沢山いた。
クライン『グズグズしてると置いてくぞ‼︎』
エギル『お先‼︎』
シリカ『キリトさん‼︎』
リズベット『ほら早く‼︎』
クライン達が2人の側を通り過ぎる中、アスナとサチが2人の側で立ち止まった。
傍らには、ストレアとピクシー姿のユイがいる。
アスナ『さぁ。』
サチ『行こう。キリト、リーファちゃん。』
ユイ『パパ、早く。』
ストレア『レッツゴー♪』
アスナはリーファの手を掴み、サチはキリトの手を掴んで言った。
ユイはキリトの肩に止まり、ストレアはキリトのもう一方の手を掴んだ。
キリト『よし、行こう‼︎』
キリトは、サチ達に先導されながらアインクラッドに向かって行った。 
 

 
後書き
今回はここまでにします。次回作は、新生ALOにおけるサチ一式。公開は早ければ今日じゅうに公開の予定で行きます。 
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